ウエッブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
いつもFerrari 348 ts メンテナンス御依頼誠に有り難う御座います。
弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたFerrari 348 tsを積んでファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
今回も、ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
Ferrari 348 チェック開始準備の為、リフトセクションへと.....
チェック開始です。
まず、第1段階。
Ferrari純正車両診断テスター SD2で、Ferrari 348 車輌コントロールユニットと交信。
ErrorコードのみのチェックではなくSD2で現状の電子制御系統の状態や、セット状況また、出力電圧 波形に至るまで、チェックします。
SD2で取得した各部のデーター。
現状のFerrari 348 マシン全体のエレクトロニクスパーツの作動状況。
また、メカニカルのセットアップ状況。
各部、関連個所のデーター取得。
最新のデーターとも比較し、チェック完了です。
SD2で取得したデーターは、あくまでもデーターとし受け止めます。
データー全てを鵜呑みにせず、各個所が的確な状態で作動しているかを各機器を使用し単体点検を実施。
更に奥深くまで、独自のチェックを進めます。
エレクトロニクス関連を、大きく分別すると下記の3項目が代表的な項目です。
1 入力: 電子的・機械的なセンサ(または変換器)で、温度、圧力、電磁場等の物理量をシステムの外部から取得して、電流信号や電圧信号に変換するあらゆるチェック。
2 信号処理回路: 組み合わされた電子素子により信号を操作し、解釈したり、変換したりする個所のチェック。
3 出力: アクチュエータや他の素子(変換器も含む)により、電流・電圧信号をマシン システムにとって有用な形態に再変換されているかなどのチェック。
この3項目からまだまだ、項目別に分類。
電脳化が進んだマシンをメンテナンスするファクトリースキルとして、上記の項目などなど……..を、完全に把握し、あやつり切る能力が無ければ、近年のマシンを的確にトラブルシューティングまた、セットアップする事は困難ですね。
近年のマシンは、電脳化が非常に進んでいます。
エレクトロニクス関連また、機械機構を確実に見極める事が重要です。
続いて、年数的、走行距離的、指定交換パーツ。
Ferrari 348 前期 後期 各モデルの傾向的不具合発生ポイント。
マシンの使用状況や、保管状態により、個々のマシンの状態が全く違うので的確なチェックを進めます。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの1部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解がある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返しマシンより受ける衝撃や、恒に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。 必ずしも指定交換に入っていないパーツでも使用用途や保管状態などでパーツの寿命が、長くもなりまた、短くもなります。
恒に定期的なマシンのチェックによりベストなマシンの維持が可能となります。
マシン内部の隠れた細部までチェックをします。
タイミングベルトケース内部から飛散したオイルが表面に出てきている現状。
タイミングベルトにオイルが付着してしまうと、ベルト本来の強度が奪われ最悪の事態(バルブクラッシュ)を引き起こしてしまいます。
隠れた箇所に色々なポイントがあります。
こちらは、ウオーターホース。
代表的な素材 1 のラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解がある程度の年数で起こるに当たる部分の1つですね。
突然の破裂でオーバーヒートを引き起こしては重大なダメージをマシンに与えてしまいます。
プラグコード 1本のみ無理をして全く違うコードが装着されています。
純正のダストカバーが切断されビニールテープで.........
この状態ではプラグコード内部電圧がリークしてしまいます。
全てのチェックが終了したFerrari 348。
担当エンジニアが、確実に現状のマシンの状態を把握し切らせて頂きました。
内容をまとめ、現状のマシンの状態を分かり易く明記し送付させて頂いた上、御連絡させて頂きます。
今回のメンテナンス個所&今後のメンテナンス個所。
現状のマシンの状態を全て記載した報告書を送付させて頂き、その中でご予算に合わせ決定しました今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
メンテナンス開始です。
プロテクターを装着。
油脂類の交換です。
一言で油脂類と言っても、マシンには、色々な油脂類で潤滑や、油圧の発生による作動が常に行われています。
エンジンオイル&オイルフィルター ミッションオイル F1マチックオイル ブレーキオイル クラッチオイル パワーステアリングオイル エンジン冷却水などなど…
FerrariやLamborghiniなどのスーパースポーツマシンは高速走行などが多い為、エンジンオイルだけでは無く、他の部位のオイルも頻繁に酷使されるので的確な時期で定期交換が必要ですね。
各油脂類は、色々と各社ラインナップが有りますが、メリットとデメリットが有り、マシンモデル毎また、使用する部位また、マシンの使用用途などを全て加味し、1番適切なオイルを選択する事が大切です。
メーカー指定純正オイルが1番無難と言えば無難なのですが、全てのモデルに1番適切なオイルかと言えば疑問です。
新車時のエンジンに注入されているオイルは、メーカー指定純正オイルでは無く、初期馴染みなどなどを考慮した、ファクトリー専用の非常に高額なオイルです(一般には流通しない特殊な高性能オイル)。決してメーカー指定純正オイルでは無いんです。
モデル毎にオイルに添加されている成分内容や粘度などなど…を変更しベストなオイルをチョイスし、交換する事により、より一層マシンをベストな状態へと導きます。
続いて、オイルエレメントの交換。
エンジンオイルにはエンジン内部を清浄に保つ為にオイル中の汚れやゴミを取り込むオイルフィルターがありますね。
オイルフィルターがあると、エンジンオイルがそこを通過することにより、オイル内に取り込まれていた金属粉やスラッジ(ホコリや燃焼カスなどの不純物)が濾し取られます。
特に金属粉は、放置すると研磨剤と同様の効果をエンジン内に及ぼしてエンジン損傷の原因になる為、その除去は重要です。
オイルフィルターのろ過能力は上げ過ぎると油圧上昇や目詰まりなどの不具合を引き起こす可能性がある為にその性能はある一定のところで抑えられています。
その為オイルフィルターですべての金属粉やスラッジ等が除去できる訳ではないんです。
また、オイルフィルターの能力が低下し目詰まりを起こした場合を想定してバイパス機構を備えています。
フィルターが目詰まりしてエンジン内各所にオイルが供給できなくなると、エンジンが焼き付く原因となるからです。
ただしこの機構はあくまで非常用であり、的確なスパンでの交換が必要です。
また、交換時は的確なトルク管理の下での交換が必要です。
オイルエレメントを取り外した状態。
フランジや、その周辺に付着している砂や埃も取り除きます。
クリーンな状態に......
周辺部分もクリーニングアップ。
交換終了。
続いてブレーキオイルの交換。
新しいブレーキオイルを給油専用機器を使用し、各部最後部より交換します。
一般的なブレーキオイルは、ポリエチレングリコールモノエーテルが主成分で構成されています。
これに酸化防止剤 防錆剤等が添加されています。
グリコール系は吸湿性が高く、湿気を吸うと沸点が下がってしまいます。
ただ、吸湿しても沸点を比較的高く維持できるようにホウ酸でエステル化してあります。
水分があってもエステル結合で加水分解されますが、定期スパンで交換しないと加水分解が飽和状態になります。
ブレーキオイル&クラッチオイルは、1年に1回の交換が必要です。
ブレーキオイルも348のポテンシャルに合ったオイルをチョイスします。
続いて足回りのメンテナンス。
300k近くで走るロードゴーイングマシン。
定期的な、足回り&マシン全体のトルク管理が必要です。
各部の調整と同時に、締め付けトルクのチェックまた各部の動きが機敏になるメンテナンスも開始です。
また、同時に分解時にしか出来ないフェンダー内部の隅々まで、クリーンニグアップも行ないます。
中々オーナーが目にする事の無い部分。
また、雨天使用しなくてもダストや、砂などが付着してしまう部分。
現状のフロントフェンダー内部の画像です。
リヤーフェンダー内部です。
フロント同様に、足回りのメンテナンスを行ないます。
マシン全体のトルク管理も行い同時にクリーニングアップも.......
フロント 足回りのメンテナンスまた、クリーニングアップ後のサスペンションシステム。
ダストや、砂などをクリーニングアップする事により、本来の機能がより機敏になると共にクリーンな状態を取り戻しました。
リヤーも同様に.......
独自のクオリティーでメンテナンス&クリーニングアップを随所に施します。
同じく、メンテナンス後のフロアー。
クリーニングアップも隅々まで丁寧に仕上げました。
各部メンテナンスと同時に施工する、クリーニングアップ。
各部の仕上げは、レザーの素材、ペイントの素材、各部の構成パーツなどなど….. 素材を熟知したエンジニアにより、部位部位に1番適した、本来の素材を蘇らす意味での仕上げが行われます。
ケミカル用品で一時的に艶を出す様な安易仕上げは、一切行われません。
各部のクリーニングアップは全て作業の一貫と考え行います。
続いて、ホイールの現状の画像です。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
4輪全てクリーニングアップ開始です。
ホイール クリーニングアップ終了後の画像です。
4輪全てホイール内側&表側共に、本来の輝きを取り戻しました。
最終のセットアップ。
入力されていたERRORコードなども、全てリセット。
電子制御部位は、Ferrari純正車両診断テスターSD2で最終チェックまた、セットアップを実施します。
メカニカル面も、担当エンジニアにより的確な最終チェックまた、セットアップが行われます。
セットアップも終了。
最終クリーニングアップ実施後のエンジン&エンジンルーム。
エクステリア&インテリアも最終仕上げ終了です。
全てのメンテナンス終了のFerrari 348 ts。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の1部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全てのメンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影致しております。
詳細な写真及び、今回のメンテナンス内容、また今後のメンテナンスメニュー書類も分かり易く作成していますのでマシンと一緒にお持ち致します。
いつもメンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。