ウェブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
いつもフェラーリ 328 GTB メンテナンス御依頼有り難う御座います。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
今回もご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
フェラーリ 328 GTB チェック開始準備の為リフトセクションへと…
ボディープロテクターの装着。
チェック開始です。
328の心臓部は、3,2ℓ 90度 V8DOHC 32バルブ TipoF105Cユニット。
圧縮比 9.8:1 最大出力 270PS/7,000rpm、最大トルク31.0kg·m/5,500rpmを発揮。
328のTipoF105Cユニットは、前期 後期 また、仕様によって排気量の変更 圧縮比の変更 カムフィールの変更。
それに伴い最大出力の違いもあります。
インジェクションも年代で3種類。
前期のインジェクションシステムは、ボッシュ製 Kジェトロ。
後期のインジェクションシステムは、ボッシュ製 KAジェトロ。
最後期には、ボッシュ製 KEジェトロのインジェクションシステムも存在します。
K KA KE ジェトロ。
フラップが噴射量を制御するシステム。
全ての気筒に連続的に燃料噴射を行います。
システムに異常が無くても、セットアップで性能が大きく変わります。
機械的作動部分が多いので、経年劣化などでセッティングが変化するので、定期的な基本セットアップが性能を保ちます。
K KA KE ジェトロは、経年劣化や長期放置による不具合の発生は少ないですが、要件によりエンジンの初期性能が発揮できなくなっている車両が非常に多いです。
また、エレクトロニクス関連も全てチェック。
TipoF105C型 エンジンまた、 K KA KE ジェトロの構造や基本原理また、マレリ製マイクロプレックスを熟知したエンジニアが、各項目、全て個別にチェックします。
フェラーリ 328 車両全体の詳細なチェックを行います。
年数的、指定交換パーツ。
走行距離的、指定交換パーツ。
フェラーリ 328の傾向的不具合発生ポイントのチェック。
また車両のコンディションを整える為の独自のチェックへと。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの一部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解が、ある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返し車輌より受ける衝撃や、常に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。
指定交換に列記されているパーツでも必ず交換しないといけない訳ではありません。
素材や構造を知り尽くしたエンジニアが、的確にチェックし判断します。
328は、鋼管チューブラーのメインフレームで構成され、前後にサブフレームを接合させたモデル。
走行中の応力負担も、フレームだけでなくボディパネルにも依存する設計です。
328では、2種類のフレームが存在します。
2種類のフレームの違いから、基本アライメント等、色々な違いがあります。
フェラーリ 328 メカニカルチェックを行っていきます。
車両はさまざまなパーツや機構で構成されていますね。
メカニカルまた、エレクトロニクス ボディー構成などなど…
書ききれない複雑な機構を組み合わせ1台の車両として構築されています。
車両毎に傾向的不具合も存在し、指定交換が促されているパーツも存在します。
車両の使用状況や用途、保管状態で車両のコンディションは千差万別です。
また、これまで車両がどの様な考え方でチェックされてきていたか、どのような工法でリペア&メンテナンスを受けてきたか?
壊れた箇所のリペアだけではなく、車両のコンディションを整えていくというメンテナンスが的確に行われてきた車両か否か?
色々な状況で、リペア、メンテナンスポイントが違ってきます。
状況によってパーツ寿命が長くもなりまた、短くもなります。
今回も、1から独自の思想、理念また目線で、的確なチェックを行います。
エンジンからのオイル漏れ。
通常目にする事の無い部分に不具合が発生している場合が多いのは事実です。
オーナーが分からないうちに不具合が進行し、他のパーツに悪影響を及ぼしてしまっている場合が多々あります。
定期チェックで早期に発見し、確実な整備を行うことで多大なダメージを回避することが可能です。
タイミングベルトケース内部からのオイル漏れ。
タイミングベルトの指定交換時期は、モデルに関わらず手厚く保管されている車両でも、3年もしくは2万キロどちらか先に達した時点での交換が必要です。
(たとえば3年で0kmの走行でも交換。また6ヶ月で2万キロの走行でもその時点で交換が必要)
しかし指定交換時期に達していない場合でも、タイミングベルトケース内部からオイル漏れが発生した場合、早期の整備が必要です。
漏れ出したオイルがタイミングベルトに付着し、ベルト本来の強度が奪われバルブクラッシュを引き起こします。
漏れ出したオイルが、エキゾーストマニホールドにも付着。
ガソリンは引火性が強く、オイルは着火性が強い油脂です。
オイル漏れやグリス漏れはエキゾーストマニホールド等、高温な箇所に付着すると発火します。
車両火災に至り人命に関わる非常に危険なポイントです。
早期の対応が必要です。
ブレーキオイルの漏れ。
クリーンなアンダーカウルに、漏れ出したブレーキオイルが溜まっている状態。
車両の運動を究極的に表現すれば、「走る、曲がる、止まる」ですね。
つまり、①加速、②コーナリング、③制動の3要素が、クルマの運動性能を示しています。
一般的に「走る」ばかりに関心がいきますが、いくら速く走ってもブレーキシステムに不安要素があれば安心して走らせることができませんね。
実は何よりも重要な性能は「止まる」ことにあると言えるでしょう。
フレームがブレーキオイルに侵食され錆びだしてきています。
侵食から腐食になる前に整備&メンテナンスが必要です。
何より命に関わるブレーキシステムの不具合ですので要整備箇所です。
以前、整備させて頂いた箇所も再度チェック。
私たちは前回整備させて頂いた箇所を次のご入庫時に必ずトータルチェックや、トルクチェックなどを行っています。
最低でも1年に1度の的確な定期点検で、各部のコンディションのチェックを行う事が大切ですね。
そうする事で車両の状態を把握でき、コンディションを整える事が可能です。
非常に重要なことですね。
車両全体を項目毎にチェックし、問題の所在を的確にピックアップします。
また、コンディションをより良き方向に整えるポイントもピックアップ。
全てのチェック終了後、客観的ではなく主観的に見た、車両を向上させる為のメンテナンスメニューを組み立てます。
全てのチェックが終了したフェラーリ 328 GTB。
確実に現状の車両の状態を把握し切らせて頂きました。
現状の車両の状態を分かり易くまとめ御連絡させて頂きます。
お打ち合わせさせて頂き決定しました今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
フェラーリ 328 GTB 整備&メンテナンス開始準備の為、クリーンなリフトセクションへと…
リフトUP。
ボデープロテクターの装着。
エンジンオイルの漏れ整備、またタイミングベルト交換工程からメンテナンス開始です。
丁寧な分解工程が進みます。
オイル漏れを起こしているクランク フロントオイルシールのリペア&メンテナンス工程へと進みます。
オイルシールの経年劣化でオイルの漏れが発生している状態です。
漏れ出したオイルが、エキゾーストマニホールドやオイルパンまで伝ってきています。
オイル漏れ発生個所の中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的なガスケットや、ラバー素材パーツ。
ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、ある程度の年数で亀裂や溶解が起こります。
また特にエンジンやミッション関連パーツは、熱による弾性不良また、回転部分の磨耗(エンジンを長期間始動しない車輌は、形成変化を起こします。)などもオイル漏れを発生させてしまいます。
また、構成金属パーツ類では、金属を構成する個々の原子そのものが膨張して、格子間隔が大きくなりその為、弾性変形を生じパーツ接合面に歪が発生し、オイル漏れを発生させている場合も多々見受けられます。
オイルシールを専用工具を使用し丁寧に分解。
分解後の取り付け部分、現状の画像です。
エンジンは、熱膨張と冷間時の収縮の連鎖が常に繰り返されます。
数年経過すると、エンジンとオイルシール間の装着面に誤差も発生してきます。
まずクリーニングアップを行い、クリーンな状態からその誤差を修正し、基本精度を回復させます。
オイルシール装着部分のチェック&メンテナンス完了です。
項目毎に回転部分、接合部分、軸受けetc.のメンテナンスを実施。
接合する面を綿密に整え、基本精度を回復させます。
一見すると地味な改良だと思われるでしょうが、こうした細部の精度追求の技術こそ、エンジン精度の向上と確実なクオリティーを得るには必要不可欠な事なんです。
緻密なメンテナンスを行った装着部分に、ニューパーツを組み込みました。
これら一連の工程を行うことで、オイルシールの対応年数まで不具合が発生することはありません。
一連の作業過程は、ナカムラエンジニアリングが行う整備の特徴の1つです。
タイミングベルト交換工程へと進みます。
タイミングベルトを分解。
クリーニングアップ及びメンテナンス後のカムシャフトまた、クランクギヤの画像です。
内部の汚れを細部まで除去。
これでタイミングベルトを攻撃する脅威もなくなり、確実なバルブタイミングのセットアップが可能になりました。
1つ1つのパーツを確実にリセットします。
通常見えないポイントまでクリーニングアップ及びメンテナンスを行い、動力性能また美しさも追求します。
画像左がクランクオイルシールより漏れ出したオイルが付着したタイミングベルト。
画像右がニューパーツです。
タイミングベルトの指定交換時期は、モデルに関わらず手厚く保管されている車両でも3年 (3年で0kmの走行でも交換が必要)
また3年経過しなくても、前回の交換から2万キロ走行した場合です。
どちらか先に達した時点での交換が必要です。
ただし、今回のようなオイル漏れ等が発生している場合、早急な整備とタイミングベルトの交換が必要です。
タイミングベルトニューパーツの画像です。
私たちは、純正の新品であっても長期に在庫されていたタイミングベルトは使用しません。
また、低価格のOEMパーツも使用しません。
私たちは、パーツ管理が行き届いた純正のタイミングベルトのみ使用します。
タイミングベルトをエンジンに組み込みました。
トルクレンチで最終ロックします。
トルクレンチを使用する事により、規定トルクによる締め付け管理が確実に行えます。
通常のレンチでは、締め付け不足による緩みや、締め過ぎによる破損、あるいは締め付けの個人差によるばらつきが発生します。
私たちは規定トルクでシッカリとしたトルク管理を行う為、全てトルクレンチを使用し各部を組み込みます。
ボルトやナットの締め付けトルクは材質や処理の方法また、長さ等々でISO規格が設けられているほど重要なポイントなんです。
全ての下準備が整ったエンジンにタイミングベルト及び構成パーツを組み込み。
動力性能と美しさを追求したメンテナンスを行います。
担当メカニックが気持ちを込めて丁寧に仕上げます。
お客様が見えない所に企業の責任があると私たちは考えます。
タイミングベルト交換に伴い分解したタイミングベルトカバー。
単品からメンテナンス&クリーニングアップしていきます。
クランクオイルシールより漏れ出していたオイルが、タイミングベルトの駆動と同じ形状で随所に付着しています。
ニューパーツのタイミングベルトに付着しない様、クリーニングアップを行っていきます。
メンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
再使用パーツを独自のクオリティーで1つ1つクリーンに仕上げます。
チョットひと手間かけ仕上げたクランクプーリーの画像です。
1つ1つのパーツを仕上げ組み上げる事で、高精度かつ美しく仕上がります。
このプロセスが、ナカムラエンジニアリングが行う整備工程なんです。
仕上げたパーツを組み込み後の画像です。
エンジンが美しく仕上がってきましたね。
アイドラプーリーのオーバーホール工程へと進みます。
取り外したアイドラプーリー現状の画像です。
オーバーホール後のアイドラプーリーの画像です。
機能性だけではなく美しさまで回復させるオーバーホールを行います。
構成パーツのブラケットに至ってもクリーニングアップ。
アイドラプーリーオーバーホール完了です。
1つ1つ精度や美しさを回復したパーツを組み込みました。
単にタイミングベルトだけ交換するのではなく、丹念に情熱を注ぎ込んで仕上げていきます。
普段は見えないところまで機能性と美しさを追求したメンテナンスを行います。
各部のクリーニングアップや、精度を取り戻すメンテナンス等、特別な費用は必要ありません。
ナカムラエンジニアリングが行わせて頂くタイミングベルト交換工程だからなんです。
常に質の高いサービスに努めています。
ブレーキオイル漏れの整備工程へと進みます。
漏れ出したブレーキオイルで構成パーツやフレームが浸食されている状態です。
ブレーキオイルは、通常ポリエチレングリコールモノエーテルが主成分です。
成分上、塗装等に付着すると塗膜を侵食し続けます。
これらの場合シャシー塗装の浸食が進み赤錆を発生させている状態です。
錆は、金属の表面の不安定な金属原子が、環境中の酸素や水分などと腐食をおこし、生成される腐食物です。
錆には、鉄の赤錆・黒錆、銅の緑青、アルミニウムの白錆などがありますね。
この状態は、赤錆と呼ばれる錆です。
鉄錆は、水の存在下での鉄の自然酸化によって生じる凝集膜です。
通常の赤錆には下地の保護作用はなく、腐食はいつまでも進行してしまう腐食生物です。
ブレーキオイル漏れ整備と同時に赤錆を完全に除去するメンテナンスも行っていきます。
ブレーキオイルの漏れを発生させていたデリバリーホース。
使用許容範囲を超過し劣化している状態です。
【ラバーホース劣化の豆知識】
ホースの素材にもよりますが、ホースの劣化は下記が代表的な要因になります。
外部因子作用による劣化
熱による劣化(熱酸化劣化)
光による劣化(光酸化劣化)
オゾンによる劣化
残留塩素による劣化
金属イオンによる劣化
溶剤膨潤による劣化
大きく分別しましたが、個々の劣化にはさまざまな要因があります。
このような知識も、トラブルシューティングを的確に行うには非常に重要なことですね。
今回使用するホースは、私たちが厳選した最新の素材を使用したパーツです。
車両の価値観を考慮し、オリジナル同様の編み込み加工されたホース。
見た目にはオリジナル同様ですが、内部のホースまた外部の編み込み素材は最新の素材で構成されています。
ニューパーツ装着前に構成パーツやフレームの赤錆を完全に除去後の画像です。
単にホース交換するだけではなく、オイル漏れによりダメージを負った箇所をメンテナンスしニューパーツを組み込みます。
ニューパーツ組み込み後の画像です。
クランプ角度の均一性にもこだわり組み込みます。
この一連の工程が、ナカムラエンジニアリングが行う整備の特徴です。
油脂類の交換工程へと進みます。
潤滑系のオイル交換の目安として、使用期間また、使用許容限度が設定されています。
使用期間また、使用許容限度を1度でも超えたオイルは、本来の性能を発揮できずメカニカルを痛めてしまいます。
また、車両ポテンシャルに十二分に対応できるオイルをチョイスするノウハウも重要です。
私たちは、添加されている成分内容や粘度など、車両のモデル・使用する部位に適した厳選したオイルを使用し、より一層車両をベストなコンディションへと導きます。
オイルの管理は非常に大切なポイントですね。
私たちが厳選したフェラーリ 328に推奨するエンジンオイルを使用します。
ドレンボルトをスッキリ クリーニングアップ。
一度締め付けたガスケットの再使用は行いません。
クリーンな状態から規定トルクでロックします。
オイルフィルターの交換工程へと。
フェラーリ専用工具を使用し交換します。
専用工具を使用する事で狭い箇所でも無理なく交換する事が可能です。
オイルフィルターを取外し、フィルター取り付けフランジ内部のクリーニングアップを行います。
クリーニングアップ後の画像です。
スッキリ気持ちよいものですね。
クリーンな状態からオイルフィルターを規定トルクで組み付けていきます。
周辺部分もスッキリ クリーニングアップ。
オイルフィルター交換完了です。
【オイルフィルターの豆知識】
エンジンオイルにはエンジン内部を清浄に保つ為にオイル中の汚れやゴミを取り込むオイルフィルターがありますね。
オイルフィルターがあると、エンジンオイルがそこを通過することにより、オイル内に取り込まれていた金属粉やスラッジ(ホコリや燃焼カスなどの不純物)が濾し取られます。
特に金属粉は、放置すると研磨剤と同様の効果をエンジン内に及ぼしてエンジン損傷の原因になる為、その除去は重要です。
オイルフィルターのろ過能力は上げ過ぎると油圧上昇や目詰まりなどの不具合を引き起こす可能性がある為にその性能はある一定のところで抑えられています。
その為オイルフィルターですべての金属粉やスラッジ等が除去できる訳ではないんです。
また、オイルフィルターの能力が低下し目詰まりを起こした場合を想定してバイパス機構を備えています。
フィルターが目詰まりしてエンジン内各所にオイルが供給できなくなると、エンジンが焼き付く原因となるからです。
ただしこの機構はあくまで非常用であり、的確なスパンでの交換が必要です。
1つ1つのパーツや組込みには、全てに裏付ける意味があるんです。
ブレーキオイルの交換工程へと。
使用許容期限に近付いたブレーキオイルの画像です。
ブレーキオイル交換前にリザーバタンク内部また、アウターケースのクリーニングアップを行っていきます。
リザーバタンク内部また、アウターケースをスッキリ クリーニングアップしました。
クリーンな状態からブレーキオイルの交換をしていきます。
ブレーキオイルに至っても、私たちが厳選したフェラーリ 328のブレーキシステムに推奨するオイルを使用します。
ブレーキオイル。
ブレーキオイルの交換時期は、オイルの色などでも簡単な判断はできますが、交換基準はあくまで使用期間、水分吸収量、劣化で判断します。
サーキット走行後は、ブレーキに与える熱量が非常に大きい為、熱によるブレーキオイルの膨張などが繰り返され劣化が急激に進みます。
ブレーキオイルは吸湿性が高く、大気中の水分を吸収する為、期間の経過と共にブレーキオイル内の水分量が多くなり、沸点が下がってしまいます。
そのまま使用し続けると、ハードブレーキを繰り返したときにブレーキオイルが沸騰し気泡が発生し、踏力によって発生した圧力は、気泡を圧縮するだけで制動力を発生させることができず、ブレーキが効かなくなります。
これをペーパーロック現象と言い、大変危険な現象の一つです。
ハードブレーキはしないから…と思うオーナーも多いでしょうが、これだけでは無く色々な不具合を発生させます。
ブレーキオイルの水分吸収量が多くなると、キャリパーピストンに錆が発生し、ピストン固着やブレーキの引きずり、片効き等々を引き起こします。
通常のストリートでの使用、また乗らなくても1年毎の交換が必要です。
新油はこのように透明なブレーキオイル。
全てのオイル交換と同時に、周辺部分もスッキリ クリーニングアップ。
気持ちよいものですね。
他の油脂類も存在しますが、全てのメンテナンスをご依頼頂いているフェラーリ 328。
全てデータ管理をさせて頂いています。
他の油脂類は前回のチェック時に交換していますので、今回交換の必要はありません。
この一連の工程が、ナカムラエンジニアリングが行うオイル交換の流れです。
ラジエターキャップの交換。
【ラジエータキャップの豆知識】
ラジエータキャップは加圧弁、負圧弁、水漏れ防止パッキンで構成されているパーツです。
加圧弁には、設定圧力まで開かないようなバネ定数を持ったバネが付いています。
冷却水の過熱と共に、膨張による圧力を一定まで逃がさず、加圧圧力を保ち放熱効率を上げるのが、ラジエータキャップの一番大切な役割です。
また、冷却水路の圧力を正常化すると共に、空気の混入を防ぐラジエータキャップ。
ラジエータキャップが破損した場合、加圧圧力が低下しエンジン冷却水の沸点温度が下がり、100℃近くで沸騰させオーバーヒートをまねきます。
100℃ではエンジンに大きなダメージを与えるようなオーバーヒートではありませんが、冷却水が吹き返して減少することによってオーバーヒートに発展し、エンジンに致命的なダメージを与えます。
小さなパーツですが非常に大きな役割を担っているラジエターキャップ。
フロントフェンダー内部の画像です。
サスペンションシステム ステアリングシステム等のメンテナンス&クリーニングアップを行います。
定期的な、足回り&車両全体のトルク管理が必要です。
今回も、各部の調整と同時に締め付けトルクのチェックまた、サスペンションシステムも本来のパフォーマンスを発揮出来るようメンテナンスを行います。
常にメンテナンスをご依頼頂いているフェラーリ 328。
非常にクリーンな状態が保たれています。
今回もメンテナンス&クリーニングアップを行いコンディションを整えます。
リヤフェンダー内部の画像です。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
メンテナンス&クリーニングアップ後のフロントフェンダー内部の画像です。
サスペンションシステム ステアリングシステムも、本来のパフォーマンスを発揮出来るようメンテナンス完了。
ダストや砂などをクリーニングアップする事により、本来の機能がよりリアルになると共に、クリーンな状態を取り戻しました。
今回も、きめ細やかなメンテナンス&クリーニングアップを随所に施しました。
リヤフェンダー内部のメンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
メンテナンスで運動性能を、クリーニングアップで美しさを両立させます。
各部のクリーニングアップやメンテナンス等、特別な費用は必要ありません。
ナカムラエンジニアリングが行う整備過程の1つだからです。
整備に伴い取外したホイールのクリーニングアップ&メンテナンスを行います。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
4輪全てクリーニングアップ&メンテナンスを行っていきます。
ホイール クリーニングアップ&メンテナンス終了しました。
プロのレースチームでもホイールの磨きは重要な仕事の1つです。
タイヤの状態やホイールの変形、キズやキレツ、そしてホイールナットの座面などもチェックします。
ワークスチームでも、メカニックの重要な仕事のひとつなんです。
整備に伴い脱着したパーツ1つ1つを独自のクオリティーで仕上げます。
フェラーリ 328 車両底、フロア部分シャシー クリーニングアップ及びメンテナンス後の画像です。
クリーンな状態から各部のセットアップを行い、パフォーマンスのバージョンアップを図ります。
運動性能と機能美を追求するメンテナンスを行います。
全ての整備&メンテナンス完了のフェラーリ 328 GTB。
最終チェック&セットアップをエンジンアナライザーで行っていきます。
TipoF105C型エンジンの基本原理やマイクロプレックス構造を熟知したエンジニアがセットアップします。
また、独自のセットアップを施しフェラーリ 328 GTBのポテンシャルを余す事無く引き出します。
最終の詰めの作業。
このプロセスが重要なんです。
ナカムラエンジニアリングでは車検完成に伴う全ての機器を完備しています。
車検に必要な全ての項目のチェックを行います。
項目については。
同一性の確認
車検証や各種申請書類の記載内容が、車両のナンバーや車台番号と同一であるかを確認します。
外回り点検
ヘッドライトをスモールから全光に点灯させ、ハイビームからロービームに切り替え、ウインカーを左右点灯させて点検します。
前方部分から点検していき、ホイールナットの緩み、テールランプ、ブレーキランプ、バックランプ、ハザードランプと後方に向かって点検していきます。
最後にワイパー、クラクションの動作点検、ホーンマークやコーションラベル、発炎筒の有効期限を確認します。
サイドスリップ検査
サイドスリップ検査とは、前輪タイヤの横滑り量を測定していくものです。横滑り量はホイール・アラメントに関わる項目になり、しっかり調整する事でタイヤの片減り防止や直進安定性に繋がります。
スピードメーター検査
スピードメーター検査では、実際の速度とスピードメーターが表示する速度との誤差が基準値の範囲内であるかを測定していきます。
ヘッドライトの照度と光軸の測定
ライトの光の方向を決めるヘッドライトの光軸は対向車に危険を及ぼす可能性があるため、特に厳しい基準範囲があります。また、光の方向だけではなく光量も測定の対象です。
前後ブレーキ・パーキングブレーキ検査
ブレーキの検査は、車検の中でも大事な点検項目のひとつです。前後ブレーキとパーキングブレーキがしっかり効いているか、正常に動作しているかを確認します。
排気ガス検査
排気ガス検査では、アイドリングの状態にして一酸化炭素と炭化水素の濃度が基準値を超えていないかどうかを検査していきます。
下回り検査
下回り検査では、オイル漏れやボルトの緩み、歪み、破損などの状態をチェックしていきます。
独自のセットアップも終了。
最終クリーニングアップ実施後のフェラーリ 328 GTBのエンジン及びエンジンルーム。
1つ1つ独自のクオリティーで仕上げたパーツを組み込んだエンジンは、非常に綺麗ですね。
ご入庫時のエンジンと比べると、機能性は当然のこと、見た目にも非常に綺麗に仕上がりました。
ナカムラエンジニアリングでは、このような整備を行わせて頂いております。
各部のクリーニングアップや、精度を取り戻すメンテナンス等、特別な費用は必要ありません。
私たちのごく通常のメンテナンス工程の一貫だからです。
これら全てのメンテナンスや精度の追求、またクリーニングアップやセットアップ工程は、ナカムラエンジニアリングが行う整備の特徴の1つでも有ります。
エクステリア、インテリアの最終仕上げも、メンテナンス同様こだわります。
全ての整備&メンテナンス 終了のフェラーリ 328 GTB。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の一部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全てのリペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影しています。
詳細な写真 351枚(DVD-R 1枚に落としてあります)及び、今回のメンテナンス内容また、今後のメンテナンスメニューも分かり易く作成していますので、車両と一緒にお渡しします。
いつもメンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。
コックピットに乗り込み、エンジンをかける。
ステアリングを握り、アクセルを踏む。
自分とクルマがひとつになり、自由になっていく。
クルマとは本来、自分を解放するものであり、自己表現であり、生き方そのものだと思う。
人生とクルマの本当の楽しみ方を知る大人のために…
私たちはすべての要素を高次元で考えます。
今後も、車両全体のコンディションを把握させて頂きながら良きパートナーとして、共に車両を向上させて頂ければと思います。