ウエッブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
いつも ランチャ ストラトス メンテナンス御依頼有り難う御座います。
実作業準備の為、リフトセクションへと移動させて頂きました。
シャーシ周り各部のチェック開始です。
永年保管されていたマシン。
各部油圧系統の劣化が激しいので細部までチェック。
確実なチェックには分解が必要と判断しましたので、オーナーに分解許可を頂きました。
シャーシ周りのポイント ポイントを確実にトラブルシューティングしていきます。
ブレーキマスター関連からのオイル漏れ。
OH可能かまた、交換が必要かも的確にチェック。
各部的確なチェックが進みます。
シャーシ周り各部のチェック終了。
エンジンOH&グループ4バージョン仕様へ...
的確な作業が担当エンジニアにより進められ、ランチャ ストラトス エンジン脱着完了です。
丁寧にに各部を分解し、脱着されたエンジン本体。
エンジンはフェラーリ・ディーノ246GT/GTSやフィアット・ディーノに使われたものと基本的に同じです。
フェラーリ65度V型6気筒 DOHCエンジンに低中速のトルクを重視したチューニングを行い、リアミッドシップに横置きにレイアウトされています。
ディーノ246GT/GTSと比べてミッションギア比が極端なクロスレシオ化されています。
当時のラリー車は、量産車両を競技用に改造したものが一般的でした。
グループ4規定も、量産車の競技用特別仕様を想定したもので、連続する12ヶ月5,000台を生産した量産GTカーをグループ3として公認。
そのグループ3ベースを更にチューニングしたマシンがグループ4です。
今回、そのフェラーリ65度V型6気筒 DOHCエンジンを当時のがグループ4仕様へとアップデートします。
これより、作業分解前にエンジンやミッションなどに付着している細かな砂や塵を1度、全てクリーニング実施します。
これは、砂や塵が作業中パーツ内部への混入を避ける為、実施します。
また、見た目にも汚れが落ちスッキリ クリーンな状態を取り戻します。
現状のエンジンフロントからの画像です。
現状のエンジン右バンク。
同じく現状のエンジン左バンク。
エンジン後方、ミッション側からの画像です。
バルブカバーのアップ。
フェラーリ65度V型6気筒 DOHC
エンジン シリンダーブロック。
オーナーが中々目にする機会がない部分ですね。
砂や経年の汚れ、またオイル漏れ発生個所から漏れ出したオイルに砂や、汚れが付着している現状の状態。
この状態での分解は、良いメンテナンスに繋がりません。
クリーニングアップ後、分解開始です。
作業前のクリーニングアップ終了です。
クリーンな状態を取り戻したエンジン&ミッション。
クリーニングアップ前と同じ順番で紹介します。
まず、フロントからの画像です。
クリーニングアップ後のエンジン右バンク。
同じく、エンジン左バンク。
エンジン後方ミッション側からの画像です。
Dinoのロゴもスッキリ。
非常にクリーンな状態を取り戻しました。
これで、作業中パーツ内部への汚れの混入を完全にシャットアウト!!
外装は綺麗だけどエンジンルームを開けるとチョット…….では、マシンも陰が薄くなってしまいます。
これよりエンジンOH&グループ4バージョン仕様へと実作業に入ります。
分解部位は、常にクリーニングアップを行いながら作業を進めます。
クリーンな状態で各パーツの単体チェックを行います。
エンジンスタンドへと、搭載。
現状のバルブタイミングを知るには、分解前に必要なチェック。
よく現状のバルブタイミングが数度ズレてしまっているマシンも見かけます。
ただ単にタイミングベルト交換だけでは、100%のポテンシャルは発揮しません。
今回は、グループ4エンジンにアップデートする為、グループ4ハイカムシャフトに対して1番パワー&トルクを発揮する数値に弊社のノウハウでセットします。
各気等毎、計算式により現状の数値をチェックします。
バルブタイミングの測定も終了。
Ferrari専用SST(専用工具)を使用し、作業が進みます。
専用SSTを使用し作業する事により、キズや歪みを発生させる事無く分解組み立てが可能です。
また、組み込み精度が飛躍的に向上致します。
弊社では、Ferrariや、Lamborghiniを確実にメンテナンスする事が可能な様に、全ての専用SSTを完備しています。
これらのSSTは、入手不可能なFerrari社Lamborghini社の専用工具です。
弊社は、イタリア モデナに本拠を置くFerrari , Lamborghini のメンテナンス&レーシングマシン メンテナンス ファクトリー ディーラー ROSSO CORSA , SPA より、東洋で初めてFerrari , Lamborghini メンテナンス指定を受けていますので、全てのSSTを完備し、最新のデーターや、情報でマシンを確実にメンテナンスする事が可能なのです。
シリンダーヘッドまた、ピストンヘッドも永年蓄積されたスラッジもタップリ。
定期的な点火系チェックや、フューエル系統のリセッティングを怠ると通常以上にスラッジが発生します。
ピストンもグループ4へとアップデート。
Ferrari専用SST(専用工具)を使用し確実な分解。
各部の計測&チェックも的確に行なわれます。
ピストンクリアランスもチェック。
クランクジャーナルもチェック。
シリンダーヘッドもチェック。
NO.1シリンダーがガスケット抜けしエンジン冷却水が混入していた状態。
これよりシリンダーヘッドのOHを、非常に高い精度で行います。
OH後、グループ4ビッグバルブ&グループ4ハイカムシャフトを組みます。
バルブ当たり面 ステム等 現状の状態を全てチェック。
今回は、バルブは、グループ4ビッグバルブ。
ステムは、リン青銅で製作します。
各部の計測に入ります。
ピストンクリアランス&ピストンスカートの測定。
今回は、鍛造ハイコンプピストンへとアップデートしますが、現状のピストンクリアランスを確実に把握します。
ピストンスカートの磨耗が使用限度値を上回ってしまっています。
シリンダーゲージでピストンクリアランスの計測。
ピストンクリアランスが使用限度値を大幅に超えてしまっています。
なんと、19/100~23/100 の数値. . . . . . .
バルブカバーに溜まっていたスラッジも完全に除去。
各部、分解毎にクリーニングアップ&チェック&計測を行い修正が必要な場合即座に加工修正し精度を的確に出し組み込みに備えます。
バルブカバーと、シリンダーヘッドとの接合面。
歪が発生していた為、バルブカバー側 接合面を専用機器を使用し、加工修正後の画像です。
接続部分等に歪が発生していると、どうしても数ヶ月また、数年経過すると滲みや漏れが発生してしまいます。
これら細かな1つ1つのチェック&修正により格段に精度の良いマシンへと変化します。
今回、換装するグループ4 バージョンの鍛造ピストンキット。
今回選択した、グループ4 バージョンの鍛造ピストンキット。
鋳造製ピストンに比べ 高温強度を向上し、高負荷時の耐久性を向上。
ピストンスカートの形状を最適化し、往復運動によるピストン変形時の応力集中を回避、耐久性を向上。
ピストンスカート長を短縮し、フリクションを低減。
また、プロファイルを最適化し、スカート短縮による首振り現象を抑える事が可能な、鍛造ピストンキットです。
グループ4 バージョンの鍛造ピストンに合わせシリンダーホーリング&ホーニングの仕上がったブロック。
ブロック上面の修正研磨も同時に行いました。
ボーリング&ホーニングの終了したシリンダーと、鍛造ピストンとのクリアランスを測定。
まず、ピストンスカート径をマイクロメーターで計測し. . .
合わせたマイクロメーターにシリンダーゲージを当て0点を合わせ. . .
ボーリング&ホーニングの終了したシリンダーにシリンダーゲージをセット。
鍛造ピストンとシリンダーとのクリアランスをチェック。
単にボーリング&ホーニングを行なうのでは無く、担当エンジニアがベストなクリアランスを指定し、ボーリング&ホーニンが行なわれます。
エンジニアが指定したクリアランスにバッチリ仕上がっています。
フェラーリ・ディーノ246GTエンジンを、グループ4 バージョンへとチューニングしていますが、エンジンのオーバーホールを行なう時には、基本数値で設定し組み上げるのは大前提ですが、更に経験によるノウハウを盛り込みOHする事で、より良いエンジンに仕上げます。
ピストンリング。
ピストンリング合い口のクリアランスの計測を行い、基準値に合うよう微調整。
チェック完了のブロックを、組みつけの為、エンジンスタンドへと. . .
クランクシャフト メインベアリングと、クランクシャフト メインベアリングキャップ。
クリアランスの測定を行います。
バランス調整を行なったクランクシャフト。
バランス調整を行う事で、シャフト自体の曲がりや、変形を抑え、振動また、フリクションを低減し、ベアリングの保護にも有効です。
クランクメインベアリングのクリアランスを測定。
続いてコンロッド。
コンロッドベアリング クリアランスを最適な油膜を形成するベストな数値にセットします。
コンロッド重量を6気等全て合わせバランス取りを行ないます。
左が加工前のコンロッド。
右が加工後のコンロッド。
応力の集中を防ぐ為、コンロッド側面の鏡面処理も実施。
続いて、ピストンの重量合わせ。
重量合わせと同時にピストンスカート下部のR加工及び製造切削時に発生するバリや、角の処理も施工。
バッチリ!!
処理後のクリーニングも完了。
ピストンとコンロッドを連結しているピストンピン。
フルフローは、圧入などによる固定はせず、自由に回転できる全浮動式でフリクションを低減します。
組み上がったピストン&コンロッド。
続いてピストンリングの組み込み。
合い口を鍛造ピストンの仕様に合わせセットアップしたリング。
ランドにキズが入らないピストンリングプライヤーを使用し組み込み。
手などで組み込む方もおられますが専用SSTの使用が望ましいですね。
トップリング セカンドリング オイルリング及びエキスパンダのセット終了。
計測したメタルをブロックにセット。
洗浄 脱脂は完璧に...
スラストベアリングもセット。