ウエッブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
今回、 Ferrari F355 メンテナンス御依頼誠に有り難う御座います。
弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたFerrari F355 を積んでファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
Ferrari F355 マイスターチェック&オーナーご依頼箇所チェック 開始の為、リフトセクションへと……
マイスターチェック&オーナーご依頼箇所チェック開始です。
まず、第1段階。
Ferrari純正車両診断テスター SD2を、Ferrari F355車輌コントロールユニットに接続。
ECUと交信開始です。
ErrorコードのみのチェックではなくFerrari純正車両診断テスター SD2で、マシン全体のエレクトロニクス関連の状態や、調整の状態を詳細に把握します。
各部の作動状況や出力波形に至るまで、コンピューター上で、できうる全てのエレクトロニクス関連のチェックを行い現状のマシンの状態を把握します。
ボデープロテクターを装着。
SD2で取得した各部のデーター。
現状のFerrari 355 マシン全体のエレクトロニクスパーツの作動状況。
また、メカニカルのセットアップ状況。
関連個所のデーター取得。
最新のデーターとも比較し、チェック完了です。
SD2で取得したデーターは、あくまでもデーターとし受け止めます。
データー全てを鵜呑みにせず、各ポイントの基本作動も専用機器で単体点検を実施。
更に奥深くまで、独自のチェックが担当エンジニアにより進められます。
心臓部は、5バルブ。
エンジンマネージメントシステムはボッシュ製のモトロニック 前 中期型はM2.7、後期型はM5.2に進化。
F129Bは、鍛造アルミ製ピストンやチタン製コンロッドなどで、高回転に対応するパーツが組み込まれています。
最高出力 は、380PS。
高回転型で、フェラーリ最高の官能的なエキゾーストノートを奏でるF129B。
F129B型エンジンのメカニカルまた、モトロニックM2.7 / 5.2 の基本原理や構造を熟知したエンジニアが細部までチェックします。
エレクトロニクス関連ポイント。
大きく分別すると下記の3項目が代表的な項目です。
1 入力: 電子的・機械的なセンサ(または変換器)で、温度、圧力、電磁場等の物理量をシステムの外部から取得して、電流信号や電圧信号に変換するあらゆるチェック。
2 信号処理回路: 組み合わされた電子素子により信号を操作し、解釈したり、変換したりする個所のチェック。
3 出力: アクチュエータや他の素子(変換器も含む)により、電流・電圧信号をマシン システムにとって有用な形態に再変換されているかなどのチェック。
この3項目から更に分別し、各項目別にチェックします。
電脳化が進んだマシンをメンテナンスするファクトリースキルとして、上記の項目などなど……を、完全に熟知し、あやつり切る能力が無ければ、近年のマシンを的確にトラブルシューティングまた、リペア&セットアップする事は困難ですね。
あやつり切るには、非常に高度な知識がファクトリー側に必要です。
F355のパワーユニットは、90度 V8 DOHC 5バルブ。
モトロニックは、前・中期、後期で異なるスペックで制御されます。
高回転化に対応する鍛造アルミ製ピストンやチタン製コンロッドなどのパーツで構成されている心臓部のメカニカルチェックも実施。
続いて、マシン全体のメカニカル チェック。
年数的、指定交換パーツ。
走行距離的、指定交換パーツ。
F355 前期 中期 後期 各モデル毎に傾向的不具合発生ポイントが存在します。
また、マシンの使用状況や、保管状態により、個々のマシンの状態が全く違いますので同時に的確なチェックが行なわれます。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの1部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解がある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返しマシンより受ける衝撃や、恒に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。
指定交換に列記されているパーツでも必ず交換しないといけないと言うわけでは有りません。
的確なチェックで判断します。
独自のチェック項目を見極めてます。
シャシーは基本的に348のアップデート版。
センターモノコックはスチールシートをプレス成型し、ロボットが溶接するなど、生産工程には積極的に機械化が導入されているF355のセンターモノコック。
オーナーご依頼ポイントのチェック。
リヤーサブフレームは新たに構造材が追加されサスペンションの取り付け部分も強化。
F/R共にダブルウィッシュボーン。
現状のスタビライザーリンクの状態。
スタビライザーの役割は、コーナーにおいてマシンのロールを抑えることにあります。
車体のロールを規制することにより左右方向への荷重移動を早める為、ハンドリングのレスポンスが高まります。
また、ロール時アライメント変化を抑え、必要以上のロールを低減させ、コーナリング時マシンの安定をはかります。
現状のサスペンション ブッシュ。
マウントや、ホースに使用される代表的なラバーパーツの劣化は、酸素、オゾン、光、放射線、薬品、オイル、高温にさらさせる事などなど………によって引き起こされゴムの物性は低下してしまいます。
特に、二重結合を主鎖に持つゴムは劣化しやすく、亀裂を生じたり、分解して粘着性を示すようになります。
いろいろな部位に用いられているラバーパーツは種々の配合剤を用い、更に架橋反応を行うため、劣化反応は非常に複雑です。
ラバーパーツの劣化は、ゴム材料が持っている機能が許容限界以下に低下することにより発生してしまいます。
パーツ構造体としての機能が使用に耐えなくなる状態が発生しマシンにダメージを与えてしまいます。
サスペンションブッシュの役目は、路面の凹凸の衝撃を、ボデーに入力されることを防ぎます。
衝撃からフレームや、ボデーを守る働きを持たせるのが、サスペンションブッシュの役目。
経年劣化によるヘタリが、許容範囲を超えて落ち込んだり、亀裂が入ってしまうと、ボデー全体に振動が直接入力され、常にの衝撃で、結合部が破損したり、ボデー自体に致命的なダメージを与えます。
また、鋭いハンドリングのレスポンスやマシンの挙動にも大きく関係する部分。
見逃されがちなサスペンションブッシュ。
マシンには、非常に重要な個所です。
主原因を確実に特定します。
何故か数本のみ5ミリ長いボルトが...
全てのチェックが終了したF355。
担当エンジニアが確実に現状のマシンの状態を把握し切らせて頂きました。
内容をまとめ、現状のマシンの状態を分かり易く明記し送付させて頂いた上、御連絡させて頂きます。
今回のリペア&メンテナンス個所、また今後のメンテナンス個所。
現状のマシンの状態を全て記載した報告書を送付させて頂き、その中で1セクションを確実にメンテナンスする方法で決定しました今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
Ferrari F355 リペア&メンテナンス開始準備の為、リフトセクションへと…
Ferrari F355 リペア&メンテナンス開始です。
現状のフロントバンバー。
ニューパーツは非常に高額です。
今回現品で完璧に復元します。
フロントバンバーリペアと同時にサスペンションシステムのリペア&メンテナンスも行います。
復元の為、マシンより取り外されたフロントバンバー。
欠損している部分はFRPで製作。
クラックの入ってしまっている部分も復元していきます。
復元開始です。
FRPの修理が進みます。
原型を忠実に再現していきます。
サスペンションシステムのリペア&メンテナンス。
まずフロントR/Hから...
分解と同時に独自の項目をチェック。
単に分解するだけで無く、その過程においても項目毎にチェックします。
リペア&メンテナンスの為、分解された1部の代表的なパーツ画像。
現状のアップライト。
細部に至りクリーニングアップをし、クラックチェックまた基本作動部のメンテンスを行っていきます。
使用許容範囲を超えているボールジョイントの画像。
サスペンション同様、常に作動し負荷のかかるパーツの1つ。
ボールジョイントの構造は、人間の肘や膝のような感じになっているサスペンションを支える重要な部位です。
フロントバンバー現品リペア完了です。
高額なファイバーパーツ等も現品でリペア可能です。
細部まで忠実に再現。
マシンへと...
バッチリ。
ペイントはパートナーの下で行います。
リペア&メンテナンスの為、マシンより取り外したフロント R/H L/Hサスペンションアーム現状の画像です。
Ferrari専用SST(専用工具)を使用し、アームに傷や歪みを発生させる事無く、確実にブッシュを分解。
続いて、再使用パーツは機能性だけでは無く見た目にも、新車時の輝きを取り戻す作業を行ないます。
足回りのフルブッシュ交換に伴う、各アーム類のリフレッシュ。
まず、第1段階 発生している錆を除去します。
リフレッシュは、第1段階〜第3段階と進みます。
フルブッシュ交換と同時に、細部まで錆の除去処理を行い、第1段階〜第3段階へとリフレッシュを行ったフロントアッパーアーム&ロアアーム。
ブッシュ交換により機能性を取り戻すだけでは無く、見た目にも新車時の輝きを取り戻します。
交換するサスペンションブッシュ類のフルセット。
同時交換がお勧めのスタビライザーリンク。
ブッシュ交換はF/R同時交換が基本です。
リフレッシュしたアームにFerrari専用SST(専用工具)で組み込みます。
安易な交換方法ではニューパーツのポテンシャルが引き出せない場合もあります。
Ferrari Lamborghiniに精通したエンジニアが確実な作業を進めます。
ブッシュ組み込み終了のアームの画像です。
もう1カット。
1セクション1セクション完璧に復元します。
続いてボールジョイントの交換。
フロント アップライトの現状。
ボールジョイント交換と同時にアップライトのクリーニングアップ&メンテナンスを行います。
クリーンな状態からクラックチェックまた構成パーツの機能を取り戻すメンテナンス開始です。
ボールジョイントR/H用のニューパーツ。
右がメンテナンス前のL/Hアップライト。
左がメンテナンス後のR/Hアップライト。
メンテナンス後のR/Hアップライトにはニューパーツのボールジョイントも組み込まれています。
ホイールとの接続面のハブのコンディションも整えています。
使用許容範囲に十二分な機能を持っているパーツは安易に交換する事無く、メンテナンスし再使用します。
ただ、再使用するだけては無く、全て徹底的にメンテナンス&リフレッシュをし再使用します。
L/Hも同様にメンテナンスを行います。
R/H L/H 共にボールジョイント交換&アップライトのメンテナンスも完了。
構成パーツの機能を取り戻すと共に機能美も...
ボルトやナット1つまで独自のクオリティーでメンテナンスを行います。
続いて、フロント スタビライザーマウントの交換。
交換するニューパーツは左横のマウントラバー2setのみ。
他のパーツは交換の必要性が無い為、徹底したクオリティーで仕上げてあります。
スタビライザーの役割は、コーナーにおいてマシンのロールを抑えることにあります。
車体のロールを規制することにより左右方向への荷重移動を早める為、ハンドリングのレスポンスが高まります。
また、ロール時アライメント変化を抑え、必要以上のロールを低減させ、コーナリング時マシンの安定をはかります。
そのスタビライザーをマシンに固定する役目のマウントを交換する事により、スタビライザーのパフォーマンスを100%引き出すことが可能となります。
フロントフェンダー内部の現状。
リペア&メンテナンスを行ったパーツをそのまま組み込むのではなく取り付け側のメンテナンスも行います。
取り付け部位のチェック&メンテナンス開始です。
メンテナンス部分のキャラクターを存分に発揮出来るように、マシン側取り付け部位のチェック&メンテナンス完了。
同時にクリーンな状態を取り戻し組み込みに備えます。
続いてリヤーサスペンションシステムのリペア&メンテナンス。
現状の状態。
フロント同様に分解と同時に独自の項目をチェック。
単に分解するだけで無く、その過程においても項目毎にチェックします。
フロント同様マシンより取り外したリヤーサスペンションアーム現状の画像です。
ラバーの劣化でブッシュ構造体としての機能が使用許容限界以下に低下。
フレームや、ボデーを守る働き、また鋭いハンドリングのレスポンスを発揮させる役割が消失している状態。
リペアする1番の目的はフレームや、ボデーを守る働きを取り戻す事が主眼です。
Ferrari専用SST(専用工具)を使用し、アームに傷や歪みを発生させる事無く、確実に全てのブッシュを分解。
続いてブッシュ組み込み前にアーム関連パーツのメンテナンス&リフレッシュへと...
足回りのフルブッシュ交換に伴う、各アーム類のリフレッシュ。
フロント同様に、再使用パーツは機能性だけでは無く見た目にも、新車時の輝きを取り戻す作業を行ないます。
リフレッシュは、第1段階〜第3段階と進みます。
フロント同様に第1段階〜第3段階へとリフレッシュ完了。
リフレッシュしたアームにFerrari専用SST(専用工具)で組み込みます。
アームのリフレッシュは細部まで完璧に行います。
アーム表面と、ブッシュを組むアーム内部とでは処理の方法が異なります。
常に本来のポテンシャルを発揮できる処理を行います。
確実に、また綺麗に組み込んだアームブッシュ。
リヤーセクション ブッシュ組み込み終了の画像です。
続いてフロントセクション同様 マシン側取り付け部位のクリーニングアップを実施。
クリーンな状態からチェックまた、メンテナンスに入ります。
ブッシュ交換に伴い、アームブラケットのクラックチェックまた同時に、オリジナルではペイントをされていない部分は、ペイントを剥離し本来の姿へ戻します。
フロント同様、メンテナンス部分のキャラクターを存分に発揮出来るようマシン側取り付け部位のチェック&メンテナンス完了。
同時にクリーンな状態を取り戻し組み込みに備えます。
今回換装するクワンタムレーシングサスペンションシステム。
オーナーのご要望をお聞きし、減推力 バネレート ストローク等々変更し製作したワンオフモデル。
まず弊社では通常販売されているモデルのままオーダーはしません。
マシンの仕様や組み込まれているカスタムパーツまた、オーナーの使用用途等々に応じワンオフで製作します。
ワンオフモデルですが通常販売されている価格と同じです。
左がフィオラノのサスペンションシステム。
右がワンオフ クワンタムレーシングサスペンションシステム。
アッパーマウントもクワンタムのキャラクターを存分にいかしきれるように...
続いて組み込みに入ります。
リヤースタビライザーブッシュも交換。
ブラケットは再使用の為、リフレッシュ済み。
リンクロッドも同時交換。
確実にスタビライザーのパフォーマンスを引き出します。
ただ単に組むのでは無く、ノウハウを注ぎ込み100%のポテンシャルを発揮させます。
リヤー R/H組み込み終了です。
Ferrari専用SST(専用工具)を使用し、単にブッシュ交換や、オーバーホールだけに留まらずメンテナンス部位関連のリフレッシュも同時に行ないました。
これにより1つ1つの構成パーツの機能性のみならず、見た目にも新車時の輝きを取り戻しました。
同じくリヤーL/H。
組み込み終了。
続いてフロント組み込みへと...
リヤー同様ボルト1本までリフレッシュし本来の姿へ戻します。
フロントR/H組み込み終了です。
続いてフロントL/Hの組み込み完了の画像です。
リヤー同様1つ1つの構成パーツの機能性のみならず、見た目にも新車時の輝きを取り戻したパーツ群を基本性能を存分に発揮出来る様、組み込み終了です。
アンダーカウルやフェンダーライナー類のクリーニングアップに入ります。
近年のFerrariは、ダウンフォースをアンダーフロアーで稼ぐ為、マシンフロアー全面 アンダーカウルで覆われています。
中々オーナーが目にする事の無い部分です。
チェック&リペアまた、メンテナンスに伴い分解した、アンダーカウルやフェンダーライナー類。
分解したパーツは通常問題が無いので、そのまま組み込まれるのが一般的です。
分解パーツを1点1点リフレッシュする事で、見た目にもスッキリし、トラブルを未然に防ぐ事も兼ね全て組み込み前に表裏共にクリーニングアップします。
クリーニングアップ後の画像です。
細部まで完璧にクリーニングアップを実施。
リペア&メンテナンス同様に、隠れた箇所ほど重要です。
各部メンテナンスと同時に施工する、クリーニングアップ。
各部の仕上げは、レザーの素材、ペイントの素材、各部の構成パーツなどなど….. 素材を熟知したエンジニアにより、部位部位に1番適した、本来の素材を蘇らす意味での仕上げが行われます。
ケミカル用品で一時的に艶を出す様な安易仕上げは、一切行われません。
各部のクリーニングアップは全て作業の一貫と考え行います。
クリーンな状態で組込みに備えます。
基本取り付け位置へ確実に組み込まれたアンダーカウルやフェンダーライナー類。
続いてホイールのクリーニングアップ。
現状の画像です。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
4輪全てクリーニングアップ開始です。
ホイール クリーニングアップ終了後の画像です。
4輪全てホイール内側&表側共に、本来の発色を取り戻し組み込みに備えます。
続いて油脂類の交換へと…
一言で油脂類と言っても、マシンには、色々な油脂類で潤滑や、油圧の発生による作動が常に行われています。
エンジンオイル&オイルフィルター ミッションオイル F1マチックオイル ブレーキオイル クラッチオイル パワーステアリングオイル エンジン冷却水などなど…
FerrariやLamborghiniなどのスーパースポーツマシンは高速走行などが多い為、エンジンオイルだけでは無く、他の部位のオイルも頻繁に酷使されるので確実なスパンでの交換が必要です。
各油脂類は、色々と各社ラインナップが有りますが、メリットとデメリットが有り、マシンモデル毎また、使用する部位また、マシンの使用用途などを全て加味し、1番適切なオイルを、弊社では選択します。
メーカー指定純正オイルが1番無難と言えば無難なのですが、全てのモデルに1番適切なオイルかと言えば疑問です。
新車時のエンジンに注入されているオイルは、メーカー指定純正オイルでは無く、初期馴染みなどなどを考慮した、ファクトリー専用の非常に高額なオイルです(一般には流通しない特殊な高性能オイル)。決してメーカー指定純正オイルでは無いんです。
モデル毎にオイルに添加されている成分内容や粘度などなど…を変更しベストなオイルをチョイスし、交換する事により、より一層マシンをベストな状態へと導きます。
エンジンオイルでは、潤滑 冷却 防錆 応力分散 密閉作用 洗浄作用の6つの作用が求められます。
マシンやモデルまた、使用用途に応じベストなオイル成分や、粘度などなど……選択します。
ブレーキオイルの交換。
ブレーキオイルの交換時期はオイルの色などでも簡単な判断はできますが、交換基準はあくまで使用期間、水分吸収量、劣化で判断します。
サーキット走行後は、ブレーキに与える熱量が非常に大きい為、熱によるブレーキオイルの膨張などが繰り返され劣化が急激に進みます。
通常のストリートでの使用また、乗らなくても1年毎の交換をお奨めします。
ブレーキオイルは吸湿性が高く大気中の水分を吸収する為、期間の経過と共にブレーキオイル内の水分量が多くなり沸点が下がってしまいます。
そのまま使用し続けるとハードブレーキを繰り返したときにブレーキオイルが沸騰し気泡が発生し、踏力によって発生した圧力は気泡を圧縮するだけで制動力を発生させることができず、ブレーキが効かなくなります。
これをベーパーロック現象と言い、大変危険な現象の一つです。
ハードブレーキはしないから…と思うオーナーも多いでしょうが、発生する不具合はこれだけでは無く色々な不具合を発生させます。
ブレーキオイルの水分吸収量が多くなると、キャリパーピストンに錆が発生しピストン固着やブレーキの引きずり、片効き等々を引き起こします。
定期交換期間は1年での交換。
周辺部分もクリーニングアップ。
ブレーキオイル交換終了。
エンジンオイル&オイルエレメントの交換。
オイルの劣化度は、目で見る 触るなど簡単な方法で判断しにくい物です。
真っ黒になったオイルや、異臭 変色している物は別ですが…..
通常、使用期間や走行距離で判断します。
各オイル類には全て食品と同じ様に賞味期限が有ります。
賞味期限切れでは本来の性能を発揮できずマシンを痛めてしまいます。
劣化の発生は、外気による酸化、メカニカル圧力によるオイル分子のせんだん、熱、、ブローバイガス内のフューエルの混入で劣化していくのが一般的です。
エンジンオイルは、ベースオイルで色々と分類されます。
鉱物油
部分合成油
化学合成油
PAO
エステル
植物油
規格で分けると…
API規格
ILSAC規格
SAE規格
ACEA規格
JASO規格
粘度による分類では…
SAE粘度
HTHS粘度
モデル毎にオイルに添加されている成分内容や粘度などなど…を変更しベストなオイルをチョイスし交換する事で、より一層マシンをベストな状態へと導きます。
続いて、オイルエレメントの交換。
エンジンオイルにはエンジン内部を清浄に保つ為にオイル中の汚れやゴミを取り込むオイルフィルターがありますね。
オイルフィルターがあると、エンジンオイルがそこを通過することにより、オイル内に取り込まれていた金属粉やスラッジ(ホコリや燃焼カスなどの不純物)が濾し取られます。
特に金属粉は、放置すると研磨剤と同様の効果をエンジン内に及ぼしてエンジン損傷の原因になる為、その除去は重要です。
オイルフィルターのろ過能力は上げ過ぎると油圧上昇や目詰まりなどの不具合を引き起こす可能性がある為にその性能はある一定のところで抑えられています。
その為オイルフィルターですべての金属粉やスラッジ等が除去できる訳ではないんです。
また、オイルフィルターの能力が低下し目詰まりを起こした場合を想定してバイパス機構を備えています。
フィルターが目詰まりしてエンジン内各所にオイルが供給できなくなると、エンジンが焼き付く原因となるからです。
ただしこの機構はあくまで非常用であり、的確なスパンでの交換が必要です。
また、交換時は的確なトルク管理の下での交換が必要です。
フランジや、その周辺に付着している砂や埃を取り除きクリーンな状態に…
クリーンな状態から組み込み。
続いてミッションオイルの交換。
エンジンオイルの交換はオーナーが1番気にし交換されますが、ミッションオイルも忘れてはいけない油脂類の1つ。
ミッションオイルを確実なスパンで交換することにより、ギヤーの焼き付きを避け、またシフトフィーリングまでよくなるミッションオイル。
シフト操作をするとミッション内部で大きなギヤーが噛み合ったり、外れたりしますよね。
ギヤーオイルには、潤滑 冷却 防錆 応力分散の4つの作用が求められます。
エンジンオイルでは、これに加えて密閉作用や洗浄作用が要求されますがギヤーオイルの場合この効果はほとんど必要が無いでしょう。
それよりも重視されるのが応力分散作用ですね。 この作用がしっかりと発揮できるミッションオイルを使用しないと、ギヤーの焼き付きなどのダメージに繋がったり、シフトフィールの悪化に直結します。
マシンやモデルまた、使用用途に応じてオイル成分や粘度などなど……を選択しミッションの保護また、ポテンシャルを存分に発揮させます。
ドレンボルト インナー&アウターもクリーニングアップ。
新品のガスケットでロック。
項目毎に、きめ細やかなメンテナンス&クリーニングアップを随所に施します。
スッキリ。
続いてコーナーウエイトレシオ&フルアライメントの測定 セットアップに入ります。
まず、コーナーウェイトゲージ測定機器をセット。
コーナーウェイト測定&セットアップ開始です。
コーナーウェイトゲージとは、タイヤ毎に測れる車重計のことです。
個々のタイヤにかかる重量を車高調整などで変え、左右バランスを整えます。
4輪アライメント調整の前にコーナーウェイト測定・セットアップをお薦めします。
荷重移動がスムーズになりサスペンションの性能がフルに発揮できます。
又、コーナーウェイトを合計(車両重量として軽量化計画を立てたり)パワーチェックを同時に行い、パワーウェイトレシオ・トルクウェイトレシオを計算する事も出来ます。
続いてフルアライメントの測定&セットアップ。
マシンの足回りを変更したり、足回りブッシュ交換また、車高を変更したマシンには、必要不可欠な作業。
また、恒にの走行でアライメントは変化しています。
定期的な測定&セットアップが必要です。
アライメントのポイントは、サスペンションシステムや、タイヤのキャラクターを活かす事が大切。
ですので、基本アライメントは存在するものの正解は1つではありません。
マシンの仕様はもちろん、使用用途やドライビングテクニックによっても最適なアライメントは変わってきます。
この辺りは、蓄積したノウハウが必要です。
コーナーウェイト測定・セットアップまた、フルアライメントの計測・セットアップもマシンに合わせ完了。
マシン全体の最終チェック&セットアップ。
チェックと同時に細部までクリーニングアップも終了。
自社で原型を忠実に再現したフロントバンバーを取り外し、パートナーの下でペイント。
組み込み完了のフロントバンバー。
チリの間隔もニューパーツより完璧に...
現品での修復終了です。
減推力 バネレート ストローク等々変更し製作したワンオフモデルのクワンタムレーシングサスペンションシステム。
減推力調整ダイヤルをフロントラッゲージ内へと...
現在F/R共に基準値にセットしています。
全てのリペア メンテナンス終了です。
メンテナンス終了後の最終セットアップ。
入力されていたERRORコードなども、全てリセット。
また、センサー&アクチュエーターのアダプティブ。
電子制御部位は、Ferrari純正車両診断テスターSD2で最終チェックまた、セットアップを実施します。
メカニカル面も、担当エンジニアにより的確な最終チェックまた、セットアップが行われます。
サスペンションシステムをメインにリペア&メンテナンスを実施させて頂いたF355。
根本の主原因をリペアし、アップデートパーツも盛り込みノーマル以上のパフォーマンスを発揮するマシンに。
Maintenance Reportでは全ての画像をアッブ出来ませんが、ポイントをオーナーに見て頂ける様、かいつまんでアップしています。
リペア&メンテナンスの新旧パーツ 対比画像また、セットアップ中の画像 製作過程や交換過程の画像。
また、分解工程も詳細に撮影していますのでDVD-Rで、お渡しします。
現品修復のフロントバンバー。
エンジンルーム&エクステリア インテリアも最終仕上げ終了です。
全てのリペア&メンテナンス終了のFerrari F355。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の1部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全ての、リペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影致しております。
メンテナンス工程 新旧パーツ画像も詳細な写真 283枚 (CD-Rに落として有ります)
及び、今回のチェツク内容、また今後のメンテナンスメニュー書類も分かり易く作成していますのでマシンと一緒にお渡しさせて頂きます。
今回、メンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。