ウエッブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
いつも Ferrari のメンテナンス御依頼誠に有り難う御座います。
今回575MよりF430に乗り換えられたマシン。
弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
今回も、ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
Ferrari 430 マイスターチェック 開始準備の為、リフトセクションへと移動させて頂きました。
マイスターチェック開始です。
まず、第1段階。
Ferrari純正車両診断テスター SD3を、Ferrari 430 車輌コントロールユニットに接続。
ECUと交信開始です。
ErrorコードのみのチェックではなくFerrari純正車両診断テスター SD3で、マシン全体のエレクトロニクス関連の状態や、調整の状態を詳細に把握します。
各部の作動状況や出力波形に至るまで、コンピューター上で、できうる全てのエレクトロニクス関連のチェックを行い現状のマシンの状態を把握します。
Ferrari純正 車両診断テスターSD3で取得した各部のデーター。
現状のFerrari 430マシン全体のエレクトロニクスパーツの作動状況。
また、メカニカルの作動状況。
各部のデーターを取得。
最新のデーターとも比較します。
マシンのエレクトロニクス関連の状態を全て把握しました。
これより、SD3で取得したデーターは、あくまでもデーターとし受け止めます。
データー全てを鵜呑みにせず、基本作動が適正値内で確実に作動しているかを専用機器を使用し単体点検を実施。
更に奥深くまで、独自のチェックを進めます。
マシンはさまざまなパーツや機構で構成されていますね。
メカニカルまた、エレクトロニクス ボディー構成などなど…..書ききれない複雑な機構を組み合わせ1台のマシンとして構築されています。
マシン毎に傾向的不具合も存在し、指定交換が促されているパーツが有ります。
ただ、これまでマシンがどの様な方法でリペア&メンテナンスを受けてきたか?
オーナーがどの様に使用してきたか?
どの様な保管をされてきたか?
色々な状況でメンテナンス個所が違ってきます。
指定交換に入っていないパーツでも使用状況によって寿命が長くもなりまた、短くもなります。
マシン内部の隠れた部分まで、的確なチェックが行われます。
常に定期的なマシンのチェックによりベストなマシンの維持が可能となります。
マシン毎の特性や、個々のパーツの構造及び、作動原理を知り尽くしたエンジニアが的確なチェックを行ないます。
各部チェックの結果、重大なトラブルが発生しているFerrari 430。
エキゾーストの排気不良です。
適正な排気が出来ない状態に陥っています。
この様なトラブルは、即エンジンブローを引き起こしてしまうトラブル。
ピンポイントでトラブルポイントを確定します。
エキゾースト トラブルポイントの主原因も確定。
F430もそろそろ使用状況などで許容範囲を超えたパーツが出てきていますね。
マシンによっては、ラバーパーツの劣化や、オイル漏れなども.......
痛んでいるパーツを早期にリペア&メンテナンスする事で、コンディションが保てます。
Ferrariには、多用されているダブルウィシュボーン サスペンション。
マシン剛性を確保し易くサスペンションが凹凸でバンプしたときのキャンバー角度の変化を最小限に抑えタイヤと路面のグリップを保つ事が出来タイプ。
ダブルウィッシュボーンは、アッパーアーム ロアアーム上下のロッド長や、アームの取り付け角度等を変えジオメトリーの変更が出来き、マシンのコントロール性等を任意に変えることが出来る為、フォーミュラカーなどのレーシングカーに向いています。
ただ構成パーツが許容範囲内のコンディションを保っていて、初めて全てが機能し始める為、確実なメンテナンスが必要ですね。
全てのチェックが終了したFerrari 430。
担当エンジニアが、確実に現状のマシンの状態を把握し切らせて頂きました。
内容をまとめ、現状のマシンの状態を分かり易く明記し送付させて頂いた上、御連絡させて頂きます。
今回のリペア&メンテナンス個所、また今後のメンテナンス個所。
現状のマシンの状態を全て記載した報告書を送付させて頂き、その中で1セクションを確実にメンテナンスする方法で決定しました今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
Ferrari 430 リペア&メンテナンス開始準備の為、リフトセクションへと…
リペア&メンテナンス開始です。
ボデープロテクターを装着。
エキゾーストの排気不良からリペア開始です。
エンジンが高回転になっても開かない状態。
即エンジンブローを引き起こす可能性が有るトラブル。
かなり酷使されていたのでしょう。
リヤーセクションより、リペア&メンテナンス開始です。
ミッションマウントの交換。
完全に切損している状態。
Ferrari専用SST(専用工具)を使用し、丁寧なリペア&メンテナンスを行います。
専用SSTを使用し作業する事により、キズや歪みを発生させる事無く分解組み立てが可能です。
また、組み込み精度が飛躍的に向上致します。
弊社では、Ferrariや、Lamborghiniを確実にメンテナンスする事が可能な様に、全ての専用SSTを完備しています。
これらのSSTは、入手不可能なFerrari社Lamborghini社の専用工具です。
弊社は、イタリア モデナに本拠を置くFerrari , Lamborghini のメンテナンス&レーシングマシン メンテナンス ファクトリー ディーラー ROSSO CORSA , SPA より、東洋で初めてFerrari , Lamborghini メンテナンス指定を受けていますので、全てのSSTを完備し、最新のデーターや、情報でマシンを確実にメンテナンスする事が可能なのです。
ミッションマウントを新旧比べた画像です。
画像右がニューパーツ。
画像左がマシンより取り外したマウント。
エンジン、ミッション、デフといった機関内部では、部品が回転する事でさまざまな振動が発生します。
その為、こうした機関と、ボデーとの間に振動が直接伝わらないようにする働きを持たせるのが、各マウント類。
取り外したマウントは、パーツ構造体としての役割を完全に消失してしまっている状態。
マシンの骨格でもあるフレームや、各補器類に確実に多大なダメージを与えてしまいます。
また、コーナーリング性能等マシン本来のポテンシャルをも損ないます。
リペア完了。
続いてエンジンマウントの交換。
一見の外観では、全く問題ない様に見えます。
交換するかどうかの判断は、的確なチェックと、エンジニアのテストランによる、ドライバビリティーでの判断で行います。
取り外した右側エンジンマウント。
取り外した左側エンジンマウント。
画像右側は、ニューパーツ。
左右共にミッションマウント同様パーツ構造体としての役割を完全に消失してしまっている状態。
サイドからの画像。
左がニューパーツ。
右が古いマウント。
マシン装着状態ではこの状態で見えるので問題無い様に見えますが、内部は上部の画像の様に切損し使用に耐えるパーツでは無くなっています。
マシン装着状態での的確なトラブルシューティングで、要交換または、再使用かは判断します。
左2setが組み込むニューパーツ。
周辺部分をクリーニングアップし、クリーンな状態から組み込んだニューパーツ。
組み込みもマシンに合わせ最適化した基本ベースへと...
的確にリペア&メンテナンスを行う事で本来のマシンポテンシャルを取り戻します。
続いてエンジンオイル漏れのリペア&メンテナンスに入ります。
上記が右バンクの状態。
左バンクの状態。
エキゾーストマニホールドにまで達しているオイル。
高温に達するマニホールド上で漏れ出したオイルが焼け変色しています。
この状態では最悪車輌火災を引き起こす可能性が有る危険な部分です。
リペア&メンテナンスを行ないます。
リペア作業が進みます。
分解時に接合部全面の歪みを計測。
歪が発生してしまっている接合面を、専用機器を用い完璧に歪みを抜き取ります。
シール類の交換だけでなく、全てのリペア&メンテナンスに一手間かける事で、メンテナンス後の精度が飛躍的にアップ。
結果リペア&メンテナンス部分のライフが永くなりマシンにも優しい。
随所に、この様なパーツが多々存在します。
メンテナンス&クリーニングアップ作業開始です。
接合面の歪み取りメンテナンスも完了。
同時にバルブカバー内部のスラッジや、汚れも完璧にクリーニングアップ終了です。
バルブカバー結晶塗装アップ画像。
独自のクリーニングアップ方法で、結晶塗装の隅々に付着致していた汚れを細部までクリーニングアップ。
本来の発色を取り戻した結晶塗装。
スッキリ!!
パーツクオリティーにこだわり仕上げたパーツを組み込み。
規定締め付けトルクで確実にロックします。
的確なトルク管理での締め付けが必要不可欠です。
他の部位も同様に必要な事ですね。
分解したか? していないのか?
分解がされた事が分からない程の精度で組み込まれます。
続いて、左右エキゾーストのリペア。
錆なども全て除去。
エキゾーストと同じ素材でパッチを製作。
強度を持たせリペアします。
周辺部分のリフレッシュも実施。
エキゾースト リペア&メンテナンス完了です。
続いて、現品でのリペア完了の排気バルブ。
組込み開始です。
左右組込みまた、作動チェックも終了。
基本作動を取り戻したエキゾーストシステム。
これで気持ちよくアクセルを踏み込めます。
周辺部分もクリーニングアップ。
フル エキゾースト リペア&メンテナンス完了です。
リペア&メンテナンスに伴う分解パーツまた、周辺部分も全てクリーニングアップ後組み込み。
スッキリ!!
続いて足回りのメンテナンスに入ります。
メンテナンスメニューの、1セクション。
サスペンション フルブッシュのリペア&メンテナンス。
現状のR/H画像。
同じく現状のL/H。
クリアランスが許容範囲を超え各アームにガタが発生。
本来のドライバビリティーを発揮できない状態の430。
これより的確なリペア&メンテナンスを行います。
今回はサーキット走行でのポテンシャルアップを図るためバージョンアップしたパーツを組み込みます。
以前のメンテナンス歴が分からない為、分解と同時に各部のトルクチェック。
パーツ1つ1つ動きも単体にし、完璧にチェックが行われ分解されたフロントセクション。
フロント同様、同じプロセスで分解されたリヤーセクション。
これより組込み時に異物のかみこみを避ける為、リペア&メンテナンス前にクリーニングアップを行います。
また、クリーンな状態からクラックチェック等実施していきます。
フロント R/H L/Hのクリーニングアップも終了。
また、クリーンな状態からアルコア社製フレームのクラックチェックも終了。
ブレーキシステムも同時にリフレッシュ。
同じプロセスが行われたR/H L/H リヤーセクション。
組込みに備えます。
リペア&メンテナンスの為、マシンより取り外したフロント サスペンションアーム現状の画像です。
Ferrari専用SST(専用工具)を使用し、アームに傷や歪みを発生させる事無く、確実にブッシュを分解。
リヤー サスペンションアームの現状の画像。
単にブッシュ交換だけに留まらず、汚れまた錆の発生している各アームのリフレッシュも同時に行ないます。
これにより1つ1つの構成パーツを100%確実にリセットしていきます。
リフレッシュ&メンテナンス完了のフロント サスペンションアーム。
リフレッシュ&メンテナンス完了のリヤー サスペンションアーム。
右がノーマルの1体式ラバーブッシュ。
左がアップグレード ブッシュ。 今回、全てのブッシュをこのタイプへと換装します。
アップグレード サスペンションブッシュは、純正のラバーブッシュと交換する事で、サスペンションアライメントの無駄な動きを抑え、剛性アップ ロール角の減少 ステアリングレスポンスの向上 トラクションの向上 コーナーリング、ブレーキング、加速性能を向上させます。
リジット サスペンションブッシュとまではいきませんが、モータースポーツにおける過酷な条件に耐えうるブッシュです。
性能向上の反面、ストリートでの使用には向きません。
素材・構造の違いから、路面の凹凸の影響で早期にガタが発生したり、また破損し易くノーマル ラバーブッシュよりも短いスパンでの交換が必要になります。
また、定期的なチェックとメンテナンスが必要となります。
基本凹凸の無いサーキット使用を前提としたブッシュです。
メンテナンスが完了したアームにアップグレード ブッシュを組み込みます。
組込みにもFerrari専用SST(専用工具)を使用し、確実にブッシュを組み込みます。
アップグレード ブッシュ組込み終了のフロント サスペンションアーム。
同じくリヤー サスペンションアーム。
続いて、リヤートラックロッドのオーバーホール&クリーニングアップ開始です。
現状のリヤートラックロッド。
この部位は、メンテナンスが見逃されている場合がほとんど。
新車時から年数が経過すると、固着し本来の機能を発揮出来なくなります。
チェックした結果、現品オーバーホールで機能性を発揮できると判断。
高額なパーツを安易に交換せず、現品をオーバーホール&クリーニングアップします。
的確なチェックを行うには、高度な知識とノウハウが必要不可欠です。
リヤートラックロッド オーバーホール&クリーニングアップ完了です。
動作部分の重さも適切な動きを取り戻し、本来の機能を発揮出来るリヤートラックロッド。
続いて、フロント スタビライザーマウントの交換&クリーニングアップを行います。
現状のスタビライザーマウントの画像です。
スタビライザーの役割は、コーナーにおいてマシンのロールを抑えることにあります。
車体のロールを規制することにより左右方向への荷重移動を早める為、ハンドリングのレスポンスが高まります。
また、ロール時アライメント変化を抑え、必要以上のロールを低減させ、コーナリング時マシンの安定をはかります。
そのスタビライザーをマシンに固定する役目のマウントをオーバーホールする事により、スタビライザーのパフォーマンスを100%引き出すことが可能となります。
画像上が使用許容限度を超えてしまっていたマウント。
下がニューパーツ。
同じくリヤー スタビライザーマウントも交換&クリーニングアップ。
現状のスタビライザーマウントの画像です。
画像上が使用許容限度を超えてしまっていたマウント。
下がニューパーツ。
関連部分のメンテナンス&クリーニングアップを実施しニューパーツを組み込みます。
フロント スタビライザーマウントの交換&クリーニングアップも完了。
同じくリヤー スタビライザーマウントの交換&メンテナンス クリーニングアップも完了。
本来の機能を発揮出来るマシンへと...
Maintenance Reportでは全ての画像をアッブ出来ませんが、ポイントをオーナーに見て頂ける様、かいつまんでアップしています。
リペア&メンテナンスの新旧パーツ 対比画像また、セットアップ中の画像 製作過程や交換過程の画像。
また、分解工程も詳細に撮影していますのでDVD-Rで、お渡しします。
続いて、サスペンション システムの現状。
作動を良くする様、メンテナンス&クリーニングアップを行います。
メンテナンス&クリーニングアップを実施したサスペンション システム。
フロント アップライトの現状。
同じくリヤー アップライトの現状。
細部に至りクリーニングアップをし、クラックチェックまたガタの的確なチェックが行われます。
同時にメンテンスも実施します。
チェックまた、メンテナンス&クリーニングアップ完了のフロント アップライト。
同じくリヤー アップライト。
メンテナンスで機能性を取り戻し、クリーニングアップにより機能美まで取り戻したフロント&リヤーアップライト。
続いて、フロント&リヤブレーキローターのメンテナンス&リフレッシュ。
面圧が大切な部分に錆が発生しています。
加工修正も同時に行います。
メンテナンス&リフレッシュ後のブレーキローター。
使用許容範囲に十二分な機能を持っているパーツは安易に交換する事無く、メンテナンスし再使用します。
ただ、再使用するだけては無く、全て徹底的にメンテナンス&リフレッシュをし再使用します。
組込みに入ります。
R/H フロント&リヤ。
クリーンなフレームに、リペア メンテナンス&リフレッシュしたパーツ群を的確に組み込みます。
同じくL/H
組込みが進むR/H
同じくL/H
ただ単に組んでも、100%のポテンシャルは、発揮出来ません。
組み付け方にもノウハウがあるんです。
フロント&リヤーセクション組み込み終了です。
単にブッシュ交換や、オーバーホールだけに留まらずメンテナンス部位関連のリフレッシュも同時に行ない1つ1つの構成パーツの機能性のみならず、見た目にも新車時の輝きを取り戻しました!
続いて油脂類の交換です。
まずエンジンオイル&オイルフィルターの交換。
エンジンオイルは、ベースオイルで色々と分類されます。
鉱物油
部分合成油
化学合成油
PAO
エステル
植物油
規格で分けると...
API規格
ILSAC規格
SAE規格
ACEA規格
JASO規格
粘度による分類では...
SAE粘度
HTHS粘度
色々と各社ラインナップが有りますが、メリットとデメリットが有り、マシンモデル毎また、使用する部位また、マシンの使用用途などを全て加味し、1番適切なオイルを選択します。
メーカー指定純正オイルが1番無難と言えば無難なのですが、全てのモデルに1番適切なオイルかと言えば疑問です。
新車時のエンジンに注入されているオイルは、メーカー指定純正オイルでは無く、初期馴染みなどなどを考慮した、ファクトリー専用の非常に高額なオイルです(一般には流通しない特殊な高性能オイル)。決してメーカー指定純正オイルでは無いんです。
モデル毎にオイルに添加されている成分内容や粘度などなど…を変更しベストなオイルをチョイスし交換する事により、より一層マシンをベストな状態へと導きます。
現状、かなり使い込まれている様ですね。
もう少し早めの交換をお奨めします。
ドレンボルト インナー&アウターもキッチリクリーニング。
続いて、オイルエレメントの交換。
エンジンオイルにはエンジン内部を清浄に保つ為にオイル中の汚れやゴミを取り込むオイルフィルターがありますね。
オイルフィルターがあると、エンジンオイルがそこを通過することにより、オイル内に取り込まれていた金属粉やスラッジ(ホコリや燃焼カスなどの不純物)が濾し取られます。
特に金属粉は、放置すると研磨剤と同様の効果をエンジン内に及ぼしてエンジン損傷の原因になる為、その除去は重要です。
オイルフィルターのろ過能力は上げ過ぎると油圧上昇や目詰まりなどの不具合を引き起こす可能性がある為にその性能はある一定のところで抑えられています。
その為オイルフィルターですべての金属粉やスラッジ等が除去できる訳ではないんです。
また、オイルフィルターの能力が低下し目詰まりを起こした場合を想定してバイパス機構を備えています。
フィルターが目詰まりしてエンジン内各所にオイルが供給できなくなると、エンジンが焼き付く原因となるからです。
ただしこの機構はあくまで非常用であり、的確なスパンでの交換が必要です。
また、交換時は的確なトルク管理の下での交換が必要です。
フランジや、その周辺に付着している砂や埃を取り除きクリーンな状態に…
周辺部分もクリーニングアップ。
交換終了。
続いてミッションオイルの交換。
エンジンオイルの交換はオーナーが1番気にし交換されますが、ミッションオイルも忘れてはいけない油脂類の1つ。
ギヤーの焼き付きを避け、またシフトフィーリングまでよくなるミッションオイル。
シフト操作をするとミッション内部で大きなギヤーが噛み合ったり、外れたりしますよね。
ギヤーオイルには、潤滑 冷却 防錆 応力分散の4つの作用が求められます。
エンジンオイルでは、これに加えて密閉作用や洗浄作用が要求されますがギヤーオイルの場合この効果はほとんど必要が無いでしょう。
それよりも重視されるのが応力分散作用ですね。 この作用がしっかりと発揮できるミッションオイルを使用しないと、ギヤーの焼き付きなどのダメージに繋がったり、シフトフィールの悪化に直結します。
マシンやモデルまた、使用用途に応じてオイル成分や、粘度などなど……選択します。
ミッションオイルもかなり使い込まれている様ですね。
もう少し早めの交換をお奨めします。
ミッションも破損すると非常に高額なリペアになるので、交換スパンはキッチリと…
ミッション ドレンも同様に…
続いてブレーキオイルの交換。
ブレーキオイルも同様に........もう少し早めの交換を。
現状のブレーキオイル&リザーバタンクの状態。
リザーバタンク内部また、周辺部分もクリーニングアップ。
クリーンな状態から専用機器で交換を実施。
ブレーキオイルの交換時期はオイルの色などでも簡単な判断はできますが、交換基準はあくまで使用期間、水分吸収量、劣化で判断します。
サーキット走行後は、ブレーキに与える熱量が非常に大きい為、熱によるブレーキオイルの膨張などが繰り返され劣化が急激に進みます。
通常のストリートでの使用また、乗らなくても1年毎の交換をお奨めします。
ブレーキオイルは吸湿性が高く大気中の水分を吸収する為、期間の経過と共にブレーキオイル内の水分量が多くなり沸点が下がってしまいます。
そのまま使用し続けるとハードブレーキを繰り返したときにブレーキオイルが沸騰し気泡が発生し、踏力によって発生した圧力は気泡を圧縮するだけで制動力を発生させることができず、ブレーキが効かなくなります。
これをベーパーロック現象と言い、大変危険な現象の一つです。
ハードブレーキはしないから...と思うオーナーも多いでしょうが、発生する不具合はこれだけでは無く色々な不具合を発生させます。
ブレーキオイルの水分吸収量が多くなると、キャリパーピストンに錆が発生しピストン固着やブレーキの引きずり、片効き等々を引き起こします。
ブレーキ系統による危険性を良く理解したうえでメンテナンスを行いましょう。
F430のマシンスペックまた、使用用途に適したオイルで交換完了。
続いて、F1マチックのオイル交換に入ります。
FerrariのF1 マチック交換は全てのマシンに共通し、Ferrari純正車両診断テスターをマシンに接続しないと交換不可能です。
Lamborghini のeギヤーオイルも同様です。
破損してしまうと非常に高額なパーツですので、的確な機器でのメンテナンスが必要です。
F1 マチックオイルもマシンにベストなオイルをチョイス…
近年のFerrariは、ダウンフォースをアンダーフロアーで稼ぐ為、マシンフロアー全面 アンダーカウルで覆われています。
中々オーナーが目にする事の無い部分です。
チェック&リペアまた、メンテナンスに伴い分解した、アンダーカウルやフェンダーライナー類。
分解したパーツは通常問題が無いので、そのまま組み込まれるのが一般的です。
分解パーツを1点1点リフレッシュする事で、見た目にもスッキリし、トラブルを未然に防ぐ事も兼ね全て組み込み前に表裏共にクリーニングアップします。
細部まで完璧にクリーニングアップを実施。
クリーンな状態で組込みに備えます。
リペア&メンテナンス同様に、隠れた箇所ほど重要です。
各部の仕上げは、レザーの素材、ペイントの素材、各部の構成パーツなどなど…..
素材を熟知したエンジニアにより、部位部位に1番適した、本来の素材を蘇らす意味での仕上げが行われます。
ケミカル用品で一時的に艶を出す様な安易仕上げはしません。
そこまで拘り抜き、メンテナンスから最終仕上げまで行ないます。
組み込み位置も見直し、チリの調整も確実に...
組込み完了です。
続いて、ホイールの現状の画像です。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
4輪全てクリーニングアップ開始です。
ホイール クリーニングアップ終了後の画像です。
4輪全てホイール内側&表側共に、本来の輝きを取り戻しました。
レーシングフックの取り付け。
以前使用されていたフック。
ホール部分はカーボンで製作。
装着完了。
続いて、コーナーウエイト&アライメントの測定&セットアップに入ります。
レース用アライメント測定機器のセット完了です。
サーキットでは、常にアライメント等、即座に変更出来る様、コンパクトな機材を使用します。
トーのチェック&セットアップ。
当然4輪フルアライメント機器は完備致しておりますが、逆にレース車輌では、昔ながらのアナログな方法が1番です。
キャンバーのチェック&セットアップ。
最終コーナーウェイトのチェック。
コーナーウエイト&アライメントの測定&セットアップも終了。
続いて、全てのリペア&メンテナンス終了後の最終セットアップ。
入力されていたERRORコードなども、全てリセット。
また、センサー&アクチュエーターのアダプティブ。
電子制御部位は、Ferrari純正車両診断テスターSD3で最終チェックまた、セットアップを実施します。
よくセットアップしましたと言う言葉は聞きますが、トラブルコードの消去だけではセットアップとは言えません。
メカニカル面も、担当エンジニアにより的確な最終チェックまた、セットアップが行われます。
独自のセットアップも終了。
最終クリーニングアップ実施後のエンジン&エンジンルーム。
Maintenance Reportでは全ての画像をアッブ出来ませんが、ポイントをオーナーに見て頂ける様、かいつまんでアップしています。
メンテナンス工程も詳細に撮影していますのでCD-R2枚分(約350枚の画像)で、お渡しします。
エクステリア&インテリアも最終仕上げ終了です。
全てのリペア&メンテナンス終了のFerrari F430 。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の1部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全ての、リペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影致しております。
詳細な写真(CD-R2枚に落として有ります)及び、今回のメンテナンス内容、また今後のメンテナンスメニュー書類も分かり易く作成していますのでマシンと一緒にお持ち致します。
いつもメンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。