ウエッブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
今回、Ferrari F360スパイダー メンテナンス御依頼誠に有り難う御座います。
弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたFerrari F360スパイダーを積んでファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
ウエッブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
今回、Ferrari F360スパイダー メンテナンス御依頼誠に有り難う御座います。
弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたFerrari F360スパイダーを積んでファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
Ferrari F360 スパイダー マイスターチェック&チェックランプ異常点灯 チェック開始準備の為、リフトセクションへと...
マイスターチェック&チェックランプ異常点灯 チェック開始です。
まず、第1段階。
Ferrari純正車両診断テスター SD2を、Ferrari F360 スパイダー 車輌コントロールユニットに接続。
ECUと交信開始です。
ErrorコードのみのチェックではなくFerrari純正車両診断テスター SD2で、車輌全体のエレクトロニクス関連の状態や、調整の状態を詳細に把握します。
各部の作動状況や出力波形に至るまで、コンピューター上で、できうる全てのエレクトロニクス関連のチェックを行い現状のマシンの状態を把握します。
ボデープロテクターの装着。
Ferrari純正 車両診断テスターSD2で取得した各部のデーター。
現状のF360 モデナ 車輌全体のエレクトロニクスパーツの作動状況。
また、メカニカルの作動また、セット状況。
各部のデーターを取得。
最新のFerrariアップデートデーターとの比較も行います。
現状の電子制御部位データーを全て詳細に把握します。
続いて、SD2で取得したデーターは、あくまでもデーターとし受け止めます。
データー全てを鵜呑みにせず、基本作動が適正値内で確実に作動しているかを専用機器を使用し単体点検を実施。
更に奥深くまで、独自のチェックを進めます。
F360 モデナの心臓部は、3.6L V8気筒40バルブ。
355譲りの1気筒5バルブは、バルブリフト量が少なく高回転化が可能になるF131B。
5バルブは、燃焼室の形状が偏平で表面積の広い多球状になる為、熱損失が大きくなり、燃焼効率が良くないなどの問題点も有り。
F430では、4バルブに変更されています。
高回転化すると低 中速トルクが痩せる為、それを回避する様々な可変機構が加えられピークパワーは、400PSに。
パワーユニット内部はシリンダーブロックとヘッド、サンプに軽合金、コンロッドにチタン、ピストンに鋳造アルミニウムを採用し、圧縮比も11.0:1 にまで高められたF131B型。
マネージメントシステムは ボッシュ製モトロニック7.3までアップ。
F131B 型パワーユニット モトロニックM7.3の基本原理や構造を熟知したエンジニアが細部までチェックします。
近年の車輌は、エアロダイナミクスが非常に進んでいます。
たとえば、車輌下部のアンダーカウル。
ベンチュリートンネルにダウンフォースの多くを獲得するグランドエフェクト・カーとして設計されエアロダイナミクスをさらに追求。
ベルヌーイの定理により、ベンチュリーの流速が速くなり空気圧が大きく下がり、下向きの揚力が発生させるダウンフォースを作り出します。
車輌、下部全面にアンダーカウルが装備されているのでオイル漏れ等発生しても中々オーナーには判りづらい反面もあります。
続いて、メカニカル関連のチェック。
年数的、指定交換パーツ。
走行距離的、指定交換パーツ。
F360 モデナ 各モデル毎の傾向的不具合発生ポイントのチェック。
また、車輌の使用状況や、保管状態で車輌の状態が全く違う為、的確なチェックを行ないます。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの1部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解がある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返しマシンより受ける衝撃や、常に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。
指定交換に列記されているパーツでも必ず交換しないといけないと言うわけでは有りません。
的確なチェックで判断します。
360以降クラッチ残量等、簡単なチェックも全て純正テスターでのチェック。
近年の車輌は、電脳化が非常に進んでいます。
車輌はさまざまなパーツや機構で構成されていますね。
メカニカルまた、エレクトロニクス ボディー構成などなど…..書ききれない複雑な機構を組み合わせ1台の車輌として構築されています。
車輌毎に傾向的不具合も存在し、指定交換が促されているパーツが有ります。
ただ、これまで車輌がどの様な方法でリペア&メンテナンスを受けてきたか?
オーナーがどの様に使用してきたか?
どの様な保管をされてきたか?
色々な状況でメンテナンス個所が違ってきます。
指定交換に入っていないパーツでも使用状況によって寿命が長くもなりまた、短くもなります。
車輌内部の隠れた部分まで、的確なチェックを行ないます。
定期的な確実なチェックでベストな車輌の維持が可能になります。
最新の設備と最新のデーター。
また、独自のチェック項目を細部までチェックします。
油脂類の漏れ。
アンダーカウルが装着されている為、中々オーナーには気づけない場合が多々あります。
オイル漏れは二次的不具合を誘発させる場合が多々あります。
全く問題の無いパーツまで攻撃し始めます。
オイル漏れによる他の部位への影響も考慮しトラブルシューティングします。
また、個所によっては車輌火災につながるオイル漏れ。
ピンポイントでオイル漏れ発生個所を特定します。
次に、なぜオイル漏れが発生してしまったか?
オイル漏れを引き起こしている主原因は?
これらの要因も特定します。
このプロセスが非常に重要です。
タイミングベルトの指定交換時期は、モデルに関わらず手厚く保管されている車輌でも3年(3年で0kmの走行でも交換)もしくは、2万キロどちらか先に達した時点で交換が必須。
しかし状況により早期のリペアが必要な場合があります。
定期的なチェックで車輌に多大なダメージを発生させる前にリペアし車輌を守ります。
通常オーナーが目にする事の無い部分に不具合が発生している場合が多いのは事実です。
オーナーが分からないうちに不具合が進行し、他のパーツに悪影響を及ぼしてしまっている場合が多々あります。
エレクトロニクス関連、メカニカル機構全てにわたり的確なチェックを行ないます。
汚れた箇所はチェック前にクリーニングアップ。
クリーンな状態で独自の各項目別にチェックします。
全てのチェックが終了したFerrari F360スパイダー。
確実に現状の車輌の状態を把握し切らせて頂きました。
また、車輌に発生している不具合個所もピンポイントで把握し切らせて頂きました。
内容をまとめ、現状の車輌の状態を分かり易く明記し送付させて頂いた上、御連絡させて頂きます。
車輌に発生しているトラブルポイントやリペアポイント。
なぜトラブルが発生したのか?
メンテナンスが、なぜ必要なのか?
全てご報告し1セクションごとに確実にリペア&メンテナンスする今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
F360スパイダー リペア&メンテナンス開始準備の為、リフトセクションへと…
リペア&メンテナンス開始です。
インテリアを丁寧に分解していきます。
通常隠れた場所には塵や埃が溜まっています。
そのままでは塵や埃の汚れが繊細なインテリアを汚してしまいます。
まず室内の塵や埃のクリーニングアップに入ります。
スッキリ クリーンな状態。
クリーンな状態からインテリア プロテクションカバーの装着に入ります。
リペア&メンテナンスに伴い独自のインテリア プロテクションカバーを装着。
一切の汚れの付着などを完璧にシャットアウトします。
各モデル毎に完備しています。
フロントセクションからリペア&メンテナンス開始です。
タイミングケース内部もスッキリ、クリーニングアップ。
クリーンな状態から分解開始です。
現状のウォーターポンプ接合部分。
以前、組み込まれた時にシール剤がタップリ塗布されています。
そのシール剤がエンジン内部側にも、はみ出しています。
この様な組み込みでは、はみ出したシール剤が剥離しウォーターラインに回り、ラジエターやウォーターラインを詰まらせてしまいます。
今回、接合部分も加工修正し接合部の精度を確実に取り戻しシール剤を塗らなくてもよい位まで精度を出します。
まず、ウォーターポンプのオーバーホールに入ります。
ウォーターポンプは、エンジン冷却水を循環させるパーツ。
内側にはインペラーが付いています。
このインペラーでエンジン冷却水を循環させます。
エンジン冷却水の劣化や、濃度不良でもウォーターポンプ本体に、二次的不具合を誘発させます。
また、ウォーターポンプの回転軸を支えているベアリングにガタが生じて、内部シールに影響を与え冷却水漏れを起こす事があります。
タイミングベルトの奥に位置しているので同時のリペアが好ましい部分の1つです。
純正アッセンブリーパーツは非常に高額。
現品フルオーバーホールを行ないます。
フルオーバホール&リフレッシュ終了のウォーターポンプ。
機能性また、美観まで新品同様に仕上げました。
シール剤も全て除去。
パワーユニット側ウォーターポンプ接合面の精度を専用機器で加工修正。
精度を取り戻したパワーユニットへフルオーバーホールしたウォーターポンプを組み込み。
組み込み完了のウォーターポンプ。
接合面のアップ画像。
個々のパーツ精度を取り戻し組み込み。
完璧に精度を出すとシール剤もはみ出す程塗布しなくても、予防程度でOK。
1つ1つのパーツ精度を限りなく高める事で、構造体全体の精度を飛躍的にアップデートさせます。
続いてタイミングベルト系統のメンテナンスへ。
現状のカムシャフトギヤーの画像です。
各ギヤが錆で侵食されている状態。
錆の発生でタイミングベルトが紙やすりで削られる作用が発生しています。
その為、タイミングベルトが攻撃され指定交換時期までタイミングベルトが持たない状態。
タイミングベルトの指定交換時期は、モデルや年式に関わらず3年(3年で0kmの走行でも交換)もしくは、2万km(1年で2万kmの走行でも交換)どちらか先に達した時点で交換。
このように問題が発生している場合、即座に問題点をリペアすると同時に、タイミングベルトの交換を行なわないとバルブクラッシュを引き起こします。
まず、各ギヤー&プーリーのメンテナンスを行います。
ギヤーメンテナンス&クリーニングアップ後の画像。
1つ1つのパーツを確実にリセットします。
これでタイミングベルトを攻撃する脅威もなくなり、キッチリとしたバルブタイミングのセットアップも可能になりました。
また、ギヤを錆させていた主原因ポイントも根本からリペア。
このプロセスが非常に重要です。
メンテナンス&クリーニングアップ完了のギヤ部分。
画像奥がテンショナーベアリングの錆で攻撃を受けていたタイミングベルト。
画像手前がニューパーツの画像。
錆の攻撃を受けていたタイミングベルトのアップ画像です。
タイミングベルトの正式名称はコグドベルト。
通常のVベルト、Vリブドベルトと違い、ラバー製の歯が付きクランクギヤ、カムギヤを連結しているのがコグドベルトの特徴。
ギヤに歯型を噛み合わせることにより、スリップすることなく回転を伝えることができる特殊なベルトです。
よくタイミングベルトが切れたと言う言葉を聞きますが、コグドベルト自体が切損する場合はほとんど無く、ラバー製の歯がポロリと欠損してしまう事をタイミングベルトが切れたと表現されています。
水濡れ、オイル漏れ、外界に露出している部分が多い等、さまざまな要因で劣化が促進しラバー製の歯が欠損しバルブクラッシュを引き起こしパワーユニットに多大なダメージを与えてしまいます。
装着されていたタイミングベルトテンショナーベアリングの画像。
近年、安いOEMが色々と出ていますが、粗悪なものも多数有ります。
逆に良いものも有りますが粗悪なパーツと良質なパーツの見極めが非常に重要ですね。
常にの回転と劣化でベアリング内部のグリースが出てしまっています。
グリース切れが発生するとベアリングが焼きつきロック状態になる可能性があります。
ロックしてしまうと、タイミングベルトに急激に負担が掛かり、最悪バルブクラッシュを引き起こしてしまいます。
今回換装するテンショナーベアリング。
オリジナルで製作しているタイミングベル トテンショナーベアリングです。
アウターケースは無垢材より削り出し製作。
錆の発生を完全にシャットアウトする亜 鉛メッキ処理を施工。
ベアリング本体には、国産最高級ベアリング NTN製のベアリングを使用。
国産最高級ベアリングを 使用する事により、回転負荷の著しい軽減が可能。
タイミングベルトへの負担を最小限に抑えます。
オリジナルのタイミング ベルトテンショナーベアリングを使用する事により、エンジン回転も非常にスムーズになりタイミングベルトへの負担も著しく軽減。
全ての問 題を完全にクリアーしたタイミングベル トテンショナーベアリングです。
油圧テンショナーニューパーツの画像。
F355以降の車輌のタイミングベルトはこの油圧テンショナーで張力を保っています。
ショックアブソーバーと同じような原理の油圧テンショナー。
タイミングベルト交換時、2回に1度は交換が好ましいパーツ。
ショックアブソーバー同様にヘタリや油圧漏れが起こるとタイミングベルトの張力が奪われ、こちらもバルブクラッシュの原因になるパーツ。
また、金属疲労でアームの折損も発生するパーツでもあります。
テンショナーアームのメンテナンス&クリーニングアップ。
このパーツは油圧テンショナーに直結しタイミングベルトに張力を与える構成パーツの1部。
非常に重要なパーツの1つ。
クリーニングアップ後、クラックチェックから始まり各部の精度を見直すメンテナンスが重要。
同じくクランクプーリーも同様に...
車輌の構成パーツには色々な処理が行なわれています。
テンショナーアームや、クランクプーリーは、ごく一般的なメッキ クロメート処理いわゆるユニクロ処理が行なわれています。
以前は六価クロムが主流でしたが発がん性物質を含む為、現在の主流は三価クロムへ。
六価クロムと三価クロムでは処理方法が異なります。
また、三価クロムメッキと、三価クロメートも、まったく異なるメッキ方法です。
まだまだ、色々と違いが有りますが、個々の素材や処理方法を熟知してこそ1番適切なメンテナンスや、クリーニングアップにつながります。
これは、車輌のトラブルシューティング、リペア、メンテナンス全て共通する事でしょう。
メンテナンス&クリーニングアップ後のテンショナーアームの画像。
クリーンな状態から独自の項目をチェック&メンテナンス。
1つ1つの構成パーツを確実にリセットします。
同じくクランクプーリーの画像。
メンテナンス後のパーツ群を独自の精度で組み込み。
バルブタイミングは確実に…
オーナーが大切にされている車輌。
車輌への乗り降りからメンテナンスに至るまで細心の注意を払い独自のサービスをご提供させて頂いています。
トルクレンチを握っているエンジニアの手。
手がこんなに綺麗なのは、汚れたらすぐ洗う、と言う当たり前の習慣を日々欠かすことなく行なっているからです。
爪の間に油が染みこんでいたり、作業服の袖口が汚れたままだったとすればオーナーは不安もいだかれる事でしょう。
私たちのサービスはそこから始まります。
タイミングベルトケース現状の画像。
各ギヤーまた、テンショナーベアリングの錆で削られたタイミングベルトのラバー粉また、オイル漏れによる油分。
新しいパーツに付着しない様、クリーニングアップ開始です。
クリーニングアップ後の画像。
リペア&メンテナンスまた、セットアップも完了のパワーユニット。
分解時に個々のパーツ精度を確実にリセットまた、クリーニングアップを実施。
スッキリ。
続いてミッションオイル漏れのリペアへと。
独自のクオリティーで個々のパーツ精度を確実にリセット。
徹底したリペア&メンテナンス後のサイドフランジ。
Ferrari専用SSTを使用する事により、キズや歪みを発生させる事無く分解組み立てが可能です。
また、組み込み精度が飛躍的に向上します。
イタリア モデナに本拠を置くFerrari , Lamborghini のメンテナンスと、レーシングマシンのメンテナンス ディーラーである
ROSSO CORSA , SPA の指定を東洋で初めて受けています。
全てのSSTを完備し、最新のデーターや、情報で車輌を確実にリペア&メンテナンスします。
構成パーツだけではなく、周辺部位もクリーニングアップでスッキリ。
Maintenance Reportでは全ての画像をアッブ出来ませんが、ポイントをオーナーに見て頂ける様、かいつまんでアップしています。
リペア&メンテナンスの新旧パーツ 対比画像また、セットアップ中の画像 製作過程や交換過程の画像。
また、分解工程や、精度を取り戻すメンテナンス工程も詳細に撮影していますのでCD-Rで、お渡しします。
続いてオルタネータのリペアへと。
純正パーツは高額な為、独自のクオリティーで現品フルオーバーホールします。
オルタネータは、内部の交流発電を発生させる代表的なパーツ。
ローターコイル、ステータコイルで、三相交流電力を取り出す回転界磁形を形成。
交流発電機より出力された三相交流電力を直流電力に変換するレクチファイア。
また、発電能力を調整(車輌の電力不足の時には増やし、エンジンが高回転の時に規定電圧よりオーバーしかねない時には減らす)するICレギュレーター。
オルタネータ内部には他にも色々な半導体が詰め込まれたエレクトロニクス パーツ。
独自のフルオーバーホールで機能性また、美観も新品同様に仕上げます。
現品フルオーバーホール完了のオルタネータ。
1つ1つの構成パーツの機能性のみならず、見た目にも新車時の輝きを取り戻しました。
オルタネータ ユニット側装着部の現状。
リペア&メンテナンスを行ったパーツをそのまま組み込むのではなく、取り付け側のメンテナンスまた、クリーニングアップ後、組み込みます。
メンテナンスまた、クリーニングアップ完了。
端子等もメンテナンス。
独自のクオリティーでメンテナンスを行います。
クリーンな状態からオルタネータを確実に組み込み。
エレクトロニクス系統もピンポイントでリペア。
車輌の要求する電圧 電流も十二分に…
続いてラジエータ キャップの交換。
右がニューパーツ。
ラジエータキャップは加圧弁、負圧弁、水漏れ防止パッキンで構成されているパーツ。
加圧弁には設定圧力まで開かないようなバネ定数を持ったバネが付いています。
冷却水の過熱と共に膨張による圧力を一定まで逃がさず加圧圧力を保ち放熱効率を上げるのがラジエータキャップの一番大切な役割です。
また、冷却水路の圧力を正常化すると共に空気の混入を防ぐラジエータキャップ。
画像右のラジエータキャップの場合が加圧圧力が低下しエンジン冷却水の沸点温度が下がり100℃近くで沸騰させオーバーヒートをまねきます。
100℃ではパワーユニットに大きなダメージを与えるようなオーバーヒートではありませんが、冷却水が吹き返して減少することによってオーバーヒートに発展しパワーユニットに2次的ダメージを与えます。
小さなパーツですが非常に大きな役割を担っています。
エアクリーナエレメントの交換。
右がニューパーツ。
エアーフィルターは、ダストの清浄効率と捕捉能力を備えたパーツ。
使用許容範囲を超えるとフィルター抵抗が大きくなりフレッシュエアーの吸入を妨げます。
続いて油脂類の交換。
一言で油脂類と言っても、車輌には、色々な油脂類で潤滑や、油圧の発生による作動が常に行われています。
エンジンオイル&オイルフィルター ミッションオイル F1マチックオイル ブレーキオイル クラッチオイル パワーステアリングオイル エンジン冷却水などなど…
FerrariやLamborghiniなどのスーパースポーツマシンは高速走行などが多い為、エンジンオイルだけでは無く、他の部位のオイルも頻繁に酷使されるので確実なスパンでの交換が必要です。
各油脂類は、色々と各社ラインナップが有りますが、メリットとデメリットが有り、モデル毎また、使用する部位また、車輌の使用用途などを全て加味し、1番適切なオイルを、弊社では選択します。
メーカー指定純正オイルが1番無難と言えば無難なのですが、全てのモデルに1番適切なオイルかと言えば疑問です。
新車時のエンジンに注入されているオイルは、メーカー指定純正オイルでは無く、初期馴染みなどなどを考慮した、ファクトリー専用の非常に高額なオイルです(一般には流通しない特殊な高性能オイル)。決してメーカー指定純正オイルでは無いんです。
モデル毎にオイルに添加されている成分内容や粘度などなど…を変更しベストなオイルをチョイスし交換する事で、車輌をよりベストな状態へと導きます。
まずエンジンオイル&オイルフィルターの交換。
エンジンオイルは、ベースオイルで色々と分類されます。
鉱物油
部分合成油
化学合成油
PAO
エステル
植物油
規格で分けると…
API規格
ILSAC規格
SAE規格
ACEA規格
JASO規格
粘度による分類では…
SAE粘度
HTHS粘度
色々と各社ラインナップが有りますが、メリットとデメリットが有ります。
モデル毎また、使用する部位また、車輌の使用用途などを全て加味し、1番ベストなオイルを選択します。
モデル毎にオイルに添加されている成分内容や粘度などなど…を変更しベストなオイルをチョイスし交換する事により、より車輌をベストな状態へと導きます。
現状、かなり使い込まれている様ですね。
もう少し早めの交換をお奨めします。
ドレンボルト インナー&アウターもキッチリクリーニング。
ガスケットの再使用はしません。
続いて、オイルエレメントの交換。
エンジンオイルにはエンジン内部を清浄に保つ為にオイル中の汚れやゴミを取り込むオイルフィルターがありますね。
オイルフィルターがあると、エンジンオイルがそこを通過することにより、オイル内に取り込まれていた金属粉やスラッジ(ホコリや燃焼カスなどの不純物)が濾し取られます。
特に金属粉は、放置すると研磨剤と同様の効果をエンジン内に及ぼしてエンジン損傷の原因になる為、その除去は重要です。
オイルフィルターのろ過能力は上げ過ぎると油圧上昇や目詰まりなどの不具合を引き起こす可能性がある為にその性能はある一定のところで抑えられています。
その為オイルフィルターですべての金属粉やスラッジ等が除去できる訳ではないんです。
また、オイルフィルターの能力が低下し目詰まりを起こした場合を想定してバイパス機構を備えています。
フィルターが目詰まりしてエンジン内各所にオイルが供給できなくなると、エンジンが焼き付く原因となるからです。
ただしこの機構はあくまで非常用であり、的確なスパンでの交換が必要です。
また、交換時は的確なトルク管理の下での交換が必要です。
フィルターが取り外されたフランジの現状。
フランジ内部のクリーニングアップを行います。
フランジ内部の不純物を除去。
クリーンな状態からエレメントを組み込み。
続いてミッションオイルの交換。
エンジンオイルの交換はオーナーが1番気にし交換されますが、ミッションオイルも忘れてはいけない油脂類の1つ。
ギヤーの焼き付きを避け、またシフトフィーリングまでよくなるミッションオイル。
シフト操作をするとミッション内部で大きなギヤーが噛み合ったり、外れたりしますよね。
ギヤーオイルには、潤滑 冷却 防錆 応力分散の4つの作用が求められます。
エンジンオイルでは、これに加えて密閉作用や洗浄作用が要求されますがギヤーオイルの場合この効果はほとんど必要が無いでしょう。
それよりも重視されるのが応力分散作用ですね。 この作用がしっかりと発揮できるミッションオイルを使用しないと、ギヤーの焼き付きなどのダメージに繋がったり、シフトフィールの悪化に直結します。
車輌、モデル毎に成分や、粘度などなど……ベストなオイルを選択します。
ミッションオイルもかなり使い込まれている様ですね。
もう少し早めの交換をお奨めします。
ミッションも破損すると非常に高額なリペアになるので、交換スパンはキッチリと…
ミッション ドレンも同様に…
エンジン冷却水。
エンジン冷却水は、エンジンオイルと同様、重要な役割を果たす液体です。
主成分はエチレングリコールという化合物と水で構成されています。
高温なエンジンを常に冷却する役割を果たしています。
また、ラジエーターやエンジンブロックで使用される構成パーツに錆が発生しない様にする役目や、消泡性能などなど…もかね合わせています。
エンジン稼動時には、常に高温にさらされる為、エンジン冷却水も劣化します。
エンジン冷却水には、さまざまな化合物が含まれています。
エンジンオイル同様に長期使用せず、1年に1回酷使されたエンジン冷却水を交換することにより、本来の性能を発揮させ、エンジンを守ります。
続いてブレーキオイルの交換。
リザーバタンク内部底に、大気中の水分を吸って加水した浮遊物が貯まっています。
この状態ではブレーキシステム構成パーツに悪影響を与えるばかりか、作動不良またオイル漏れを引き起こしてしまいます。
まずリザーバタンク内部のクリーニングアップから。
タンク内部をスッキリクリーンな状態に。
ブレーキオイルの交換を行ないます。
専用機器で交換開始。
ブレーキオイルの交換時期はオイルの色などでも簡単な判断はできますが、交換基準はあくまで使用期間、水分吸収量、劣化で判断します。
サーキット走行後は、ブレーキに与える熱量が非常に大きい為、熱によるブレーキオイルの膨張などが繰り返され劣化が急激に進みます。
ブレーキオイルは吸湿性が高く大気中の水分を吸収する為、期間の経過と共にブレーキオイル内の水分量が多くなり沸点が下がってしまいます。
そのまま使用し続けるとハードブレーキを繰り返したときにブレーキオイルが沸騰し気泡が発生し、踏力によって発生した圧力は気泡を圧縮するだけで制動力を発生させることができず、ブレーキが効かなくなります。
これをベーパーロック現象と言い、大変危険な現象の一つです。
ハードブレーキはしないから…と思うオーナーも多いでしょうが、発生する不具合はこれだけでは無く色々な不具合を発生させます。
ブレーキオイルの水分吸収量が多くなると、キャリパーピストンに錆が発生しピストン固着やブレーキの引きずり、片効き等々を引き起こします。
通常のストリートでの使用また、乗らなくても1年毎の交換をお奨めします。
ブレーキオイル交換と同時に、周辺部分もクリーニングアップ。
F360 スパイダーの車輌スペックまた、使用用途に適したオイルで交換完了。
パワーステアリングオイルの交換。
パワーステアリングは、エンジンの出力を利用してポンプを作動させることで高圧な油圧発生させ、その力でステアリング回転力を軽減する部位。
ラック&ピニオン式とボールネジ式に大別されます。
また、スピードを感知することによりアシスト力を制御するパワーステアリングも有ります。
F360は、油圧式。
油圧式を採用する利点に、自然なステアリングフィーリングが得られると共に、ドライビングプレジャーを追求出来ます。
パワーステアリングオイルの劣化が進んだ場合には、パワーロスによる操作性悪化やポンプからのオイル漏れが発生するなど、2次的不具合を誘発させます。 的確な交換距離及び年数での交換が必要です。
続いて、F1マチックのオイル交換。
F1マチックオイルの交換も見逃されがちです。
FerrariのF1 マチックオイル交換は、Ferrari純正車両診断テスターで通信しながらの交換。
Lamborghini のeギヤーオイル同様、純正テスターを使用せず無理に交換するとF1マチック ポンプや、各ソレノイド機構に負担が掛かります。
破損してしまうと非常に高額なパーツ。
Ferrari純正車両診断テスターでのメンテナンスが必要です。
F1 マチックオイルも車輌にベストなオイルで…
分解したインテリアパーツを基本装着位置の見直しも図り、チリ合わせを行い車両へと組み込み完了。
続いてサスペンションシステム ステアリングシステム等のメンテナンス&クリーニングアップ。
また、定期的な、足回り&車輌全体のトルク管理が必要です。
各部の調整と同時に締め付けトルクのチェックまた、サスペンションシステムも本来のパフォーマンスを発揮出来るようメンテナンスを行います。
現状のフロントサスペンションシステムの画像。
また、同時に分解時にしか出来ないフェンダー内部の隅々まで、クリーンニグアップします。
中々オーナーが目にする事の無い部分。
また、雨天使用しなくてもダストや、砂などが付着してしまう部分でもあります。
同じくリヤーサスペンションシステムの現状の画像。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
サスペンションシステム ステアリングシステムも本来のパフォーマンスを発揮出来るようメンテナンス完了。
ダストや、砂などをクリーニングアップする事により、本来の機能がより機敏になると共にクリーンな状態を取り戻しました。
きめ細やかなメンテナンス&クリーニングアップを随所に施します。
同じくメンテナンス&クリーニングアップ後のリヤサスペンションシステム。
パフォーマンスを100%発揮させる為には定期的に、特有のメンテナンスを行なうことが必要です。
独自のクオリティーとテクニックで徹底した特有のメンテナンスを実施。
フロント&リヤブレーキローターのメンテナンス&リフレッシュ。
ホイールとの接触面の錆も加工修正。
ホイールとの面接触圧力も本来の圧力へ…..
また、錆で変化していたアライメントも変化します。
使用許容範囲に十二分な機能を持っているパーツは安易に交換する事無く、メンテナンスし再使用します。
ただ、再使用するだけでは無く、全て徹底的にメンテナンス&リフレッシュをし再使用します。
各部のクリーニングアップは全て作業の一貫と考え行います。
特別な費用等は必要ありません。
通常の一連作業の1部です。
続いてホイールのクリーニングアップ&メンテナンスへと。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
ホイール側、ハブとの接触面にも錆が発生しています。
ブレーキローター同様加工修正し精度を出します。
また、錆の侵食からもホイールを守るメンテナンス。
4輪全てクリーニングアップ メンテナンス開始です。
ホイール クリーニングアップ&メンテナンス終了後の画像です。
4輪全てホイール表裏共に、本来の発色を取り戻しました。
ホイールの錆も加工修正。
ハブとの面接触圧力も本来の圧力へ戻すと共にホイールを錆から守ります。
メンテナンス終了のホイール。
組み込みに備えます。
まず、シャシ細部までクリーニングアップを行いクリーンな状態からシャシ全体の最終チェック&セットアップを行なっていきます。
チェックと同時にまた、独自の味付けを施しキャラクターを存分に発揮させます。
細部までクリーニングアップも完了。
独自のチェック、セットアップで精度やパフォーマンスもバージョンアップ。
リペア&メンテナンスに伴い分解したアンダーカウル。
フロント、センター同様クリーニングアップ開始です。
リペアに伴い分解した問題の無い脱着パーツはそのまま組み込まれるのが通常でしょう。
しかし弊社のメンテナンス工程は、その問題の無い脱着パーツも1点1点リフレッシュを行います。
クリーニングアップ後のアンダーカウルの画像。
各部メンテナンスと同時に施工する独自のクリーニングアップ。
各部のクリーニングアップは、本来の素材を蘇らす意味で1番適した仕上げを行ないます。
ケミカル用品で一時的に艶を出す様な安易仕上げは、一切行いません。
クリーニングアップ済みのアンダーカウルを、基本装着位置の見直しも図り組み込み。
リペア&メンテナンス同様に、隠れた箇所ほど重要視します。
続いて、全てのメンテナンス終了後の最終セットアップ。
入力されていたERRORコードなども、全てリセット。
また、センサー&アクチュエーターのアダプティブ。
電子制御部位は、Ferrari純正車両診断テスターSD3でティーポ F136Eの基本原理や構造を熟知したエンジニアが独自の最終チェックまた、独自の味付けを行いF360のポテンシャルを余す事無く引き出します。
メカニカル面も、的確な最終チェックまた、独自の味付けを行ないます。
最終の詰めです。
このプロセスが重要です。
独自のセットアップも終了。
最終クリーニングアップ実施後のエンジン&エンジンルーム。
隅々まで独自のクオリティーで仕上げます。
エクステリア&インテリアも最終仕上げ終了です。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の1部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全ての、リペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影しています。
詳細な写真 355枚 (CD-R 2枚に落として有ります)及び、今回のメンテナンス内容また、今後のメンテナンスメニューも分かり易く作成していますので車輌と一緒にお持ち致します。
今回メンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。
Ferrariや、Lamborghini は、どのモデルに関わらず工業製品であって美術品でも有ります。
この様な車輌をメンテナンスさせて頂くにあたって、車輌に対してのオーナーの思いや、価値観を理解し、常に業務に携らせて頂いています。
車輌を常に向上させ完璧なコンディションに近づけ後世に残していく。
トラブルの解析なども常に的確なトラブルシューティングを行い、根本からトラブルをリペアし、構造を熟知した上でセットアップを行い、100%のポテンシャルを発揮できる車輌に仕上げていく。
独自のノウハウとテクニックまた、専用の最新の設備で車輌のポテンシャルを余すことなく発揮させキャラクターを取り戻す。
また、何処を見ても綺麗。
隠れた所にも気遣いをする。
効率にとらわれず、1台1台の車輌を仕上げていく。
もし、僕自身の車輌なら、ここまで徹底的にして欲しい。
そう言ったメンテナンスを実施する車輌だと僕は思いますし、その思いを皆さんの車輌にも日々向上心を持って実践しています。
今回オーナーと御相談の上、決定させて頂きましたメンテナンスメニュー。
今後、車輌全体のコンディションも把握させて頂きながら良きパートナーとして共に車輌を向上させて頂ければと思います。