ウエッブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
いつも Ferrari 575 M マラネロ メンテナンス御依頼誠に有り難う御座います。
弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたFerrari 575 M マラネロを積んでファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
今回も、ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
Ferrari 575 M マラネロ チェック開始の為、リフトセクションへと移動させて頂きました。
前回のチェックポイント油脂類の交換を主に、メンテナンスを行ないます。
現状のブレーキオイルの状態。
新しいブレーキオイルを給油圧送専用機器を使用し、各部最後部より交換します。
一般的なブレーキオイルは、ポリエチレングリコールモノエーテルが主成分で構成されています。
これに酸化防止剤 防錆剤等が添加されています。
グリコール系は吸湿性が高く、湿気を吸うと沸点が下がってしまいます。
ただ、吸湿しても沸点を比較的高く維持できるようにホウ酸でエステル化してあります。
水分があってもエステル結合で加水分解されますが、定期スパンで交換しないと加水分解が飽和状態になります。
ブレーキオイル&クラッチオイルは、1年に1回の交換が必要です。
Ferrari 575 M マラネロのポテンシャルに合ったブレーキオイルをチョイスし全量交換します。
続いてエンジンオイル。
各油脂類は、色々と各社ラインナップが有りますが、メリットとデメリットが有り、マシンモデル毎また、使用する部位また、マシンの使用用途などを全て加味し、1番適切なオイルを選択します。
メーカー指定純正オイルが1番無難と言えば無難なのですが、全てのモデルに1番適切なオイルかと言えば疑問です。
新車時のエンジンに注入されているオイルは、メーカー指定純正オイルでは無く、初期馴染みなどなどを考慮した、ファクトリー専用の非常に高額なオイルです(一般には流通しない特殊な高性能オイル)。決してメーカー指定純正オイルでは無いんです。
モデル毎にオイルに添加されている成分内容や粘度などなど…を変更しベストなオイルをチョイスし、交換する事により、より一層マシンをベストな状態へと導きます。
現状、かなり使い込まれている様ですね。
もう少し早めの交換をお奨めします。
見逃されがちなミッションオイル。
ギヤーの焼き付きを避け、またシフトフィーリングまでよくなるミッションオイル。
シフト操作をするとミッション内部で大きなギヤーが噛み合ったり、外れたりしますよね。
ギヤーオイルには、潤滑 冷却 防錆 応力分散の4つの作用が求められます。
エンジンオイルでは、これに加えて密閉作用や洗浄作用が要求されますがギヤーオイルの場合この効果はほとんど必要が無いでしょう。
それよりも重視されるのが応力分散作用ですね。 この作用がしっかりと発揮できるミッションオイルを使用しないと、ギヤーの焼き付きなどのダメージに繋がったり、シフトフィールの悪化に直結します。
純正指定オイルを注入するのが無難ですが、指定オイルが個々のマシンに1番最適なオイルかどうかは、僕は疑問ですね。
では、どんなオイルを選べばいいのか??
それはナイショ!!
パワーステアリングオイル。
パワーステアリングは、エンジンの出力を利用してポンプを作動させることで高圧な油圧発生させ、その力でステアリング回転力を軽減する部位。
ラック&ピニオン式とボールネジ式に大別されます。
また、スピードを感知することによりアシスト力を制御するパワーステアリングも有ります。
Ferrari 575 M マラネロは、油圧式。
油圧式を採用する利点に、自然なステアリングフィーリングが得られると共に、ドライビングプレジャーを追求出来ます。
パワーステアリングオイルの劣化が進んだ場合には、パワーロスによる操作性悪化やポンプからのオイル漏れが発生するなど、2次的不具合を誘発させます。 的確な交換距離及び年数での交換が必要です。
オルタネータ クーリングダクトの交換。
575の過酷な熱害からオルタネータをクールダウンさせるダクト。
上部が破損により適切なフレッシュエアーを導けない状態のダクト。
ニューパーツへと...
続いて、550/575 によく発生するヘッドライトラバーモールのリペアに入ります。
ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解がある程度の年数で起こってしまいます。
特に、550/575 に良く発生します。
この様な状態になると水分や埃が混入し見た目だけではなく、機能にまで悪影響を及ぼします。
現在 新品の純正ヘッドライトは1個40万円以上のプライスです。
現状のヘッドライトを早期にリペア&メンテナンスする事により、高額なパーツ交換を避けるる事が可能です。
左右共にラバーモールのみ交換し機能と美観を取り戻します。
ヘッドライト現品リペア&メンテナンス終了。
フッティングを見直し細部までチリ合わせを行い装着。
ただ単にリペア&メンテナンスするだけでは無く、恒に全ての作業に、ひと手間をかける。
続いて追加ご依頼頂いたエアコンパネルの作動不良。
ニューパーツは、38万円と高額です。
担当エンジニアが電子制御を解析し、現品修理可能と判断しましたので、現品リペア&メンテナンス開始です。
個々のパーツの構造及び、作動原理を知り尽くしたエンジニアにより的確なリペア&メンテナンスが行われます。
エアコンパネルもリペア&メンテナンス修了。
現品で本来の作動をする様、100%リペア。
続いて、フロント フェンダー内部のメンテナンス&クリーニングアップ終了の画像。
定期的なチェックで、必ず入庫頂いているFerrari 575 M マラネロ。
フェンダー内部もコンディションが非常に良い状態ですが今回も、定期的な足回りのトルク管理&マシン全体のトルク管理&各部の調整が行なわれました。
また、各部の動きが機敏になるメンテナンスも終了。
同時に分解時にしか出来ないサスペンションシステム&ブレーキシステム。 また、フェンダー内部の隅々まで、クリーンニグアップ完了です。
クリーニングアップも隅々まで丁寧に仕上げました。
6ヶ月毎のチェックで、1セクションずつ的確なメンテナンスを進める事により、常にベストな状態を保つ事が可能です。
結果的に、色々な部位を1度にリペアする事が無くなります。
マシンを常に恒常性を持たせ、また美観もたもてるんですよね。
続いて、ホイールの現状の画像です。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
4輪全てクリーニングアップ開始です。
ホイール クリーニングアップ終了後の画像です。
4輪全てホイール内側&表側共に、本来の発色を取り戻しました。
各部メンテナンスと同時に施工する、クリーニングアップ。
各部の仕上げは、レザーの素材、ペイントの素材、各部の構成パーツなどなど….. 素材を熟知したエンジニアにより、部位部位に1番適した、本来の素材を蘇らす意味での仕上げが行われます。
ケミカル用品で一時的に艶を出す様な安易仕上げは、一切行われません。
各部のクリーニングアップは全て作業の一貫と考え行います。
最終のセットアップ。
入力されていたERRORコードなども、全てリセットしセンサー&アクチュエーターのアダプティブ。
電子制御部位は、Ferrari純正車両診断テスターSD3で最終チェックまた、セットアップを実施します。
よくセットアップしましたと言う言葉は聞きますが、トラブルコードの消去だけではセットアップとは言えません。
メカニカル面も、担当エンジニアにより的確な最終チェックまた、セットアップが行われます。
メカニカルまた、エレクトロニクス マシン全体の最終セットアップも終了。
固定観念や、効率化にとらわれる事無く、独自のメンテナンス&セットアップまた、クリーニングアップを行ないます。
1台1台に最良のメンテナンスを施しオーナーの元へと戻します。
各部メンテナンスと同時にクリーニングアップされた、エンジン&エンジンルーム。
エクステリア&インテリアも最終仕上げ終了です。
全てのメンテナンス終了のFerrari 575 M マラネロ。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の1部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全ての、リペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影致しております。
詳細な写真(CD-Rに落として有ります)及び、今回のメンテナンス内容、また今後のメンテナンスメニュー書類も分かり易く作成していますのでマシンと一緒にお持ち致します。
いつもメンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。