ウェブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
いつもフェラーリ 328 GTS メンテナンス御依頼有り難う御座います。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
今回もご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
フェラーリ 328GTS チェック開始準備の為、リフトセクションへと…
ボデープロテクターの装着。
チェック開始です。
328の心臓部は、3,2ℓ 90度 V8DOHC 32バルブ TipoF105Cユニット。
圧縮比 9.8:1 最大出力 270PS/7,000rpm、最大トルク31.0kg·m/5,500rpmを発揮。
328のTipoF105Cユニットは、前期 後期 また、仕様によって排気量の変更 圧縮比の変更 カムフィールの変更。
それに伴い最大出力の違いもあります。
インジェクションも年代で3種類。
前期のインジェクションシステムは、ボッシュ製 Kジェトロ。
後期のインジェクションシステムは、ボッシュ製 KAジェトロ。
最後期には、ボッシュ製 KEジェトロのインジェクションシステムも存在します。
K KA KE ジェトロ。
フラップが噴射量を制御するシステム。
全ての気筒に連続的に燃料噴射を行います。
システムに異常が無くても、セットアップで性能が大きく変わります。
機械的作動部分が多いので、経年劣化などでセッティングが変化するので、定期的な基本セットアップが性能を保ちます。
K KA KE ジェトロは、経年劣化や長期放置による不具合の発生は少ないですが、要件によりエンジンの初期性能が発揮できなくなっている車輌が非常に多いです。
また、エレクトロニクス関連も全てチェック。
TipoF105C パワーユニットまた、 K KA KE ジェトロの構造や基本原理また、マレリ製マイクロプレックスを熟知したエンジニアが、各項目、全て個別にチェックします。
鋼管チューブラー フレームのメインフレームの前後にサブフレームを接合させたモデル。
走行中の応力負担も、フレームだけでなくボディパネルにも依存する設計。
328では、2種類のフレームが存在します。
2種類のフレームの違いから、基本アライメント等、色々な違いがあります。
続いて、メカニカル関連のチェック。
年数的、指定交換パーツ。
走行距離的、指定交換パーツ。
フェラーリ 328 各モデル毎の傾向的不具合発生ポイントのチェック。
また車輌のコンディションを整える為の独自のチェックへと。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの一部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解が、ある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返し車輌より受ける衝撃や、常に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。
指定交換に列記されているパーツでも、必ず交換しないといけない訳ではありません。
素材や構造を知り尽くしたエンジニアが、的確にチェックし判断します。
車輌はさまざまなパーツや機構で構成されていますね。
メカニカルまた、エレクトロニクス ボディー構成などなど…
書ききれない複雑な機構を組み合わせ1台の車輌として構築されています。
車輌毎に傾向的不具合も存在し、指定交換が促されているパーツも存在します。
車輌の使用状況や用途、保管状態で車輌のコンディションは千差万別です。
また、これまで車輌がどの様な考え方でチェックされてきていたか、どのような工法でリペア&メンテナンスを受けてきたか?
壊れた箇所のリペアだけではなく、車輌のコンディションを整えていくというメンテナンスが的確に行われてきた車両か否か?
色々な状況でリペア、メンテナンスポイントが違ってきます。
状況によってパーツ寿命が長くもなりまた、短くもなります。
全て、1から独自の思想また目線で、的確なチェックを行います。
常に、私たち独自の思想また目線でメンテナンスを行わせて頂いている車輌。
よいコンディションです。
今回も、独自の思想また目線でチェックを行います。
フロント / リヤサスペンションシステム。
以前フルブッシュの交換を実施させて頂いているので、状態は良好です。
スタビライザーブッシュの画像。
外部からの要因また、対応年数の超過で完全に劣化し切っているスタビライザーブッシュ。
ブッシュとしての役割を完全に消失してしまっている状態です。
ウォーターラインロックブラケットの折損。
常にのチェックで滲みの程度を確認していましたが、今回のチェックでは、滲みが漏れに変化しています。
2次的不具合の誘発を防ぐ為にも、この時点でのリペアが好ましいでしょう。
車輌全体を項目毎にチェックし、問題の所在を的確にピックアップします。
全てのチェック終了後、客観的ではなく主観的に見た、車輌を向上させる為のより良きメンテナンスメニューを組み立てます。
全てのチェックが終了したフェラーリ 328 GTS。
確実に車輌の現状を把握し切らせて頂きました。
内容をまとめ、車輌の現状を分かり易く明記し送付させて頂いた上、御連絡させて頂きます。
お打ち合わせさせて頂き決定しました今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
フェラーリ 328 GTS リペア&メンテナンス開始準備の為、リフトセクションへと…
ボデープロテクターの装着。
リペア&メンテナンス開始です。
オイルの交換から。
車輌のオイルは、大きく分けて2種類に分別できます。
ひとつは、エンジンやミッション、デフなどの潤滑を目的としたオイル。
ふたつめは、ブレーキやクラッチ、F1マチック、パワーステアリングなどの油圧システムのオイル。
オイル交換の目安は、『性能が劣化したら…』と、言葉では簡単に言えますが、オーナーはオイル性能が劣化したという自覚症状を感じとることができないので難しいですね。
オイルの性能の劣化はゆっくりと進行するから分かりにくいものです。
オイルの性能は、普通に使用しているだけでも時間の経過とともに劣化してしまいます。
空気と触れることで酸化してしまうのが主な理由。
高温になるとより酸化しやすくなります。
劣化したオイルのまま使用を続けると、エンジンやミッションなどを壊すことになります。
ちなみにスーパーGTなどのレースチームは、予選と決勝レースの間にもオイル交換をするほどオイル管理には気を遣っています。
潤滑系のオイル交換の目安として、使用期間また、使用許容限度が設定されています。
使用期間また、使用許容限度を1度でも超えたオイルは、本来の性能を発揮できずメカニカルを痛めてしまいます。
また、車輌ポテンシャルに十二分に対応できるオイルをチョイスするノウハウも重要です。
オイルの管理は非常に大切なポイントですね。
オイルエレメントの交換。
フランジ内部のクリーニングアップを行います。
フランジ内部をスッキリ クリーンな状態に。
クリーンな状態からオイルエレメントを、基本締め付けトルクで確実にロック。
ミッションオイルの交換。
潤滑系オイルの交換目安は通常、使用期間や走行距離で判断します。
各オイル類には全て食品と同じ様に賞味期限が有ります。
賞味期限切れでは本来の性能を発揮できず車輌を痛めてしまいます。
また、油温を上げ過ぎた場合は即交換がセオリー。
ドレンボルトをクリーニングアップ。
1度締め付けられたガスケットの再使用はしません。
クリーンな状態から規定トルクでロックします。
エンジン冷却水の交換。
エンジン冷却水は、エンジンオイルと同様、重要な役割を果たす液体です。
主成分はエチレングリコールという化合物と水で構成されています。
高温なエンジンを常に冷却する役割を果たしています。
また、ラジエーターやエンジンブロックで使用される構成パーツに錆が発生しない様にする役目や、消泡性能などなど…もかね合わせています。
エンジン稼動時には、常に高温にさらされる為、エンジン冷却水も劣化します。
エンジン冷却水には、さまざまな化合物が含まれています。
エンジンオイル同様に長期使用せず、1年に1回酷使されたエンジン冷却水を交換することにより、本来の性能を発揮させ、エンジンを守ります。
ブレーキオイルの交換。
油圧システム用のオイルは使用期間また、使用許容限度また、空気中の湿気によっても性能が著しく劣化します。
湿気を吸い込むことで沸点が下がりヴェイパーロック現象が発生しやすくなります。
また、水分を含んだままではブレーキシステム構成パーツに悪影響を与えるばかりか、作動不良またオイル漏れを引き起こしてしまいます。
通常ストリートでの使用、また乗らなくても1年毎の交換が必須なオイルです。
リザーバタンク内部をクリーニングアップ。
クリーンな状態から交換を行います。
オイルを専用機器で交換。
ブレーキオイルは、328のパフォーマンスに十二分な対応ができるスペックのオイルをチョイスし交換します。
ブレーキオイル交換と同時に、周辺部分もクリーニングアップ。
フェラーリ 328の車輌スペックまた、使用用途に適したオイルで交換完了。
これら油脂類の交換過程は、私たちが行うごく通常の交換工程です。
エアコン系統のリペア&メンテナンスを行っていきます。
コンプレッサー現在の状態。
今回装着するリビルト済みコンプレッサー。
近年、フェラーリのリビルトパーツのラインナップが増えてきています。
リビルトパーツもOEMパーツ同様に、粗悪なものも多数有ります。
逆に良いものも有りますが、粗悪なパーツと良質なパーツの見極めが非常に重要ですね。
私たちが使用するリビルトパーツは、信頼できるパートナーの下で完璧に仕上げられたパーツのみです。
私たちのリペア&メンテナンスは、単にパーツの組み替えだけに留まりません。
構成パーツ1つ1つをメンテナンス&クリーニングアップし再使用します。
機能性、また美しさも新品同様に仕上げます。
装着部分のクリーニングアップ後の画像。
私たちは、通常見えないポイントまで独自のクオリティーで徹底したメンテナンス&クリーニングアップを行います。
どの部位においても効率化を求めず、こだわったメンテナンスをご提供します。
クリーンな状態からメンテナンス済みパーツを装着。
メンテナンス済みのパーツを組上げる上での、細かい微調整。
最終的な合わせこみが重要です。
私たちのリペア&メンテナンス工程は、徹底したメンテナンス&クリーニングアップ済みパーツを基本装着位置の見直しを図り組込み。
スタビライザーリンクロッドのリペア&メンテナンスを行っていきます。
スタビライザーリンクロッドのリペア&メンテナンス。
まず全てのクリーニングアップを行っていきます。
クリーンな状態から、分解パーツ1つ1つに設定している独自の厳密な数値に適合しているか否かを、全て測定チェック。
チェック項目でメンテナンスが必要であると判断した数値の箇所は、徹底した精度を確実に復元するメンテナンスを実施します。
機能性だけではなく、見た目にも美しさを復元するメンテナンスを同時に行っていきます。
交換するスタビライザーを固定する役目のブッシュ。
左がニューパーツ。
右が使用許容範囲を超えているブッシュ。
この状態ではスタビライザー効果が全く得られません。
項目毎に回転部分、接合部分、軸受けetc.の加工修正を行い、精度を確実に取り戻すメンテナンスを実施。
独自に設定している厳密な数値に修正。
ボルト1本までメンテナンス。
機能性や、精度を完璧に仕上げ、また徹底して美しい仕上げを追求します。
全ての下準備を整えニューパーツを組み込み。
細部までメンテナンスを行い、より精度を高め、リペアポイントのキャラクターを存分に発揮させます。
私たちの行う作業は、細部まで独自のクオリティーで徹底したメンテナンス&クリーニングアップです。
どの部位においても効率化を求めず、こだわったメンテナンスをご提供します。
リペアに伴い取外したウォーターリザーバタンク。
ホースジョイント部分。
チョットひと手間かけてみます。
見えない箇所ですが、気持ちよく組み込めます。
クランプ角度や左右の均一性にこだわり組込み。
折損しているステーの現品リペアを行います。
TIG溶接。
TIG溶接は、高品質であり、ほとんど全ての金属の溶接が可能です。
薄板溶接や、スパッタを嫌う溶接に向いていて、アルミからステンレスまでいろんな金属の溶接が可能です。
両手を使うため熟練が必要で難易度は高いのですが、溶接の適応力が広い溶接方法です。
リペア後のステーの画像です。
機能性と美しさを両立させるメンテナンスを行います。
遮熱パーツ及びプロテクター現状の画像。
メンテナンス&クリーニングアップを行っていきます。
メンテナンス及びクリーニングアップ後の画像。
パーツの曲がりや、ゆがみも全て修正。
曲面は綺麗な弧を描くように、平面は真っ平らに。
分解パーツ1つ1つにこだわった独自のメンテナンスを施します。
カウル類のメンテナンス&クリーニングアップを行います。
現状のカウル類の画像です。
チェック&リペアまた、メンテナンスに伴い分解した、アンダーカウルやフェンダーライナー類。
私たちの作業は、分解パーツを1点1点クリーニングアップし美観を取り戻します。
また、トラブルを未然に防ぐ事も兼ね、全て組み込み前に表裏共にクリーニングアップします。
メンテナンス&クリーニングアップ後のカウルの画像です。
細部までこだわったクリーニングアップを実施。
リペア&メンテナンス同様に、隠れた箇所ほど重要です。
クリーンな状態で組込みに備えます。
各部メンテナンスと同時に施工する独自のクリーニングアップ。
各部のクリーニングアップは、本来の素材を熟知し蘇らせる意味で1番適した仕上げを行います。
ケミカル用品で一時的に艶を出す様な安易仕上げは、一切行いません。
サスペンションシステム ステアリングシステム等のメンテナンス&クリーニングアップを行います。
定期的な、足回り&車輌全体のトルク管理が必要です。
各部の調整と同時に締め付けトルクのチェックまた、サスペンションシステムも本来のパフォーマンスを発揮出来るようメンテナンスを行います。
また同時に、分解時にしか出来ないフェンダー内部の隅々までクリーニングアップします。
中々オーナーが目にする事の無い部分。
また、雨天使用しなくても、ダストや砂などが付着してしまう部分でもあります。
同じくリヤセクション。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
メンテナンス&クリーニングアップ後のサスペンションシステム。
ダストや砂などをクリーニングアップする事により、本来の機能がよりリアルになると共に、クリーンな状態を取り戻しました。
きめ細やかなメンテナンス&クリーニングアップを随所に施します。
同じくリヤサスペンションシステム。
メンテナンスで機能性を、クリーニングアップで美しさを両立させます。
ホイールのクリーニングアップ&メンテナンスへと。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
4輪全てクリーニングアップ&メンテナンス開始です。
ホイール クリーニングアップ&メンテナンス終了後の画像です。
4輪全て表裏共に、本来の発色を取り戻しました。
プロのレースチームもホイールの磨きは重要な仕事。
タイヤの状態やホイールの変形、キズやキレツ、そしてホイールナットの座面などもチェック。
ワークスチームでも、メカニックの重要な仕事のひとつ。
メンテナンス終了のホイール。
組み込みに備えます。
クリーニングアップ&メンテナンス後のシャシーの画像。
各部のセットアップも行い、パフォーマンスのバージョンアップを図ります。
セットアップ済みのシャシーへ、クリーンなカウル類を組み込み。
全ての見直しを図り、基本装着位置へと組み込み完了です。
生産ラインオフ時の装着誤差。
また、永年の使用で発生しているズレ。
組み込みは、基本装着ポイントへと修正し組み込みます。
私たちが行う、ごく通常の作業工程の流れです。
どのようなリペア&メンテナンスに対しても、私たち独自の思想、理念の下、徹底した作業を行います。
各部のクリーニングアップや、精度を取り戻すメンテナンス等、特別な費用等は必要ありません。
私たちのごく通常のメンテナンス工程の一貫だからです。
パワーユニットのリペアメンテナンス後の最終チェック&セットアップ。
TipoF105Cユニットの基本原理やマイクロプレックス構造を熟知したエンジニアがセットアップします。
また、独自のセットアップを施し328のポテンシャルを余す事無く引き出します。
最終の詰めです。
このプロセスが重要です。
独自のセットアップも終了。
最終クリーニングアップ実施後のエンジン&エンジンルーム。
分解時、各パーツ単品でクリーニングアップ&メンテナンスを行っているので隅々までスッキリ クリーンな状態を復元。
エクステリア、インテリアの最終仕上げも、メンテナンス同様こだわります。
全てのリペア&メンテナンス 終了のフェラーリ 328GTS。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の一部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全てのリペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影しています。
詳細な写真 275枚 (CD-R 2枚に落としてあります)及び、今回のメンテナンス内容また、今後のメンテナンスメニューも分かり易く作成していますので、車輌と一緒にお渡しします。
いつもメンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。
Ferrariや、Lamborghini は、どのモデルに関わらず工業製品であって美術品でもあります。
この様な車輌をメンテナンスさせて頂くにあたって、車輌に対してのオーナーの思いや、価値観を理解し、常に業務に携らせて頂いています。
車輌を常に向上させ完璧なコンディションに近づけ後世に残していく。
トラブルの解析なども常に的確なトラブルシューティングを行い、根本からトラブルをリペアし、構造を熟知した上でセットアップを行い、100%のポテンシャルを発揮できる車輌に仕上げていく。
独自のノウハウとテクニックまた、専用の最新設備で車輌のポテンシャルを余すことなく発揮させキャラクターを取り戻す。
また、何処を見ても綺麗。
隠れた所にも気遣いをする。
効率にとらわれず、1台1台の車輌を仕上げていく。
もし、僕自身の車輌なら、ここまで徹底的にして欲しい。
そういったメンテナンスを実施する車輌だと僕は思いますし、その思いを皆さんの車輌にも日々向上心を持って実践しています。