ウエッブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
いつも メンテナンス御依頼有り難う御座います。
増車されましたFerrari テスタロッサKönig Specials 710ps コンプリートマシンが弊社へ搬入されました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
今回も、ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
お忙しい中、書類をご用意いただき有難う御座いました。
本日、名義変更登録致しました。
Ferrari テスタロッサKönig Specials 710ps コンプリート チェック開始準備の為、リフトセクションへと…….
ケーニッヒ・スペシャル König Specials は、1974年にウィリー・ケーニッヒによって創設された余りにも有名なチューニングメーカー。
512BBのチューニングをかわきりに、テスタロッサをTwinTurbo化し710ps 続いて加給システムの変更で800ps。
テスタロッサをTwinTurbo化し710ps 続いて加給システムの変更で800psのモデルはラインナップの中でも極少量のみの生産されたケーニッヒテスタロッサの中でも非常に希少なマシン。
エンジン内部までケーニッヒのパートナーである オーストリアのアルバート社でフルチューンと同時に加給システムで武装したモンスターマシン。
ラインナップの中でも1番生産台数の多い1000psのコンペティション エボリューションでも30台のみのラインオフ。
現在では710ps〜1000psのマシンは存在しますが、この当時の710ps〜1000psのパワーは、天文学的な数値ですね。
プロテクションを装着。
ケーニッヒ・スペシャル 710ps 心臓部よりチェック開始です。
このケーニッヒ・スペシャル 710psの心臓部は、テスタロッサ前期同様のKジェトロ。
ベース車両により、ケーニッヒ・スペシャル 710psでもKEジェトロも有ります。
私が所有するケーニッヒ・スペシャル 710psは、KEジェトロ
Kジェトロは、フラップが噴射量を制御するシステム。
全ての気筒に連続的に燃料噴射を行います。
システムに異常が無くてもセットアップで性能が大きく変わります。
Kジェトロは、経年劣化や長期放置による不具合の発生は少ないですが、要件によりエンジンの初期性能が発揮できなくななっているマシンが非常に多いんです。
機械的作動部分が多く、経年劣化などでセッティングが変化するので、定期的なセットアップが性能を保ちます。
また、エレクトロニクス関連も全てチェックされます。
テスタロッサ前期同様のKジェトロですが、ケーニッヒ・スペシャル 710psは、アルバートでチューニングされたKジェトロ。
ケーニッヒの特性や、個々のパーツの構造及び、作動原理を知り尽くしたエンジニアが的確なチェックを行ないます。
続いて、マシン全体のメカニカル関連のチェック。
ケーニッヒ テスタロッサ 710ps 年数的、指定交換パーツ。
走行距離的、指定交換パーツ。
テスタロッサ 前期 中期 後期 各モデル毎に傾向的不具合発生ポイントが存在します。
また、マシンの使用状況や、保管状態により、個々のマシンの状態が全く違いますので同時に的確なチェックが行なわれます。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの1部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解がある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返しマシンより受ける衝撃や、恒に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。
指定交換に列記されているパーツでも必ず交換しないといけないと言うわけでは有りません。
的確なチェックで判断します。
マシンはさまざまなパーツや機構で構成されていますね。
メカニカルまた、エレクトロニクス ボディー構成などなど…..書ききれない複雑な機構を組み合わせ1台のマシンとして構築されています。
マシン毎に傾向的不具合も存在し、指定交換が促されているパーツが有ります。
ただ、これまでマシンがどの様な方法でリペア&メンテナンスを受けてきたか?
オーナーがどの様に使用してきたか?
どの様な保管をされてきたか?
色々な状況でメンテナンス個所が違ってきます。
指定交換に入っていないパーツでも使用状況によって寿命が長くもなりまた、短くもなります。
マシン内部の隠れた部分まで、的確なチェックが行われます。
常に定期的なマシンのチェックによりベストなマシンの維持が可能となります。
ケーニッヒのオリジナルから補修の跡が見られます。
経年劣化 ラバーパーツの一部。
ブレーキ関連は、ケーニッヒ 710psのオリジナル。
今では非常に希少。
経年劣化パーツまた、過給圧系統は良いコンディションでは有りませんが、ラインオフから20数年経過しているケーニッヒ。
浅く広くでは無く、1セクションを確実にリペア&メンテナンスし、そしてまた次は別のセクションへと進む事でマシン本来のポテンシャルを取り戻します。
1度に全ての箇所をリペア&メンテナンスする事は理想ですが、セクション毎に進めていけば本来のコンディションのマシンへと復元できます。
履歴が全く無い為、タイミングベルト切れや、他の部位の破損を避ける為、まず基本部分のメンテナンスを行い、その後テストランし過給圧制御及び空燃比の確認を行います。
全てのチェックが終了したケーニッヒ テスタロッサ。
担当エンジニアが、確実に現状のマシンの状態を把握し切らせて頂きました。
内容をまとめ、現状のマシンの状態を分かり易く明記し送付させて頂いた上、御連絡させて頂きます。
今回のリペア&メンテナンス個所、また今後のメンテナンス個所。
現状のマシンの状態を全て記載した報告書を送付させて頂き、その中で1セクションを確実にメンテナンスする方法で決定しました今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
テスタロッサKönig Specials 710ps コンプリートマシン リペア&メンテナンス開始準備の為、リフトセクションへと…
リペア&メンテナンス開始です。
ボデープロテクターを装着。
まず、König Specials 710ps ツインターボユニットの脱着から...
ミッションオイルの抜き取り。
エンジンオイルの交換はオーナーが1番気にし交換されますが、ミッションオイルも忘れてはいけない油脂類の1つ。
ギヤーの焼き付きを避け、またシフトフィーリングまでよくなるミッションオイル。
シフト操作をするとミッション内部で大きなギヤーが噛み合ったり、外れたりしますよね。
ギヤーオイルには、潤滑 冷却 防錆 応力分散の4つの作用が求められます。
エンジンオイルでは、これに加えて密閉作用や洗浄作用が要求されますがギヤーオイルの場合この効果はほとんど必要が無いでしょう。
それよりも重視されるのが応力分散作用ですね。 この作用がしっかりと発揮できるミッションオイルを使用しないと、ギヤーの焼き付きなどのダメージに繋がったり、シフトフィールの悪化に直結します。
交換を適切なスパンで行なわれていなかったか、ケーニッヒツインターボのポテンシャルに対応不足のオイルが注入されていたか?
ドレンにミッション内部の金属粉がビッシリ。
応力分散が不足していたのでしょう。
ドレンプラグもクリーニングアップし組み込み。
締め付けたガスケットは再使用しません。
各ドレンも同様に…
マシンの特性やモデルまた、使用用途に応じてオイル成分や、粘度などなど……選択します。
今回は各油脂類をケーニッヒ710psに十二分に対応できるオイルを選択し注入します。
過給機の全てを熟知したエンジニアが丁寧な分解を進めます。
分解と同時に独自の項目をチェック。
単に分解するだけで無く、その過程においても項目毎にチェックします。
Ferrariエンジン脱着専用の油圧式エンジンリフト。
ケーニッヒ ツインターボユニットにセット。
このリフトを使用しエンジンを降ろします。
マシンの価値観を考え、細部に工夫が施された、Ferrariエンジン脱着専用の油圧式エンジンリフト。
フレームに一切キズ等が付かず、載降を繊細にコントロールしエンジンルームに接触する事も無くクリアランスを確保しエンジン脱着する事が可能なリフト。
各モデルに対し全て完備しています。
さて、マシンよりエンジンリフトでユニットを降ろします。
Ferrariエンジン脱着専用の油圧式エンジンリフトでボデーと一切干渉させず脱着が進みます。
エンジンリフトをコントロールしクリアランスを確実に確保します。
Ferrari専用SST(専用工具)を使用し、ケーニッヒ 710ps ツインターボユニットを丁寧に各部を分解。
的確な作業が、担当エンジニアにより進められエンジン脱着完了です。
これより、作業分解前にエンジンやミッションなどに付着している細かな砂や塵を1度、全てクリーニング実施します。
これは、砂や塵が作業中パーツ内部への混入を避ける為、行ないます。
また、見た目にも汚れが落ちスッキリ クリーンな状態を取り戻します。
現状のエンジンフロントからの画像です。
現状のエンジン左バンクからの画像です。
同じく現状のエンジン右バンクからの画像です。
エンジン後方、ミッション側からの画像です。
エンジン Vバンクの現状の画像。
エキスパンションタンクなどでオーナーが中々目にする機会がない部分ですね。
フロント エンジン Vバンクからの画像。
こちらも、通常オーナーが目にする事の無い部分。
エンジン シリンダーの現状の画像。
マシンの価値観を理解し、見える部分は勿論の事、通常見えない箇所の、クリーニングアップを非常に重要視します。
バルブカバーのアップ画像。
本来、真紅の発色をしているバルブカバー。
結晶塗装の隙間に汚れが入り込み、完全に汚れてしまっている現状。
独自のクリーニングアップでクリーンな状態を取り戻します。
インテークマニホールド。
こちらも独自のクリーニングアップでクリーンな状態を取り戻します。
続いて、現状のフレームの画像。
マッドブラックの発色をしているフレーム。
こちらも、独自のクリーニングアップにより、本来の発色を蘇らせます。
現状のサスペンションシステムや、アップライト部分のアップ画像。
サブフレーム&サスペンションや、アップライト部分。
上記の状態では、やはりリペア&メンテナンス時に異物の混入が避けられません。
これより全てクリーニングアップを行ないます。
2〜3年走行していれば必ず汚れが付着してしまいます。
その汚れを独自のクリーニングアップ方法により一掃させて頂き、出来る限り新車時のクリーンな状態を取り戻させて頂きます。
変化振りを……..乞うご期待!!
クリーニングアップ終了のケーニッヒ ツインターボユニット。
クリーニングアップ前と同じ順番でご紹介させて頂きます。
まず、フロントからの画像です。
クリーニングアップ後、エンジン左バンク の画像です。
同じく、エンジン右バンクからの画像。
続いて、エンジン後方ミッション側からの画像です。
クリーニングアップ後のエンジンVバンクリヤー側からの画像。
細部まで完璧なクリーニングアップを実施。
汚れも一掃。
フロント側 Vバンク。
エンジン シリンダーのクリーニングアップ後です。
隠れたシリンダーもバッチリ クリーニングアップ。
バルブカバー結晶塗装アップ画像です。
独自のクリーニングアップ方法により、完璧なクリーニングアップ実施後の画像です。
結晶塗装の隅々に付着していた汚れも細部までクリーニングアップ。
本来の発色を取り戻した結晶塗装。
同じくテンテークマニホールド。
続いて、クリーニングアップ後のフレーム。
こちらも、マッドブラックの発色を独自のクリーニングアップで蘇らせました。
サスペンションシステムや、アップライト部分のアップ画像です。
ユニット本体、サブフレーム&サスペンションや、アップライト部分も隅々までクリーンな状態。
全てがクッキリ映える様になりました。
また、作動部分に付着した汚れ、古いグリス類も一掃。
リペア&メンテナンス中、パーツ内部への砂や埃の混入を完全にシャットアウト!!
全ての部位に対しクリーンな状態からリペア&メンテナンスします。
上記のクリーニングアップは作業の一貫とし行います。
エクステリアやインテリアは綺麗。
だけどエンジンルームを開けるとチョット…….では、マシンも陰が薄くなってしまいますよね。
クリーンな状態からリペア&メンテナンス開始です。
まずウオーターポンプのフルオーバーホールから開始です。
ウォータポンプ構成パーツの1部
再使用するこのようなパーツに関しては分解と同時に各項目をチェック。
問題のある箇所は、現品を修正し確実に精度を出します。
また、同時にリフレッシュも行い精度だけではなく美観も取り戻します。
上記パーツ現品 加工修正また、リフレッシュ終了。
使用許容範囲を十二分に兼ね備えているパーツは安易に交換する事無くメンテナンスし再使用します。
ただ、再使用するだけては無く全て徹底的にメンテナンス&リフレッシュをし再使用します。
完璧に精度を取り戻し組み込みに備えます。
内部をフルオーバーホールも終了。
構成パーツの組み込み。
規定トルクで確実に組み込みます。
組み込みも終了。
Maintenance Reportでは全ての画像をアッブ出来ませんが、ポイントをオーナーに見て頂ける様、かいつまんでアップしています。
リペア&メンテナンスの新旧パーツ 対比画像また、セットアップ中の画像 製作過程や交換過程の画像。
また、分解工程も詳細に撮影していますのでDVD-Rで、お渡しします。
各ギヤーやプーリーの現状。
錆が発生しタイミングベルトを紙やすりで削る様な作用が発生しています。
その為、タイミングベルトが攻撃され指定交換時期までタイミングベルトが持たない可能性があります。
各ギヤー&プーリーのメンテナンスを行います。
タイミングベルトの指定交換時期は、モデルに関わらず3年もしくは、2万キロ どちらか先に達した時点で交換。
加工修正&クリーニングアップ終了。
1つ1つのパーツを確実にリセットします。
これで、シッカリとタイミングベルトが噛み込み、またキッチリとしたバルブタイミングのセットアップも可能になりました。
また、タイミングベルトを攻撃する脅威も完全になくなりました。
1つ1つの細かな作業には、全て理由が有ります。
問題の発生しているパーツに関しては、現品で的確に修正し確実な精度を取り戻します。
1つ1つのパーツ精度を格段に向上させ、より精度の高いエンジンに仕上げます。
この修正作業など、追加作業と思われがちですが、追加費用は頂きません。
これは、私共のクラフトマンシップで、より良いマシンに仕上げる為のメンテナンスだからです。
取り外したタイミングベルト&テンショナーベアリング。
純正のベアリングはどうしてもインナーレースがハウジングと固着してしまいます。
右が純正テンショナーベアリングの状態。
ベアリングシールが劣化し内部のグリス漏れ、また錆も発生しています。
今回装着するのはオリジナルのタイミングベル トテンショナーベアリングです。
アウターケースは無垢材より削り出し製作。
錆の発生を完全にシャットアウトする亜 鉛メッキ処理を施工。
ベアリング本体には、国産最高級ベアリング NTN製のベアリングを使用。
国産最高級ベアリングを 使用する事により、回転負荷の著しい軽減が可能。
タイミングベルトへの負担を最小限に抑えます。
オリジナルのタイミング ベルトテンショナーベアリングを使用する事により、エンジン回転も非常にスムーズになりタイミングベルトへの負担も著しく軽減。
全ての問 題を完全にクリアーしたタイミングベル トテンショナーベアリングです。
オリジナルベアリングへと...
ケーニッヒのコンプリート車輌はアルバートでハイカムシャフト等々ユニット内部もかなり変更されています。
バルブタイミングは確実に...
オリジナルのテンショナーベアリングでテンションをかけ確実なトルクでロック。
細部の微調整や、クリーニングアップを行い、ユニット フロントセクションメンテナンス完了です。
タイミングベルトケース クリーニングアップ後の画像です。
スッキリ クリーンな状態に。
1つ1つのパーツを独自のクオリティーで仕上げます。
取り付け位置の精度も見直し組み込み。
通常、私共が独自のクオリティーで行っているタイミングベルト交換の流れです。
続いてユニット次のリペア&メンテナンスへと...
オイル漏れポイント。
バルブカバーとホースジョイント間にシール剤を塗布し組み込まれていますが...
ホースも劣化し弾力性が無くなり膨張した状態。
左は、劣化しているオイルホース。
右はニューパーツ。
代表的な素材の指定交換パーツです。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解がある程度の年数で起こってしまいます。
また、常に熱害にさらされ劣化が促進します。
これは、どのモデルにでも当てはまる事です。
ラバーの劣化は色々な劣化の仕方があります。
この劣化の状態は弾力性が失われるタイプ。
ガスケット ラバー シール等々使用される素材は使用用途で素材を変え形成されます。
パーツの劣化は2004年からラインナップされたF430ですら発生しているマシンも見受けられます。
年式を問わずどのマシンにも起こりうることです。
定期的なチェックを行うことでマシンのコンディションを整えます。
バルブカバーと接続されていたホースジョイント。
接続面を測定してみると...下記の画像で分かって頂けます。
1部の特殊金属を除き基本 温度を上げると膨張し、温度を下げると縮む熱膨張という性質を持っています。
また逆に熱膨張とは反対に、温度を上げると縮み、温度を下げると膨張する金属もあります。
その繰り返しでこのような歪が起こってきます。
バルブカバー側の現状。
単にパーツや、ガスケット交換しシール剤を塗布し組み込まれるのが一般的です。
一時的には新品のガスケットに入れ替えシール剤で止まりますが一時的なものです。
この状態で組み込んでも確実なメンテナンスとは言えないでしょう。
独自のクオリティーで仕上げた接合部分。
同じ工程で仕上げたバルブカバー側。
精度を取り戻したパーツを組み込み、1つ1つをリセットしていきます。
続いて次のセクションへ...
A/F 計センサーを装着する為、センサーボスを溶接加工していきます。
機械加工は、切削片が出るため機械加工室で行います。
A/F 計センサー用ボス装着終了。
A/F 計を装着してのテストランに備えます。
続いてサスペンションの換装へ...
まずリヤーサスペンションシステム換装の為、分解へ...
取り外されたサスペンションシステム。
ケーニッヒ テスタロッサ 初期ロットの稀少なマシンなのでサスペンションシステムはテスタロッサ純正のままです。
このサスペンションシステムでは、5ℓツインターボマシンのコントロールは非常に危険。
今回換装するサスペンションシステムは、クワンタムレーシング。
純正のアッパーシートは再使用する為、分解。
アッパーマウントはニューパーツへと...
再使用パーツのクリーニングアップ&メンテナンスを行います。
クリーンな状態からクラックチェックまた構成パーツの機能を取り戻すメンテナンス開始です。
クラックチェックまた、メンテナンス&リフレッシュが終了したアッパーシート。
使用許容範囲を十二分に兼ね備えているパーツは安易に交換する事無くメンテナンスし再使用します。
ただ、再使用するだけては無く全て徹底的にチェックまた、メンテナンス&リフレッシュをし再使用します。
ニューパーツのアッパーマウント。
クァンタムレーシングへと...
今回換装するクァンタムレーシングサスペンションシステム。
ツインターボ710psユニットに十二分に対応できる 減推力 バネレート ストローク等々変更し製作したワンオフモデル。
まず弊社では通常販売されているモデルのままオーダーはしません。
マシンの仕様や組み込まれているカスタムパーツまた、オーナーの使用用途等々に応じワンオフで製作します。
ノウハウを盛り込んだワンオフモデルでも通常販売のプライスで製作。
フロントは、PSP Deviceをオプション設定しました。
レベリングシステム自体SUPER BIKE や TT-F1 などのレース用バイクでは30年前から有る既存の技術です。
クァンタムのPSP Deviceは空圧で車高を25〜30mm、フロントスポイラー先端で35〜40mmのリフトアップを瞬時に行えます。
室内にいながらにして瞬時に車高を切り替えることが出来るリフティング・システムは、コンプレッサーやサージタンクを含むコンプリートキット。
クァンタム レーシングサスペンションは、古くはONIX F-1 や BRABHAM F-1 からのオーダーにまでさかのぼります。
メンテナンス&リフレッシュを行ったアッパーシートにニューパーツのアッパーマウント。
組み込みに入ります。
組み込まれたフロントクァンタム レーシングサスペンション
コイルスプリングはハイパコをチョイス。
確実なトルク管理のもと丁寧に組み込み。
リヤーも同様に...
続いてサブフレーム側サスペンションシステム取り付け部も修正&クリーニングアップ。
単に換装するだけでは無くパーツキャラクターを100%引き出すメンテナンスを行いサブフレームに組み込みます。
続いてプラグコードのメンテナンス&クリーニングアップ。
接点等もメンテナンス 供給電圧を復帰させます。
取り回しも見直し整理し綺麗に組み込み。
エンジンハーネスや、パイピング等々に至るまで、丁寧にメンテナンス&クリーニングを実施。
ハーネス接続部分もリフレッシュを行いエンジンへの供給電圧を復帰させます。
また、パイピングの取り回しやクリアランスを微調整。
個々の干渉を防ぎメカニカルトラブルを抑止します。
機能性とともに各ハーネス&パイピングもアジャスト。
機能美まで取り戻します。
リペア&メンテナンスまた、セットアップも完了のパワーユニット。
続いてパワーユニット搭載前にマシン側エンジンルームのクリーニングアップへと...
ユニット搭載前にマシン側エンジンルームを細部までクリーニングアップします。
現状のエンジンルームの画像です。
独自のクリーニングアップ方法で付着した汚れを細部まで一掃しクリーンな状態を取り戻します。
変化振りを……
エンジンルームクリーニングアップ終了の画像です。
ユニット脱着時のみ可能な細部に渡るクリーニングアップ。
フレームの隅々まで、丁寧にクリーニングアップ。
本来の発色を取り戻しました。
各部メンテナンスと同時に施工するクリーニングアップ。
独自のクリーニングアップ方法でクリーンな状態を取り戻します。
各部の仕上げは、レザーの素材、ペイントの素材、各部の構成パーツなどなど….. 素材を熟知したエンジニアにより、部位部位に1番適した、本来の素材を蘇らす意味での仕上げが行われます。
ケミカル用品で一時的に艶を出す様な安易仕上げは、一切行われません。
各部のクリーニングアップは全て作業の一貫と考え行います。
続いてユニットの搭載へと...
搭載にもFerrariエンジン脱着専用の油圧式エンジンリフトを使用。
ユニット搭載開始にあたり、各部のクリアランスを確実に確保。
Ferrariエンジン脱着専用の油圧式エンジンリフトでコントロールし、マシンへと搭載します。
生産ラインオフ時の装着誤差。
また、永年の使用で発生しているズレ。
組み込みは、基本搭載位置へと修正しユニットを搭載します。
この様なメンテナンスの積み重ねでマシンの基本ベースを底上げします。
マシンフレーム側と、サブフレームをドッキング。
基本締め付けトルクで確実にロックします。
締め過ぎてしまうと、各ボルト類に伸びが発生し基本締め付けトルクでロック出来なくなります。
緩めでは、エンジンの振動でボルトが緩み出し、フレームや各部位にストレスを与え不具合を発生させてしまいます。
トルクレンチを使用し最終ロックします。
トルクレンチを使用する事により規定トルクによる締め付け管理が確実に行えます。
通常のレンチでは、締め付け不足による緩みや、締め過ぎによる破損、あるいは締め付けの個人差によるばらつきが発生します。
これをを防ぎ、規定トルクでシッカリとしたトルク管理を行う為、全てトルクレンチを使用し各部を組み込んでいきます。
他の部位も同様です。
ボルトやナットの締め付けトルクは材質や処理の方法また、長さ等々でISO規格が設けられているほど重要なポイント。
確実なメンテナンスと、行きとどいたクリーニングアップ。
気持ちの良いものですね!
エンジンスタートへと最終チェックを行います。
最終チェックも完了。
ユニット内部に潤滑オイルも行きわたらせてからエンジンスタート。
軽いクランキング音と共にスムーズなアイドリング。
始動時から再度チェック。
水温 油温 油圧 電圧 電流等々インスルメントパネルのメーター上でチェック。
また、メーター上の確認だけでなく、指針と実際のユニットとの誤差が無いか専用機器を接続し同時にチェック...
各回転域でのユニットやセンサーまた、Kジェトロニクス基本作動もチェック。
基本チェックも終了。
最終のテストランで710psパワーユニットを確認します。
続いてクリーンな状態から組み込んだリヤー クァンタム レーシングサスペンション。
続いてフロントクァンタム レーシングサスペンションの組み込みへと...
フロントフェンダー内の現状。
現状のサスペンションシステム。
この状態では砂や錆がクァンタム レーシングサスペンションの取り付け部に発生しているのでパーツをそのまま組み込んでもキャラクターを存分に活かせません。
リヤー同様クリーニングアップ&メンテナンスを行います。
キャラクターを存分に活かせる様に、取り付け部の修正&メンテナンスまた、クリーニングアップ開始です。
メンテナンスまた、クリーニングアップを行ったフロントセクションに...
フロントクァンタム レーシングサスペンションを組み込み。
続いてブレーキのリペアへと...
ブレーキマスターシリンダーの耐油ホース。
ブレーキオイル専用の耐油ホースが装着されていません。
フューエル専用ホースが装着されている為、ホースが侵食され全体に漏れてしまっています。
ホースの周りに付着している水滴のように見えるのがブレーキオイル。
グリコール系ブレーキオイルは、ボデーペイントを浸食してしまいます。
間違った選択では人命に関わる非常に重要なポイント。
また、ボデーペイントも侵食され完全に剥離しています。
メンテナンスと同時にチョット1手間かけてみます...
各ジョイントを取り外し侵食されたボデーペイントを全て剥離。
油分も一掃。
下地処理を行いフレーム専用ペイントで本来のブラックへと...
本来のリペアポイント。
全てのホースをブレーキ専用 耐油ホースへ交換。
続いてブレーキオイルの交換へ...
ブレーキオイルの交換時期はオイルの色などでも簡単な判断はできますが、交換基準はあくまで使用期間、水分吸収量、劣化で判断します。
サーキット走行後は、ブレーキに与える熱量が非常に大きい為、熱によるブレーキオイルの膨張などが繰り返され劣化が急激に進みます。
通常のストリートでの使用また、乗らなくても1年毎の交換をお奨めします。
ブレーキオイルは吸湿性が高く大気中の水分を吸収する為、期間の経過と共にブレーキオイル内の水分量が多くなり沸点が下がってしまいます。
そのまま使用し続けるとハードブレーキを繰り返したときにブレーキオイルが沸騰し気泡が発生し、踏力によって発生した圧力は気泡を圧縮するだけで制動力を発生させることができず、ブレーキが効かなくなります。
これをベーパーロック現象と言い、大変危険な現象の一つです。
ハードブレーキはしないから…と思うオーナーも多いでしょうが、発生する不具合はこれだけでは無く色々な不具合を発生させます。
ブレーキオイルの水分吸収量が多くなると、キャリパーピストンに錆が発生しピストン固着やブレーキの引きずり、片効き等々を引き起こします。
一般的なブレーキオイルは、ポリエチレングリコールモノエーテルが主成分で構成されています。
これに酸化防止剤 防錆剤等が添加されています。
グリコール系は吸湿性が高く、湿気を吸うと沸点が下がってしまいます。
ただ、吸湿しても沸点を比較的高く維持できるようにホウ酸でエステル化してあります。
水分があってもエステル結合で加水分解されますが、定期スパンで交換しないと加水分解が飽和状態になります。
ケーニッヒ 710psのマシンスペックに適したオイルで交換。
ホイールの現状の画像です。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
4輪全てクリーニングアップ開始です。
ホイール クリーニングアップ終了後の画像です。
4輪全てホイール内側&表側共に、本来の発色を取り戻し組み込みに備えます。
続いてコーナーウエイトレシオへと...
コーナーウエイトレシオ&フルアライメントの測定 セットアップに入ります。
まず、コーナーウェイトゲージ測定機器をセット。
コーナーウェイト測定&セットアップ開始です。
コーナーウェイトゲージとは、タイヤ毎に測れる車重計のことです。
個々のタイヤにかかる重量を車高調整などで変え、左右バランスを整えます。
4輪アライメント調整の前にコーナーウェイト測定・セットアップを行います。
荷重移動がスムーズになりサスペンションの性能がフルに発揮できます。
又、コーナーウェイトを合計(車両重量として軽量化計画を立てたり)パワーチェックを同時に行い、パワーウェイトレシオ・トルクウェイトレシオを計算する事も出来ます。
続いてフルアライメントの測定&セットアップへと...
フルアライメントの測定&セットアップ。
マシンの足回りを変更したり、足回りブッシュ交換また、車高を変更したマシンには、必要不可欠な作業。
また、恒にの走行でアライメントは変化しています。
定期的な測定&セットアップが必要です。
アライメントのポイントは、サスペンションシステムや、タイヤのキャラクターを活かす事が大切。
ですので、基本アライメントは存在するものの正解は1つではありません。
マシンの仕様はもちろん、使用用途やドライビングテクニックによっても最適なアライメントは変わってきます。
この辺りは、蓄積したノウハウが必要です。
コーナーウェイト測定・セットアップまた、フルアライメントの計測・セットアップもマシンに合わせ完了。
続いてフロントはPSP Deviceの装着へと...
PSP Deviceユニットの配管や、ハーネス角度の取り回しをアジャスト。
ベストな位置へと
また、内装形状とユニット形状を細部まで計測。
ユニットを隠しこみ装着。
内張りのチリ合わせも実施。
スッキリ装着完了。
続いてインテリアへ...
繊細なレザーで構成されているインテリア。
確実な分解を...
PSP Device 作動用スイッチの装着へと...
オーナーが直ぐに作動させられる位置へと...
単に装着するだけでなく、他のスイッチ類とのコンビネーションも考慮し装着。
続いてエンジンフード開閉不良のリペアへと...
ワイヤーの劣化で切れているフードワイヤー。
ワンオフでワイヤーを製作。
純正より低価格で、クオリティーを格段にアップさせるパーツを独自で製作します。
アップグレードで製作したワイヤーを組み込み。
前もって組み込んでいたA/F 計センサーボス。
A/F 計センサーを装着。
テストランに備えます。
細部まで独自のクオリティーでマシン全体の最終チェック&セットアップを実施。
チェックと同時に細部までクリーニングアップも終了。
見える箇所は当然ですが通常オーナーが見えないポイントもクリーンに...
サスペンションブッシュ等は次回のメンテナンス時に...
最終チェックも完了。
テストランで空燃費のチェックまた、最大過給圧の確認に入ります。
制御系等に至るまで最終チェック終了。
高回転時燃料が希薄でフルパワーが出せない状態。
次回のメンテナンスにて対策を...
エンジンルームも最終仕上げ終了です。
エクステリア&インテリアも最終仕上げ終了です。
全てのリペア&メンテナンス終了のKönig Specials テスタロッサ 710ps コンプリートマシン。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の1部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全ての、リペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影致しております。
メンテナンス工程 新旧パーツ画像も詳細な写真 356枚 (CD-R3枚に落として有ります)及び、
今回のチェツク内容、また今後のメンテナンスメニュー書類も分かり易く作成していますのでマシンと一緒にお渡し致します。
いつもメンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。