ウエッブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
今回、 Ferrari 512TR メンテナンス御依頼有り難う御座います。
弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたFerrari 512TRを積んでファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
Ferrari 512TR マイスターチェック開始準備の為、リフトセクションへと移動させて頂きました。
マイスターチェック開始です。
まず、第1段階。
Ferrari純正車両診断テスター SD2で、Ferrari 512TR 車輌コントロールユニットと交信開始です。
ErrorコードのみのチェックではなくFerrari純正車両診断テスター SD2を100%駆使しマシン全体のエレクトロニクス関連の状態や、調整の状態を詳細に把握します。
各部の作動状況や出力電圧 波形に至るまで、コンピューター上で、できうる全てのエレクトロニクス関連のチェックを行い現状のマシンの状態を把握します。
現状のFerrari 512TR マシン全体のエレクトロニクスパーツの作動状況。
また、ECUでコントロールされるメカニカル部分のセットアップ状況。
各部、関連個所のデーターを取得。
最新のデーターとも比較し、チェック完了です。
SD2で取得したデーターは、あくまでもデーターとし受け止めます。
データー全てを鵜呑みにせず、基本作動の単体チェックが行なわれます。
更に奥深くまで、独自のチェックが担当エンジニアにより進められます。
エレクトロニクスのチェックは、大きく分別すると下記が代表的な項目です。
1 入力: 電子的・機械的なセンサ(または変換器)で、温度、圧力、電磁場等の物理量をシステムの外部から取得して、電流信号や電圧信号に変換するあらゆるチェック。
2 信号処理回路: 組み合わされた電子素子により信号を操作し、解釈したり、変換したりする個所のチェック。
3 出力: アクチュエータや他の素子(変換器も含む)により、電流・電圧信号をマシン システムにとって有用な形態に再変換されているかなどのチェック。
この3項目から更に、項目別に分類。
近年のマシンは非常に電脳化が進んでいます。
的確なトラブルシューティングや、セットアップするには非常に高度な知識が必要です。
続いて、メカニカルチェック。
年数的、指定交換パーツ。
走行距離的、指定交換パーツ。
以前のメンテナンス状況や、512TRの傾向的不具合発生ポイント。
また、マシンの使用状況や、保管状態により、個々のマシンの状態が全く違います。
全て的確なチェックが行なわれます。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの1部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解がある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返しマシンより受ける衝撃や、恒に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。
必ずしも指定交換に入っていないパーツでも使用用途や保管状態などでパーツの寿命が、長くもなりまた、短くもなります。
マシン内部の隠れたセクションも緻密なチェックが行われコンディションを確認します。
バルブカバーロア部分。
通常オーナーが、目にする事の無い部分に不具合が発生している場合が多いのは事実です。
オーナーが分からないうちに不具合が進行し他のパーツに悪影響を及ぼしてしまっている場合が多々あります。
定期的なマシンのチェックにより、傷口を必要最小限で的確なメンテナンスが行えます。
現状の、アームブッシュの画像です。
外部からの要因また、対応年数の超過で完全に劣化し切っているアームブッシュ。
ブッシュとしての役割を完全に消失してしまっている状態です。
ブッシュの役目は、路面の凹凸の衝撃を、ボデーに入力されることを防ぎます。
衝撃からフレームや、ボデーを守る働きを持たせるのが、ブッシュの役目。
経年劣化によるヘタリが、許容範囲を超えて落ち込んだり、亀裂が入ってしまうと、ボデー全体に振動が直接入力され、常にの衝撃で、ボデーまた、フレームのねじれや、結合部の破損など、マシンの基本骨格へ致命的なダメージを与えます。
見逃されがちなサスペンションブッシュ。
1991年~1994年まで生産された512TR。
初期型で20年 最後期でも17年経過。
自身の大切なマシンを定期的にキッチリメンテナンスしてあげる事で良いコンディションを保て、永年に楽しませてくれます。
FerrariやLamborghiniに年式やモデルは関係無いと思います。
ただ、どれだけ確実なメンテナンスを常に行なわれ、大切にされているかでコンデションは大きく左右されます。
同じくエンジンマウントの状態。
走行しても、しなくても常にエンジンの重量が圧し掛かっている部分。
全てのチェック完了させて頂きましたFerrari 512TR。
担当エンジニアが現状のコンディションを確実に把握し切らせて頂きました。
内容をまとめさせて頂き、現状のマシンの状態を分かり易く明記し送付させて頂いた上、御連絡させて頂きますので宜しくお願い致します。
先程は、お忙しい中お電話にてご対応頂き有り難う御座いました。
今回のリペア&メンテナンス個所
また、今後のメンテナンス個所。
現状のマシンの状態を全て記載した報告書を送付させて頂き、ご予算の中で決定しました今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
Ferrari 512TR 実作業準備の為、リフトセクションへと移動させて頂きました。
ボデープロテクターを装着。
リペア&メンテナンス開始です。
オイル漏れポイントのリペア。
1セクションを確実にリペア&メンテナンスを行なう、今回のメンテナンスメニュー。
オイル漏れリペアー&メンテナンスに伴う補器類の分解。
主原因のリペア前に、エンジン内部に砂や塵の混入を避ける為、クリーニングアップを実施。
さて、分解開始です。
主原因の1つの左右バルブカバー。
分解と同時にすぺてのパーツチェックまた、個々のパーツ誤差も測定。
接合部分面の歪みも計測。
全体に歪が発生してしまっている接合面を、専用機器を用い完璧に歪みを抜き取ります。
生産時の誤差や、エンジンの熱害により、歪が発生している接合面を、専用機器を用い完璧に歪みを修正し組み込みに備えます。
リペア&メンテナンス随所に、この様な接合するパーツが多々存在します。
バルブカバーのアップ画像。
結晶塗装の隙間に汚れが入り込み、汚れ切っている現状。
各部リペア&メンテナンスと同時にクリーニングアップも行います。
他の部位も丁寧なリペア&メンテナンスが進みます。
常にクリーンな状態でリペア&メンテナンスが進みます。
メンテナンス&クリーニングアップ後のバルブカバーの画像。
独自のクリーニングアップ方法で、結晶塗装の隅々に付着していた汚れも一掃。
真紅の発色を取り戻したバルブカバー。
接合面の歪みも100%加工修正。
バルブカバー内部のスラッジや、汚れもクリーニングアップ。
生産時の誤差。
経年の使用による変化。
また、熱害なとなど…..色々な要素で歪や変化が発生しているパーツ群。
1箇所1個所の部位を確実にまた、丁寧なメンテナンス プロセスで、クオリティーアップ。
主原因ポイントまた、関連部位のリペア&メンテナンスも終え、精度を復元した個々のパーツを組み込み。
左バンク プラグコード&イグニションの現状。
続いて右バンクの現状。
単に不具合個所のリペアするだけでは無く、リペアに伴う分解パーツ。
また、周辺部位のメンテナンス&リフレッシュも行ないます。
メンテナンス&リフレッシュを行なった左バンク プラグコード&イグニションの画像。
同じく右バンクの画像です。
プラグコードや、サープレッサーも完璧にリフレッシュ。
見えない部分も、綺麗に整列。
機能性もアップさせるメンテナンスを実施。
見た目だけではなく全てのメンテナンスには裏付ける理由があります。
これら細かな1つ1つのチェック&修正により格段に精度の良いマシンへと変化させます。
リペアポイントの周辺部分。
フレーム周りもクリーニングアップ終了。
メンテナンス&リフレッシュが終わった左バンク。
同じく右バンク。
スッキリ !!
シルバー結晶塗装が施されているエアークリーナBOX
結晶塗装の隙間に汚れが入り込み、汚れている現状。
組み込み前に、メンテナンス&クリーニングアップします。
エアークリーナBOXクリーニングアップ後の画像。
安易なケミカル等でクリーニングアップすると熱が入ると変色してしまう結晶塗装。
独自のクリーニングアップ方法で、結晶塗装の隅々に付着していた汚れを細部までクリーニングアップ。
本来の発色を取り戻しました。
スッキリ!!
続いてミッションオイルの交換。
エンジンオイルの交換はオーナーが1番気にし交換されますが、ミッションオイルも忘れてはいけない油脂類の1つ。
ギヤーの焼き付きを避け、またシフトフィーリングまでよくなるミッションオイル。
シフト操作をするとミッション内部で大きなギヤーが噛み合ったり、外れたりしますよね。
ギヤーオイルには、潤滑 冷却 防錆 応力分散の4つの作用が求められます。
エンジンオイルでは、これに加えて密閉作用や洗浄作用が要求されますがギヤーオイルの場合この効果はほとんど必要が無いでしょう。
それよりも重視されるのが応力分散作用ですね。 この作用がしっかりと発揮できるミッションオイルを使用しないと、ギヤーの焼き付きなどのダメージに繋がったり、シフトフィールの悪化に直結します。
純正指定オイルを注入するのが無難ですが、指定オイルが個々のマシンに1番最適なオイルかどうかは、僕は疑問ですね。
マシンやモデルまた、使用用途に応じてオイル成分や、粘度などなど......選択します。
交換を適切なスパンで行なわれていなかったか、マシンポテンシャルに対応不足のオイルが注入されていたか?
ドレンにミッション内部の金属粉がビッシリ。
応力分散が不足していたのでしょうね。
ミッションも破損すると非常に高額なリペアになるので、交換スパンはキッチリと…
ボルト インナー&アウターもキッチリクリーニング。
新車時のボルトの輝き.......
周辺もクリーニングアップ.......
リペア&メンテナンスに伴う分解パーツや周辺部位は、全てクリーニングアップを行います。
各部の加工修正や、クリーニングアップ。
これらの修正作業や、クリーニングアップなど、追加作業と思われがちですが、追加費用は発生しません。
より良いマシンに仕上げる為のメンテナンスだからです。
組み込み。
リペア&メンテナンスが仕上がったエンジン&周辺部分。
最終チェック&セットアップが行なわれます。
300k近くで走るロードゴーイングマシン。
定期的な足回り&マシン全体のトルク管理が必要です。
各部の調整と同時に、締め付けトルクのチェックまた各部の動きが機敏になるメンテナンスも行ないます。
また、同時に分解時にしか出来ないフェンダー内部の隅々まで、クリーンニグアップも実施。
中々オーナーが目にする事の無い部分。
また、雨天使用しなくてもダストや、砂などが付着してしまう部分。
現状のフロントフェンダー内部の画像です。
同じくリヤーフェンダー内部です。
ホイールとの接触面にもかなりの錆が.......
乞うご期待!!
足回りのメンテナンスまた、クリーニングアップ後のフロントサスペンションシステム。
ダストや、砂などをクリーニングアップする事により、本来の機能がより機敏になると共にクリーンな状態を取り戻しました。
きめ細やかなメンテナンス&クリーニングアップが、担当エンジニアにより随所に施されます。
面接触部分も加工修正。
ホイールとの面接触圧力も本来の圧力へ.....
また、錆で変化していたアライメントも変化します。
出来ればこの状態からのフルアライメントの測定&セットアップが好ましいでしょう。
同じく、メンテナンス後のリヤーサスペンションシステム メンテナンスも終了。
クリーニングアップも隅々まで丁寧に仕上げました。
各部メンテナンスと同時に施工する、クリーニングアップ。
各部の仕上げは、レザーの素材、ペイントの素材、各部の構成パーツなどなど….. 素材を熟知したエンジニアにより、部位部位に1番適した、本来の素材を蘇らす意味での仕上げが行われます。
ケミカル用品で一時的に艶を出す様な安易仕上げは、一切行われません。
各部のクリーニングアップは全て作業の一貫と考え行います。
続いてホイールボルトのメンテナンス。
左がメンテナンス前。
右がメンテナンス後。
ホイールボルトの錆やボルトピッチのメンテナンス。
20setのボルト全てメンテナンス&クリーニングアップを行ないます。
これで規定トルクで確実にロック。
バッチリ美観も取り戻しました!!
続いて、ホイールの現状の画像です。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
また、センターハブもマシン側 同様の錆。
4輪全てメンテナンス&クリーニングアップ開始です。
ホイール クリーニングアップ終了後の画像です。
4輪全てホイール内側&表側共にクリーンな状態に.......
センターハブも修正済み。
最終のセットアップ。
入力されていたERRORコードなども、全てリセット。
電子制御部位は、Ferrari純正車両診断テスターSD2で最終チェックまた、セットアップを実施します。
よくセットアップしましたと言う言葉は聞きますが、トラブルコードの消去だけではセットアップとは言えません。
メカニカル面も、担当エンジニアにより的確な最終チェックまた、セットアップが行われます。
リセット&セットアップも終了。
最終クリーニングアップ実施後のエンジン&エンジンルーム。
エクステリア&インテリアも最終仕上げ終了です。
全てのリペア&セットアップ終了のFerrari 512TR。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の1部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全ての、リペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影致しております。
詳細な写真(CD-Rに落として有ります)及び、今回のメンテナンス内容、また今後のメンテナンスメニュー書類も分かり易く作成していますのでマシンと一緒にお持ちさせて頂きます。
今回メンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。