ウエッブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
いつもFerrari 512BB メンテナンス御依頼誠に有り難う御座います。
弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたFerrari 512BBを積んでファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
今回も、ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
Ferrari 512BB チェック開始の為、リフトセクションへと.......
Ferrariが1976年~1981年にかけて929台をラインオフした512BB。
365GT4BBの排気量を600ccアップし4942ccのベルリネッタ・ボクサーエンジンには、4基のトリプル・チョーク・ウェーバーキャブレターで武装。
エクステリアは、ピニンファリーナとスカリエッティの共同作品。
流麗かつ低いスタイルで、クーペのお手本のようなデザインですね。
この時代のFerrariは製造時期で、細かな仕様やパーツが常にアップデートされ個々のマシンの仕様が微妙に違います。
WEBERトリプルチョーク キャブレター
1基のキャブに3つベンチュリー経路
左右バンクに合計4基。
要件によりエンジンの初期性能が発揮できなくななっているマシンが非常に多いです。
メカニカル&エレクトロニクス関連も全てチェック。
構造や基本原理を熟知したエンジニアが各項目を全て個別にチェックします。
続いて、メカニカルチェック。
年数的、指定交換パーツ。
走行距離的、指定交換パーツ。
Ferrari 512BBの仕様 各モデルの傾向的不具合発生ポイント。
また、マシンの使用状況や、保管状態により、個々のマシンの状態が全く違います。
全て的確なチェックが行なわれます。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの1部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解がある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返しマシンより受ける衝撃や、恒に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。
必ずしも指定交換に入っていないパーツでも使用用途や保管状態などでパーツの寿命が、長くもなりまた、短くもなります。
マシン毎の特性や、個々のパーツの構造及び、作動原理を知り尽くしたエンジニアが的確なチェックを行ないます。
マシン内部の隠れた部分もチェック。
定期的にチェックをする事で、よりベストな状態で維持が可能となります。
エンジン フロントセクションからのオイル漏れの画像。
2次的ダメージを引き起こすオイル漏れ。
エンジンリヤーセクションからも...
ウオータポンプからエンジン冷却水のリーク。
漏れ出したエンジン冷却水がオルタネータに…….
エンジン冷却水の主成分は、エチレングリコールという化合物と水で構成されています。
オイル同様の不具合をオルタネータに発生させてしまいます。
オルタネーターは交流発電機と、発生した交流電力を直流電力に変換する整流器で構成されるエレクトロニクスパーツ。
内部はローターコイル ステーター ダイオード IC 等の電機子より三相交流電力を取り出す構造です。
オルタネータ内部にエンジン冷却水が廻ると絶縁コードが溶解し、オルタネータにトラブルが発生します。
2次的不具合発生ポイントですね。
現状の、サスペンションアーム ブッシュのアップ画像です。
対応年数の超過で劣化しているサスペンションブッシュ。
ラバーパーツの劣化は、ゴム材料が持っている機能が許容限界以下に低下することにより発生してしまいます。
パーツ構造体としての機能が使用に耐えなくなる状態が発生しマシンにダメージを与えてしまいます。
サスペンションブッシュの役目は、路面の凹凸の衝撃を、ボデーに入力されることを防ぎます。
衝撃からフレームや、ボデーを守る働きを持たせるのが、サスペンションブッシュの役目。
経年劣化によるヘタリが、許容範囲を超えて落ち込んだり、亀裂が入ってしまうと、ボデー全体に振動が直接入力され、常にの衝撃で、結合部が破損したり、ボデー自体に致命的なダメージを与えます。
見逃されがちなサスペンションブッシュ。
マシンには、非常に重要な個所ですし、交換する事で、ボデー自体を確実に守り、またドライバビリティも格段にアップします。
今まで何だったんだろうと言うぐらい、驚くほど体感出来きる部位の1つです。
続いて、ブロアー&エアコンに不具合が生じています。
オーナーに分解許可を頂きましたので、更に奥深くトラブルシューティングを進めます。
ピンポイントで不具合発生ポイントを確定します。
的確なトラブルシューティングが進みます。
先程は、お忙しい中お電話にてご対応頂き有り難う御座いました。
今回のメンテナンス個所。
ご予算の中で決定しました今回のメンテナンスメニュー。
準備整い次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
Ferrari 512BB 実作業開始の為、リフトセクションへと.....
WEBERトリプルチョーク キャブレターのセットアップ開始です。
4基のWEBER。
アクセルを開けた時にスロットルバルブ開度が異なり安定したアイドリングまた、フルパワーを得られず本来のキャブレターの性能が損なわれているマシンも多々有ります。
エンジンの回転数が上昇する過程で回転が一定に上昇しない時なども、その回転域のセッティングがうまく出ていない場合もある非常に繊細なキャブレータ。
続いて足回り&ブレーキシステムのリペア&メンテナンス。
300k近くで走るロードゴーイングマシン。
定期的な、足回り&マシン全体のトルク管理が必要です。
各部の調整と同時に、締め付けトルクのチェックまた各部の動きが機敏になるメンテナンスも開始です。
また、同時に分解時にしか出来ないフェンダー内部の隅々まで、クリーンニグアップも行ないます。
中々オーナーが目にする事の無い部分。
また、雨天使用しなくてもダストや、砂などが付着してしまう部分。
現状のフロントフェンダー内部の画像です。
同じくリヤーフェンダー内部です。
足回りのメンテナンスまた、クリーニングアップ後のフロントサスペンションシステム。
ダストや、砂などをクリーニングアップする事により、本来の機能がより機敏になると共にクリーンな状態を取り戻しました。
きめ細やかなメンテナンス&クリーニングアップを施します。
同じく、メンテナンス後のリヤーサスペンションシステム メンテナンスも終了。
クリーニングアップも隅々まで丁寧に仕上げました。
ホイールスピンナー。
左が現状の状態。細かな錆が発生し曇ってしまっています。
右が現品リフレッシュ後のスピンナー。30年前の華々しさを復元しました。
4set全てリフレッシュを行い組込みに備えます。
続いて、ホイールの現状の画像です。
ブレーキダストなどの汚れが固着してしまっているホイール。
センターキャップのメッキもスピンナー同様、細かな錆が発生し曇ってしまっています。
4輪全てメンテナンス&クリーニングアップ開始です。
ホイール クリーニングアップ終了後の画像です。
4輪全てホイール内側&表側共にクリーンな状態に……
センターキャップもキラリ!!
メンテナンス終了後の最終セットアップ。
独自のセットアップを施しFerrari 512BBのポテンシャルを余す事無く引き出します。
このプロセスが重要です。
独自のチェック&セットアップも終了。
最終クリーニングアップ実施後のエンジン&エンジンルーム。
エクステリア&インテリアも最終仕上げ終了です。
全てのメンテナンス終了のFerrari 512BB。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の1部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全ての、リペア&メンテナンス中の分解画像。
全て担当エンジニアが撮影致しております。
詳細な写真(CD-Rに落として有ります)及び、今回のメンテナンス内容、また今後のメンテナンスメニュー書類も分かり易く作成していますのでマシンと一緒にお渡し致します。
いつもメンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。