ウエッブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
今回、Ferrari テスタロッサ メンテナンス御依頼誠に有り難う御座います。
只今、弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたFerrari テスタロッサを積んでファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
フェラーリ テスタロッサ 定期チェック&タイミングベルト交換 チェック開始の為、リフトセクションへと…
独自のチェック開始です。
リフトUP。
ボデープロテクターの装着。
テスタロッサは、1984年秋のパリ サロンでデビュー。
1991年 マラネロからラインオフしたモデルが最終型。
7177台がラインオフされ前期 中期 後期型に分かれるテスタロッサ。
F113A型 180度V型12気筒DOHC48バルブエンジンを、ミッドに縦置き搭載。
排気量は4942cc。
ヨーロッパ仕様は、最高出力390PS/6300rpm、最大トルク50.0kgm/4500rpm。
日本仕様は、キャタライザーを装着するので最高出力は380PS/6300rpm、最大トルクは50.0kgm/4500rpm
DOHC4バルブ ボア×ストローク 82mm×78mmのF113Aユニットのエンジンマネジメントシステムは、前期ボッシュ社のKジェトロニック
後期がKEジェトロニックで左右バンクを個々に制御。
フラップが噴射量を制御するシステムに若干の電子制御が組み合わされています。
Kまた、KEジェトロは、全ての気筒に連続的に燃料噴射を行います。
システムに異常が無くてもセットアップで性能が大きく変わります。
機械的作動部分が多いので、経年劣化などでセッティングが変化するので、定期的なセットアップが性能を保ちます。
点火を制御するのは、マリエッティ・マレリ社のマイクロプレックス
F113Aユニットは、確実また的確なメンテナンスを行ってあげると非常に不具合の発生が少ないユニットです。
テスタロッサの構造や基本原理を熟知したエンジニアが各項目を全て個別にチェックします。
続いて、メカニカル関連のチェック。
年数的、指定交換パーツ。
走行距離的、指定交換パーツ。
テスタロッサ モデル毎に傾向的不具合発生ポイントが存在します。
また、マシンの使用状況や、保管状態により、個々のマシンの状態が全く違いますので同時に的確なチェックが行なわれます。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの1部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解がある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返しマシンより受ける衝撃や、常に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。
指定交換に列記されているパーツでも必ず交換しないといけないと言うわけでは有りません。
的確なチェックで判断します。
テスタロッサのシャシーは、前期 中期 後期 共に鋼管スペースフレーム。
剛性確保と軽量化のために、角型断面のクロームモリブデン製チューブで構成されています。
F/Rのサスペンションアーム等は、前期 中期 後期で変更されています。
F113A型ユニットをサブフレームにマウント。
メインフレームに16本のボルトでドッキングされているテスタロッサ。
漏れ出したオイルが周りの問題の無いパーツにまで付着。
早期の対応が必要です。
漏れ出したオイルが他のパーツなどに付着していき全く問題の無いパーツまで攻撃し始めます。
分かりやすく言うと、輪ゴムにオイルを付けると、数日でゴムの弾力性が無くなり伸ばすと直に切れてしまいます。
これと同じ様な事がマシンに生じてしまいます。
また、個所によっては車輌火災につながるオイル漏れ。
オイル漏れ発生個所の中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的なガスケットや、ラバー素材パーツ。
ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解がある程度の年数で起こります。
また特にエンジン関連パーツは、熱による弾性不良また、回転部分の磨耗(エンジンを長期間始動しないマシンは、形成変化を起こします。)などもオイル漏れを発生させてしまいます。
また、構成金属パーツ類では、金属を構成する個々の原子そのものが膨張して、格子間隔が大きくなりその為、弾性変形を生じパーツ接合面に歪が発生しオイル漏れを発生させている場合も多々見受けられます。
トラブルシューティングでオイル漏れポイントを的確に確定します。
ドライブシャフトの現状。
フェラーリ各モデル全てに発生する代表的なウイークポイント。
ドライブシャフトから飛散したグリスがバルブカバーまで...
直近にはエキゾーストマニホールド。
ガソリンは引火性が強く、オイルは着火性が強い油脂です。
オイル漏れやグリス漏れはエキゾーストマニホールド等、高温な箇所に付着すると発火。
車輌火災に至り人命に関わる非常に危険なポイント。
今回タイミングベルト交換を実施させて頂きますのでオイル漏れ等々もメンテナンスメニューとしてご提案させて頂きます。
現状のスパークプラグ。
点火プラグの中心導体が折損。
項目毎に詳細な独自のチェックを行ない、トラブルポイントを早期に発見します。
このような状態に至った主原因ポイントは必ず潜んでいます。
ピンポイントで主原因のポイントを特定します。
次に、なぜこのようなトラブルが発生したのか?
引き起こしている主原因は?
この要因を特定するのが非常に重要なポイントです。
全てのチェックが終了したFerrari テスタロッサ。
担当エンジニアが確実に現状のマシンの状態を把握し切らせて頂きました。
内容をまとめ、現状のマシンの状態を分かり易く明記し送付させて頂いた上、御連絡させて頂きます。
今回のメンテナンス個所&今後のメンテナンス個所。
現状のマシンの状態を全て記載した報告書を送付させて頂き、その中でご予算に合わせ決定させて頂きました今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
フェラーリ テスタロッサ リペア&メンテナンス開始準備の為、リフトセクションへと…
リフトUP。
ボデープロテクターの装着。
エンジン脱着開始です。
分解と同時に独自の項目をチェック。
単に分解するだけで無く、その過程においても項目毎にチェックします。
エンジン脱着に伴う油脂類の抜き取り。
各油脂類を抜取ります。
車輌の価値観を考え、細部に工夫が施された、Ferrariパワーユニット脱着専用の油圧式リフト。
フレームに一切キズ等が付かず、載降を繊細にコントロール。
エンジンルームに接触する事も無くクリアランスを確保しパワーユニットを脱着する事が可能なリフト。
各モデルに対し全て完備しています。
さて、車輌より専用リフトでパワーユニットを降ろします。
Ferrari専用SST(専用工具)を使用し、ティーポ F113Aユニットを丁寧に各部を分解。
的確な作業が進められパワーユニット脱着完了です。
これより、作業分解前にパワーユニットやミッションなどに付着している細かな砂や塵を1度、全てクリーニング実施します。
これは、砂や塵が作業中パーツ内部への混入を避ける為、行ないます。
また、見た目にも汚れが落ちスッキリ クリーンな状態を取り戻します。
現状のパワーユニット フロントからの画像です。
現状の左バンクからの画像です。
同じく現状の右バンクからの画像です。
後方からの画像です。
エンジン Vバンクの現状の画像。
エキスパンションタンクなどでオーナーが中々目にする機会がない部分ですね。
フロント Vバンクからの画像。
こちらも、通常オーナーが目にする事の無い部分。
シリンダー&ミッションケースの現状の画像。
漏れ出したオイルに汚れが付着してしまっている現状。
マシンの価値観を理解し、見える部分は勿論の事、通常見えない箇所の、クリーニングアップを非常に重要視します。
バルブカバーの画像。
本来、真紅の発色をしているバルブカバー。
バルブカバー アップ画像。
結晶塗装の隙間に汚れが入り込み、完全に汚れてしまっている現状。
独自のクリーニングアップでクリーンな状態を取り戻します。
インテークマニホールドの現状。
エキスパンションタンク。
こちらも独自のクリーニングアップでクリーンな状態を取り戻します。
続いて、現状のフレームの画像。
マッドブラックの発色をしているフレーム。
こちらも、独自のクリーニングアップにより、本来の発色を蘇らせます。
現状のサスペンションシステムや、アップライト部分のアップ画像。
サブフレーム&サスペンションや、アップライト部分。
上記の状態では、やはりリペア&メンテナンス時に異物の混入が避けられません。
これより全てクリーニングアップを行ないます。
2〜3年走行していれば必ず汚れが付着してしまいます。
その汚れを独自のクリーニングアップ方法により一掃させて頂き、出来る限り新車時のクリーンな状態を取り戻させて頂きます。
変化振りを……..乞うご期待!!
クリーニングアップ終了のティーポ F113Aユニット。
クリーニングアップ前と同じ順番でご紹介させて頂きます。
まず、フロントからの画像です。
クリーニングアップ後、左バンク の画像です。
同じく、右バンクからの画像。
続いて、後方からの画像です。
クリーニングアップ後のパワーユニット Vバンクリヤー側からの画像。
細部まで完璧なクリーニングアップを実施。
汚れも一掃。
フロント側 Vバンク。
アップ画像。
パワーユニット シリンダー ミッションケースのクリーニングアップ後です。
隠れた細部までクリーニングアップ。
バルブカバー結晶塗装のクリーニングアップ後の画像です。
バルブカバー結晶塗装アップ画像です。
独自のクリーニングアップ方法により、完璧なクリーニングアップ実施後の画像です。
結晶塗装の隅々に付着していた汚れも細部までクリーニングアップ。
本来の発色を取り戻した結晶塗装。
同じくインテークマニホールド、エキスパンションタンク。
続いて、クリーニングアップ後のフレーム。
こちらも、マッドブラックの発色を独自のクリーニングアップで蘇らせました。
サスペンションシステムや、アップライト部分のアップ画像です。
ユニット本体、サブフレーム&サスペンションや、アップライト部分も隅々までクリーンな状態。
全てがクッキリ映える様になりました。
また、作動部分に付着した汚れ、古いグリス類も一掃。
リペア&メンテナンス中、パーツ内部への砂や埃の混入を完全にシャットアウト。
格子状に張り巡らされているフレームも同様に。
全ての部位に対しクリーンな状態からリペア&メンテナンスします。
上記のクリーニングアップは作業の一貫とし行います。
クリーンな状態からリペア&メンテナンス開始です。
タイミングベルトの交換。
取り外した交換履歴不明のタイミングベルト。
タイミングベルトの指定交換時期は、モデルに関わらず手厚く保管されている車輌でも3年(3年で0kmの走行でも交換)もしくは、2万キロどちらか先に達した時点で交換が必須。
取り外したタイミングベルトのアップ画像。
指定交換時期を確実に管理されていなかったのでしょう。
劣化が進みダメージが発生している状態。
また、ラバーにも無数の亀裂。
このように、指定交換年数また、距離毎の定期交換がなされていないタイミングベルトは、予兆なく切れ、この時に停止したバルブとピストンが干渉し、バルブクラッシュと呼ばれる、致命的な損傷をパワーユニットに与えてしまいます。
タイミングベルトはパワーユニットの前面のカバーに覆われ目視でのチェックができない部分の1つ。
また、ベルト以外の部分のメンテナンスを怠るとタイミングベルトに余分な負担が掛かりベルトにかかる張力また、劣化が促進され、結果的にベルトの劣化が早まる大切な部位です。
画像右が純正のテンショナーベアリング。
画像左がオリジナルで製作しているテンショナーベアリング。
装着されていた純正タイミングベルトテンショナーベアリングの現状の状態。
アウターケースに発生している錆。
またベアリングシールも劣化し内部のグリス漏れが発生しています。
このような状態ではタイミングベルトの寿命を縮めてしまいます。
画像左のオリジナル テンショナーベアリングを組み込みます。
画像左の今回組み込むオリジナル テンショナーベアリング。
アウターケースは無垢材より削り出し製作。
錆の発生を完全にシャットアウトする亜 鉛メッキ処理を施工。
ベアリング本体には、国産最高級ベアリング NTN製のベアリングを使用。
国産最高級ベアリングを 使用する事により、回転負荷の著しい軽減が可能。
タイミングベルトへの負担を最小限に抑えます。
オリジナルのタイミング ベルトテンショナーベアリングを使用する事により、エンジン回転も非常にスムーズになりタイミングベルトへの負担も著しく軽減。
全ての問 題を完全にクリアーしたタイミングベル トテンショナーベアリングです。
ベルト以外のメンテナンス部位の1部。
各ギヤーや、プーリーの現状の画像。
ギヤーや、プーリーに錆が発生しタイミングベルトを紙やすりで削る様な作用が発生しています。
また、古いタイミングベルトラバーも張り付いている現状。
この状態から組み込んでも、新しいタイミングベルトが攻撃され指定交換時期まで、タイミングベルトが持たない可能性があります。
各ギヤー&プーリーのメンテナンスを行います。
アップ画像。
各ポイントのメンテナンス開始です。
ギヤー&プーリー加工修正&クリーニングアップ後の画像です。
1つ1つのパーツを確実にリセットします。
これで、シッカリとタイミングベルトが噛み込み、またキッチリとしたバルブタイミングのセットアップも可能になりました。
また、タイミングベルトを攻撃する脅威も完全になくなりました。
1つ1つの細かな作業には、全て理由が有ります。
問題の発生しているパーツに関しては、現品で的確に修正し確実な精度を取り戻します。
R/H L/H共に、独自のクオリティーでメンテナンス実施後のテンショナー。
タイミングベルトケース メンテナンス&クリーニングアップ後の画像です。
R/H L/H共に細部までメンテナンス。
バルブタイミングも確実にセットし組み込み完了。
パワーユニットハーネスや、パイピング等々に至るまで、丁寧にメンテナンス&クリーニングを実施。
ハーネス接続部分もリフレッシュを行いパワーユニットへの供給電圧を復帰させます。
また、パイピングの取り回しやクリアランスを微調整。
個々の干渉を防ぎメカニカルトラブルを抑止します。
機能性とともに各ハーネス&パイピングもアジャスト。
機能美まで取り戻します。
1つ1つのパーツ機能、精度を取り戻したパーツを組み込み。
リペア&メンテナンスまた、セットアップも完了のパワーユニット。
積み込みに備えます。
続いてパワーユニット搭載前にマシン側エンジンルームのクリーニングアップへと…
ユニット搭載前にマシン側エンジンルームを細部までクリーニングアップします。
現状のエンジンルームの画像です。
独自のクリーニングアップ方法で付着した汚れを細部まで一掃しクリーンな状態を取り戻します。
変化振りを……
エンジンルームクリーニングアップ終了の画像です。
ユニット脱着時のみ可能な細部に渡るクリーニングアップ。
フレームの隅々まで、丁寧にクリーニングアップ。
本来の発色を取り戻しました。
各部メンテナンスと同時に施工するクリーニングアップ。
独自のクリーニングアップ方法でクリーンな状態を取り戻します。
各部の仕上げは、レザーの素材、ペイントの素材、各部の構成パーツなどなど….. 素材を熟知したエンジニアにより、部位部位に1番適した、本来の素材を蘇らす意味での仕上げが行われます。
ケミカル用品で一時的に艶を出す様な安易仕上げは、一切行われません。
各部のクリーニングアップは全て作業の一貫と考え行います。
メンテナンス&セットアップまた、クリーニング実施後のパワーユニットをメインフレームへと。
搭載にもFerrariパワーユニット脱着専用の油圧リフトを使用。
ユニット搭載開始にあたり、各部のクリアランスを確実に確保。
Ferrari専用リフトでコントロールし、車輌へと搭載します。
生産ラインオフ時の装着誤差。
また、永年の使用で発生しているズレ。
組み込みは、基本搭載位置へと修正しユニットを搭載します。
この様なメンテナンスの積み重ねで車輌の基本ベースを底上げします。
車輌フレーム側と、サブフレームをドッキング。
基本締め付けトルクで確実にロックします。
締め過ぎてしまうと、各ボルト類に伸びが発生し基本締め付けトルクでロック出来なくなります。
緩めでは、エンジンの振動でボルトが緩み出し、フレームや各部位にストレスを与え不具合を発生させてしまいます。
トルクレンチを使用し最終ロックします。
トルクレンチを使用する事により規定トルクによる締め付け管理が確実に行えます。
通常のレンチでは、締め付け不足による緩みや、締め過ぎによる破損、あるいは締め付けの個人差によるばらつきが発生します。
これをを防ぎ、規定トルクでシッカリとしたトルク管理を行う為、全てトルクレンチを使用し各部を組み込んでいきます。
他の部位も同様です。
ボルトやナットの締め付けトルクは材質や処理の方法また、長さ等々でISO規格が設けられているほど重要なポイント。
続いてラジエターキャップの交換。
左がニューパーツ。
右が不良のラジエターキャップ。
ラジエーターキャップは加圧弁、負圧弁、水漏れ防止パッキンで構成されているパーツ。
加圧弁には設定圧力まで開かないようなバネ定数を持ったバネが付いています。
冷却水の過熱と共に膨張による圧力を一定まで逃がさず加圧圧力を保ち放熱効率を上げるのがラジエーターキャップの一番大切な役割です。
また、冷却水路の圧力を正常化すると共に空気の混入を防ぐラジエターキャップ。
画像右のラジエターキャップの場合が加圧圧力が低下しエンジン冷却水の沸点温度が下がり100℃近くで沸騰させオーバーヒートをまねきます。
100℃ではパワーユニットに大きなダメージを与えるようなオーバーヒートではありませんが、冷却水が吹き返して減少することによってオーバーヒートに発展しパワーユニットに2次的ダメージを与えます。
小さなパーツですが非常に大きな役割を担っています。
オーナーが大切にされている車輌。
車輌への乗り降りからメンテナンスに至るまで細心の注意を払い独自のサービスをご提供させて頂いています。
ラジエターキャップを持っているエンジニアの手。
手がこんなに綺麗なのは、汚れたらすぐ洗う、と言う当たり前の習慣を日々欠かすことなく行なっているからです。
爪の間に油が染みこんでいたり、作業服の袖口が汚れたままだったとすればオーナーは不安もいだかれる事でしょう。
私たちのサービスはそこから始まります。
オイルフィルターの交換。
エンジンオイルにはエンジン内部を清浄に保つ為にオイル中の汚れやゴミを取り込むオイルフィルターがありますね。
オイルフィルターがあると、エンジンオイルがそこを通過することにより、オイル内に取り込まれていた金属粉やスラッジ(ホコリや燃焼カスなどの不純物)が濾し取られます。
特に金属粉は、放置すると研磨剤と同様の効果をエンジン内に及ぼしてエンジン損傷の原因になる為、その除去は重要です。
オイルフィルターのろ過能力は上げ過ぎると油圧上昇や目詰まりなどの不具合を引き起こす可能性がある為にその性能はある一定のところで抑えられています。
その為オイルフィルターですべての金属粉やスラッジ等が除去できる訳ではないんです。
また、オイルフィルターの能力が低下し目詰まりを起こした場合を想定してバイパス機構を備えています。
フィルターが目詰まりしてエンジン内各所にオイルが供給できなくなると、エンジンが焼き付く原因となるからです。
ただしこの機構はあくまで非常用であり、的確なスパンでの交換が必要です。
また、交換時は的確なトルク管理の下での交換が必要です。
1つ1つのパーツや組込みには全に裏付ける意味があるんです。
フランジや、その周辺に付着している砂や埃を取り除きクリーンな状態に…
基本締め付けトルクでオイルフィルターを装着します。
続いてブレーキオイルの交換。
新しいブレーキオイルを給油圧送専用機器を使用し、各部最後部より交換します。
ブレーキオイルの交換時期はオイルの色などでも簡単な判断はできますが、交換基準はあくまで使用期間、水分吸収量、劣化で判断します。
サーキット走行後は、ブレーキに与える熱量が非常に大きい為、熱によるブレーキオイルの膨張などが繰り返され劣化が急激に進みます。
通常のストリートでの使用また、乗らなくても1年毎の交換をお奨めします。
ブレーキオイルは吸湿性が高く大気中の水分を吸収する為、期間の経過と共にブレーキオイル内の水分量が多くなり沸点が下がってしまいます。
そのまま使用し続けるとハードブレーキを繰り返したときにブレーキオイルが沸騰し気泡が発生し、踏力によって発生した圧力は気泡を圧縮するだけで制動力を発生させることができず、ブレーキが効かなくなります。
これをベーパーロック現象と言い、大変危険な現象の一つです。
ハードブレーキはしないから…と思うオーナーも多いでしょうが、発生する不具合はこれだけでは無く色々な不具合を発生させます。
ブレーキオイルの水分吸収量が多くなると、キャリパーピストンに錆が発生しピストン固着やブレーキの引きずり、片効き等々を引き起こします。
定期交換期間は1年での交換。
フェラーリ テスタロッサのポテンシャルに合ったブレーキオイルをチョイスし全量交換します。
リザーバタンクまた、周辺部分もクリーニングアップ。
ブレーキオイル交換完了です。
最終チェックも完了。
ユニット内部に潤滑オイルも行きわたらせてからエンジンスタート。
軽いクランキング音と共にスムーズなアイドリング。
始動時から再度チェック。
水温 油温 油圧 電圧 電流等々インスルメントパネルのメーター上でチェック。
また、メーター上の確認だけでなく、指針と実際のユニットとの誤差が無いか専用機器を接続し同時にチェック…
各回転域でのユニットやセンサーまた、KEジェトロ基本作動もチェック。
基本チェックも終了。
続いて、300k近くで走るロードゴーイングマシン。
定期的な、足回り&車輌全体のトルク管理が必要です。
各部の調整と同時に締め付けトルクのチェックまた、サスペンションシステムも本来のパフォーマンスを発揮出来るようメンテナンスを行います。
同時に分解時にしか出来ないフェンダー内部の隅々まで、クリーンニグアップします。
中々オーナーが目にする事の無い部分。
また、雨天使用しなくてもダストや、砂などが付着してしまう部分。
現状のフロントフェンダー内部の画像です。
ホイールとの接触面のフロント&リヤブレーキローターの現状の画像。
錆が発生してしまっています。
この状態では確実な面圧でホイールと接触できない状態。
フロント&リヤブレーキローターのメンテナンスも行ないます。
サスペンションシステム ステアリングシステムも本来のパフォーマンスを発揮出来るようメンテナンス完了。
ダストや、砂などをクリーニングアップする事により、本来の機能がより機敏になると共にクリーンな状態を取り戻しました。
きめ細やかなメンテナンス&クリーニングアップを随所に施します。
同じくリヤーサスペンションシステム。
フロント&リヤブレーキローターのメンテナンス&リフレッシュ。
ホイールとの接触面の錆も加工修正。
ホイールとの面接触圧力も本来の圧力へ…..
また、錆で変化していたアライメントも変化します。
使用許容範囲に十二分な機能を持っているパーツは安易に交換する事無く、メンテナンスし再使用します。
ただ、再使用するだけでは無く、全て徹底的にメンテナンス&リフレッシュをし再使用します。
各部のメンテナンスやクリーニングアップ等、全て独自の作業の一貫と考え行います。
続いてホイールのクリーニングアップ&メンテナンス。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
また、ハブとの接触面に錆も発生しています。
ブレーキローター同様加工修正し精度を出します。
また、ホイールの錆の侵食も防ぎホイールを錆から守ります。
4輪全てクリーニングアップ メンテナンス開始です。
ホイール クリーニングアップ&メンテナンス終了後の画像です。
4輪全てホイール内側&表側共に、本来の発色を取り戻しました。
また、ホイールの錆も加工修正。
ハブとの面接触圧力も本来の圧力へ戻すと共にホイールを錆から守ります。
メンテナンス終了のホイール。
組み込みに備えます。
続いて、車輌 全体の最終チェックと同時に細部までクリーニングアップも終了。
独自のリペア方法で精度や機能性をバージョンアップ。
また、きめ細やかなクリーニングアップを行います。
続いて、パワーユニットのリペアメンテナンス後の最終チェック&セットアップ。
ティーポ F113Aの基本原理や構造を熟知したエンジニアがセットアップします。
また、独自のセットアップを施しテスタロッサのポテンシャルを余す事無く引き出します。
最終の詰めです。
このプロセスが重要です。
独自のセットアップも終了。
以上が通常のタイミングベルト交換の工程です。
最終クリーニングアップ実施後のエンジン&エンジンルーム。
エクステリア&インテリアも最終仕上げ終了です。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の1部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全ての、リペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影致しています。
詳細な写真 233枚 (CD-R 2枚に落として有ります)及び、今回のメンテナンス内容、また今後のメンテナンスメニュー書類も分かり易く作成していますのでマシンと一緒にお持ち致します。
今回、メンテナンス御依頼有り難う御座いました。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。