ウエッブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
今回、Ferrari 550マラネロ メンテナンス御依頼誠に有り難う御座います。
只今、弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたFerrari 550マラネロを積んでファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
Ferrari 550マラネロ マイスターチェック&オーナーご依頼ポイント チェック開始準備の為、リフトセクションへと…
マイスターチェック&オーナーご依頼ポイント チェック開始です。
まず、第1段階。
Ferrari純正車両診断テスター SD2を、Ferrari 550マラネロ 車輌コントロールユニットに接続。
ECUと交信開始です。
ErrorコードのみのチェックではなくFerrari純正車両診断テスター SD2で、車輌全体のエレクトロニクス関連の状態や、調整の状態を詳細に把握します。
各部の作動状況や出力波形に至るまで、コンピューター上で、できうる全てのエレクトロニクス関連のチェックを行い現状の車輌の状態を把握します。
ボデープロテクターの装着。
550マラネロのパワーユニットは、456GTに搭載された5.5Lエンジンを更にチューニングし、65°V型12気筒DOHC48バルブのTipoF133型。
潤滑系統はドライサンプ化。
2段階可変バリアブルジオメトリー・インテークとバリアブルバック・ブレッシャーコントロールが採用されています。
また、アルミ構造ピストンとチタンコンロッド等で構成されるパワーユニット。
エンジンマネージメントシステムはボッシュモトロニックM5.2でコントロール。
フューエルインジェクションは、シーケンシャルマルチポイントシステムが採用されています。
近年の車輌は、エアロダイナミクスが非常に進んでいます。
たとえば、車両下部アンダーカウル。
ベンチュリートンネルにダウンフォースの多くを獲得するグランドエフェクト・カーとして設計されエアロダイナミクスをさらに追求。
ベルヌーイの定理により、ベンチュリーの流速が速くなり空気圧が大きく下がり、下向きの揚力を発生させるダウンフォースを作り出します。
フロントカウルを取外した現状の画像。
車輌下部全面にアンダーカウルが装備されているのでオイル漏れ等発生しても中々オーナーには判りづらい反面もあります。
続いて、メカニカル関連のチェック。
年数的、指定交換パーツ。
走行距離的、指定交換パーツ。
550 マラネロにも傾向的不具合発生ポイントが存在します。
また、車輌の使用状況や、保管状態で、個々の車輌の状態が全く違います。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの1部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解がある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返しマシンより受ける衝撃や、常に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。
指定交換に列記されているパーツでも必ず交換しないといけないと言うわけでは有りません。
的確なチェックで判断します。
車輌はさまざまなパーツや機構で構成されていますね。
メカニカルまた、エレクトロニクス ボディー構成などなど…..書ききれない複雑な機構を組み合わせ1台の車輌として構築されています。
車輌毎に傾向的不具合も存在し、指定交換が促されているパーツが有ります。
ただ、これまで車輌がどの様な方法でリペア&メンテナンスを受けてきたか?
オーナーがどの様に使用してきたか?
どの様な保管をされてきたか?
色々な状況でメンテナンス個所が違ってきます。
指定交換に入っていないパーツでも使用状況によって寿命が長くもなりまた、短くもなります。
車輌内部の隠れた部分まで、的確なチェックを行ないます。
定期的な車輌のチェックでコンディションを整えることが重要です。
1つ1つのメンテナンスの積み重ねが、本来のポテンシャルを発揮させます。
フロント エンジン トランスアクスル方式のレイアウトのギヤボックス。
ウォーター系統の1部の画像。
エンジン冷却水が漏れていたのでしょうか?
安易なシール処理がなされている現状。
オイルの漏れ。
アンダーカウルが装着されている為、中々オーナーは気づかないポイント。
漏れ出したオイルが周りの問題の無いパーツにまで付着。
早期の対応が必要です。
漏れ出したオイルが他のパーツなどに付着し全く問題の無いパーツまで攻撃し始めます。
分かりやすく言うと、輪ゴムにオイルを付けると、数日でゴムの弾力性が無くなり伸ばすと直に切れてしまいます。
これと同じ事が車輌に生じます。
また、個所によっては車輌火災につながるオイル漏れ。
オイル漏れ発生個所の中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的なガスケットや、ラバー素材パーツ。
ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解がある程度の年数で起こります。
また特にエンジン関連パーツは、熱による弾性不良また、回転部分の磨耗(エンジンを長期間始動しないマシンは、形成変化を起こします。)などもオイル漏れを発生させてしまいます。
また、構成金属パーツ類では、金属を構成する個々の原子そのものが膨張して、格子間隔が大きくなりその為、弾性変形を生じパーツ接合面に歪が発生しオイル漏れを発生させている場合も多々見受けられます。
上記の写真 (上記の写真では白色のシール剤が使用されています) と同様にオイル漏れ箇所に (茶色のシール剤が使用されています) シール剤を上塗りし何とか止めようとされているようです。
漏れ出したオイルが走行風でエキゾーストに付着。
エキゾーストへのオイル漏れは、車輌火災につながる危険な部分。
ガソリンは引火性が強く、オイルは着火性が強い油脂です。
エキゾーストは非常に高温になる為、着火性の強いオイルの付着は発火を引き起こします。
エンジン冷却水漏れが発生しています。
白くなっている箇所は、漏れ出したエンジン冷却水が熱で乾いた状態。
エンジン始動すると冷却水が漏れ出してくる現状。
早期の対応が必要です。
このままでは、走行中やアイドリング中に突発的なオーバーヒートを引き起こしパワーユニットに致命的な2次的ダメージを与えてしまいます。
また、エンジン冷却水の主成分はエチレングリコールという化合物と水で構成されています。
漏れたエンジン冷却水はペイントを侵食する作用を持ち合わせています。
早期の確実なリペアで致命的な2次的なダメージを防ぐ事が可能です。
F/R共に伝統のダブルウィッシュボーン
現状のサスペンションシステム。
外部からの要因また、対応年数の超過で完全に劣化し切っているサスペンションブッシュ。
サスペンションブッシュとしての役割を完全に消失してしまっている状態です。
車輌の基本骨格でもあるフレームに多大なダメージを与える部分の1つ。
サスペンションアームブッシュ。
パーツ構造体として機能が使用に耐えられなくなる状態が発生し車輌にダメージを与えてしまいます。
サスペンションブッシュの役目は、路面からの凹凸の衝撃を、タイヤやサスペンションで吸収できなかった残りの衝撃や入力を、車体の基本骨格であるフレームに入力されることを防ぐ役割。
衝撃からフレームや、ボデーを守る非常に重要な役割を担うのがサスペンションブッシュ。
また、ステアリング特性では、前後左右に荷重が掛かったときアームが簡単にヨジレ、ロールしやすくなります。
しかも急激に車体がロールしアライメントが崩れダブルウィッシュボーンのメリットが崩れデメリットばかりが大きくなります。
経年劣化によるヘタリが、許容範囲を超えて落ち込んだり、亀裂が入ってしまうと、ボデー全体に振動が直接入力され、常にの衝撃で、ボデーまた、フレームのねじれや、結合部の破損など、マシンの基本骨格へ致命的なダメージを与えます。
見逃されがちなサスペンションブッシュ。
車輌にとって非常に重要な個所ですし、交換する事で、フレームを確実に守り、またドライバビリティも格段にアップします。
オーナーからご依頼頂いた、複数のトラブルポイント。
各トラブルポイントを項目毎に的確なトラブルシューティングを行います。
近年の車輌は、電脳化が非常に進んでいます。
エレクトロニクス関連のトラブルか、メカニカル機構でのトラブルかを見極める事が非常に重要です。
また、Ferrari純正車両診断テスターのERRORコードに入力されない部分も多々存在します。
専用機器を使用し単体点検を実施。
各ポイントの状態を確実に見極めます。
各項目トラブルポイントの確実なシューティングを実施。
こちらはワイヤレス ファイバースコープの映像の1カット。
通常見えない箇所も最新の機材でトラブルシューティングを行なえます。
最新の設備と最新のデーターで的確にピンポイントでトラブルポイントを見極めます。
次に、なぜトラブルが発生してしまったか?
トラブルを引き起こしている主原因は?
これらの要因を特定します。
全てのチェックが終了したFerrari 550 マラネロ。
担当エンジニアが確実に現状の車輌の状態を把握し切らせて頂きました。
内容をまとめ、現状のマシンの状態を分かり易く明記し送付させて頂いた上、御連絡させて頂きます。
こちらのMaintenance Reportにはチェック内容の1部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全ての、チェック中の分解写真。
全て担当エンジニアが撮影しています。
詳細な写真 65枚 車輌と一緒にお渡しさせて頂きます。
今回マイスターチェック御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。