ウエッブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
今回、Ferrari F40 メンテナンス御依頼有り難う御座います。
弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたFerrari F40を積んでファクトリーに戻って参りました。
ご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
Ferrari F40チェック開始準備の為、リフトセクションへと移動させて頂きました。
ホイールナットロック。
ロックピンが適切に装着出来る状態へと......
同時にエキゾーストの換装。
今回換装するニューエキゾースト。
まず、エキゾーストの換装。
劣化し切ったガスケット。
ガスケットを単に交換するだけでは無く、焼きついていたガスケットの処理を行いニューパーツを組み込みます。
処理後のエキゾースト&フランジ。
密着度をアップしたエキゾーストに、ニューパーツを装着。
個体差に合わせ、細部のチリ調整も行ないながらマシンへと...
マシンに合わせ換装終了です。
続いて、油脂類の交換です。
一言で油脂類と言っても、マシンには、色々な油脂類で潤滑や、油圧の発生による作動が常に行われています。
エンジンオイル&オイルフィルター ミッションオイル F1マチックオイル ブレーキオイル クラッチオイル パワーステアリングオイル エンジン冷却水などなど…
FerrariやLamborghiniなどのスーパースポーツマシンは高速走行などが多い為、エンジンオイルだけでは無く、他の部位のオイルも頻繁に酷使されるので的確な時期で定期交換が必要です。
色々と各社ラインナップが有りますが、メリットとデメリットが有り、マシンモデル毎また、使用する部位また、マシンの使用用途などを全て加味し、1番適切なオイルを選択します。
メーカー指定純正オイルが1番無難と言えば無難なのですが、全てのモデルに1番適切なオイルかと言えば疑問です。
新車時のエンジンに注入されているオイルは、メーカー指定純正オイルでは無く、初期馴染みなどなどを考慮した、ファクトリー専用の非常に高額なオイルです(一般には流通しない特殊な高性能オイル)。決してメーカー指定純正オイルでは無いんです。
モデル毎にオイルに添加されている成分内容や粘度などなど…を変更しベストなオイルをチョイスし交換する事により、より一層マシンをベストな状態へと導きます。
現状、かなり使い込まれている様ですね。
もう少し早めの交換をお奨めします。
オイルエレメントも的確なトルク管理の下、交換されます。
周辺部分もクリーニングアップ。
スッキリ!!
続いてブレーキオイルの交換。
F40のホイールロックは、センターロック。
専用SSTを使用し確実に分解を行います。
さて、ブレーキオイルの交換です。
ブレーキオイルの交換。
新しいブレーキオイルを給油圧送専用機器を使用し、各部最後部より交換します。
一般的なブレーキオイルは、ポリエチレングリコールモノエーテルが主成分で構成されています。
これに酸化防止剤 防錆剤等が添加されています。
グリコール系は吸湿性が高く、湿気を吸うと沸点が下がってしまいます。
ただ、吸湿しても沸点を比較的高く維持できるようにホウ酸でエステル化してあります。
水分があってもエステル結合で加水分解されますが、定期スパンで交換しないと加水分解が飽和状態になります。
ブレーキオイル&クラッチオイルは、1年に1回の交換が必要です。
ブレーキオイルもFerrari F40のポテンシャルに合ったオイルをチョイスします。
続いて、エンジン冷却水の交換。
エンジン冷却水は、エンジンオイルと同様、重要な役割を果たす液体です。
主成分はエチレングリコールという化合物と水で構成されています。
高温なエンジンを恒に冷却する役割を果たしています。
また、ラジエーターやエンジンブロックで使用される構成パーツに錆が発生しない様にする役目や、消泡性能などなど…もかね合わせています。
エンジン稼動時には、常に高温にさらされる為、エンジン冷却水も劣化します。
エンジン冷却水には、さまざまな化合物が含まれています。
エンジンオイル同様に長期使用せず、1年に1回酷使されたエンジン冷却水を交換することにより、本来の性能を発揮させ、エンジンを守ります。
作業に伴いオイールの脱着を行なったので4輪全てクリーニングアップ開始です。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイールの現状の画像です。
ホイール クリーニングアップ終了後の画像です。
4輪全てホイール内側&表側共にスッキリ!!
センターホイールナット。
専用SSTを使用し確実なトルク管理の下、ロックします。
マシン全体の1つ1つの構成パーツには、基本締め付けトルクが存在します。
通常基本トルクに沿い組み込みますが、マシン毎また、部位毎に変更しないとダメなポイントも有ります。
独自のノウハウで変更します。
ボルトや、ナットの径では勿論の事、材質や、硬度また部位によって締め付けトルク表が有ります。
それぐらい重要な事なんですね。
こちらもメンテナンスに伴い脱着したカーボンカウル。
各コンポーネンツ共にクリーニングアップを行います。
クリーンな状態で組み込み。
クリーニングアップしたカウル類の組み込みも終了。
ホイールナットロックピンの加工製作へと......
このホイールは、おそらく1994に現スーパーGT(当時のJGTC)タイサン フェラーリ F40 34号車用にOZレーシングで当時製作されたホイールを公道用にアップデートされた稀少なホイールでしょう。
JGTC参戦 タイサン フェラーリ F40 34号車用ホイールは、グラム単位の軽量を計るため随所に軽量加工されていました。
また、ピット作業がスムーズに行える様、ホイールナットロックピンが変更されていました。
ベース形状は同じな為、ノーマルのホイールナットロックピンは装着出来ない為、番線でロックされていましたが、今回ノーマルのホイールナットロックピンへと...と言う希望で設計加工します。
加工中のロックピン。
これから3D加工していきます。
最終の3D加工を行なったホイールナットロックピン。
機能性と美観を取り戻したロックピン。
オーナーでも脱着出来る仕様に変更。
オーナーご希望のエンブレムも装着。
全てのメンテナンス個所の最終チェックも終了。
エクステリア&インテリアも最終仕上げ終了です。
全てのメンテナンス終了のFerrari F40。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の1部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全ての、リペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影致しております。
詳細な写真(CD-Rに落として有ります)及び、今回のメンテナンス内容書類も分かり易く作成していますのでマシンと一緒にお持ち致します。
今回メンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。