ウェブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
今回、フェラーリ F430 メンテナンスご依頼誠に有り難う御座います。
弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたフェラーリ F430を積んでファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い申し上げます。
フェラーリ F430 チェック開始準備の為、リフトセクションへと…
チェック開始です。
Ferrari 純正 車両診断テスター SD3を、フェラーリ F430 コントロールユニットに接続。
車両側、ECUと交信開始です。
Errorコードのみのチェックではなく、各部の作動状況や出力波形に至るまで、SD3で出来うる全てのエレクトロニクス関連をチェック。
データを下に、現状の車両の状態を詳細に解析します。
ただ、Ferrari 純正 車両診断テスター SD3が車両全てを網羅している訳ではありません。
SD3でモニタリングしても、ERRORコードが入力されない部分も多々存在します。
フェラーリ F430 ボディープロテクターの装着。
Ferrari 純正 車両診断テスターSD3で取得した各部のデータ。
現状のフェラーリ F430 車両全体のエレクトロニクスパーツの作動状況。
また、メカニカルの作動また、セット状況。
各部のデータを取得。
最新のFerrariアップデートデータとの比較も行います。
現状の電子制御部位データを全て詳細に把握、解析します。
私たちは、SD3で取得したデータは、あくまでもデータとし受け止めます。
データ全てを鵜呑みにせず、基本作動が適正値内で確実に作動しているかを、エンジンアナライザー等、専用機器を使用し単体点検を実施していきます。
更に奥深くまで、独自のチェックを進めます。
エレクトロニクス関連ポイント。
大きく分別すると下記の3項目が代表的な項目です。
1 入力: 電子的・機械的なセンサー(または変換器)で、温度、圧力、電磁場等の物理量をシステムの外部から取得して、電流信号や電圧信号に変換するあらゆるチェック。
2 信号処理回路: 組み合わされた電子素子により信号を操作し、解釈したり、変換したりする個所のチェック。
3 出力: アクチュエータや他の素子(変換器も含む)により、電流・電圧信号を車輌システムにとって有用な形態に再変換されているかなどのチェック。
この3項目から更に分別し、独自のチェックを項目別に実施していきます。
Tipo F136Eのメカニカルチェック。
F360後継モデルのF430。
心臓部は、4.3L V8気筒32バルブ。
F355~360に採用されていた1気筒5バルブ F131Bの改良版ではなく、マセラティ用にフェラーリのエンジン開発部門が作った4.2Lを大きく改良したユニット。
4バルブをベースに排気量を4308ccに拡大したTipoF136E型エンジン。
最高出力はエンツォのために開発された可変式バルブタイミングシステムの採用また、圧縮比を 11.3までに引き上げられ490PSを発揮。
エンジンマネージメントシステム ボッシュ製モトロニックをME7までバージョンアップ。
TipoF136E型エンジン、またモトロニックME7の基本原理や構造を熟知したエンジニアが細部までチェックします。
フェラーリ F430 車両全体の詳細なチェックを行います。
年数的、指定交換パーツ。
走行距離的、指定交換パーツ。
フェラーリ F430の傾向的不具合発生ポイントのチェック。
また車両のコンディションを整える為の独自のチェックへと。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの一部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解が、ある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返し車両より受ける衝撃や、常に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。
指定交換に列記されているパーツでも必ず交換しないといけない訳ではありません。
素材や構造を知り尽くしたエンジニアが、的確にチェックし判断します。
近年の車両は、エアロダイナミクスが非常に進んでいます。
たとえば、車両下部のアンダーカウル。
ベンチュリートンネルにダウンフォースの多くを獲得するグランドエフェクト・カーとして設計され、エアロダイナミクスをさらに追求。
ベルヌーイの定理により、ベンチュリーの流速が速くなり空気圧が大きく下がり、下向きの揚力を発生させるダウンフォースを作り出します。
車両下部全面にアンダーカウルが装備されています。
ダウンフォースを得る為、カウルで覆われているのですが、オイル漏れ等発生してもオーナーには分りにくい反面もあります。
ダウンフォースを作り出すフロアーカウル現状の画像。
フロアカウルにヒットした痕跡が見られます。
衝撃で破損してしまっています。
この状態では、折角ダウンフォース効果を発揮する設計が、かえってドラッグ(乱気流)を発生させてしまいます。
全て現品修復可能と判断。
メンテナンスメニューでご提案させて頂きます。
フェラーリ F430 メカニカルチェック。
車両はさまざまなパーツや機構で構成されていますね。
メカニカルまた、エレクトロニクス ボディー構成などなど…
書ききれない複雑な機構を組み合わせ1台の車両として構築されています。
車両毎に傾向的不具合も存在し、指定交換が促されているパーツも有ります。
これまで車両がどの様な考え方でチェックされてきていたか、どのような工法で整備&メンテナンスを受けてきたか?
壊れた箇所の修理だけではなく、車両のコンディションを整えていくというメンテナンスが的確に行われてきた車両か否か?
車両のコンディションは千差万別です。
1から独自の思想、理念また目線で的確なチェックを行います。
フロアーカウル取り付けナットの破損。
しっかりとしたトルク管理が行われていなかったのでしょう。
フレームに埋め込まれたフロアーカウル取り付けナットが完全に破損してしまっています。
フロアーカウル内側には多量のオイルが付着している状態。
オイルの漏れ。
通常目にする事の無い部分に不具合が発生している場合が多いのは事実です。
オーナーが分からないうちに不具合が進行し、他のパーツに悪影響を及ぼしてしまっている場合が多々あります。
定期チェックで早期に発見し、確実なリペアを行うことで多大なダメージを回避することが可能です。
漏れ出したオイルが、周りの問題の無いパーツにまで付着してしまっています。
この状態では漏れ出したオイルが他の問題の無いパーツまで攻撃し悪影響を及ぼし始めます。
分かりやすく言うと、輪ゴムにオイルを付けると、数日でゴムの弾力性が無くなり伸ばすと直に切れてしまいます。
これと同じ事が車両の各ラバーパーツに生じます。
複数の部位からのオイル漏れ。
オイル漏れ発生個所の中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的なガスケットや、ラバー素材パーツ。
ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、ある程度の年数で亀裂や溶解が起こります。
また特にパワーユニットやパワートレイン関連パーツは、熱による弾性不良また、回転部分の磨耗(エンジンを長期間始動しない車輌は、形成変化を起こします。)などもオイル漏れを発生させてしまいます。
また、構成金属パーツ類では、金属を構成する個々の原子そのものが膨張して、格子間隔が大きくなりその為、弾性変形を生じパーツ接合面に歪が発生し、オイル漏れを発生させている場合も多々見受けられます。
なぜオイル漏れが発生してしまったか?
漏れを引き起こしている主原因は?
これらの要因を特定し、ピンポイントで確実なリペア工法を確定します。
このプロセスが非常に重要です。
最低でも1年に1度の的確な定期点検で、各部のコンディションのチェックを行う事が大切ですね。
そうする事で車両の状態を把握でき、コンディションを整える事が可能です。
非常に重要なことですね。
車両全体を項目毎にチェックし、問題の所在を的確にピックアップします。
また、コンディションをより良き方向に整えるポイントもピックアップ。
全てのチェック終了後、客観的ではなく主観的に見た、車両を向上させる為のメンテナンスメニューを組み立てます。
全てのチェックが終了したフェラーリ F430。
確実に現状の車両の状態を把握し切らせて頂きました。
内容をまとめ、現状の車両の状態を分かり易く明記し送付させて頂いた上、御連絡させて頂きます。
お打ち合わせさせて頂き決定しました今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
フェラーリ F430 整備&メンテナンス開始準備の為、リフトセクションへと…
ボディープロテクターの装着。
整備&メンテナンス開始です。
分解前にエンジンやミッションなどに付着している細かな砂や塵を、一度全てクリーニングアップします。
これは、作業中に砂や塵がパーツ内部へ混入することを避ける為。
また、分解するボルト、ナットetc.再使用パーツ保護の為に行います。
見た目にも汚れが落ちスッキリ クリーンな状態を取り戻します。
通常、目にする事のない部分には汚れがビッシリ蓄積しています。
隅々までクリーニングアップを行っていきます。
汚れた状態からの分解では、整備&メンテナンス時の異物混入また、再使用パーツにダメージを与えます。
分解前に、独自のクリーニングアップ方法で一掃し、クリーンな状態を取り戻します。
ボルト、ナット に至るまで全てをクリーニングアップしていきます。
クリーニングアップ後の画像です。
エンジンルーム クリーニングアップ後のL/H側の画像。
エンジンルームのフレームを隅々までクリーニングアップ。
きめ細やかなクリーニングアップを随所に施します。
エンジンルーム クリーニングアップ後のR/H側の画像。
クリーンな状態から分解することで異物の混入を防ぎます。
見える箇所だけでなく、通常見えないポイントまで徹底したクリーニングアップを行います。
エンジン・ミッション下側、クリーニングアップ後の画像。
ボルト・ナット1つまで、クリーニングアップ。
クリーンな状態から分解することで、再使用パーツやボルト・ナットにダメージを与えません。
全ての部位に対しクリーンな状態から分解します。
これが私たちの整備&メンテナンスに取り掛かる第一工程のクリーニングアップです。
私達メンテナンスする側も気持ち良く整備&メンテナンスに掛かれます。
各部のクリーニングアップの特別な費用は必要ありません。
クリーンな状態から構成パーツを分解。
装着部分のクリーニングアップ&メンテナンスを行っていきます。
エンジンは、熱膨張と冷間時の収縮の連鎖が常に繰り返されます。
数年経過すると装着面の誤差も発生してきます。
その誤差を修正し、基本精度を回復させます。
メンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
接合する接地面を綿密に整えることで、パーツの対応年数まで不具合が発生することはありません。
メンテナンス&クリーニングアップ後のパーツ。
組込みに備えます。
クリーンなエンジンにメンテナンス済みパーツを組込み。
1つ1つのパーツに徹底したメンテナンスを行い、機能性また美しさも追求します。
オイル漏れが発生しているパワーステアリングポンプの交換へと。
まず、オイルが飛び散り汚れきった周辺部分また、ポンプ本体のクリーニングアップから行います。
クリーニングアップ後の画像。
隅々までクリーンな状態からパワーステアリングポンプの交換を行います。
画像右がニューパーツ。
画像左がオイル漏れが発生しているポンプ。
パワーステアリングポンプ。
パワーステアリングポンプは、エンジンの出力を利用してポンプを作動させることで高圧な油圧を発生させ、その力でステアリング回転力を軽減する部位。
フェラーリF430は、油圧式。
油圧式を採用する利点に、自然なステアリングフィーリングが得られると共に、ドライビングプレジャーを追求出来ます。
クリーニングアップ済みの取り付け部分にニューパーツを組み込み。
画像左が使用限度を超過したパーツ。
画像右がニューパーツ。
リブベルトテンショナー。
リブベルトの動力を確実に伝達するため、規定張力に調整するのがリブベルトテンショナーです。
張力が弱くなってくるとリブベルトの張りが弱くなり動力を確実に伝達できなくなります。
画像上のリブベルト。
リブベルトはエンジンの回転を主にウォーターポンプやオルタネータ、パワーステアリングポンプ、エアコンコンプレッサー等に回転を伝えて作動させる役割を果たしているベルトです。
リブベルトは、ラバーパーツなので高温に弱く、経時的な熱劣化が発生します。
劣化が進むと、磨耗や亀裂、剥離等が起こり切損してしまいます。
クリーニングアップ済みのエンジンにニューパーツを組み込み。
1つ1つのセクションをリセットするメンテナンスを行います。
純正のブレーキディスクパッドの画像。
今回ノンダストブレーキディスクパッドを製作していきます。
オリジナルで製作したノンダストブレーキディスクパッドの画像。
スペックは、ノンダストタイプながらストリートからサーキットでのスポーツ走行まで対応し、細やかなブレーキングコントロール性能また、踏力に応じたリニアなコントロール性を発揮。
全領域で安定したパフォーマンスを発揮させ且つブレーキダストを最小限に抑えたオリジナルディスクパッドです。
ディスクパッド分解に伴い汚れたブレーキキャリパーのメンテナンス&クリーニングアップ工程へと。
クリーニングアップ&メンテナンス後のキャリパーの画像。
メンテナンスで、リアルでダイレクトな作動を回復。
クリーニングアップで美しさを回復しました。
ノンダストブレーキディスクパッドを組み込み。
ホイールの汚れも最小限に低減できます。
エアーフィルターの交換へと。
エアーフィルターは、ダストの清浄効率と捕捉能力を備えたパーツ。
使用許容範囲を超えるとフィルター抵抗が大きくなり、エンジンへのフレッシュエアーの吸入を妨げます。
定期的なチェックが必要なパーツの1つですね。
スパークプラグの交換。
画像上が、使用限度を超過したスパークプラグ。
画像下が、私たちが蓄積したデータから燃焼効率を更に促進させるために選択したスパークプラグです。
フルインジェクション化に伴い、今では余り気を使わなくなったスパークプラグ。
しかし3年以内、または走行2万キロを目安にプラグを交換する事は必要です。
新品のプラグであっても、製造誤差などにより必ずしもギャップが全数一定に揃っているとは限りません。
エンジンの種類によっては、プラグの熱価などは全気筒同じであっても、気筒毎に異なる電極隙間を要求するものも存在する為、装着の前に電極隙間を測定して調整します。
電極隙間の測定及び調整後のスパークプラグ。
組込みに備えます。
ポーレンフィルターの交換へと。
画像上が汚れたポーレンフィルター。
画像下がニューパーツです。
ポーレンフィルターはエアコン稼働時に働くパーツ。
外気また内気から、粉塵、排気ガス中の微粒子、花粉などをこし取り、浄化したクリーンな空気を循環させるパーツです。
周辺部分もクリーニングアップ。
ポーレンフィルター交換完了です。
油脂類の交換。
一言で油脂類と言っても、車両は色々な油脂で潤滑や油圧の発生による作動が常に行われています。
エンジンオイル・ミッションオイル・F1マチックオイル・ブレーキオイル・クラッチオイル・パワーステアリングオイル・エンジン冷却水など。
代表的なエンジンオイルだけでは無く他のオイルも、使用期間また使用許容限度での交換が必要です。
オイルメーカー各社、色々なオイルのラインナップが有りますが、メリットとデメリットが有ります。
私たちは、車両のモデル・使用する部位・車両の使用用途など考慮し、厳選した油脂を選択し使用します。
メーカー指定純正オイルが1番無難と言えば無難ですが、全てのモデルに1番適切なオイルかと言えば疑問です。
生産ラインで使用されるオイルは、メーカー指定純正オイルでは無く、初期馴染みなどなどを考慮した、一般には流通しない特殊な高性能オイルです。
決してメーカー指定純正オイルでは無いんです。
私たちは、添加されている成分内容や粘度など、車輌のモデル・使用する部位に適した厳選したオイルを使用します。
これにより、より一層車両をベストなコンディションへと導きます。
エンジンオイルの交換。
オイルの劣化度は、目で見る 触るなど簡単な方法で判断しにくいものです。
真っ黒になったオイルや、異臭 変色している物は別ですが…
通常、使用期間や走行距離で判断します。
各オイル類には全て食品と同じ様に賞味期限が有ります。
賞味期限切れでは本来の性能を発揮できず車輌を痛めてしまいます。
劣化の発生は、外気による酸化、メカニカル圧力によるオイル分子のせんだん、熱、ブローバイガス内のフューエルの混入で劣化していくのが一般的です。
エンジンオイルは、ベースオイルで色々と分類されます。
鉱物油
部分合成油
化学合成油
PAO
エステル
植物油
規格で分けると…
API規格
ILSAC規格
SAE規格
ACEA規格
JASO規格
粘度による分類では…
SAE粘度
HTHS粘度
エンジンオイルでは、潤滑 冷却 防錆 応力分散 密閉作用 洗浄作用の6つの作用が求められます。
私たちが厳選した、フェラーリ 430のエンジンに推奨するエンジンオイルを使用します。
ドレンボルトをスッキリ クリーニングアップ。
一度締め付けたガスケットの再使用は行いません。
オイルフィルター交換に伴う、フランジ内部のクリーニングアップを行います。
フランジ内部クリーニングアップ後の画像です。
クリーンな状態からオイルフィルターを規定トルクで組み付けていきます。
ミッションオイルの交換。
エンジンオイルの交換はオーナーが1番気にし交換されますが、ミッションオイルも忘れてはいけない油脂類の1つ。
ギヤーの焼き付きを避け、またシフトフィーリングまでよくなるミッションオイル。
シフト操作をするとミッション内部で、大きなギヤーが噛み合ったり外れたりしますよね。
ギヤーオイルには、潤滑 冷却 防錆 応力分散の4つの作用が求められます。
エンジンオイルでは、これに加えて密閉作用や洗浄作用が要求されますが、ギヤーオイルの場合、この効果はほとんど必要が無いでしょう。
それよりも重視されるのが応力分散作用ですね。
この作用がしっかりと発揮できるミッションオイルを使用しないと、ギヤーの焼き付きなどのダメージに繋がったり、シフトフィールの悪化に直結します。
私たちが厳選した、フェラーリ F430 に推奨するミッションオイルを使用します。
ドレンボルトにかなりの金属粉が付着している状態。
使用期限を超過して使用されていたのか。
使用していたオイルが適切なオイルではなかったのか。
金属粉等放置すると研磨剤と同様の効果を及ぼします。
ミッション損傷の原因になる為、使用するオイルの選択は重要です。
ドレンプラグをスッキリ クリーニングアップ。
1度締め付けられたガスケットの再使用はしません。
クリーンな状態から規定トルクでロックします。
エンジン冷却水の交換。
私たちが厳選したフェラーリ F430に推奨するエンジン冷却水を使用します。
エンジン冷却水は、エンジンオイルと同様、重要な役割を果たす液体です。
主成分はエチレングリコールという化合物と水で構成されています。
高温なエンジンを常に冷却する役割を果たしています。
また、ラジエーターやエンジンブロックで使用される構成パーツに錆が発生しない様にする役目や、消泡性能などなど…もかね合わせています。
エンジン稼動時には、常に高温にさらされる為、エンジン冷却水も劣化します。
エンジン冷却水には、さまざまな化合物が含まれています。
エンジンオイル同様に長期使用せず、1年に1回、酷使されたエンジン冷却水を交換することにより、本来の性能を発揮させ、エンジンを守ります。
1度締め付けられたドレンプラグの再使用はしません。
パワーステアリングオイルの交換。
パワーステアリングは、エンジンの出力を利用してポンプを作動させることで高圧な油圧を発生させ、その力でステアリング回転力を軽減する部位。
ラック&ピニオン式とボールネジ式に大別されます。
また、スピードを感知することによりアシスト力を制御するパワーステアリングも有ります。
フェラーリF430は、油圧式。
油圧式を採用する利点に、自然なステアリングフィーリングが得られると共に、ドライビングプレジャーを追求出来ます。
パワーステアリングオイルの劣化が進んだ場合には、パワーロスによる操作性悪化やポンプからのオイル漏れが発生するなど、2次的不具合を誘発させます。 的確な交換距離及び年数での交換が必要です。
パワーステアリングも、私たちが厳選したフェラーリ F430に推奨するオイルを使用します。
F1マチックオイルの交換。
F1マチックオイルの交換は見逃されがちです。
FerrariのF1マチックオイル交換は、Ferrari 純正 車両診断テスターで通信しながらの交換。
Lamborghini のeギヤーオイル同様、純正テスターを使用せず無理に交換すると、F1マチックポンプや、各ソレノイド機構に負担が掛かり破損します。
破損してしまうと非常に高額なパーツ。
Ferrari 純正 車両診断テスターでの交換が必須です。
F1 マチックオイルに至っても、私たちが厳選したF430のF1マチックに推奨するオイルを使用します。
油脂の管理や選択は非常に大切なポイントです。
ブレーキオイルの交換。
使用限度を超過し劣化したブレーキオイルの画像です。
この状態ではブレーキシステム構成パーツに悪影響を与えるばかりか、作動不良またオイル漏れを引き起こしてしまいます。
ブレーキオイル交換前にリザーバタンク内部また、アウターケースのクリーニングアップを行います。
リザーバタンク内部また、アウターケースをスッキリ クリーニングアップ。
クリーンな状態からブレーキオイルを交換していきます。
ブレーキオイルを専用機器で交換。
ブレーキオイルは、私たちが厳選したフェラーリ F430のブレーキシステムに推奨するオイルを使用します。
ブレーキオイル。
ブレーキオイルの交換時期は、オイルの色などでも簡単な判断はできますが、交換基準はあくまで使用期間、水分吸収量、劣化で判断します。
サーキット走行後は、ブレーキに与える熱量が非常に大きい為、熱によるブレーキオイルの膨張などが繰り返され劣化が急激に進みます。
ブレーキオイルは吸湿性が高く、大気中の水分を吸収する為、期間の経過と共にブレーキオイル内の水分量が多くなり、沸点が下がってしまいます。
そのまま使用し続けると、ハードブレーキを繰り返したときにブレーキオイルが沸騰し気泡が発生し、踏力によって発生した圧力は、気泡を圧縮するだけで制動力を発生させることができず、ブレーキが効かなくなります。
これをペーパーロック現象と言い、大変危険な現象の一つです。
ハードブレーキはしないから…と思うオーナーも多いでしょうが、発生する不具合はこれだけでは無く色々な不具合を発生させます。
ブレーキオイルの水分吸収量が多くなると、キャリパーピストンに錆が発生し、ピストン固着やブレーキの引きずり、片効き等々を引き起こします。
通常のストリートでの使用、また、乗らなくても1年毎の交換が必須です。
オイル交換と同時に周辺部分もスッキリ クリーニングアップ。
気持ちよいものですね。
ブレーキディスクパッド&ブレーキキャリパー整備前の画像です。
サスペンションシステム ステアリングシステム等のメンテナンス&クリーニングアップを行います。
定期的な、足回り&車輌全体のトルク管理が必要です。
各部の調整と同時に締め付けトルクのチェックまた、サスペンションシステムも本来のパフォーマンスを発揮出来るようメンテナンスを行います。
また、同時に分解時にしか出来ないフェンダー内部の隅々までクリーニングアップします。
雨天使用しなくても、ダストや砂などが付着してしまう部分でもあります。
中々オーナーが磨けない部分ですね。
リヤセクションの画像です。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
メンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
サスペンションシステム ステアリングシステムも、本来のパフォーマンスを発揮出来るようメンテナンス完了。
ダストや砂などをクリーニングアップする事により、本来の機能がよりリアルになると共に、クリーンな状態を取り戻しました。
きめ細やかなメンテナンス&クリーニングアップを随所に施します。
同じくリヤサスペンションシステム。
メンテナンスで機能性を、クリーニングアップで美しさを回復させます。
各部のクリーニングアップやメンテナンス等、特別な費用は必要ありません。
私たちのごく通常のメンテナンス過程の一貫だからです。
これら一連の作業過程は、ナカムラエンジニアリング クオリティーの特徴の1つでもあります。
整備に伴い取外したホイールのクリーニングアップ&メンテナンスを行います。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
4輪全てクリーニングアップ&メンテナンスを行っていきます。
ホイール クリーニングアップ&メンテナンス終了後の画像です。
プロのレースチームもホイールの磨きは重要な仕事。
タイヤの状態やホイールの変形、キズやキレツ、そしてホイールナットの座面などもチェック。
ワークスチームでも、メカニックの重要な仕事のひとつ。
整備に伴い脱着したパーツ1つ1つを独自のクオリティーで仕上げます。
整備に伴い分解したアンダーカウルパーツ。
通常このまま組み込まれるのが一般的です。
分解したパーツを1点1点メンテナンスを行い組み込みます。
メンテナンス&クリーニングアップ開始です。
メンテナンス&クリーニングアップ後のカウルの画像です。
通常見えない分解パーツも、細部までクリーニングアップを実施。
クリーンな状態で組み込みに備えます。
フェラーリ F430 車両底、フロア部分シャシー現状の画像。
細部までクリーニングアップを行っていきます。
クリーニングアップ後の車両底、フロア部分シャシーの画像です。
クリーンな状態から各部のセットアップを行い、パフォーマンスのバージョンアップを図ります。
運動性能と機能美を追求するメンテナンスを行います。
クリーニングアップ済みのカウルを、セットアップ済みのクリーンなシャシーに組み込み。
基本装着位置の見直しも図り、1つ1つ丁寧に組み込みます。
フェラーリ傾向的不具合ポイントの代表的なポイントの1つ。
樹脂パーツの溶解。
現状の画像です。
今回オーナーのご希望により初期段階での状態でリペアを実施します。
溶解した樹脂パーツ。
現品を独自のクオリティーで完璧に復元していきます。
現品リペアの為、取外した全ての樹脂パーツ。
部分的なリペアでは、リペアされていない樹脂パーツの溶解が必ず起こってきます。
溶解する度にリペアしていては費用もかさみ、また色が均一化されず違和感だけが残ります。
樹脂パーツを1セクションと考え、全ての樹脂パーツをリセットします。
現品を独自のクオリティーで完璧に復元していきます。
独自の最新の工法で現品リペア完了の樹脂パーツの画像です。
インテリア全ての樹脂パーツを1セクションと考えリセット。
私たちが行う樹脂パーツのリペアは、2度とペイントが溶解することは有りません。
独自に配合したペイントで、新車時の滑らかな肌触りを再現。
また、塗色は新車時の色と全く同じ。
ジェントルな色彩を再現できる塗色を独自で配合。
一気に新車時の樹脂パーツのインテリアへと復元させます。
樹脂パーツをインテリアに組込み。
クリスタルのようなインテリアパーツを組上げる上での、細かな微調整。
最終的な合わせこみが重要です。
左右の均一性また、細部までチリ合わせを行い組み込みます。
塗色の配合や工程で、新車時のマッドなカラーを再現。
効率にとらわれる事なく、1つ1つ独自のクオリティーで仕上げた、F430のインテリア樹脂パーツ。
インテリア全ての樹脂パーツを1セクションと考え一気に初期化し、新車時のインテリアを復元しました。
エンジンスタート前の最終チェックも完了。
各部のチェックを行っていきます。
水温 油温 油圧 電圧 電流等々インスルメントパネルのメーター上でチェック。
メーター上の確認だけでなく、指針と実際のユニットとの誤差が無いかを、フェラーリ純正テスター SD3を車両コントロールユニットに接続し同時にチェックします。
各回転域でのユニットやセンサーまた、電子制御インジェクションシステムの基本作動。
また、パラメーターチェックも全て行います。
全ての整備&メンテナンス完了のフェラーリ F430。
最終チェック&セットアップを行っていきます。
Ferrari 純正テスターSD3で、パワーユニットの整備&メンテナンスに伴うECUのセットアップ。
まず、以前の車両セットをセットダウン。
続いて整備&メンテナンス後の車両に合わせセットアップします。
この工程が仕上がりを大きく左右します。
最終セットアップ。
Ferrari 純正車両診断テスター SD3で、TipoF133Eの基本原理や構造を熟知したエンジニアが独自のセットアップを実施。
独自の味付けを施し、フェラーリ F430のポテンシャルを余す事無く引き出します。
メカニカル面も、的確な最終チェックまた、独自の味付けを行います。
最終の詰めです。
このプロセスが重要です。
独自のセットアップも終了。
最終クリーニングアップ実施後のフェラーリ F430のエンジン&エンジンルーム。
分解時、各パーツを単品でクリーニングアップ&メンテナンスを行っているので、隅々までスッキリ クリーンな状態を回復。
各部のクリーニングアップや、精度を取り戻すメンテナンス等、特別な費用は必要ありません。
私たちのごく通常のメンテナンス工程の一貫だからです。
これら全てのメンテナンスや精度の追求、またクリーニングアップやセットアップ工程は、ナカムラエンジニアリングクオリティーの特徴の1つでも有ります。
エクステリア、インテリアの最終仕上げも、メンテナンス同様こだわります。
全ての整備&メンテナンス 終了のフェラーリ F430。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の一部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全てのリペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影しています。
詳細な写真 491枚 (DVD-R 1枚に落としてあります)及び、今回のメンテナンス内容また、今後のメンテナンスメニューも分かり易く作成していますので、車両と一緒にお渡しします。
今回、メンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。
Ferrariや、Lamborghini は、どのモデルに関わらず工業製品であって美術品でもあります。
この様な車両をメンテナンスさせて頂くにあたって、車両に対してのオーナーの思いや価値観を理解し、常に業務に携らせて頂いています。
車両を向上させ完璧なコンディションに近づけ後世に残していく。
トラブルの解析なども的確なトラブルシューティングを行い、根本からトラブルをリペアし、構造を熟知した上でセットアップを行い、100%のポテンシャルを発揮できる車両に仕上げていく。
独自のノウハウとテクニックまた、専用の最新設備で車両のポテンシャルを余すことなく発揮させキャラクターを取り戻す。
また、何処を見ても綺麗。
隠れた所にも気遣いをする。
効率にとらわれず、1台1台の車両を仕上げていく。
もし、僕自身の車両なら、ここまで徹底的にして欲しい。
そういったメンテナンスを実施する車両だと僕は思いますし、その思いを皆さんの車両にも日々向上心を持って実践しています。