ウエッブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
今回、Ferrari 360 モデナ メンテナンス御依頼誠に有り難う御座います。
弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたFerrari 360 モデナを積んでファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
Ferrari 360 モデナ チェック開始準備の為、リフトセクションへと移動させて頂きました。
チェック開始です。
まず、第1段階。
Ferrari純正車両診断テスター SD2で、F360 モデナ 車輌コントロールユニットと交信開始です。
Errorコードのみのチェックではなく Ferrari純正車両診断テスター SD2を100%駆使しマシン全体のエレクトロニクス関連の状態や、調整の状態を詳細に把握します。
各部の作動状況や出力波形に至るまで、コンピューター上で、できうる全てのエレクトロニクス関連のチェックを行い現状のマシンの状態を把握します。
SD2を駆使し取得した各部のデーター。
現状のFerrari 360モデナ マシン全体のエレクトロニクスパーツの作動状況。
また、メカニカルのセットアップ状況。
各部、関連個所のデーター取得。
最新のデーターとも比較し、チェック完了です。
SD2で取得したデーターは、あくまでもデーターとし受け止めます。
データー全てを鵜呑みにせず、各個所が的確な状態で作動しているかを各機器を使用し単体点検を実施。
更に奥深くまで、独自のチェックが担当エンジニアにより進められます。
エレクトロニクス関連を、大きく分別すると下記の3項目が代表的な項目です。
1 入力: 電子的・機械的なセンサ(または変換器)で、温度、圧力、電磁場等の物理量をシステムの外部から取得して、電流信号や電圧信号に変換するあらゆるチェック。
2 信号処理回路: 組み合わされた電子素子により信号を操作し、解釈したり、変換したりする個所のチェック。
3 出力: アクチュエータや他の素子(変換器も含む)により、電流・電圧信号をマシン システムにとって有用な形態に再変換されているかなどのチェック。
この3項目からまだまだ、項目別に分類。
電脳化が進んだマシンをメンテナンスするファクトリースキルとして、上記の項目などなど……..を、完全に把握し、あやつり切る能力が無ければ、近年のマシンを的確にトラブルシューティングまた、セットアップする事は困難ですね。
あやつり切るには、非常に高度な知識がファクトリー側に必要です。
続いて、年数的、走行距離的、指定交換パーツ。
Ferrari 360 モデナ各モデルの傾向的不具合発生箇所。
マシンの使用状況や、保管状態により、個々のマシンの状態が全く違うので的確なチェックを進めます。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの1部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解がある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返しマシンより受ける衝撃や、恒に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。 必ずしも指定交換に入っていないパーツでも使用用途や保管状態などでパーツの寿命が、長くもなりまた、短くもなります。
恒に定期的なマシンのチェックによりベストなマシンの維持が可能となります。
マシン内部の隠れた部分また、アンダーカウル内部の細部までチェックをします。
マシン毎の特性や、個々のパーツの構造及び、作動原理を知り尽くしたエンジニアにより的確なチェックが行われます。
オーナーからの依頼。 F1マチックからのオイル漏れ。
不具合発生ポイントの確実なトラブルシューティングを行なう為、オーナーに分解許可を頂きましたので、リヤーバンバーを分解。
ピンポイントで不具合個所を確定していきます。
全てのチェックが終了したFerrari 360 モデナ。
担当エンジニアが、確実に現状のマシンの状態を把握し切らせて頂きました。
担当エンジニアと内容をまとめ、現状のマシンの状態を分かり易く明記し送付させて頂いた上、御連絡させて頂きます。
今回のメンテナンス個所&今後のメンテナンス個所。
現状のマシンの状態を全て記載した報告書を送付させて頂き、その中で1セクション1セクション確実にメンテナンスする方法で決定しました今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
今回のリペアー&メンテナンスメニュー パーツ全て入荷しました。
早速、実作業に入ります。
プロテクションカバーを装着。
リヤーセクションより実作業開始です。
まず、F1マチック オイル漏れのリペア開始です。
F1マチックシステムは、基本非分解で有りリペアパーツの供給はほとんど有りません。
しかしアッセンブリー交換では非常に高額なパーツです。
今回はトラブルシューティングの結果、致命的破損に至る前でしたので、必要パーツを製作し現品のF1マチックシステムをリペアします。
必要パーツを製作し現品のF1マチックシステムをリペア終了。
リヤーバンバー インナー現状の画像です。
F1マチック から漏れ出したオイルに砂が付着してしまっています。
リペアーと同時にクリーニングアップを行います。
単にオイル漏れが完治すれば良いとは考えません。
関連パーツの修正やクリーニングアップも同時に行ってこそ、良いメンテナンスにつながると考え、全てのメンテニンスが行なわれます。
クリーニングアップ後の画像。
クリーンな状態で、組み込みに備えます。
見逃されがちなミッションオイルや、F1マチックオイル。
FerrariのF1マチックオイル交換は、SD2 または、SD3でのみ交換可能です。
こちらはミッションオイル。
ミッションオイルや、F1マチックオイルも定期交換 油脂類です。
ギヤーの焼き付きを避け、またシフトフィーリングまでよくなるミッションオイル。
シフト操作をするとミッション内部で大きなギヤーが噛み合ったり、外れたりしますよね。
ギヤーオイルには、潤滑 冷却 防錆 応力分散の4つの作用が求められます。
エンジンオイルでは、これに加えて密閉作用や洗浄作用が要求されますがギヤーオイルの場合この効果はほとんど必要が無いでしょう。
それよりも重視されるのが応力分散作用ですね。 この作用がしっかりと発揮できるミッションオイルを使用しないと、ギヤーの焼き付きなどのダメージに繋がったり、シフトフィールの悪化に直結します。
純正指定オイルを注入するのが無難ですが、指定オイルが個々のマシンに1番最適なオイルかどうかは、僕は疑問ですね。
では、どんなオイルを選べばいいのか??
それはナイショ!!
モデル毎にオイルに添加されている成分内容や粘度などなど…を変更しベストなオイルをチョイスし、交換する事により、より一層マシンをベストな状態へと導きます。
エンジン冷却水。
こちらも定期交換 油脂類です。
エンジン冷却水は、エンジンオイルと同様、重要な役割を果たす液体です。
主成分はエチレングリコールという化合物と水で構成されています。
高温なエンジンを恒に冷却する役割を果たしています。
また、ラジエーターやエンジンブロックで使用される構成パーツに錆が発生しない様にする役目や、消泡性能などなど…もかね合わせています。
エンジン稼動時には、常に高温にさらされる為、エンジン冷却水も劣化します。
エンジン冷却水には、さまざまな化合物が含まれています。
エンジンオイル同様に長期使用せず、1年に1回酷使されたエンジン冷却水を交換することにより、本来の性能を発揮させ、エンジンを守ります。
続いてクラッチオイルの交換。
新しいクラッチオイルを給油圧送専用機器を使用し、各部最後部より交換します。
ブレーキオイル同様のポリエチレングリコールモノエーテルが主成分で構成されています。
ブレーキオイル同様、クラッチオイルも最低でも1年に1回の交換が必要です。
どの油脂類も的確なライフで交換する事により、関連パーツを常にコンディションの良い状態で保つ事が出来ます。
特に、この気温が上昇している時期に使用した各油脂類は夏の終わりに交換した方が良いでしょう。
300k近くで疾走するロードゴーイングマシン。
定期的な、足回り&マシン全体のトルク管理が必要です。
各部のセットアップと同時に、締め付けトルクのチェックまた各部の動きが機敏になるメンテナンスも開始です。
また、同時に分解時にしか出来ないフェンダー内部の隅々まで、クリーンニグアップも行ないます。
中々オーナーが目にする事の無い部分。
また、雨天使用しなくてもダストや、砂などが付着してしまう部分。
現状のフェンダー内部の画像です。
上記、足回りのメンテナンスまた、クリーニングアップ後のサスペンションシステム。
ダストや、砂などをクリーニングアップする事により、本来の機能がより機敏になると共にクリーンな状態を取り戻しました。
きめ細やかなメンテナンス&クリーニングアップが、担当エンジニアにより随所に施されます。
続いて、ホイールの現状の画像です。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
4輪全てクリーニングアップ開始です。
ホイール クリーニングアップ終了後の画像です。
4輪全てホイール内側&表側共に、本来の発色を取り戻しました。
砂や泥汚れで汚れきっていたフロアーカウル類。
組み込み前にクリーニングアップを行います。
上記、フロアーカウル クリーニングアップ後の状態です。
他のカウルも同様ににクリーニングアップが行なわれます。
各部メンテナンスと同時に施工する、クリーニングアップ。
各部の仕上げは、レザーの素材、ペイントの素材、各部の構成パーツなどなど….. 素材を熟知したエンジニアにより、部位部位に1番適した、本来の素材を蘇らす意味での仕上げが行われます。
ケミカル用品で一時的に艶を出す様な安易仕上げは、一切行われません。
各部のクリーニングアップは全て作業の一貫と考え行います。
マシン全体のチェック終了。
トルク管理は非常に重要なメンテナンスです。
モデルまた、部位毎にFerrari指定の規定トルクは存在します。
また、色々なノウハウの中で変化させる部位も有ります。
メンテナンス後の最終のセットアップ。
入力されていたERRORコードなども、全てリセット。
電子制御部位は、Ferrari純正車両診断テスターSD2で最終チェックまた、セットアップを実施します。
メカニカル面も、担当エンジニアにより的確な最終チェックまた、セットアップが行われます。
リセット&セットアップも終了。
最終クリーニングアップ実施後のエンジン&エンジンルーム。
全ての作業終了のFerrari F360 モデナ。
エクステリア&インテリアも最終仕上げ終了です。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の1部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全ての、リペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影致しております。
詳細な写真(CD-Rに落として有ります)及び、今回のメンテナンス内容、また今後のメンテナンスメニュー書類も分かり易く作成していますのでマシンと一緒にお持ちさせて頂きます。
今回、メンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。