今日は工場で作業が進んでいるフェラーリテスタロッサのクラッチについて少し書いてみようと思います。
クラッチ交換、よく耳にする作業内容だと思います。
クラッチハウジングを分解すると見えてくる、これがクラッチ本体です。
さらに分解を進めると見えてくるのがクラッチディスク、フライホイールに圧着されミッションに動力を伝えるためのプレートです。
⇧そのプレートの四隅についているのが摩材です。この摩材が減ってくるとクラッチが滑る、クラッチが切れない っと言うような症状がでてきます。
クラッチ交換をしないといけない っと言うことになります。
⇧新しい部品です。このセットに交換すると滑りや切れないなどの症状は消えますが、クラッチの作動にはまだ関連する部分があります。
⇧レリーズベアリング(左)とレリーズフランジ(右)です。
運転席のクラッチを踏むとレリーズフランジ内部の油圧が上がりレリーズベアリングをクラッチカバーに押し当てクラッチを接続したり切り離したりする役目を持っています。
⇧フランジ側内部には油圧がクラッチ側に漏れないようにしているオイルシールがあります。
⇧レリーズベアリングは交換、レリーズフランジはオーバーホールで組み立てました。
ベアリングは異音、オイルシールはオイル漏れしないよう交換やオーバーホールしています。
⇧最後にフライホイール中央に取りついているパイロットベアリング。
⇧取り外したベアリング(左) 交換する新しいベアリング(右)
パイロットベアリング、これが破損してもクラッチ付近から異音や振動がでます。
ここからすべての部品の組付けです。
専用工具を使いながら組み上げていきます。
⇧仕上がったクラッチ。
クラッチと一言でいってもこれだけの関連するパーツで作動しています。
クラッチと同時に他の関連パーツも仕上げておくと何度も同じような箇所を分解修理する必要がなくなり次に整えたい箇所の整備に進むことができます。
その積み重ねがコンディションの整った一台のフェラーリに仕上がります。