ウエッブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
いつもFerrari 512 TRメンテナンス御依頼有り難う御座います。
ロードサルベージ積載車がFerrari 512 TRを積んでファクトリーに到着致しました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
今回も、ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
Ferrari 512 TR トラブルシューティング開始準備の為、リフトセクションへと移動させて頂きました。
外部からの入力によるミッションケース破損や、オイル漏れ発生有無、ドライブシャフト ハブ等、駆動系 外部駆動系も全てチェック。
確実なチェックには分解が必要と判断しましたので、オーナーに分解許可を頂きました。
必要最低限の分解で、的確にトラブルシューティングしピンポイントで不良個所を特定します。
クラッチ関連内部または、ミッション関連内部のトラブルシューティングの為、丁寧な分解作業が行われます。
分解前の各部点検及び問診、症状確認からの推測どうりミッション内部でトラブルが発生。
こちらは、ミッション内部のシャフト破断面。
完全にねじ切れています。
ミッション分解開始です。
分解開始前に、室内メーター類や電子機器パーツを全てチェック。
作動状況を確認しミッション分解に入ります。
各部のチェックも完了。
ミッション分解に伴う各部 補器類の脱着作業を、1セクション 1セクション、担当エンジニアにより丁寧に行われます。
作業が進みます。
Ferrari専用SST(専用工具)を使用し、Ferrari 512 TRエンジン脱着完了。
同時に、エンジンまた、ミッションに付着していた、細かな砂や塵のクリーニングアップも終了。
クリーンな状態から分解する事により、パーツ内部への異物混入を完全にシャットアウト!!
ミッション単体の分離完了です。
これより、Ferrari専用SST(専用工具)を使用し、ミッション本体の分解に入ります。
ねじ切れたミッションメーンシャフト交換に伴い、分解された512 TRのミッション。
Ferrari専用SST(専用工具)を使用し確実に分解。
メーンシャフト破損に伴う各構成パーツへのダメージを単体チェックしていきます。
各構成パーツも更に分解して行きます。
メーンシャフト破損で発生している金属片や、ミッション駆動中での破損のダメージを確実にチェックする必要が有ります。
安易な判断でのパーツ交換のみでは、後に最悪のミッションブローを誘発させる可能性が有ります。
その様な不安を一期に取り除く為にも、細部までチェックする必要性が有ります。
全てのチェックが終了したFerrari 512 TR 。
担当エンジニアが、確実にピンポイントで不具合発生ポイントを把握し切らせて頂きました。
担当エンジニアと内容をまとめ、現状のマシンに発生している不具合発生ポイントを、ご説明させて頂くご連絡をさせて頂きます。
先程は、お忙しい中お電話にて対応頂き有り難う御座いました。
1セクション1セクション確実にメンテナンスする方法で、お打ち合わせさせて頂き決定しました今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
さて、ミッション リペア&メンテナンス開始です。
エンジンスタンドへと、Ferrari専用SSTで固定。
360°回転可能な専用SST。
この様な専用SSTを使用する事により、より良いリペア&メンテナンスを行なえると共に、構成パーツに何のストレスも与えません。
ミッション構成パーツの1部。
メーンシャフト破損でミッション内部に廻っていた細かな金属片も全てチェック&洗浄。
金属片による2次的不具合の発生を完全にシャットアウトします。
ニューパーツも全てチェック&洗浄後、組み込みます。
ねじ切れたミッションメーンシャフト。
下がニューパーツ。
ミッションケースも細部まで洗浄&チェック。
同時に、全てのミッション構成パーツのメンテナンスも行なわれています。
ミッション構成パーツのメンテナンスも完了。
Ferrari専用SST(専用工具)を使用し、独自のノウハウとクオリティーで込み組みます。
チェック&洗浄後のミッション内部の構成パーツ。
メーンシャフトへ構成パーツを組み込み。
レイシャフトも同様に...
エンジンを組んだことのあるメカニックはたくさんいても、ミッションのオーバーホールはやってみたいと思いつつ詳細に解説された整備書が無くまた、専用工具も必要なのでミッションが破損した場合オーバーホールを避け、中古ミッションを組み込まれる場合が多いのでは無いでしょうか?
やはり中古ミッションはそれなりの状態でしょう。
フルオーバーホールは各部のチェックやセットアップが可能で、よりクオリティーの高いトランスミッションとなりシフトフィーリングも確実に変化します。
レイシャフトを組み込む為にロー&リバースを.....
4速5速そして、2速3速も.....
レイシャフトも組み込み。
Ferrari専用SSTでパーツを痛める事無く確実に組み込み。
トルク管理も非常に重要。
メンテナンス前のデファレンシャル&アウターフランジ。
512 TRは、機械式LSD。
内蔵多板クラッチでLSD機能を働かせます。
LSDも多種有りますね。
近年著しく進化しているLSD。
セレクティブLSD
クワイフLSD
トルセンLSD
ヘリカルLSD
スーパーLSD
ビスカスLSD
アクティブ制御式
ブレーキLSD
F430などはアクティブ制御式のLSDですね。
メンテナンス後のデファレンシャル&アウターフランジ。
バッチリ!!
組み込み終了。
バックラッシュ セットアップの為、専用機器を装着。
ギヤの噛み合い部分にクリアランスを設けギヤーを守りまた、最適な作動をさせるのがバックラッシュの役目です。
ここは、基本設定値を基本に個体差に応じ柔軟に変化させるノウハウが必要ですね。
安易なバックラッシュの調整だけでは、振動や異音の発生また、ギヤー本体の寿命を低下させる主原因となります。
ミッションオーバホールの中で、もっとも綿密なセットアップが必要な各ギヤーの歯当たりやバックラッシュ。
個々のパーツの構造及び、作動原理を知り尽くしたエンジニアにより確実なセットアップが行なわれます。
完璧に、フル オーバーホールされたミッションASSY。
エンジン&ミッションのドッキング。
お互いの接合面を完璧に加工修正。
個々のパーツ精度を100%取り戻し組み込み。
ミッション フルオーバホールと同時にクラッチ関連のリペア&メンテナンス。
クラッチ交換だけでは1セクションを確実にリペアしたとは言えません。
現状のクラッチハウジング。
油圧系統も確実にリペア&メンテナンス。
また、関連部位 周辺部位もクリーニングアップ終了。
左がクラッチ本体のニューパーツ。
右が圧着圧力また、ダンパー能力がダウンしているクラッチ。
一言でクラッチ不良と言っても色々なパターンが有ります。
クラッチの経年使用による摩耗の問題。
クラッチ本体構成機構の圧力の問題。
クラッチ関連周辺機構の問題。
クラッチ機構の調整不良の問題。(近年のF1マチックや、eギヤー等の、残量チェック 調整は、純正車両診断テスターでのみ実施可能 F1マチック eギヤーの場合6ヶ月に1度程度の調整が好ましいですね)
クラッチ油圧機構の問題などなど......
システムにもよりますがクラッチだけでも色々なバリエーションのトラブルが有りますね。
ピンポイントでトラブル個所を特定しないと、確実なリペア&メンテナンスにつながらないばかりか、次々にトラブルが発生してきます。
油圧系統と共にリペアするニューパーツ。
確実なトルク管理の下、ロックします。
マシン全体の1つ1つの構成パーツには、基本締め付けトルクが存在します。
通常基本トルクに沿い組み込みますが、マシン毎また、部位毎に変更しないとダメなポイントも有ります。
独自のノウハウで変更します。
ボルトや、ナットの径では勿論の事、材質や、硬度また部位によって締め付けトルク表が有ります。
それぐらい重要な事なんですね。
ドリブンギヤも、メンテナンス&セットアップ終了。
組み込みが進みます。
ミッション フルオーバホール終了。
独自のクオリティー&ノウハウで組み込みました。
これよりマシンへと.......
クリーニングアップされたエンジンルーム。
リペア&メンテナンスが行なわれた関連パーツも組み込み。
リペア&メンテナンスまた、各部クリーニングアップしたパーツ群の組み込みも完了。
生産ラインオフ時の装着誤差。
また、永年の使用で発生している細部のズレ。
組み込みは、基本位置へ修正し組み込みます。
この様な、メンテナンスの積み重ねでマシンの基本ベースを底上げします。
メカニカル系統の最終チェックに入ります。
最終のセットアップ。
入力されていたERRORコードなども、全てリセットしセンサー&アクチュエーターのアダプティブ。
電子制御部位は、Ferrari純正車両診断テスターSD2で最終チェックまた、セットアップを実施します。
よくセットアップしましたと言う言葉は聞きますが、トラブルコードの消去だけではセットアップとは言えません。
メカニカルまた、エレクトロニクス マシン全体の最終セットアップも終了。
固定観念や、効率化にとらわれる事無く、独自のクオリティーで全ての作業を行いました。
1台1台に最良のメンテナンスを施しオーナーの元へと戻します。
各部メンテナンスと同時にクリーニングアップされた、エンジン&エンジンルーム。
エクステリア&インテリアも最終仕上げ終了です。
全てのリペア&セットアップ終了のFerrari 512TR。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の1部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全ての、リペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影致しております。
詳細な写真(CD-Rに落として有ります)及び、今回のメンテナンス内容書類も分かり易く作成していますのでマシンと一緒にお持ちさせて頂きます。
いつもメンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。