ウェブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
今回、フェラーリ F430 メンテナンスご依頼誠に有り難う御座います。
弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたフェラーリ F430を積んでファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので、宜しくお願い申し上げます。
フェラーリ F430 チェック開始準備の為、リフトセクションへと…
チェック開始です。
Ferrari 純正 車両診断テスター SD3を、フェラーリ F430 コントロールユニットに接続。
車両側、ECUと交信開始です。
Errorコードのみのチェックではなく、各部の作動状況や出力波形に至るまで、SD3で出来うる全てのエレクトロニクス関連をチェック。
データを下に、現状の車両の状態を詳細に解析します。
ただ、Ferrari 純正 車両診断テスター SD3が車両全てを網羅している訳ではありません。
SD3でモニタリングしても、ERRORコードが入力されない部分も多々存在します。
フェラーリ F430 ボデープロテクターの装着。
Ferrari 純正 車両診断テスターSD3で取得した各部のデータ。
現状のフェラーリ F430 車両全体のエレクトロニクスパーツの作動状況。
また、メカニカルの作動また、セット状況。
各部のデータを取得。
最新のFerrariアップデートデータとの比較も行います。
現状の電子制御部位データを全て詳細に把握、解析します。
私たちは、SD3で取得したデータは、あくまでもデータとし受け止めます。
データ全てを鵜呑みにせず、基本作動が適正値内で確実に作動しているかを、エンジンアナライザー等、専用機器を使用し単体点検を実施していきます。
更に奥深くまで、独自のチェックを進めます。
エレクトロニクス関連ポイント。
大きく分別すると下記の3項目が代表的な項目です。
1 入力: 電子的・機械的なセンサー(または変換器)で、温度、圧力、電磁場等の物理量をシステムの外部から取得して、電流信号や電圧信号に変換するあらゆるチェック。
2 信号処理回路: 組み合わされた電子素子により信号を操作し、解釈したり、変換したりする個所のチェック。
3 出力: アクチュエータや他の素子(変換器も含む)により、電流・電圧信号を車輌システムにとって有用な形態に再変換されているかなどのチェック。
この3項目から更に分別し、独自のチェックを項目別に実施していきます。
Tipo F136Eのメカニカルチェック。
F360後継モデルのF430。
心臓部は、4.3L V8気筒32バルブ。
F355~360に採用されていた1気筒5バルブ F131Bの改良版ではなく、マセラティ用にフェラーリのエンジン開発部門が作った4.2Lを大きく改良したユニット。
4バルブをベースに排気量を4308ccに拡大したTipoF136E型エンジン。
最高出力はエンツォのために開発された可変式バルブタイミングシステムの採用また、圧縮比を 11.3までに引き上げられ490PSを発揮。
エンジンマネージメントシステム ボッシュ製モトロニックをME7までバージョンアップ。
TipoF136E型エンジン、またモトロニックME7の基本原理や構造を熟知したエンジニアが細部までチェックします。
フェラーリ F430 車両全体の詳細なチェックを行います。
年数的、指定交換パーツ。
走行距離的、指定交換パーツ。
フェラーリ F430の傾向的不具合発生ポイントのチェック。
また車両のコンディションを整える為の独自のチェックへと。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの一部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解が、ある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返し車両より受ける衝撃や、常に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。
指定交換に列記されているパーツでも必ず交換しないといけない訳ではありません。
素材や構造を知り尽くしたエンジニアが、的確にチェックし判断します。
近年の車両は、エアロダイナミクスが非常に進んでいます。
たとえば、車両下部のアンダーカウル。
ベンチュリートンネルにダウンフォースの多くを獲得するグランドエフェクト・カーとして設計され、エアロダイナミクスをさらに追求。
ベルヌーイの定理により、ベンチュリーの流速が速くなり空気圧が大きく下がり、下向きの揚力を発生させるダウンフォースを作り出します。
車両下部全面にアンダーカウルが装備されています。
ダウンフォースを得る為、カウルで覆われているのですが、オイル漏れ等発生してもオーナーには分りにくい反面もあります。
フェラーリ F430 メカニカルチェック。
車両はさまざまなパーツや機構で構成されていますね。
メカニカルまた、エレクトロニクス ボディー構成などなど…
書ききれない複雑な機構を組み合わせ1台の車両として構築されています。
車両毎に傾向的不具合も存在し、指定交換が促されているパーツも有ります。
これまで車両がどの様な考え方でチェックされてきていたか、どのような工法で整備&メンテナンスを受けてきたか?
壊れた箇所の修理だけではなく、車両のコンディションを整えていくというメンテナンスが的確に行われてきた車両か否か?
車両のコンディションは千差万別です。
1から独自の思想、理念また目線で的確なチェックを行います。
漏れ出しているブレーキオイル。
ブレーキオイルは、通常ポリエチレングリコールモノエーテルが主成分です。
成分上、塗装等に付着すると塗膜を完全に侵食してしまいます。
アンダーカウルに漏れ出したエンジン冷却水が付着している現状。
このままでは、走行中やアイドリング中に突発的なオーバーヒートを引き起こし、パワーユニットに致命的な2次的ダメージを与えてしまいます。
また、エンジン冷却水の主成分は、エチレングリコールという化合物と水で構成されています。
漏れたエンジン冷却水は、ペイントを侵食する作用を持ち合わせています。
早期の確実なリペアで、致命的な2次的ダメージを防ぐ事が可能です。
リブベルトテンショナーが使用許容限度を超過している状態。
最低でも1年に1度の的確な定期点検で、各部のコンディションのチェックを行う事が大切ですね。
そうする事で車両の状態を把握でき、コンディションを整える事が可能です。
非常に重要なことですね。
車両全体を項目毎にチェックし、問題の所在を的確にピックアップします。
また、コンディションをより良き方向に整えるポイントもピックアップ。
全てのチェック終了後、客観的ではなく主観的に見た、車両を向上させる為のメンテナンスメニューを組み立てます。
全てのチェックが終了したフェラーリ F430。
確実に現状の車両の状態を把握し切らせて頂きました。
現状の車両の状態を分かり易くまとめ御連絡させて頂きます。
お打ち合わせさせて頂き決定しました今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
フェラーリ F430 整備&メンテナンス開始準備の為、リフトセクションへと…
ボデープロテクターの装着。
整備&メンテナンス開始です。
ブレーキオイルのオイル漏れから作業開始です。
フロントラッゲージに専用プロテクターを装着。
一切の汚れの付着を完璧にシャットアウトします。
分解前にクリーニングアップを実施。
漏れ出していたブレーキオイルの飛散を防ぎます。
ブレーキオイル漏れ整備完了です。
早期のトラブル発見で、ボディーのペイントも侵食されず綺麗に直りました。
定期点検。やはり重要ですね。
フロントラッゲージの内貼りを組み込み。
基本装着位置の見直しまた、全てのチリ合わせも行い組み込みます。
エンジン冷却水の交換。
使用するエンジン冷却水は、私たちが厳選したフェラーリ F430 に推奨するエンジン冷却水を使用します。
エンジン冷却水は、エンジンオイルと同様、重要な役割を果たす液体です。
主成分はエチレングリコールという化合物と水で構成されています。
高温なエンジンを常に冷却する役割を果たしています。
また、ラジエーターやエンジンブロックで使用される構成パーツに錆が発生しない様にする役目や、消泡性能などなど…もかね合わせています。
エンジン稼動時には、常に高温にさらされる為、エンジン冷却水も劣化します。
エンジン冷却水には、さまざまな化合物が含まれています。
エンジンオイル同様に長期使用せず、1年に1回酷使されたエンジン冷却水を交換することにより、本来の性能を発揮させ、エンジンを守ります。
ドレンプラグをスッキリ クリーニングアップ。
1度締め付けられたOリングの再使用はしません。
クリーンな状態から規定トルクでロックします。
エンジンオイルの交換。
潤滑系のオイル交換の目安として、使用期間また、使用許容限度が設定されています。
使用期間また、使用許容限度を1度でも超えたオイルは、本来の性能を発揮できずメカニカルを痛めてしまいます。
また、車両ポテンシャルに十二分に対応できるオイルをチョイスするノウハウも重要です。
私たちは、添加されている成分内容や粘度など、車両のモデル・使用する部位に適した厳選したオイルを使用し、より一層車輌をベストなコンディションへと導きます。
オイルの管理は非常に大切なポイントですね。
私たちが厳選したフェラーリ F430に推奨するエンジンオイルを使用します。
ドレンボルトをクリーニングアップ。
1度締め付けられたガスケットの再使用はしません。
オイルフィルターの交換。
フランジ内部のクリーニングアップを行います。
フランジ内部のクリーニングアップ後の画像です。
クリーンな状態からオイルフィルターを、基本締め付けトルクで確実にロックします。
ミッションオイルの交換。
エンジンオイルの交換はオーナーが1番気にし交換されますが、ミッションオイルも忘れてはいけない油脂類の1つ。
ギヤーの焼き付きを避け、またシフトフィーリングまでよくなるミッションオイル。
シフト操作をするとミッション内部で、大きなギヤーが噛み合ったり外れたりしますよね。
ギヤーオイルには、潤滑 冷却 防錆 応力分散の4つの作用が求められます。
エンジンオイルでは、これに加えて密閉作用や洗浄作用が要求されますが、ギヤーオイルの場合、この効果はほとんど必要が無いでしょう。
それよりも重視されるのが応力分散作用ですね。
この作用がしっかりと発揮できるミッションオイルを使用しないと、ギヤーの焼き付きなどのダメージに繋がったり、シフトフィールの悪化に直結します。
私たちが厳選した、フェラーリ F430 に推奨するミッションオイルを使用します。
ドレンボルトにかなりの金属粉が付着している状態。
使用期限を超過して使用されていたのか。
使用していたオイルが適切なオイルではなかったのか。
金属粉等放置すると研磨剤と同様の効果を及ぼします。
ミッション損傷の原因になる為、使用するオイルの選択は重要です。
ドレンプラグをスッキリ クリーニングアップ。
1度締め付けられたガスケットの再使用はしません。
クリーンな状態から規定トルクでロックします。
パワーステアリングオイルの交換。
パワーステアリングは、エンジンの出力を利用してポンプを作動させることで高圧な油圧を発生させ、その力でステアリング回転力を軽減する部位。
ラック&ピニオン式とボールネジ式に大別されます。
また、スピードを感知することによりアシスト力を制御するパワーステアリングも有ります。
フェラーリF430は、油圧式。
油圧式を採用する利点に、自然なステアリングフィーリングが得られると共に、ドライビングプレジャーを追求出来ます。
パワーステアリングオイルの劣化が進んだ場合には、パワーロスによる操作性悪化やポンプからのオイル漏れが発生するなど、2次的不具合を誘発させます。 的確な交換距離及び年数での交換が必要です。
パワーステアリングオイルも、私たちが厳選したF430のパワーステアリングに推奨するオイルを使用します。
F1マチックオイルの交換。
F1マチックオイルの交換は見逃されがちです。
FerrariのF1マチックオイル交換は、Ferrari 純正 車両診断テスターで通信しながらの交換。
Lamborghini のeギヤーオイル同様、純正テスターを使用せず無理に交換すると、F1マチックポンプや、各ソレノイド機構に負担が掛かり破損します。
破損してしまうと非常に高額なパーツ。
Ferrari 純正 車両診断テスターでの交換が必須です。
F1 マチックオイルに至っても、私たちが厳選したF430のF1マチックに推奨するオイルを使用します。
油脂の管理や選択は非常に大切なポイントです。
リブベルトとテンショナー交換。
画像右がベルトテンショナーのニューパーツ。
画像左が使用許容限度を超過したベルトテンショナー。
リブベルトはエンジンの回転を主にウォーターポンプやオルタネータ、パワーステアリングポンプ、エアコンコンプレッサー等に回転を伝えて作動させる役割を果たしているベルトです。
リブベルトの動力を確実に伝達するため、規定張力に調整するのがリブベルトテンショナーです。
画像右がニューパーツのリブベルト。
画像左が使用許容範囲を超過したリブベルト。
リブベルトは、ラバーパーツなので高温に弱く、経時的な熱劣化が発生します。
劣化が進むと、このように磨耗や亀裂、剥離等が起こり切損してしまいます。
切損すると多大なダメージを引き起こすので、定期交換時期を確実に守り交換することが大切な部分です。
ニューパーツの組込み前に車両側装着部分のメンテナンスを行っていきます。
車両側メンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
クリーンな状態からニューパーツを組み込んでいきます。
組込み完了の画像です。
機能性と美しさを追求したメンテナンスを行います。
サスペンションシステム ステアリングシステム等のメンテナンス&クリーニングアップを行います。
定期的な、足回り&車輌全体のトルク管理が必要です。
各部の調整と同時に締め付けトルクのチェックまた、サスペンションシステムも本来のパフォーマンスを発揮出来るようメンテナンスを行います。
また、同時に分解時にしか出来ないフェンダー内部の隅々までクリーニングアップします。
雨天使用しなくても、ダストや砂などが付着してしまう部分でもあります。
中々オーナーが磨けない部分ですね。
リヤセクションの画像です。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
メンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
サスペンションシステム ステアリングシステムも、本来のパフォーマンスを発揮出来るようメンテナンス完了。
ダストや砂などをクリーニングアップする事により、本来の機能がよりリアルになると共に、クリーンな状態を取り戻しました。
きめ細やかなメンテナンス&クリーニングアップを随所に施します。
同じくリヤサスペンションシステム。
メンテナンスで機能性を、クリーニングアップで美しさを回復させます。
各部のクリーニングアップやメンテナンス等、特別な費用は必要ありません。
私たちのごく通常のメンテナンス過程の一貫だからです。
これら一連の作業過程は、ナカムラエンジニアリング クオリティーの特徴の1つでもあります。
整備に伴い取外したホイールのクリーニングアップ&メンテナンスを行います。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
4輪全てクリーニングアップ&メンテナンスを行っていきます。
ホイール クリーニングアップ&メンテナンス終了後の画像です。
プロのレースチームもホイールの磨きは重要な仕事。
タイヤの状態やホイールの変形、キズやキレツ、そしてホイールナットの座面などもチェック。
ワークスチームでも、メカニックの重要な仕事のひとつ。
分解した再使用パーツを独自のクオリティーで仕上げます。
機能性、また美しさを徹底して追求するメンテナンスを行います。
整備に伴い分解したアンダーカウルパーツ。
通常このまま組み込まれるのが一般的です。
分解したパーツを1点1点メンテナンスを行い組み込みます。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
メンテナンス&クリーニングアップ後のカウルの画像です。
通常見えない分解パーツも、細部までこだわったクリーニングアップを実施。
クリーンな状態で組み込みに備えます。
フェラーリ F430 車両底、フロア部分シャシー現状の画像。
細部までクリーニングアップを行っていきます。
クリーニングアップ後の車両底、フロア部分シャシーの画像です。
クリーンな状態から各部のセットアップを行い、パフォーマンスのバージョンアップを図ります。
運動性能と機能美を追求するメンテナンスを行います。
クリーニングアップ済みのカウルを、セットアップ済みのクリーンなシャシーに組み込み。
基本装着位置の見直しも図り、1つ1つ丁寧に組み込みます。
全てのチリ合わせや、左右の均一性、ボルトロック状態の位置にもこだわり組み込み。
私たちは妥協しない徹底した整備また、メンテナンスを行います。
これら一連のクリーニングアップやメンテナンス、またセットアップ工程は、ナカムラエンジニアリング クオリティーの特徴の1つです。
全ての整備&メンテナンス完了のフェラーリ F430。
最終チェック&セットアップを行っていきます。
Ferrari 純正テスターSD3で、パワーユニットの整備&メンテナンスに伴うECUのセットアップ。
まず、以前の車両セットをセットダウン。
続いて整備&メンテナンス後の車両に合わせセットアップします。
この工程が仕上がりを大きく左右します。
最終セットアップ。
Ferrari 純正車両診断テスター SD3で、TipoF136Eの基本原理や構造を熟知したエンジニアが独自のセットアップを実施。
独自の味付けを施し、フェラーリ F430のポテンシャルを余す事無く引き出します。
メカニカル面も、的確な最終チェックまた、独自の味付けを行います。
最終の詰めです。
このプロセスが重要です。
独自のセットアップも終了。
最終クリーニングアップ実施後のフェラーリ F430 のエンジン&エンジンルーム。
分解時、各パーツを単品でクリーニングアップ&メンテナンスを行っているので、隅々までスッキリ クリーンな状態を回復。
各部のクリーニングアップや、精度を取り戻すメンテナンス等、特別な費用は必要ありません。
私たちのごく通常のメンテナンス工程の一貫だからです。
これら全てのメンテナンスや精度の追求、またクリーニングアップやセットアップ工程は、ナカムラエンジニアリングクオリティーの特徴の1つでも有ります。
エクステリア、インテリアの最終仕上げも、メンテナンス同様こだわります。
全ての整備&メンテナンス 終了のフェラーリ F430。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の一部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全てのリペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影しています。
詳細な写真 271枚 (DVD-R 1枚に落としてあります)及び、今回のメンテナンス内容また、今後のメンテナンスメニューも分かり易く作成していますので、車両と一緒にお渡しします。
今回メンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。