ウェブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
いつも フェラーリ F355 メンテナンス御依頼誠に有り難う御座います。
弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたフェラーリ F355を積んでファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
今回も、ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
フェラーリ F355 チェック開始準備の為、リフトセクションへと…
チェック開始です。
Ferrari 純正 車両診断テスター SD2を、フェラーリ F355 コントロールユニットに接続。
車両側、ECUと交信開始です。
Errorコードのみのチェックではなく、各部の作動状況や出力波形に至るまで、SD2で出来うる全てのエレクトロニクス関連をチェック。
現状の車両の状態を詳細に把握します。
ただ、コントロールメインユニットが車両全てを網羅している訳ではありません。
SD2でモニタリングしても、ERRORコードが入力されない部分も多々存在します。
ボデープロテクターの装着。
Ferrari 純正 車両診断テスターSD2で取得した各部のデータ。
現状のフェラーリ F355 車両全体のエレクトロニクスパーツの作動状況。
また、メカニカルの作動また、セット状況。
各部のデータを取得。
最新のFerrariアップデートデータとの比較も行います。
現状の電子制御部位データを全て詳細に把握します。
SD2で取得したデータは、あくまでもデータとし受け止めます。
データ全てを鵜呑みにせず、基本作動が適正値内で確実に作動しているかを、専用機器を使用し単体点検を実施。
更に奥深くまで、独自のチェックを進めます。
エレクトロニクス関連ポイント。
大きく分別すると下記の3項目が代表的な項目です。
1 入力: 電子的・機械的なセンサー(または変換器)で、温度、圧力、電磁場等の物理量をシステムの外部から取得して、電流信号や電圧信号に変換するあらゆるチェック。
2 信号処理回路: 組み合わされた電子素子により信号を操作し、解釈したり、変換したりする個所のチェック。
3 出力: アクチュエータや他の素子(変換器も含む)により、電流・電圧信号を車輌システムにとって有用な形態に再変換されているかなどのチェック。
この3項目から更に分別し、独自のチェックを行いシステムに異常が無いかを見極めます。
Tipo F129Bのメカニカルチェック。
F355の パワーユニットは、90度 V8 DOHC 5バルブ。
348tb/tsのF119G型 TB/GTS用のF119H型をベースに開発されたF129B型。
F119Hからストローク量を2mm延長して、排気量を3.5リッターへとアップしたF129B型パワーユニット。
他にもさまざまな進化を遂げているTipo F129B型パワーユニット。
代表的なのは5バルブ化。
IN側に3本 OUT側に2本のバルブを配し、ピストンはマーレー社のショートスカートの鍛造アルミニウム コンロッドはチタン製。
また、R/H L/Hバンクが独立するタイミングベルトでカムシャフトを駆動させます。
更なる高回転型パワーユニットへと進むフェラーリのプロジェクトが垣間見られます。
ブロックとヘッドは、鍛造アルミニウム製パーツで構成されている心臓部。
最高出力は、380PS / 8,200rpm、最大トルク36.7kg·m/5,800rpmを搾り出します。
高回転型で、フェラーリ最高の官能的なエキゾーストノートを奏でるF129B。
F129B型エンジンのメカニカルまた、モトロニックM2.7 / 5.2 の基本原理や構造を熟知したエンジニアが細部までチェックします。
フェラーリ F355 車両全体の詳細なチェックを行います。
年数的、指定交換パーツ。
走行距離的、指定交換パーツ。
フェラーリ F355の傾向的不具合発生ポイントのチェック。
また車両のコンディションを整える為の独自のチェックへと。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの一部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解が、ある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返し車両より受ける衝撃や、常に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。
指定交換に列記されているパーツでも必ず交換しないといけない訳ではありません。
素材や構造を知り尽くしたエンジニアが、的確にチェックし判断します。
近年の車両は、エアロダイナミクスが非常に進んでいます。
たとえば、車両下部のアンダーカウル。
ベンチュリートンネルにダウンフォースの多くを獲得するグランドエフェクト・カーとして設計され、エアロダイナミクスをさらに追求。
ベルヌーイの定理により、ベンチュリーの流速が速くなり空気圧が大きく下がり、下向きの揚力を発生させるダウンフォースを作り出します。
車両下部全面にアンダーカウルが装備されています。
ダウンフォースを得る為、カウルで覆われているのですが、オイル漏れ等発生してもオーナーには分りにくい反面もあります。
フェラーリ F355 メカニカルチェック。
車両はさまざまなパーツや機構で構成されていますね。
メカニカルまた、エレクトロニクス ボディー構成などなど…
書ききれない複雑な機構を組み合わせ1台の車両として構築されています。
車両毎に傾向的不具合も存在し、指定交換が促されているパーツも存在します。
車両の使用状況や用途、保管状態で車両のコンディションは千差万別です。
また、これまで車両がどの様な考え方でチェックされてきていたか、どのような工法でリペア&メンテナンスを受けてきたか?
壊れた箇所のリペアだけではなく、車両のコンディションを整えていくというメンテナンスが的確に行われてきた車両か否か?
色々な状況で、リペア、メンテナンスポイントが違ってきます。
状況によってパーツ寿命が長くもなりまた、短くもなります。
1から独自の思想、理念また目線で、的確なチェックを行います。
オイルの漏れ。
通常目にする事の無い部分に不具合が発生している場合が多いのは事実です。
オーナーが分からないうちに不具合が進行し、他のパーツに悪影響を及ぼしてしまっている場合が多々あります。
定期チェックで早期に発見し、確実なリペアを行うことで多大なダメージを回避することが可能です。
オイルを一時的に止めるため、ボンドが塗布されている箇所もあります。
漏れ出したオイルが、エキゾーストマニホールドにも付着。
ガソリンは引火性が強く、オイルは着火性が強い油脂です。
オイル漏れやグリス漏れはエキゾーストマニホールド等、高温な箇所に付着すると発火。
車輌火災に至り人命に関わる非常に危険なポイント。
早期の対応が必須です。
タイミングベルトの指定交換時期は、モデルに関わらず手厚く保管されている車輌でも、3年もしくは2万キロどちらか先に達した時点で交換が必須。
(たとえば3年で0kmの走行でも交換。また6ヶ月で2万キロの走行でもその時点で交換。)
しかしこのような状況の場合、早期のリペアが必須です。
漏れ出したオイルがタイミングベルトに付着し、ベルト本来の強度が奪われバルブクラッシュを引き起こします。
ブローバイホース類の現状です。
ブローバイホースとは。
まずブローバイとは、ピストンとシリンダーの隙間からクランクケース内に漏れだしてしまった未燃焼ガス「ブローバイガス」の事を示します。
エンジン内は密閉されていますので、クランクケースやシリンダーヘットにガスが溜まってしまい圧力が高くなってしまいます。
その溜まったガスを抜く為にシリンダーヘッドから、ブローバイホースを使ってインテーク(吸気側)側の配管やエアクリーナーつまり吸入空気に混ぜて戻してしまう訳です。
これがブローバイホースの役目なんです。
パワーステアリングオイルホースの現状。
ホース類の劣化。
ホースの素材にもよりますが、ホースの劣化は下記が代表的な要因になります。
外部因子作用による劣化
熱による劣化(熱酸化劣化)
光による劣化(光酸化劣化)
オゾンによる劣化
残留塩素による劣化
金属イオンによる劣化
溶剤膨潤による劣化
大きく分別しましたが、個々の劣化にはさまざまな要因があります。
このような知識も、トラブルシューティングを的確に行うには、非常に重要なことですね。
エキゾーストの現状。
溶接が折損しています。
この状態では正常な部分に負担が掛かり不具合が波及してしまいます。
アイドルプーリーが使用許容範囲のガタが出てしまっている状態。
この部分は355に限らず使用許容範囲を超えている車両が多々見受けられます。
ブレーキディスクローターを専用機器で測定している画像です。
ローターの磨耗限度の測定を行い使用許容範囲か否かを見極めます。
フロントタイヤ現状の画像です。
リヤタイヤ現状の画像です。
フロント / リヤタイヤのサイドウォールまた、トレッドに亀裂が入り危険な状態です。
タイヤ交換には色々なポイントがあります。
単に残り溝が1.6mmに達したスリップサインに近づいた状態。
溝が残っていても長年の装着で硬化し、ひび割れてきた状態。
ただ、タイヤ本来のパフォーマンスを発揮させるには、タイヤによって異なりますが、3年〜5年でタイヤ交換時期の1つの目安といえます。
3年〜5年程度でタイヤのゴムが劣化しコンパウンドが硬くなり、本来のパフォーマンスを発揮出来なくなります。
最低でも1年に1度の的確な定期点検で、各部のコンディションのチェックを行う事が大切ですね。
そうする事で車両の状態を把握でき、コンディションを整える事が可能です。
非常に重要なことですね。
車両全体を項目毎にチェックし、問題の所在を的確にピックアップします。
また、コンディションをより良き方向に整えるポイントもピックアップ。
全てのチェック終了後、客観的ではなく主観的に見た、車両を向上させる為のメンテナンスメニューを組み立てます。
全てのチェックが終了したフェラーリ F355。
確実に現状の車両の状態を把握し切らせて頂きました。
現状の車両の状態を分かり易くまとめ御連絡させて頂きます。
お打ち合わせさせて頂き決定しました今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
フェラーリ F355 整備&メンテナンス開始準備の為、リフトセクションへと…
ボディープロテクターの装着。
整備&メンテナンス開始です。
エンジン整備&メンテナンスの為、エンジン脱着工程から作業開始です。
整備&メンテナンスに伴う各油脂類の抜き取り。
注入時には、添加されている成分内容や粘度など、私たちが厳選したフェラーリ F355に推奨するオイルを使用します。
ドレンプラグをスッキリ クリーニングアップ。
1度締め付けられたガスケットは再使用しません。
ミッションオイル。
注入時には、私たちが厳選したフェラーリ F355に推奨するミッションオイルを使用します。
ドレンボルトに付着している金属粉。
オイルの使用期間また、使用許容限度を超過していたのか?
オイルの応力分散作用が不足していたのでしょうか?
注入時には、添加されている成分内容や粘度など、私たちが厳選した、フェラーリ F355に推奨するミッションオイルを使用します。
ドレンプラグをスッキリ クリーニングアップ。
金属粉等放置すると研磨剤と同様の効果を及ぼします。
ミッション損傷の原因になる為、その除去は重要です。
クリーンな状態から規定トルクでロックします。
エンジン冷却水も同様に、私たちが厳選したフェラーリ F355に推奨する冷却水を使用します。
タイミングベルト交換及び、オイル漏れ整備に伴うエンジン脱着工程が進みます。
単に分解するだけではなく、生産時のパーツ精度の誤差、また車歴で精度が低下していないかを、分解パーツ全て項目毎に測定チェックします。
精度が低下している部位は、組み込み前に独自の厳密な数値に修正し組み込みます。
サブフレームのクリーニングアップを行っていきます。
エンジンの脱着は、フェラーリ エンジン脱着専用リフトをサブフレームに装着します。
この汚れたままの状態では、サブフレームとリフト間に砂や汚れがかみ込みサブフレームが傷つきます。
傷が一切付かないようクリーニングアップを行います。
エンジン脱着にあたり取外すボルト・ナット全てクリーニングアップを行います。
汚れたままで緩めたり締め付けたりするとボルト・ナットのピッチにストレスを与えます。
クリーニングアップ開始です。
クリーニングアップ後の画像です。
サブフレームをスッキリ クリーンな状態に。
クリーンな状態からフェラーリ エンジン脱着専用リフトをサブフレームに装着します。
このような工程を行うことで、サブフレームに微塵の傷も付きません。
ボルト・ナットに付着していた砂や塵等もスッキリ クリーニングアップ。
クリーンな状態からロックを解除することでボルト・ナットにストレスを与えません。
私たちが行う作業過程は、さまざまな要素を考慮したメンテナンスを行います。
クリーンなフレームに、フェラーリ エンジン脱着専用の油圧リフトを装着。
車両の価値観を考え、細部に工夫が施された、フェラーリ エンジン脱着専用の油圧リフト。
フレームに一切キズ等が付かず、載降を繊細にコントロール。
エンジンルームに接触する事も無く、クリアランスを確保しエンジンを脱着する事が可能なリフト。
各モデルに対し全て完備しています。
エンジン脱着開始です。
フェラーリ専用リフトで確実にコントロール。
エンジン脱着完了です。
担当エンジニアにより的確な作業が進められ、Ferrari専用SST(専用工具)を使用し、Tipo F129B型 エンジン各部を丁寧に分解し車両より脱着完了です。
一般的にはこの汚れた状態でタイミングベルト交換作業が行われます。
私たちが行うタイミングベルト交換は、分解前にエンジンやミッションなどに付着している細かな砂や塵を、一度全てクリーニングアップします。
これは、作業中に砂や塵がパーツ内部へ混入することを避ける為。
また、分解するボルト、ナットetc.再使用パーツ保護の為に行います。
また、見た目にも汚れが落ちスッキリ クリーンな状態を取り戻します。
現状のエンジンフロントからの画像です。
現状のエンジンL/Hバンクからの画像です。
現状のエンジンR/Hバンクからの画像です。
エンジン後方、クラッチ側からの画像です。
クラッチハウジング上部からの画像。
エンジン Vバンク現状の画像。
エキスパンションタンクに覆われ、目にする機会がない部分です。
通常目にする事の無い部分には汚れがタップリ付着しています。
エンジン フロントVバンクからの画像。
こちらもタップリ汚れが蓄積した状態。
細部までクリーニングアップを行います。
バルブカバー結晶塗装現状の画像です。
剥離してしまっている結晶塗装。
今回、バルブカバーの結晶塗装を行います。
サージタンクの画像です。
どのような素材のパーツでも、素材に1番適した独自のクリーニングアップを行います。
エンジン&ミッションが搭載されているサブフレーム現状の画像です。
本来マッドブラックのサブフレーム。
こちらも独自のクリーニングアップ工法で、本来の発色を蘇らせます。
現状のサスペンションシステムや、アップライト部分の画像。
作業中に砂や塵がパーツ内部へ混入することを避ける為、細部までクリーニングアップしていきます。
エンジンフロントカバー現状の画像。
エンジン シリンダーの現状。
通常目にする事のない部分には汚れが蓄積しています。
私たちは、車両の価値観を理解し、見える部分は勿論の事、通常見えない箇所をクリーンにする事を非常に重要視します。
これら汚れた状態から分解するとエンジン内部に砂などの異物が混入する場合があります。
またボルト、ナットを汚れたまま緩めたり締め付けたりすると、ボルト、ナットにダメージを与えます。
私たちが整備前に行うクリーニングアップ。
細部まで徹底したクリーニングアップを行っていきます。
変化振りを…
クリーニングアップ後のTipo F129Bエンジン。
クリーニングアップ前と同じ順番でご紹介させて頂きます。
フロントからの画像です。
クリーニングアップ後のL/Hバンク の画像です。
クリーニングアップ後のR/Hバンク の画像です。
エンジン後方クラッチ側からの画像です。
砂汚れを隅々までクリーニングアップ。
全てがクッキリ映えるようになりました。
独自のクリーニングアップで汚れもスッキリ クリーンに。
クリーニングアップ後のエンジン シリンダー Vバンク内部の画像。
蓄積していた汚れも、細部まで完璧なクリーニングアップを実施。
フロント側 エンジンVバンクからの画像です。
細部までクリーニングアップ。
汚れもスッキリ クリーンに。
サージタンク クリーニングアップ後の画像です。
エンジンを搭載しているサブフレーム クリーニングアップ後の画像です。
細部まで徹底したクリーニングアップを実施。
エンジンを搭載しているサブフレーム本来のマッドなカラーが蘇りました。
サスペンションや、アップライト部分クリーニングアップ後の画像です。
砂汚れが付着していたサスペンションシステムも細部までクリーニングアップ。
作動部分に付着した汚れ、古いグリス類も一掃。
整備&メンテナンス中、パーツ内部への砂や埃の混入を完全にシャットアウトします。
エンジンシリンダーの汚れも、細部までしっかりクリーニングアップ。
私たちは見える箇所だけでなく、通常見えないポイントまで徹底したクリーニングアップを行います。
ボルト、ナット1つまで、クリーニングアップ。
クリーンな状態からリペアポイントを分解することで、エンジン内部への砂や異物の混入を避けます。
また、ボルト、ナットもクリーンな状態から緩めることでボルト&ナットを保護します。
全ての部位に対しクリーンな状態から分解します。
これが私たちのリペア&メンテナンスに取り掛かる第一工程のクリーニングアップです。
私達メンテナンスする側も気持ち良くリペア&メンテナンスに掛かれます。
各部のクリーニングアップの特別な費用は必要ありません。
私たちのごく通常のメンテナンス工程の一貫だからです。
整備前のクリーニングアップ。 ナカムラエンジニアリングクオリティーの特徴の1つです。
細部までクリーンな状態から分解工程に入ります。
通常汚れたままで分解されるのが一般的。
私たちの作業工程は、このようにクリーンな状態から分解することで内部に砂や汚れが混入する事がありません。
また、クリーンな状態から再使用パーツの分解をし、ボルト・ナットを緩めることで、構造体にダメージを与えません。
タイミングベルト交換に伴うバルブタイミングの測定。
ただ単にタイミングベルト交換のみの作業では、フェラーリ F355のもつエンジン本来のポテンシャルは発揮されません。
バルブタイミングが数度ずれ、パワーロスしてしまっている車両すら見受けられます。
タイミングベルト交換に伴い、各気筒毎 計算式によるバルブタイミングの測定が必須です。
タイミングベルト組み込み時にはバルブタイミングを適正化し、高負荷高速回転領域での最高出力を向上させ、また低中速回転領域で低中速トルクも向上させます。
このプロセスが非常に重要です。
バルブタイミングとは?
簡単に言えば、ピストンの位置に対して、どのタイミングでIN&OUT側バルブを開け閉めするか、その位置を決定する事です。
エンジンは、ピストンの上下によって混合気を吸って排気ガスを吐き出しています。
ピストンが降りる時に吸気バルブを開けてやり、上がる時に吸気側を閉じて排気バルブを開ける工程の事です。
10000回転/分では、一秒間に80回もこの工程を繰り返します。
このスピードでは、混合気にも重さや粘度が発生し、蜂蜜の様な粘度と考えてもらっても良いでしょう。
ピストンが下がり粘度が発生している混合気が燃焼室に入ります。
ピストンは下がりきって圧縮工程に入りますが、やっと流れる勢いの混合気はシリンダーに自ら入ってくるので、吸気バルブを今閉めるのはもったいない、遅らせようというのが吸気側タイミング。
続いて、爆発燃焼エネルギーでピストンが下がりますが、まだ膨張エネルギーが残っている状態で、早く排気バルブを開けて排気を早く排出し、次の吸入時の為に負圧を発生させ、混合気を吸い込むようにするのが排気側タイミング。
簡単に書きましたが、これら一連の工程のタイミングを適正化させる事で、よりスムーズに吸入・排気させ、なおかつ爆発工程でのパワーを限りなく使い切る。
これが適正化したバルブタイミングになる訳です。
項目毎に整備&メンテナンスを行っていきます。
クリーンな状態からヘッドカバーを分解。
シリンダーヘッド内部の画像です。
エンジンは、熱膨張と冷間時の収縮の連鎖が常に繰り返されます。
数年経過すると装着面の誤差も発生してきます。
まずクリーニングアップを行い、クリーンな状態から、その誤差を修正し、基本精度を回復させます。
クリーニングアップ&メンテナンス後の画像です。
内部に付着していたスラッジもスッキリ クリーンに仕上げます。
また、接合する接地面を綿密に整え基本精度を回復することで、ガスケット等パーツの対応年数まで不具合が発生することはありません。
1つ1つの精度を追求し、高精度なエンジンに仕上げます。
クリーンな状態から各項目別に修理&メンテナンスを行っていきます。
クリーンな状態からカムホルダーを分解。
オイルシール&カムホルダーのリペア&メンテナンス工程へと進みます。
フェラーリ専用SST(専用工具)を使用し確実な整備を行います。
SSTを使用する事で、キズや歪みを発生させる事無く、確実でスムーズな分解組み立てが可能です。
更に単品からホルダーのクリーニングアップ&メンテナンスを行っていきます。
エンジンは、熱膨張と冷間時の収縮の連鎖が常に繰り返されます。
数年経過すると装着面の誤差も発生してきます。
まずクリーニングアップを行い、クリーンな状態から、その誤差を修正し、基本精度を回復させます。
クリーニングアップ&メンテナンス後の画像です。
クリーンな状態からホルダー各部をチェック&メンテナンス。
項目毎に回転部分、接合部分、軸受けetc.のメンテナンスを実施。
接合する面を綿密に整え基本精度を回復させます。
この積み重ねが、高精度なエンジンに仕上がります。
厳密なメンテナンスを行ったホルダーにオイルシールを組み込み。
この工程を行うことで、オイルシールの対応年数までオイル漏れ等発生することはありません。
エンジン側、カムホルダー装着部分の現状の画像。
エンジンは、熱膨張と冷間時の収縮の連鎖が常に繰り返されます。
数年経過すると装着面の誤差も発生してきます。
まずクリーニングアップを行い、クリーンな状態から、その誤差を修正し、基本精度を回復させます。
クリーニングアップ&メンテナンス後の画像です。
クリーンな状態からエンジン側、カムホルダー装着部分をチェック&メンテナンス。
項目毎に回転部分、接合部分、軸受けetc.のメンテナンスを実施。
接合する面を綿密に整え基本精度を回復させます。
一見すると地味な改良だと思われるでしょうが、こうした細部の精度追求の技術こそエンジン精度の向上と確実なクオリティーを得るには必要不可欠な事なんです。
緻密なメンテナンスを行ったエンジンに、メンテナンス済みパーツを組み込み。
これら一連の工程を行うことで、パーツの対応年数まで不具合が発生することはありません。
精度と美しさを追求し、クオリティーの高いエンジンに仕上げることをお約束します。
カムシャフトギヤ&クランクギヤ現状の画像です。
各ギヤが錆と汚れで侵食されている状態。
錆の発生で、タイミングベルトが紙やすりで削られる作用が発生しています。
その為タイミングベルトが攻撃され、指定交換時期までタイミングベルトがもたない状態。
通常この状態でタイミングベルトが組み込まれるのが一般的です。
私たちは、ギヤーを1点1点クリーニングアップ&メンテナンスを行い、タイミングベルトを組み込みます。
クリーニングアップ&メンテナンスを行っていきます。
クリーニングアップ&メンテナンス後のカムシャフトギヤ&クランクギヤの画像です。
錆びや汚れを細部まで除去。
これでタイミングベルトを攻撃する脅威もなくなり、確実なバルブタイミングのセットアップが可能になりました。
1つ1つのパーツを確実にリセットします。
通常見えないポイントまで徹底したメンテナンスを行い、動力性能また美しさも追求します。
カムシャフトプーリー取り付けボルト現状の画像。
ボルト&ナット1つに至っても全てメンテナンス&クリーニングアップを行います。
ボルト&ナットのメンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
整備に伴い取外したボルト&ナットを全てメンテナンス&クリーニングアップし組み込みます。
汚れたままでは気持ちも悪いですし、確実な規定トルクでの締め付けを行うことができません。
見えない箇所に全てひと手間をかけたメンテナンスを行います。
各部のクリーニングアップやメンテナンス等、特別な費用は必要ありません。
私たちのごく通常のメンテナンス過程の一貫だからです。
これら一連の作業過程は、ナカムラエンジニアリング クオリティーの特徴の1つでもあります。
画像左が、劣化が促進した状態のタイミングベルト。
画像右がニューパーツ。
タイミングベルトの指定交換時期は、モデルに関わらず手厚く保管されている車両でも3年 (3年で0kmの走行でも交換)
また3年経過しなくても、前回の交換から2万キロ走行した場合。
どちらか先に達した時点で交換が必須です。
ただし、今回のような油脂の漏れ等が発生している場合、早急な整備とタイミングベルトの交換が必須です。
左の交換時期を迎えたタイミングベルトのラバー製の歯の周辺には亀裂が入って危険な状態です。
やはり指定交換時期を厳守する事が必須です。
よくタイミングベルトが切れたという言葉を聞きますが、コグドベルト自体が切損する場合はほとんど無く、ラバー製の歯がポロリと欠損してしまう事を、タイミングベルトが切れたと表現されています。
使用許容範囲超過、水濡れ、オイル漏れ、外界に露出している部分が多い等、さまざまな要因で劣化が促進し、ラバー製の歯が欠損しバルブクラッシュを引き起こしエンジンに多大なダメージを与えてしまいます。
タイミングベルトニューパーツの画像。
私たちは、純正の新品であっても長期に在庫されていたタイミングベルトは使用しません。
また、低価格のOEMパーツも使用しません。
私たちは、パーツ管理が行き届いた純正のタイミングベルトのみ使用します。
タイミングベルトテンショナーアーム メンテナンス&クリーニングアップを行っていきます。
現状の画像です。
タイミングベルトテンショナーアーム メンテナンス後の画像。
一般的にはそのまま再使用されるのが通常です。
私たちの作業工程は、テンショナーアームに独自のメンテナンスを施しタイミングベルトとの駆動性を高めます。
フェラーリ F355のエンジンに装着されていたタイミングベルトテンショナーベアリング。
装着されていたベアリングのアウターケースに発生している錆。
また、ベアリングシールも劣化し、内部のグリス漏れが発生しています。
このような状態では、タイミングベルトの寿命を縮めてしまいます。
ロックしてしまうと、タイミングベルトに急激に負担が掛かり、最悪、バルブクラッシュを引き起こしてしまいます。
近年、安いOEMが色々と出ていますが、粗悪なものも多数有ります。
逆に良いものも有りますが、粗悪なパーツと良質なパーツの見極めが非常に重要ですね。
今回装着するナカムラエンジニアリング オリジナル テンショナーベアリングset。
オリジナルで製作しているタイミングベルトテンショナーベアリングは、アウターケースは無垢材より削り出し製作。
錆の発生を完全にシャットアウトする亜鉛メッキ処理を施工。
ベアリング本体には、国産最高級ベアリング NTN製のベアリングを使用。
国産最高級ベアリングを使用する事により、回転負荷の著しい軽減が可能。
タイミングベルトへの負担を最小限に抑えます。
オリジナルのタイミングベルトテンショナーベアリングを使用する事により、エンジン回転も非常にスムーズになり、タイミングベルトへの負担も著しく軽減。
全ての問題を完全にクリアした、オリジナルのタイミングベルト テンショナーベアリングです。
ニューパーツの油圧テンショナー。
油圧テンショナーはタイミングベルトに張力を与えるショックアブソーバーのような役割を果たすパーツ。
タイミングベルト交換に伴い、2回に1度の交換を推奨するパーツの1つ。
フェラーリ F355 ウォーターポンプのオーバーホール工程へと。
ウォーターポンプ現状の画像。
ウォーターポンプのフルオーバーホールを行っていきます。
フルオーバーホール&リフレッシュ後のウォーターポンプ。
項目毎に回転部分・接合部分・軸受けetc.の加工修正を行い、精度を確実に取り戻すメンテナンスを行いフルオーバーホール完了です。
機能性また、美しさまで新品同様に仕上げます。
エンジン側ウォーターポンプ フランジ部分、現状の画像。
ユニット等の構成パーツは、熱膨張と冷間時の収縮の連鎖が常に繰り返されます。
数年経過すると誤差も発生してきます。
分解時のチェック項目の1つでもあるパーツ精度を1つ1つ個々に測定。
ウォーターポンプ取り付け部の締結面の修正を行っていきます。
締結面を修正後の画像です。
シール剤を塗らなくてもよい精度に仕上げます。
ウォーターポンプ組込みの下準備を整えます。
メンテナンス済みのフランジにフルオーバーホール後のウォーターポンプを組み込み。
私たちは、普段は見えないところまで機能性と美しさを追求したメンテナンスを行います。
整備に伴い分解したクランクプーリー現状の画像。
通常見えないパーツは汚れが蓄積しています。
メンテナンス&クリーニングアップを行ないます。
クランクプーリー メンテナンス&クリーニングアップ後の画像。
回転部分・接合部分・軸受けetc.部分のメンテナンスを実施。
単体で細部まで完璧なメンテナンス・クリーニングアップをおこないます。
リブベルト装着部分メンテナンス後の状態。
スッキリ クリーンな状態。
装着するリブベルトにダメージを与えません。
メンテナンス&クリーニングアップは全ての分解パーツに実施します。
オーナーが大切にされている車両。
車両への乗り降りからメンテナンスに至るまで細心の注意を払い独自のサービスをご提供させて頂いています。
トルクレンチを握っているエンジニアの手。
手がこんなに綺麗なのは、汚れたらすぐ洗う、という当たり前の習慣を日々欠かすことなく行っているからです。
爪の間に油が染みこんでいたり、作業服の袖口が汚れたままだったとすればオーナーは不安もいだかれる事でしょう。
私たちのサービスはそこから始まります。
私たちのファクトリーでは、エアーツールなど一切使用しません。
全てメカニックの手と、磨き上げられた工具によって行います。
全ての下準備が整ったエンジンにタイミングベルト及び構成パーツを組み込み。
動力性能と美しさを追求したメンテナンスを行います。
バルブタイミングのセットアップ。
独自のノウハウを盛り込み、バルブタイミングを適正化します。
バルブタイミングを適正化すると、エンジンの特性を変えることが出来ます。
同一カム角であれば、バルタイを変化させても、バルブを開く時間は同じです。
その時間を、どのタイミングで作動させるかを適正化する訳です。
バルブタイミングの適正化でのメリットは、アイドリング領域と軽負荷領域でオーバーラップ量を小さくし、インテーク側の燃焼ガス吹き返しを減少させます。
これにより、アイドル域での回転数を安定させ、燃料消費率を向上させる。また、軽負荷領域ではエンジンの安定性を確保する。
中負荷領域では、オーバーラップ量を大きくし、燃焼温度を下げ、排出ガス中のNOxを低減させる。また、未燃焼ガスを再燃焼させ、HCも低減させる。
高負荷低中速回転領域では、吸気バルブの閉じるタイミングを早くし、低中速トルクを向上させる。
高負荷高速回転領域では、吸気バルブの閉じるタイミングを遅くし、最高出力を向上させる。
低温時は、オーバーラップ量を最小とし、吸気側への燃焼ガス吹き返しを防ぎます。これにより、燃料消費率を向上させながら、ファースト・アイドル回転数を安定させる。
エンジン始動時、およびエンジン停止時オーバーラップ量を最小とし、吸気側への燃焼ガス吹き返しを防ぎます。
これにより、始動性を向上させます。
可変バルブ・タイミング機構は大変複雑な作動をします。
その適正化については、膨大なデータの中から各気筒毎に計算式を行い、バルブタイミングを適正化しF355本来のポテンシャルを余す事無く引き出します。
安易なノウハウでのセットは、メリットよりデメリットばかりが大きくなり、エンジンにダメージを与えてしまったり、即エンジンブローへと直結します。
整備に伴い分解したパーツ。
通常問題が無い分解パーツは、このまま組み込まれるのが一般的です。
私たちが行う整備は、分解したパーツを1点1点クリーニングアップ&メンテナンスを行い組み込みます。
クリーニングアップ&メンテナンス開始です。
クリーニングアップ&メンテナンス後の画像。
クリーンな状態から各部をチェック&メンテナンス。
単体で細部まで完璧なクリーニングアップ&メンテナンスをおこないます。
メンテナンス・クリーニングアップは全ての分解パーツに実施します。
バルブカバー現状の画像。
経年劣化で本来真紅の結晶塗装が剥がれてしまっている状態。
現品を使用し結晶塗装を行っていきます。
結晶塗装後の画像です。
完璧な下処理後、結晶塗装を実施。
下処理の綿密さが仕上がりを大きく左右します。
真紅のバルブカバーに蘇りました。
劣化しきっていた結晶塗装を完璧に復元しました。
結晶塗装。
結晶塗装は、処理時に100度をはるかに超える焼付け温度まで上げます。
その為、傷や内部に気泡があると、塗装面に気泡が発生して綺麗に仕上がらないばかりか、塗装膜の密着も悪くなります。
アルミ材に多い、表面に腐のある素材などは、不具合が発生しやすくなります。
高度な技術と最新の機材で完璧に復元した結晶塗装。
結晶塗装を実施したバルブカバーを組み込み。
美しさが蘇りました。
タイミングベルト交換に伴い分解したタイミングベルトカバー。
単品からメンテナンス&クリーニングアップしていきます。
タイミングベルトのラバー粉が、駆動と同じ形状で随所に付着しています。
ニューパーツに付着しない様、クリーニングアップを行います。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
メンテナンス&クリーニングアップ後の画像。
細部まで徹底したメンテナンス&クリーニングアップを実施。
クリーンな状態から組み込みに備えます。
整備に伴い分解したプラグコード類。
分解したパーツを1点1点メンテナンス、またクリーニングアップを行い組み込みます。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
メンテナンス&クリーニングアップ後のプラグコード類の画像です。
再使用する分解パーツは、1つ1つ細部までこだわったメンテナンス&クリーニングアップを実施。
規定電圧が確実にスパークプラグに伝達出来るよう、分解パーツを1点1点メンテナンス。
きめ細やかなメンテナンスを随所に施します。
全ての下準備が整ったエンジンに、独自のクオリティーで仕上げた個々のパーツを組み込み。
1つ1つ手作業で、どれだけ効率的に動力性能を発揮できるかにこだわり組上げます。
また、美しさを徹底して追求するメンテナンスを行います。
私たちが行うリペア&メンテナンスは、クルマではなく芸術作品を生み出すという意識で、丹念に仕上げます。
美しく仕上げたエンジン単体から発する8気筒の濁りの無い澄みきったエキゾーストノート。
回転が高まるにつれ澄みきった管楽器のような音色を楽しめる。
そんな芸術的なエンジンに仕上げます。
これら一連の工程は、ナカムラエンジニアリング クオリティーの特徴の1つです。
整備に伴い脱着したエンジン。
エンジン搭載前に、エンジン脱着時のみ可能な車両側エンジンルームを細部までクリーニングアップ&メンテナンスを行っていきます。
現状の画像です。
通常目にしない箇所は汚れが蓄積しています。
汚れているエンジンルームを細部までメンテナンス&クリーニングアップしていきます。
付属パーツに至っても、全てメンテナンス&クリーニングアップを行います。
フレームにもタップリ汚れが蓄積した状態。
エンジン脱着時のみ可能な車両側エンジンルームのメンテナンス&クリーニングアップ。
細部に至るまで、徹底したメンテナンス&クリーニングアップを実施します。
独自のクリーニングアップ方法で、付着した汚れを細部まで一掃しクリーンな状態を取り戻します。
またメンテナンスも実施していきます。
変化振りを……
エンジンルーム メンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
エンジン脱着時のみ可能なクリーニングアップ。
蓄積していた汚れを細部まで、こだわったクリーニングアップを実施。
スッキリ クリーンな状態に回復させます。
付属パーツのメンテナンスも完了。
フレームやボルト、ナット1つまで丁寧にクリーニングアップ。
私たちは、細部まで独自のクオリティーで徹底したメンテナンス&クリーニングアップを行います。
どの部位においても効率化を求めず、こだわったメンテナンスをご提供します。
クリーンなエンジンルームにメンテナンス済みのエンジンを搭載していきます。
スッキリ気持ち良いものですね。
これら一連の作業過程は、ナカムラエンジニアリング クオリティーの特徴の1つです。
折損しているエキゾーストを取外し修復していきます。
TIG溶接。
TIG溶接は、高品質であり、ほとんど全ての金属の溶接が可能です。
薄板溶接や、スパッタを嫌う溶接に向いていて、アルミからステンレスまでいろんな金属の溶接が可能です。
両手を使うため熟練が必要で難易度は高いのですが、溶接の適応力が広い溶接方法です。
修復後のエキゾーストの画像です。
熟練したメカニックによる溶接のビート部分。
このように仕上げるにはかなり高度なテクニックが必要なんです。
全てが整った車両にメンテナンス済みのエンジンを搭載します。
搭載にも、フェラーリ エンジン脱着専用の油圧リフトを使用。
フェラーリ エンジン脱着専用リフトでコントロールし、車両へと搭載。
生産ラインオフ時の装着誤差。
また、永年の使用で発生している微妙なズレ。
組み込みは、基本搭載位置へと修正しエンジンを搭載します。
この様な1つ1つの細かなメンテナンスの積み重ねで、車両の基本ベースを底上げします。
オーナーが大切にされている車両。
車両への乗り降りからメンテナンスに至るまで細心の注意を払い独自のサービスをご提供させて頂いています。
トルクレンチを握っているエンジニアの手。
手がこんなに綺麗なのは、汚れたらすぐ洗う、という当たり前の習慣を日々欠かすことなく行っているからです。
爪の間に油が染みこんでいたり、作業服の袖口が汚れたままだったとすればオーナーは不安もいだかれる事でしょう。
私たちのサービスはそこから始まります。
私たちのファクトリーでは、エアーツールなど一切使用しません。
全てメカニックの手と、磨き上げられた工具によって行います。
基本搭載位置への見直しも図りエンジンとフレームをドッキング。
全てにおいて緻密な作業を行います。
ブローバイホースの交換。
経年劣化しているブローバイホース。
交換ホース 一部の画像です。
ホースの素材にもよりますが、ホースの劣化は下記が代表的な要因になります。
外部因子作用による劣化
熱による劣化(熱酸化劣化)
光による劣化(光酸化劣化)
オゾンによる劣化
残留塩素による劣化
金属イオンによる劣化
溶剤膨潤による劣化
大きく分別しましたが、個々の劣化にはさまざまな要因があります。
このような知識も、トラブルシューティングを的確に行うには、非常に重要なことですね。
ブローバイホース交換後の画像です。
分解に伴ったパイピングもクリーニングアップ。
整備に伴い分解したパーツは1つ1つ丁寧にメンテナンス&クリーニングアップを行います。
ブローバイホースをエンジンに装着。
1つ1つのホースクランプの角度や均一性にもこだわり組上げます。
細かな箇所ですが、この積み重ねが仕上がりの機能美を大きく左右させます。
整備に伴い分解した再使用パーツのメンテナンス&クリーニングアップを行います。
問題の無い分解パーツはそのまま組み込まれるのが一般的です。
私たちは問題の無い再使用パーツを1つ1つメンテナンス&クリーニングアップし組み込みます。
現状の画像です。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
メンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
1つ1つのパーツを丹念に細部までメンテナンス&クリーニングアップを実施。
クリーンな状態から組み込みに備えます。
1つ1つ丹念に仕上げたパーツを組み込み。
パーツを組上げる上での細かな微調整や最終的な合わせこみを行い組上げます。
この緻密な組込みが、最終の仕上がりを大きく左右します。
動力性能と美しさを追求した整備&メンテナンスを行います。
ヒーターモーターからのエンジン冷却水の水漏れ。
このままでは、走行中やアイドリング中に突発的なオーバーヒートを引き起こし、エンジンに致命的な2次的ダメージを与えてしまいます。
また、エンジン冷却水の主成分は、エチレングリコールという化合物と水で構成されています。
漏れたエンジン冷却水は、ペイントを侵食する作用を持ち合わせています。
整備&メンテナンス開始です。
ヒーターモーター交換後の画像です。
単に交換するだけではなく周辺部分を分解時にクリーニングアップ。
美しさまで回復させるメンテナンスを行います。
エンジンオイルフィルターの交換。
オイルフィルターを取外し、フィルター取り付けフランジ内部のクリーニングアップを行います。
フランジ内部クリーニングアップ後の画像です。
クリーンな状態からオイルフィルターを規定トルクで組み付けていきます。
ブレーキオイルの交換。
ブレーキオイル交換前にリザーバタンク内部また、アウターケースのクリーニングアップを行います。
リザーバタンク内部また、アウターケースをスッキリ クリーニングアップ。
クリーンな状態からブレーキオイルを交換していきます。
ブレーキオイルを専用機器で交換。
ブレーキオイルは、私たちが厳選したフェラーリ F355のブレーキシステムに推奨するオイルを使用します。
ブレーキオイル。
ブレーキオイルの交換時期は、オイルの色などでも簡単な判断はできますが、交換基準はあくまで使用期間、水分吸収量、劣化で判断します。
サーキット走行後は、ブレーキに与える熱量が非常に大きい為、熱によるブレーキオイルの膨張などが繰り返され劣化が急激に進みます。
ブレーキオイルは吸湿性が高く、大気中の水分を吸収する為、期間の経過と共にブレーキオイル内の水分量が多くなり、沸点が下がってしまいます。
そのまま使用し続けると、ハードブレーキを繰り返したときにブレーキオイルが沸騰し気泡が発生し、踏力によって発生した圧力は、気泡を圧縮するだけで制動力を発生させることができず、ブレーキが効かなくなります。
これをペーパーロック現象と言い、大変危険な現象の一つです。
ハードブレーキはしないから…と思うオーナーも多いでしょうが、発生する不具合はこれだけでは無く色々な不具合を発生させます。
ブレーキオイルの水分吸収量が多くなると、キャリパーピストンに錆が発生し、ピストン固着やブレーキの引きずり、片効き等々を引き起こします。
通常のストリートでの使用、また、乗らなくても1年毎の交換が必須。
オイル交換と同時に周辺部分もスッキリ クリーニングアップ。
気持ちよいものですね。
エンジンスタート前の最終チェックも完了。
各部のチェックを行っていきます。
水温 油温 油圧 電圧 電流等々インスルメントパネルのメーター上でチェック。
メーター上の確認だけでなく、指針と実際のユニットとの誤差が無いかを、Ferrari純正車輌診断テスター SD2を接続し同時にチェックします。
各回転域でのユニットやセンサーまた、電子制御インジェクションシステムの基本作動。
また、パラメーターのチェックも全て行います。
整備に伴い分解したタイヤハウス内部のプロテクター類。
通常このまま組み込まれるのが一般的です。
分解したパーツを1点1点メンテナンス、またクリーニングアップを行い組み込みます。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
メンテナンス&クリーニングアップ後のタイヤハウス内部のプロテクター類の画像です。
分解パーツは、1つ1つ細部までこだわったクリーニングアップを実施。
クリーンな状態で組み込みに備えます。
整備以前の画像です。
サスペンションシステム ステアリングシステム等のメンテナンス&クリーニングアップを行います。
定期的な、足回り&車両全体のトルク管理が必要です。
今回も、各部の調整と同時に締め付けトルクのチェックまた、サスペンションシステムも本来のパフォーマンスを発揮出来るようメンテナンスを行います。
毎回のクリーニングアップで非常に綺麗な状態を保っています。
今回もメンテナンス&クリーニングアップを行いコンディションを整えます。
同じくリヤサスペンションシステム。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
メンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
サスペンションシステム ステアリングシステムも、本来のパフォーマンスを発揮出来るようメンテナンス完了。
ダストや砂などをクリーニングアップする事により、本来の機能がよりリアルになると共に、クリーンな状態を取り戻しました。
今回も、きめ細やかなメンテナンス&クリーニングアップを随所に施しました。
同じくリヤサスペンションシステム。
クリーニングアップ後のプロテクターカウルも基本装着位置を見直し組み込み。
メンテナンスで運動性能を、クリーニングアップで美しさを両立させます。
リペアからメンテナンス、クリーニングアップに至るまで、常に独自のクオリティーで管理し、コンディションを保ち、また向上もさせます。
各部のクリーニングアップやメンテナンス等、特別な費用は必要ありません。
私たちのごく通常のメンテナンス工程の一貫だからです。
これら一連の作業過程は、ナカムラエンジニアリング クオリティーの特徴の1つでもあります。
整備に伴い取外したホイールのクリーニングアップ&メンテナンスを行います。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
4輪全てクリーニングアップ&メンテナンスを行っていきます。
ホイール クリーニングアップ&メンテナンス終了後の画像です。
プロのレースチームもホイールの磨きは重要な仕事。
タイヤの状態やホイールの変形、キズやキレツ、そしてホイールナットの座面などもチェック。
ワークスチームでも、メカニックの重要な仕事のひとつ。
整備に伴い脱着したパーツ1つ1つを独自のクオリティーで仕上げます。
タイヤ交換。
トレッドに亀裂が入り非常に危険な状態。
タイヤ交換には色々なポイントがあります。
単に残り溝が1.6mmに達したスリップサインに近づいた状態。
溝が残っていても長年の装着で硬化し、ひび割れてきた状態。
ただ、タイヤ本来のパフォーマンスを発揮させるには、タイヤによって異なりますが、3年〜5年でタイヤ交換時期の1つの目安といえます。
3年〜5年程度でタイヤのゴムが劣化しコンパウンドが硬くなり、本来のパフォーマンスを発揮出来なくなります。
4set ニュータイヤへと交換。
フェラーリ F355のパフォーマンスを十二分に受け止めるスペックを選択。
タイヤは、重い車重を支えている重要なパーツです。唯一路面と接し、常に大きな負荷がかかっている重要なパート。
タイヤの寿命は、様々な要因によりどの程度劣化してしまっているかによります。
一般的にはスリップサインと呼ばれる、溝が1.6mmになった際に出る警告の目印が交換時期とされています。
しかし、タイヤはゴム製品であり、日々の走行で雨や土、油などの物質と接し、また、駐車時においても直射日光やオゾンにさらされ徐々に劣化していくものです。
そういった劣化の進み具合も、タイヤの交換時期に大きく関わることを忘れてはいけません。
スリップサインではまだまだ使えるタイヤでも、タイヤにヒビや傷などがある場合は要注意です。
パンクやバーストなどの原因になったり、危険を伴う場合があります。
タイヤパフォーマンスを発揮させ安全にドライビングを楽しむには、スリップサインだけでなく、タイヤ全体の劣化や損傷具合も点検し、見極める必要があります。
整備に伴い分解したアンダーカウルパーツ。
通常このまま組み込まれるのが一般的です。
分解したパーツを1点1点メンテナンスを行い組み込みます。
メンテナンス&クリーニングアップ後のカウルの画像です。
クリーンな状態で組み込みに備えます。
フェラーリ F355 車両底、フロア部分シャシー現状の画像です。
細部までクリーニングアップを行っていきます。
クリーニングアップ後の車両底、フロア部分シャシーの画像です。
通常見えない部分も、細部までクリーニングアップを実施します。
クリーンな状態から各部のセットアップを行い、パフォーマンスのバージョンアップを図ります。
運動性能と機能美を追求するメンテナンスを行います。
クリーニングアップ済みのカウルを、セットアップ済みのクリーンなシャシーに組み込み。
基本装着位置の見直しも図り、1つ1つ丁寧に組み込みます。
全ての整備&メンテナンス完了のフェラーリ F355。
最終チェック&セットアップを行っていきます。
Ferrari 純正テスターSD2で、エンジンの整備&メンテナンスに伴うECUのセットアップ。
まず、以前の車両セットをセットダウン。
続いて整備&メンテナンス後の車両に合わせセットアップします。
この工程が仕上がりを大きく左右します。
最終セットアップ。
Ferrari 純正車両診断テスター SD2で、Tipo F129B型エンジン の基本原理や構造を熟知したエンジニアが独自のセットアップを実施。
独自の味付けを施し、フェラーリ F355のポテンシャルを余す事無く引き出します。
メカニカル面も、的確な最終チェックまた、独自の味付けを行います。
最終の詰めです。
このプロセスが重要です。
独自のセットアップも終了。
最終クリーニングアップ実施後のフェラーリ F355のエンジン&エンジンルーム。
分解時、各パーツを単品でクリーニングアップ&メンテナンスを行っているので、隅々までスッキリ クリーンな状態を回復。
各部のクリーニングアップや、精度を取り戻すメンテナンス等、特別な費用は必要ありません。
私たちのごく通常のメンテナンス工程の一貫だからです。
これら全てのメンテナンスや精度の追求、またクリーニングアップやセットアップ工程は、ナカムラエンジニアリングクオリティーの特徴の1つでも有ります。
エクステリア、インテリアの最終仕上げも、メンテナンス同様こだわります。
全ての整備&メンテナンス 終了のフェラーリ F355。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の一部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全てのリペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影しています。
詳細な写真 535枚 (DVD-R 1枚に落としてあります)及び、今回のメンテナンス内容また、今後のメンテナンスメニューも分かり易く作成していますので、車両と一緒にお渡しします。
いつもメンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。
Ferrariや、Lamborghini は、どのモデルに関わらず工業製品であって美術品でもあります。
この様な車両をメンテナンスさせて頂くにあたって、車両に対してのオーナーの思いや価値観を理解し、常に業務に携らせて頂いています。
車両を向上させ完璧なコンディションに近づけ後世に残していく。
トラブルの解析なども的確なトラブルシューティングを行い、根本からトラブルをリペアし、構造を熟知した上でセットアップを行い、100%のポテンシャルを発揮できる車両に仕上げていく。
独自のノウハウとテクニックまた、専用の最新設備で車両のポテンシャルを余すことなく発揮させキャラクターを取り戻す。
また、何処を見ても綺麗。
隠れた所にも気遣いをする。
効率にとらわれず、1台1台の車両を仕上げていく。
もし、僕自身の車両なら、ここまで徹底的にして欲しい。
そういったメンテナンスを実施する車両だと僕は思いますし、その思いを皆さんの車両にも日々向上心を持って実践しています。