ウェブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
今回、フェラーリ F360 モデナ メンテナンスご依頼誠に有り難う御座います。
弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたフェラーリ F360 モデナを積んでファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い申し上げます。
フェラーリ F360 モデナ チェック開始準備の為、リフトセクションへと…
チェック開始です。
まず、第1段階。
Ferrari純正車両診断テスター SD2を、フェラーリ F360 モデナ 車輌コントロールユニットに接続。
ECUと交信開始です。
Errorコードのみのチェックではなく、Ferrari純正車両診断テスター SD2で、車輌全体のエレクトロニクス関連の状態や調整の状態を、詳細に把握します。
各部の作動状況や出力波形に至るまで、SD2で出来うる全てのエレクトロニクス関連のチェック。
現状の車両の状態を把握します。
ただ、コントロールメインユニットが車輌全てを網羅している訳ではありません。
SD2でモニタリングしても、ERRORコードが入力されない部分も多々存在します。
ボデープロテクターの装着。
Ferrari純正 車両診断テスターSD2で取得した各部のデータ。
現状のF360 モデナ 車輌全体のエレクトロニクスパーツの作動状況。
また、メカニカルの作動また、セット状況。
各部のデータを取得。
最新のFerrariアップデートデータとの比較も行います。
現状の電子制御部位データを全て詳細に把握します。
続いて、SD2で取得したデータは、あくまでもデータとし受け止めます。
データ全てを鵜呑みにせず、基本作動が適正値内で確実に作動しているかを、専用機器を使用し単体点検を実施。
更に奥深くまで、独自のチェックを進めます。
エレクトロニクス関連ポイント。
大きく分別すると下記の3項目が代表的な項目です。
1 入力: 電子的・機械的なセンサー(または変換器)で、温度、圧力、電磁場等の物理量をシステムの外部から取得して、電流信号や電圧信号に変換するあらゆるチェック。
2 信号処理回路: 組み合わされた電子素子により信号を操作し、解釈したり、変換したりする個所のチェック。
3 出力: アクチュエータや他の素子(変換器も含む)により、電流・電圧信号を車輌システムにとって有用な形態に再変換されているかなどのチェック。
この3項目から更に分別し、独自の項目別にチェックします。
TipoF131Bメカニカルチェックへと。
F360 モデナの心臓部は、3.6L V8気筒40バルブ。
355譲りの1気筒5バルブは、バルブリフト量が少なく高回転化が可能になるTipoF131B。
5バルブは、燃焼室の形状が偏平で表面積の広い多球状になる為、熱損失が大きくなり、燃焼効率が良くないなどの問題点も有り。
F430では、4バルブに変更されています。
高回転化すると低 中速トルクが痩せる為、それを回避する様々な可変機構が加えられ、ピークパワーは400PSに。
パワーユニット内部はシリンダーブロックとヘッド、サンプに軽合金、コンロッドにチタン、ピストンに鋳造アルミニウムを採用し、圧縮比も11.0:1 にまで高められたTipoF131B型。
マネージメントシステムは ボッシュ製モトロニック7.3までアップ。
TipoF131B 型パワーユニット、モトロニックM7.3の基本原理や構造を熟知したエンジニアが細部までチェックします。
近年の車輌は、エアロダイナミクスが非常に進んでいます。
たとえば、車輌下部のアンダーカウル。
ベンチュリートンネルにダウンフォースの多くを獲得するグランドエフェクト・カーとして設計され、エアロダイナミクスをさらに追求。
ベルヌーイの定理により、ベンチュリーの流速が速くなり空気圧が大きく下がり、下向きの揚力を発生させるダウンフォースを作り出します。
車輌下部全面にアンダーカウルが装備されています。
ダウンフォースを得る反面、オイル漏れ等発生しても中々オーナーには判りづらい部分です。
続いて、独自の項目毎 車輌チェック。
年数的、指定交換パーツ。
走行距離的、指定交換パーツ。
F360 モデナ 各モデル毎の傾向的不具合発生ポイントのチェック。
また車輌のコンディションを整える為の独自のチェックへと。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの一部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解が、ある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返し車輌より受ける衝撃や、常に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。
指定交換に列記されているパーツでも必ず交換しないといけない訳ではありません。
素材や構造を知り尽くしたエンジニアが、的確にチェックし判断します。
車輌はさまざまなパーツや機構で構成されていますね。
メカニカルまた、エレクトロニクス ボディー構成などなど…
書ききれない複雑な機構を組み合わせ1台の車輌として構築されています。
車輌毎に傾向的不具合も存在し、指定交換が促されているパーツも存在します。
車輌の使用状況や用途、保管状態で車輌のコンディションは千差万別です。
また、これまで車輌がどの様な考え方でチェックされてきていたか、どのような工法でリペア&メンテナンスを受けてきたか?
壊れた箇所のリペアだけではなく、車輌のコンディションを整えていくというメンテナンスが的確に行われてきた車両か否か?
色々な状況でリペア、メンテナンスポイントが違ってきます。
状況によってパーツ寿命が長くもなりまた、短くもなります。
全て、1から独自の思想また、目線で的確なチェックを行います。
オイルの漏れ。
フロアカウル上に漏れ出したオイル。
フロアカウルが装着されている為、中々オーナーは気づかないポイント。
オーナーが通常目にする事の無い部分に不具合が発生している場合が多いのは事実です。
オーナーが分からないうちに不具合が進行し、他のパーツに悪影響を及ぼしてしまっている場合が多々あります。
定期チェックで早期に発見し、確実なリペアを行うことで多大なダメージを回避することが可能です。
オイル漏れ。
タイミングベルトケース内部からのオイル漏れ。
タイミングベルトの指定交換時期は、モデルに関わらず手厚く保管されている車輌でも、3年もしくは2万キロどちらか先に達した時点で交換が必須。
(たとえば3年で0kmの走行でも交換。また6ヶ月で2万キロの走行でもその時点で交換。)
しかしこのような状況の場合、早期のリペアが必須です。
漏れ出したオイルがタイミングベルトに付着し、ベルト本来の強度が奪われバルブクラッシュを引き起こします。
パイピングやタンミングベルトケース内部から漏れ出したオイルが、周りの問題の無いパーツにまで付着。
漏れ出したオイルが他のパーツなどに付着し、全く問題の無いパーツまで攻撃し始めます。
分かりやすく言うと、輪ゴムにオイルを付けると、数日でゴムの弾力性が無くなり伸ばすと直に切れてしまいます。
これと同じ事が車輌に生じます。
漏れ出したオイルが、エキゾーストマニホールドにも付着。
ガソリンは引火性が強く、オイルは着火性が強い油脂です。
オイル漏れやグリス漏れはエキゾーストマニホールド等、高温な箇所に付着すると発火。
車輌火災に至り人命に関わる非常に危険なポイント。
リヤカウルにも多量のオイル漏れ。
パワートレインや、他の部位からのオイル漏れ。
オイル漏れ発生個所の中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的なガスケットや、ラバー素材パーツ。
ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、ある程度の年数で亀裂や溶解が起こります。
また特にパワーユニットやパワートレイン関連パーツは、熱による弾性不良また、回転部分の磨耗(エンジンを長期間始動しないマシンは、形成変化を起こします。)などもオイル漏れを発生させてしまいます。
また、構成金属パーツ類では、金属を構成する個々の原子そのものが膨張して、格子間隔が大きくなりその為、弾性変形を生じパーツ接合面に歪が発生し、オイル漏れを発生させている場合も多々見受けられます。
ピンポイントで確実なリペア方法を確定します。
次に、なぜオイル漏れが発生してしまったか?
漏れを引き起こしている主原因は?
これらの要因を特定します。
このプロセスが非常に重要です。
フロント / リヤ サスペンションシステム。
各セクション毎に測定。
経年劣化による使用許容範囲を超えたパーツが見受けられます。
使用許容範囲を超えた状態では、フェラーリ本来のシャープなハンドリングが味わえず、ダブルウィッシュボーンのデメリットばかりが大きくなり、ダルな動きをします。
また、使用許容範囲を超え使用し続けると、ボデー全体に振動が直接入力され、常にの衝撃でボデーまた、フレームのねじれや結合部の破損など、車輌の基本骨格へ致命的なダメージを与えます。
ボールジョイントブーツの破損。
ボールジョイントは、人間の肘のような役割を果たします。
ブーツ内部は非常に精密なジョイントをグリスで潤滑していますが、このような状態では潤滑用グリスが無くなり砂や埃が混入。
混入した異物で研磨作用が起こり、ジョイントにガタを発生させてしまいます。
人間で言うヘルニアによく似た感じですね。
ダウンフォースを作り出すフロアーカウル アップ画像。
フロアカウル全面にヒットした痕跡が見られます。
ヒットした衝撃でフロアカウルが破損しています。
ダウンフォースを生み出すフロアカウル。
この状態ではドラック゛(乱気流)を発生させ本来のダウンフォースが得ることが出来ません。
全て現品修復可能と判断。
メンテナンスメニューでご提案させて頂きます。
車輌全体を項目毎にチェックし、問題の所在を的確にピックアップします。
全てのチェック終了後、客観的ではなく主観的に見た、車輌を向上させる為のより良きメンテナンスメニューを組み立てます。
全てのチェックが終了したフェラーリ F360 モデナ。
確実に現状の車輌の状態を把握し切らせて頂きました。
内容をまとめ、現状の車輌の状態を分かり易く明記し送付させて頂いた上、御連絡させて頂きます。
幾通りかのメニューの中から、お打ち合わせさせて頂き決定しました今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
フェラーリ F360 モデナ リペア&メンテナンス開始準備の為、リフトセクションへと…
ボデープロテクターの装着。
リペア&メンテナンス開始です。
まず、クリスタルの様な繊細なインテリアの分解前に、クリーニングアップを行います。
通常隠れた場所には、塵や埃、またジュース等こぼれた染み等が隠れています。
そのままでは、塵や埃の汚れ、ジュースの染み等で繊細なインテリアを汚してしまいます。
まず、コックピットの塵や埃、染み等のクリーニングアップに入ります。
コックピット クリーニングアップ後の画像。
スッキリ細部までクリーンに。
クリーンな状態から、クリスタルの様な繊細なインテリアを丁寧に分解していきます。
独自のコックピット プロテクターを装着。
一切の汚れの付着を完璧にシャットアウトします。
各モデル、部分毎に完備しているプロテクター。
F360 モデナと、F360 チャレンジストラダーレでも変更します。
これは、内装の素地の違いからです。
車輌に1番ベストなプロテククターを装備します。
私たちの車輌に対するこだわりは、このようなポイントから始まります。
パワーユニット リペア&メンテナンス開始です。
現状のパワーユニット フロント側からの画像です。
中々オーナーが目にする事の無い隠れた部分には、塵や埃、また油汚等が蓄積しています。
まず、分解前にパワーユニットやパワートレインなどに付着している細かな砂や塵を、一度全てクリーニングアップします。
これは、作業中に砂や塵がパーツ内部へ混入することを避ける為。
また、分解するボルト、ナットetc.再使用パーツ保護の為に行います。
また、見た目にも汚れが落ちスッキリ クリーンな状態を取り戻します。
漏れ出したオイルに汚れがタップリ蓄積しています。
パワーユニット後方からの画像です。
通常オーナーが見えない箇所には、汚れや砂がビッシリ。
現状のパワーユニットL/Hバンクからの画像です。
同じくパワーユニットR/Hバンクからの画像です。
バルブカバー アップ画像。
結晶塗装の隙間に汚れが入り込み、完全に汚れてしまっている現状。
独自のクリーニングアップ工法でクリーンな状態を取り戻します。
エンジンルーム フレーム現状の画像。
通常オーナーが見えない箇所には砂がビッシリ。
各セクション汚れがビッシリ蓄積している状態。
パワーユニット ロアーセクションからの画像。
ロアーセクションのフレーム現状の状態。
シリンダー現状の状態。
こちらもまずオーナーは目にする事のない部分です。
車輌の価値観を理解し、見える部分は勿論の事、通常見えない箇所のクリーニングアップを非常に重要視します。
パワートレイン現状の状態。
作業中に砂や塵がパーツ内部へ混入することを避ける為、細部までクリーニングアップしていきます。
各部のボルト、ナットの状態。
汚れたままでの分解は、ボルト、ナットを痛めます。
ボルト、ナット 1本まで、全てクリーニングアップしていきます。
上記の状態では、リペア&メンテナンス時の異物混入また、再使用パーツを傷めます。
分解前に、独自のクリーニングアップ方法で一掃し、クリーンな状態を取り戻します。
変化振りを…乞うご期待。
クリーニングアップ終了のTipo F131Bユニット。
クリーニングアップ前と同じ順番でご紹介させて頂きます。
まず、パワーユニット フロントからの画像です。
ボルト、ナット1つまで、クリーニングアップ。
クリーンな状態からリペアポイントを分解することで、ボルト、ナットにストレスを掛けず、ロックを解除しボルト&ナットのピッチを保護します。
全ての部位に対しクリーンな状態から分解します。
隅々まで徹底したクリーニングアップを実施。
パワーユニット後方からのクリーニングアップ後の画像。
全てがクッキリ映える様になりました。
作動部分に付着した汚れ、古いグリス類も一掃し、リアルな動きを取り戻す下準備も完璧に行います。
クリーニングアップ後のR/Hバンク の画像です。
同じくL/Hバンク の画像です。
バルブカバー結晶塗装クリーニングアップ後の画像です。
独自のクリーニングアップ方法で、完璧なクリーニングアップ実施後の画像です。
結晶塗装の隅々に付着していた汚れも細部までクリーニングアップ。
本来の発色を取り戻した結晶塗装。
工程に伴い、単品から更にクリーニングアップを行っていきます。
クリーニングアップ後のL/Hフレーム。
リペア&メンテナンス中、パーツ内部への砂や埃の混入を完全にシャットアウト。
同じくクリーニングアップ後のR/Hフレーム
独自のクリーニングアップで、本来のマッドなカラーが蘇りました。
細部まで完璧なクリーニングアップを実施。
汚れも一掃。
パワーユニット ロアーセクション クリーニングアップ後の画像です。
ロアーセクション フレーム クリーニングアップ後の画像。
シリンダーの汚れも、細部までしっかりクリーニングアップ。
パワートレインもスッキリ クリーンな状態に。
全ての部位に対しクリーンな状態からリペア&メンテナンスを行います。
また、美しさにもこだわります。
これが私たちのリペア&メンテナンスに取り掛かる第一工程のクリーニングアップです。
私達メンテナンスする側も気持ち良くリペア&メンテナンスに掛かれます。
クリーニングアップ等、全て作業の一貫と考え行います。
特別な費用等は必要ありません。
私たちのごく通常の作業の流れです。
リペア&メンテナンスに伴う、バルブタイミングの測定。
よく、現状のバルブタイミングが数度ズレてしまっている車輌も見かけます。
ただ単にタイミングベルト交換だけでは、100%のポテンシャルは発揮しません。
組み込み時には、独自の数値でバルブタイミングをセットし、高負荷高速回転領域で最高出力を向上させ、また、低中速回転領域で低中速トルクも向上させます。
各気筒毎、計算式により現状のバルブタイミングの数値をチェックします。
独自のバルブタイミングにセットアップするには、このプロセスが非常に重要です。
バルブタイミングとは?
簡単に言えば、ピストンの位置に対して、どのタイミングでIN&OUT側バルブを開け閉めするか、その位置を決定する事です。
エンジンは、ピストンの上下によって混合気を吸って排気ガスを吐き出しています。
ピストンが降りる時に吸気バルブを開けてやり、上がる時に吸気側を閉じて排気バルブを開ける工程の事です。
10000回転/分では、一秒間に80回もこの工程を繰り返します。
このスピードでは、混合気にも重さや粘度が発生し、蜂蜜の様な粘度と考えてもらっても良いでしょう。
ピストンが下がり粘度が発生している混合気が燃焼室に入ります。
ピストンは下がりきって圧縮工程に入りますが、やっと流れる勢いの混合気はシリンダーに自ら入ってくるので、吸気バルブを今閉めるのはもったいない、遅らせようというのが吸気側タイミング。
続いて、爆発燃焼エネルギーでピストンが下がりますが、まだ膨張エネルギーが残っている状態で、早く排気バルブを開けて排気を早く排出し、次の吸入時の為に負圧を発生させ、混合気を吸い込むようにするのが排気側タイミング。
簡単に書きましたが、これら一連の工程のタイミングを変化させる事で、よりスムーズに吸入・排気させ、なおかつ爆発工程でのパワーを限りなく使い切る。
これが独自のバルブタイミングになる訳です。
ウォーター系統のリペア&メンテナンスへと。
現状の画像です。
フルオーバーホール&リフレッシュ終了のウォーターポンプ。
項目毎に回転部分、接合部分、軸受けetc.の加工修正を行い、精度を確実に取り戻すメンテナンスを行いオーバーホール完了です。
リブベルト装着部分のプーリー。
プーリー1つに至っても細部までメンテナンス。
リブベルトにストレスを与えません。
機能性また、美観まで新品同様に仕上げます。
ウォーターポンプ パワーユニット側、締結部分のアップ画像です。
まず締結部分をクリーニングアップしていきます。
細部までクリーンな状態から、私たちが独自に設定している厳密な数値に適合しているか否かを、全て測定チェックします。
独自の数値に適合しない場合、専用機器で加工修正を行っていきます。
メンテナンス後の画像です。
パワーユニット側、締結部分を厳密な数値に修正。
下準備を整え組込みに備えます。
パワーユニット側のメンテナンスへと。
現状の画像です。
パワーユニット内部のクリーニングアップを行っていきます。
細部までクリーンな状態から、私たちが独自に設定している厳密な数値に適合しているか否かを、全て測定チェックします。
独自の数値に適合しない場合、専用機器で加工修正を行っていきます。
クリーニングアップ&メンテナンス後の画像です。
項目毎に回転部分、接合部分、軸受けetc.の加工修正を行い、精度を確実に取り戻すメンテナンスを実施。
独自に設定している厳密な数値に修正。
高次元の構造体に仕上げます。
厳密な精度へと仕上げたパワーユニットに、メンテナンス済みのパーツを組み込み。
組み込み工程も、徹底した精度にこだわりぬきます。
現状のカムシャフトギヤの画像です。
各ギヤが錆で侵食されている状態。
錆の発生で、タイミングベルトが紙やすりで削られる作用が発生しています。
その為タイミングベルトが攻撃され、指定交換時期までタイミングベルトがもたない状態。
錆は、腐食生成物です。
少しでも残っていればその部分から錆は加速度的に侵攻します。
完璧に錆を除去し、再発を完全にシャットアウトしていきます。
まず全てクリーニングアップ。
クリーンな状態から、分解パーツ1つ1つに設定している独自の厳密な数値に適合しているか否かを、全て測定チェック。
チェック項目でメンテナンスが必要であると判断した数値の箇所は、徹底した精度を確実に復元するメンテナンスを実施します。
クリーニングアップ&メンテナンス後のカムギヤの画像です。
再使用パーツを、独自のクオリティーで格段に向上させ、より高い精度の構造体に仕上げます。
また、美しさにもこだわります。
1つ1つのパーツを確実にリセットします。
これでタイミングベルトを攻撃する脅威もなくなり、キッチリとしたバルブタイミングのセットアップも可能になりました。
また、ギヤを錆させていた主原因ポイントも根本からリペア。
このようなメンテナンスの積み重ねで、より高いパフォーマンスを引き出します。
独自のクオリティーで、徹底した管理の下メンテナンスを行ったパーツを、パワーユニットへ組み込み。
画像右がタイミングベルトのニューパーツ。
画像左が使用許容範囲を超過したタイミングベルト。
タイミングベルトの指定交換時期は、モデルに関わらず手厚く保管されている車輌でも3年 (3年で0kmの走行でも交換)
また3年経過しなくても、前回の交換から2万キロ走行した場合。
どちらか先に達した時点で交換が必須です。
ただし、油脂の漏れや他の諸問題がおこっている場合は別です。
画像右が、タイミングベルトニューパーツ。
タイミングベルトの正式名称はコグドベルト。
通常のVベルト、Vリブドベルトと違い、ラバー製の歯が付きクランクギヤ、カムギヤを連結しているのがコグドベルトの特徴。
ギヤに歯型を噛み合わせることにより、スリップすることなく回転を伝えることができる特殊なベルトです。
よくタイミングベルトが切れたという言葉を聞きますが、コグドベルト自体が切損する場合はほとんど無く、ラバー製の歯がポロリと欠損してしまう事を、タイミングベルトが切れたと表現されています。
水濡れ、オイル漏れ、外界に露出している部分が多い等、さまざまな要因で劣化が促進し、ラバー製の歯が欠損しバルブクラッシュを引き起こしパワーユニットに多大なダメージを与えてしまいます。
タイミングベルトニューパーツの画像。
私たちは、純正の新品であっても長期に在庫されていたタイミングベルトは使用しません。
また、低価格のOEMパーツも使用しません。
私たちは、パーツ管理が行き届いたタイミングベルトのみ使用します。
画像左が、装着されていたタイミングベルトテンショナーベアリング。
画像右が、ナカムラエンジニアリングオリジナル タイミングベルトテンショナーベアリング。
画像左の装着されていたベアリングのアウターケースに発生している錆。
また、ベアリングシールも劣化し、内部のグリス漏れが発生しています。
このような状態では、タイミングベルトの寿命を縮めてしまいます。
ロックしてしまうと、タイミングベルトに急激に負担が掛かり、最悪、バルブクラッシュを引き起こしてしまいます。
近年、安いOEMが色々と出ていますが、粗悪なものも多数有ります。
逆に良いものも有りますが、粗悪なパーツと良質なパーツの見極めが非常に重要ですね。
ナカムラエンジニアリング オリジナル テンショナーベアリングset。
オリジナルで製作しているタイミングベルトテンショナーベアリングは、アウターケースは無垢材より削り出し製作。
錆の発生を完全にシャットアウトする亜鉛メッキ処理を施工。
ベアリング本体には、国産最高級ベアリング NTN製のベアリングを使用。
国産最高級ベアリングを使用する事により、回転負荷の著しい軽減が可能。
タイミングベルトへの負担を最小限に抑えます。
オリジナルのタイミングベルトテンショナーベアリングを使用する事により、エンジン回転も非常にスムーズになり、タイミングベルトへの負担も著しく軽減。
全ての問題を完全にクリアしたタイミングベルトテンショナーベアリングです。
ナカムラエンジニアリング タイミングベルトテンショナーベアリングset&油圧テンショナー。
アップデートパーツを使用し諸問題を完全にリセットします。
ウォーター系統のリペア&メンテナンスへと。
現状の画像です。
まず、クリーニングアップを行い分解時のチェック項目の1つでもある、パーツ精度を1つ1つ個々に測定します。
単体から確実に、私たち独自の厳密な精度に加工修正していきます。
独自の厳密な数値に加工修正後の画像です。
1つ1つの下準備を整え組込み。
このプロセスが重要なんです。
トルクレンチを使用し、全てのボルト、ナットを規定トルクで確実にロック。
通常のレンチでは、締め付け不足による緩みや、締め過ぎによる破損、あるいは締め付けの個人差によるばらつきが発生します。
これを防ぐ為、全てトルクレンチを使用し規定トルクで各部を組み込みます。
全ての下準備が整ったパワーユニットに、個々のパーツ精度を確実に取り戻したパーツを、独自のノウハウを盛り込み組み込み。
機能性や、精度を完璧に仕上げたパワーユニット。
また、徹底して美しい仕上げを追求。
続いて、バルブタイミングのセットアップへと。
これら一連のメンテナンスを行う事で、独自のバルブタイミングのセットアップが可能になります。
バルブタイミングのセットアップへと。
独自のノウハウを盛り込み、バルブタイミングをセットアップします。
バルブタイミングを変更すると、エンジンの特性を変えることが出来ます。
同一カム角であれば、バルタイを変化させても、バルブを開く時間は同じです。
その時間を、どのタイミングで作動させるかをセットアップする訳です。
独自のバルブタイミングのセットアップでのメリットは、アイドリング領域と軽負荷領域でオーバーラップ量を小さくし、インテーク側の燃焼ガス吹き返しを減少させます。
これにより、アイドル域での回転数を安定させ、燃料消費率を向上させる。また、軽負荷領域ではエンジンの安定性を確保する。
中負荷領域では、オーバーラップ量を大きくし、燃焼温度を下げ、排出ガス中のNOxを低減させる。また、未燃焼ガスを再燃焼させ、HCも低減させる。
高負荷低中速回転領域では、吸気バルブの閉じるタイミングを早くし、低中速トルクを向上させる。
高負荷高速回転領域では、吸気バルブの閉じるタイミングを遅くし、最高出力を向上させる。
低温時は、オーバーラップ量を最小とし、吸気側への燃焼ガス吹き返しを防ぎます。これにより、燃料消費率を向上させながら、ファースト・アイドル回転数を安定させる。
エンジン始動時、およびエンジン停止時オーバーラップ量を最小とし、吸気側への燃焼ガス吹き返しを防ぎます。これにより、始動性を向上させます。
可変バルブ・タイミング デバイス等のパワーユニットは大変複雑な作動をします。
そのセッティングについては、膨大なデータの中から各気筒毎、計算式により独自の数値へセットアップしポテンシャルを引き出します。
安易なノウハウでのセットは、メリットよりデメリットばかりが大きくなり、パワーユニットにダメージを与えてしまったり、即エンジンブローへと直結します。
タイミングベルトカバーを、単品から更にメンテナンス&クリーニングアップしていきます。
漏れ出していたオイルが随所に付着しています。
ニューパーツに付着しない様、クリーニングアップを行います。
同時にクリーンな状態からクラックチェック&メンテナンスも行っていきます。
タイミングベルトケース メンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
効率にとらわれる事なく、1つ1つのパーツを独自のクオリティーで仕上げます。
バルブカバーを、単品から更にメンテナンス&クリーニングアップしていきます。
単品から更にメンテナンス&クリーニングアップし、最終の工程を行っていきます。
バルブカバーメンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
結晶塗装も独自の工法で更にクリーンに。
クリーンな状態から、分解パーツ1つ1つに設定している独自の厳密な数値に適合しているか否かを、全て測定チェック。
チェック項目でメンテナンスが必要であると判断した数値の箇所は、徹底した精度を確実に復元するメンテナンスを実施。
1つ1つの下準備を整えます。
関連パーツ一部の画像。
こちらも上記同様、メンテナンス&クリーニングアップを行いパーツ精度を復元します。
メンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
滑らかな素地。
効率にとらわれる事なく、1つ1つのパーツを独自のクオリティーで仕上げます。
項目毎に回転部分、接合部分、軸受けetc.の加工修正を行い、精度を確実に取り戻すメンテナンスを実施。
独自に設定している厳密な数値に修正。
高次元の構造体に仕上げます。
トルクレンチ。
トルクレンチを使用する事により、規定トルクによる締め付け管理が確実に行えます。
通常のレンチでは、締め付け不足による緩みや、締め過ぎによる破損、あるいは締め付けの個人差によるばらつきが発生します。
これを防ぎ、規定トルクでシッカリとしたトルク管理を行う為、全てトルクレンチを使用し各部を組み込んでいきます。
ボルトやナットの締め付けトルクは材質や処理の方法また、長さ等々でISO規格が設けられているほど重要なポイント。
メンテナンスで精度を復元したパーツ群。
締結部分に微塵の誤差もありません。
私たちのリペア&メンテナンス工程は機能性また、徹底して美しい仕上げを追求します。
スパークプラグの交換。
画像上が、使用限度を超過したスパークプラグ。
画像下が、燃焼を更に促進させるため、蓄積したデータから選択したスパークプラグ。
フルインジェクション化に伴い、今では余り気を使わなくなったスパークプラグ。
3年以内、または走行2万キロを目安にパーツそのものを一新する事が必須。
スパークプラグは、点火プラグはシェル 碍子および中心導体(中心電極及びターミナル)で構成されています。
点火プラグは燃焼室を貫く形で配置される為、シリンダーで発生する圧縮圧力や熱が外部に漏れないような密閉構造を持ち合わせているパーツ。
モータースポーツの世界では、エンジンのセッティングに応じて適切なプラグ熱価を選択する事が必要になります。
点火プラグの電極と碍子脚部は、燃焼室の内部で大きな影響を受けています。
極と碍子脚部の焼け具合は、燃焼室内部の燃焼環境を直接示す目安となる為、点火プラグを取り外した際には電極と碍子脚部の焼け具合を目視する事で、 その点火プラグがそのエンジンのセッティングに対して適切か否かの判断を下す事が可能となり、セッティングに応じて選択し直す場合も有ります。
新品のプラグであっても、製造誤差などにより必ずしもギャップが全数一定に揃っているとは限りません。
エンジンの種類によっては、プラグの熱価などは全気筒同じであっても、気筒毎に異なる電極隙間を要求するものも存在する為、装着の前に電極隙間を測定して調整します。
ダイレクトイグニッションのメンテナンス&クリーニングアップ。
ダイレクトイグニッションとは。
性能向上が限界に達していた従来のディストリビュータータイプの点火システムに代わって開発された、電気式の点火システムがダイレクトイグニッションシステム。
従来の点火システムは、ひとつの点火コイルで発生させた点火信号を、カムシャフトと直結したロータリースイッチで、各気筒の点火プラグに点火信号を分配するアナログなタイプでした。
機械的なロータリースイッチは、接点の磨耗や接触不良の発生、さらには接点間スパークの発生で電波ノイズの発生が避けられず、エンジンの高回転化に対応できない等の問題がありました。
ダイレクトイグニッションの最大の特徴として、プラグコードを必要とせず、電圧のロスを最小限に抑える事が可能。
機械式点火システムと比較して非常に燃焼効率が良く、より強大なトルクが得られ、燃費性能も高いダイレクトイグニッション。
センサーで点火時期を算出し、インジェクションもECUが包括制御を行う事で、全回転域において安定した点火と電カ供給が可能。
小型化された点火コイルを点火プラグのソケットに内蔵し、コントロールユニットから各気筒のダイレクトイグニッションに電気信号を送り、スパークプラグに安定した電カ供給を行うのがダイレクトイグニッションシステム。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
メンテナンス&クリーニングアップ後のダイレクトイグニッションの画像です。
イグニッションやハーネス等々に至るまで、丁寧にメンテナンス&クリーニングを実施。
ハーネス接続部分もリフレッシュを行い、パワーユニットへの供給電圧を復帰させます。
アイドラプーリーのリペア&メンテナンス。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
メンテナンス&クリーニングアップ後の画像。
リアルでスムーズな動き、また美しさもこだわります。
全ての下準備が整ったパワーユニットに、個々のパーツ精度を確実に取り戻したパーツを、独自のノウハウを盛り込み組み込み。
1台1台手作業で、どれだけ効率的に動力性能を発揮できるかにこだわり組上げます。
クルマではなく芸術作品を生み出すという意識で、丹念に仕上げます。
エンジンマウントの交換。
クリーンな状態から分解を行います。
画像左が、使用許容範囲を超えているマウント。
画像右がニューパーツ。
構造体としての機能が使用に耐えられなくなり亀裂も発生しているマウント。
劣化したマウントと、ニューパーツでは、劣化したマウントが約1.5センチ落ち込んでいる状態。
パワーユニット&パワートレイン搭載時には自重が掛かり更に落ち込みます。
パワーユニット、パワートレインといった機関内部では、部品が回転する事でさまざまな振動が発生します。
その為、こうした機関とフレームとの間にショックアブソーバーのような働きをするエンジンマウントを設け、車輌に振動が直接伝わりダメージを与えない働きをするのがエンジンマウントです。
ニューパーツ装着前に、マウントブラケットのクリーニングアップ&メンテナンスを行います。
クリーニングアップ後、クラックチェック等も行います。
クリーニングアップ&メンテナンス開始です。
クリーニングアップ&メンテナンス後の画像。
滑らかな素地。
締結部分等、独自の厳密な数値に復元。
リペアポイントのキャラクターを存分に発揮させます。
独自のクオリティーで、1つ1つの再使用パーツの精度を格段に向上させ、より高い精度の構造体に仕上げます。
美しさも新品同様に復元し組み込みに備えます。
全ての下準備を行いニューパーツを組み込み。
組み込みは、基本装着位置へと修正し組み込みます。
この様なメンテナンスの積み重ねで車輌の基本ベースを底上げします。
クリーンな状態からミッションマウントの交換へと。
ミッションマウントは、Nakamura Engineering オリジナル 強化ミッションマウントKIT. へと換装。
更なる走りのステージを実現する Nakamura Engineering オリジナル 強化ミッションマウントKIT.
ウェブサイト Premium Partsで紹介しています『更なる走りのステージを実現する Nakamura Engineering オリジナル 強化ミッションマウントKIT. 』
こちらの商品はPremium Partsでご購入して頂けます。
アルコア社リムーバブルフレームのメンテナンス&クリーニングアップへと。
分解時のみ可能な細部のクリーニングアップを行います。
ミッドシップの車輌では、非常にストレスのかかる部分。
クリーニングアップ後、各部の測定またメンテナンスを行い、適正化を図ります。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
メンテナンス&クリーニングアップ後のリムーバブルフレーム。
クリーンな状態で細部までチェック&メンテナンス。
適正化を図ったリムーバブルフレーム。
地味なれど重要。
適正化を図ったリムーバブルフレーム。
仮組みでフィッティングの確認。
仮組みから本組みまで独自の精度で組み上げます。
私たちのファクトリーでは、エアーツールなど一切使用しません。
全てメカニックの手と、磨き上げられた工具によって行います。
機能性や、精度を完璧に仕上げたパワーユニット。
また、徹底して美しい仕上げを追求。
リペア&メンテナンスに伴い分解したパーツ 一部の画像。
私たちのリペア&メンテナンス工程は、再使用パーツに独自のチェック項目を設けています。
生産時のパーツ精度の誤差、また熱害での精度低下部分は専用機器で修正し再使用します。
また、全て独自のクオリティーで徹底したクリーニングアップを実施し再使用します。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
メンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
細部に至るまで、徹底したメンテナンス&クリーニングアップを実施します。
独自のクリーニングアップ方法で、付着した汚れを細部まで一掃しクリーンな状態を取り戻します。
私たちは、細部まで独自のクオリティーで徹底したメンテナンス&クリーニングアップを行います。
どの部位においても効率化を求めず、こだわったメンテナンスをご提供します。
ブレーキオイルの交換。
まず汚れているリザーバタンク、また周辺部分のクリーニングアップ開始です。
クリーニングアップ後の画像です。
クリーンな状態からリザーバキャップを開ける事で、タンク内部への異物の混入をシャットアウトします。
リザーバタンク内部底に、大気中の水分を吸って加水した浮遊物が貯まっています。
この状態ではブレーキシステム構成パーツに悪影響を与えるばかりか、作動不良またオイル漏れを引き起こしてしまいます。
まず、加水した浮遊物のクリーニングアップを行います。
クリーニングアップ後の画像。
新油は、このような透明なブレーキオイル。
クリーンな状態から専用機器で交換。
ブレーキオイルは、F360 モデナのパフォーマンスに十二分な対応ができるスペックのオイルをチョイスし交換します。
ブレーキオイル。
ブレーキオイルの交換時期は、オイルの色などでも簡単な判断はできますが、交換基準はあくまで使用期間、水分吸収量、劣化で判断します。
サーキット走行後は、ブレーキに与える熱量が非常に大きい為、熱によるブレーキオイルの膨張などが繰り返され劣化が急激に進みます。
ブレーキオイルは吸湿性が高く、大気中の水分を吸収する為、期間の経過と共にブレーキオイル内の水分量が多くなり、沸点が下がってしまいます。
そのまま使用し続けると、ハードブレーキを繰り返したときにブレーキオイルが沸騰し気泡が発生し、踏力によって発生した圧力は、気泡を圧縮するだけで制動力を発生させることができず、ブレーキが効かなくなります。
これをペーパーロック現象と言い、大変危険な現象の一つです。
ハードブレーキはしないから…と思うオーナーも多いでしょうが、発生する不具合はこれだけでは無く色々な不具合を発生させます。
ブレーキオイルの水分吸収量が多くなると、キャリパーピストンに錆が発生し、ピストン固着やブレーキの引きずり、片効き等々を引き起こします。
通常のストリートでの使用、また、乗らなくても1年毎の交換が必須。
ブレーキオイル交換と同時に、周辺部分もクリーニングアップ。
フェラーリ F360 モデナの車輌スペックまた、使用用途に適したオイルで交換完了。
これら油脂類の交換過程は、私たちが行うごく通常の交換工程です。
ミッションオイル交換。
エンジンオイルの交換はオーナーが1番気にし交換されますが、ミッションオイルも忘れてはいけない油脂類の1つ。
ギヤの焼き付きを避け、またシフトフィーリングまでよくなるミッションオイル。
シフト操作をするとミッション内部で、大きなギヤが噛み合ったり外れたりしますよね。
ギヤオイルには、潤滑 冷却 防錆 応力分散の4つの作用が求められます。
エンジンオイルでは、これに加えて密閉作用や洗浄作用が要求されますが、ギヤオイルの場合、この効果はほとんど必要が無いでしょう。
それよりも重視されるのが応力分散作用ですね。 この作用がしっかりと発揮できるミッションオイルを使用しないと、ギヤの焼き付きなどのダメージに繋がったり、シフトフィールの悪化に直結します。
車輌の特性やモデルまた、使用用途に応じて、オイル成分や粘度などなど……ベストなオイルを選択し交換します。
ドレンプラグもスッキリ クリーニングアップ。
締め付けたガスケットは再使用しません。
周辺部分もクリーニングアップ。
ミッションオイル交換完了です。
パワーステアリングオイル交換。
パワーステアリングは、エンジンの出力を利用してポンプを作動させることで高圧な油圧を発生させ、その力でステアリング回転力を軽減する部位。
ラック&ピニオン式とボールネジ式に大別されます。
また、スピードを感知することによりアシスト力を制御するパワーステアリングも有ります。
355は、油圧式。
油圧式を採用する利点に、自然なステアリングフィーリングが得られると共に、ドライビングプレジャーを追求出来ます。
パワーステアリングオイルの劣化が進んだ場合には、パワーロスによる操作性悪化やポンプからのオイル漏れが発生するなど、2次的不具合を誘発させます。 的確な交換距離及び年数での交換が必要です。
全ての下準備が整ったパワーユニットに、個々のパーツ精度を確実に取り戻したパーツを、独自のノウハウを盛り込み組み込み。
1台1台手作業で、どれだけ効率的に動力性能を発揮できるかにこだわり組上げます。
またクルマではなく芸術作品を生み出すという意識で、美しさも追求し丹念に仕上げます。
エンジンスタート前に、ユニット内部に潤滑オイルを行き渡らせ最終チェックも完了。
軽いクランキング音と共にスムーズなアイドリング。
始動時から再度細部までチェック。
水温 油温 油圧 電圧 電流等々インスルメントパネルのメーター上でチェック。
また、メーター上の確認だけでなく、指針と実際のユニットとの誤差が無いかを、フェラーリ純正テスター SD2を車輌コントロールユニットに接続し同時にチェック…
各回転域でのユニットやセンサーまた、電子制御インジェクションシステムの基本作動。
また、パラメーターチェックも全て行います。
パワーユニット&パワートレインのチェックも全て終了。
最終のセットアップでF360 モデナのパフォーマンスを引き出します。
サスペンションシステム ステアリングシステム等のメンテナンス&クリーニングアップ。
定期的な、足回り&車輌全体のトルク管理が必要です。
各部の調整と同時に締め付けトルクのチェックまた、サスペンションシステムも本来のパフォーマンスを発揮出来るようメンテナンスを行います。
また同時に、分解時にしか出来ない、フェンダー内部の隅々までクリーンニグアップします。
中々オーナーが目にする事の無い部分。
また、雨天使用しなくても、ダストや砂などが付着してしまう部分でもあります。
同じくリヤセクション。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
クリーニングアップ&メンテナンス後のサスペンションシステム。
ダストや砂などをクリーニングアップする事により、各機能がよりリニアになると共に、クリーンな状態を取り戻しました。
きめ細やかなメンテナンス&クリーニングアップを随所に施します。
クリーンな状態から、サスペンションシステム ステアリングシステムも本来のパフォーマンスを発揮出来るようメンテナンス完了。
同じくリヤサスペンションシステム。
きめ細やかなメンテナンス&クリーニングアップを随所に施します。
ホイールのクリーニングアップ&メンテナンスへと。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
4輪全てクリーニングアップ メンテナンス開始です。
ホイール クリーニングアップ&メンテナンス終了後の画像です。
4輪全て表裏共に、本来の発色を取り戻しました。
プロのレースチームもホイールの磨きは重要な仕事。
タイヤの状態やホイールの変形、キズやキレツ、そしてホイールナットの座面などもチェック。
ワークスチームでも、メカニックの重要な仕事のひとつ。
メンテナンス終了のホイール。
組み込みに備えます。
カウル類のメンテナンス&クリーニングアップへと。
現状のカウル類の画像です。
チェック&リペアまた、メンテナンスに伴い分解した、アンダーカウルやフェンダーライナー類。
私たちの作業は、分解パーツを1点1点クリーニングアップし美観を取り戻します。
また、トラブルを未然に防ぐ事も兼ね、全て組み込み前に表裏共にクリーニングアップします。
クリーニングアップ&メンテナンス後のカウルの画像です。
リペア&メンテナンス同様に、隠れた箇所ほど重要です。
クリーンな状態で組込みに備えます。
各部メンテナンスと同時に施工する独自のクリーニングアップ。
クリーニングアップは、本来の素材を熟知し蘇らせる意味で1番適した仕上げを行います。
ケミカル用品で一時的に艶を出す様な安易仕上げは、一切行いません。
フロア部分現状の画像。
細部までクリーニングアップを行っていきます。
クリーニングアップ後のシャシーの画像です。
クリーンな状態から独自の味付けを施し、F360 モデナに潜在するキャラクターを存分に発揮させます。
セットアップ済みのシャシーへ、クリーンなカウル類を組み込み。
カウルの組み込みは、基本装着位置の見直しも図り、1つ1つ丁寧に組み込みます。
全てのチリ合わせや、左右の均一性、ボルトロック状態の位置にもこだわり組み込み完了です。
全てのリペア&メンテナンス完了。
最終チェック&セットアップへと…
Ferrari 純正テスター SD2でパワーユニットのリペア&メンテナンスに伴うECUのセットアップ。
まず、以前の車輌セットをセットダウン。
続いてリペア&メンテナンス後の車輌に合わせセットアップします。
この工程が仕上がりを大きく左右します。
最終セットアップ。
Ferrari純正車両診断テスターSD2で、TipoF131Bの基本原理や構造を熟知したエンジニアが独自のセットアップを実施。
独自の味付けを行い、F360 モデナのポテンシャルを余す事無く引き出します。
メカニカル面も、的確な最終チェックまた、独自の味付けを行います。
最終の詰めです。
このプロセスが重要です。
独自のセットアップも終了。
最終クリーニングアップ実施後のエンジン&エンジンルーム。
分解時、各パーツ単品でクリーニングアップ&メンテナンスを行っているので隅々までスッキリ クリーンな状態を復元。
各部のクリーニングアップや、精度を取り戻すメンテナンス等、特別な費用等は必要ありません。
私たちのごく通常のメンテナンス工程の一貫だからです。
エクステリア、インテリアの最終仕上げも、メンテナンス同様こだわります。
全てのリペア&メンテナンス 終了のフェラーリ F360 モデナ。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の一部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全てのリペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影しています。
詳細な写真 792枚 (CD-R 6枚に落としてあります)及び、今回のメンテナンス内容また、今後のメンテナンスメニューも分かり易く作成していますので、車輌と一緒にお持ち致します。
今回メンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。
Ferrariや、Lamborghini は、どのモデルに関わらず工業製品であって美術品でもあります。
この様な車輌をメンテナンスさせて頂くにあたって、車輌に対してのオーナーの思いや、価値観を理解し、常に業務に携らせて頂いています。
車輌を常に向上させ完璧なコンディションに近づけ後世に残していく。
トラブルの解析なども常に的確なトラブルシューティングを行い、根本からトラブルをリペアし、構造を熟知した上でセットアップを行い、100%のポテンシャルを発揮できる車輌に仕上げていく。
独自のノウハウとテクニックまた、専用の最新設備で車輌のポテンシャルを余すことなく発揮させキャラクターを取り戻す。
また、何処を見ても綺麗。
隠れた所にも気遣いをする。
効率にとらわれず、1台1台の車輌を仕上げていく。
もし、僕自身の車輌なら、ここまで徹底的にして欲しい。
そういったメンテナンスを実施する車輌だと僕は思いますし、その思いを皆さんの車輌にも日々向上心を持って実践しています。