ウエッブサイトへの掲載を了承頂きましたので、随時画像の方をアップさせて頂きます。
今回、 Ferrari 575 M マラネロ メンテナンス御依頼誠に有り難う御座います。
弊社4t積載車が、お引取りさせて頂きましたFerrari 575 M マラネロを積んでファクトリーに戻って参りました。
只今よりご入庫時のエクステリア&インテリアの傷などのチェックに入らせて頂きます。
ご期待にお答えする各部のチェック及びメンテナンスを実施させて頂きますので宜しくお願い致します。
オーナーご依頼個所チェック&マイスターチェック開始です。
まず、第1段階。
Ferrari純正車両診断テスター SD2にて、575 M マラネロ 車輌コントロールユニットと交信開始です。
ErrorコードのみのチェックではなくFerrari純正車両診断テスター SD2を100%駆使しマシン全体のエレクトロニクス関連の状態や、調整の状態を詳細に把握します。
各部の作動状況や出力波形に至るまで、コンピューター上で、できうる全てのエレクトロニクス関連のチェックを行い現状のマシンの状態を把握します。
SD2を駆使し取得した各部のデーター。
現状のFerrari F575 マシン全体のエレクトロニクスパーツの作動状況。
また、メカニカルのセットアップ状況。
各部、関連個所のデーター取得。
最新のデーターとも比較し、チェック完了です。
SD2で取得したデーターは、あくまでもデーターとし受け止めます。
データー全てを鵜呑みにせず、各個所が的確な状態で作動しているかを各機器を使用し単体点検を実施。
更に奥深くまで、独自のチェックが担当エンジニアにより進められます。
エレクトロニクス関連を、大きく分別すると下記の3項目が代表的な項目です。
1 入力: 電子的・機械的なセンサ(または変換器)で、温度、圧力、電磁場等の物理量をシステムの外部から取得して、電流信号や電圧信号に変換するあらゆるチェック。
2 信号処理回路: 組み合わされた電子素子により信号を操作し、解釈したり、変換したりする個所のチェック。
3 出力: アクチュエータや他の素子(変換器も含む)により、電流・電圧信号をマシン システムにとって有用な形態に再変換されているかなどのチェック。
この3項目からまだまだ、項目別に分類。
電脳化が進んだマシンをメンテナンスするファクトリースキルとして、上記の項目などなど……..を、完全に把握し、あやつり切る能力が無ければ、近年のマシンを的確にトラブルシューティングまた、セットアップする事は困難ですね。
あやつり切るには、非常に高度な知識がファクトリー側に必要です。
続いて、各部のメカニカルチェック。
年数的、指定交換パーツ。
走行距離的、指定交換パーツ。
Ferrari F575M 各モデルの傾向的不具合発生箇所。
また、マシンの使用状況や、保管状態により、個々のマシンの状態が全く違いますので同時に的確なチェックが行なわれます。
指定交換パーツの中には、色々な素材のパーツが有ります。
代表的な素材の指定交換パーツの1部。
1 ラバーパーツなどは、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解がある程度の年数で起こってしまいます。
2 金属製パーツでは、継続的に、また繰り返しマシンより受ける衝撃や、恒に動いている作動パーツに金属材料としての強度が低下し、疲労が発生してしまうパーツ。
3 金属だけではなく樹脂パーツやカーボンパーツでも劣化は発生します。
必ずしも指定交換に入っていないパーツでも使用用途や保管状態などでパーツの寿命が、長くもなりまた、短くもなります。
マシン内部の隠れた部分また、アンダーカウル内部まで、担当エンジニアにより的確なチェックが行われます。
恒に定期的なマシンのチェックによりベストなマシンの維持が可能となります。
全てのチェックを完了させて頂きましたFerrari 575 M。
担当エンジニアが、確実に現状のマシンの状態を把握し切らせて頂きました。
内容をまとめさせて頂き、現状のマシンの状態を分かり易く明記し送付させて頂いた上、御連絡させて頂きますので宜しくお願い致します。
今回のメンテナンス個所&今後のメンテナンス個所。
現状のマシンの状態を全て記載した報告書を送付させて頂き、その中で1セクション1セクション確実にメンテナンスする方法で決定しました今回のメンテナンスメニュー。
パーツ入荷次第、実作業に入らせて頂きますので宜しくお願い致します。
今回のリペアー&メンテナンスメニュー パーツ全て入荷しました。
早速、実作業に入る準備に入らせて頂いています。
細部までプロテクションカバーを装着。
実作業開始です。
タイミングベルト交換&ウオーターポンプOHを行なっていきます。
分解個所全てのチェックと同時に、クリーニングアップも同時に行い分解されます。
これは、砂や塵が作業中パーツ内部への混入を避ける為、またクリーンな状態で分解関連パーツの的確なチェックの為、実施されます。
クリーニングアップも終了。
各部メンテナンス開始です。
クランクギヤーのアップ画像。
ギヤー部分に錆が発生してしまっています。
この状態ですと、紙やすりで削る様な作用が発生します。
その為、タイミングベルトを攻撃してしまい、指定交換時期まで、タイミングベルトが持たない可能性があります。
現品のギヤー全てを専用機器を使用し加工修正します。
上記クランクギヤー加工修正後の画像。
同様に加工修正後のカムシャフトギヤーのアップ画像。
全てのギヤーの錆を取り除き、クリーニングも完了です。
これで、シッカリとタイミングベルトが噛み込み、またタイミングベルトを攻撃する脅威も完全になくなりました。
1つ1つの細かな作業には、全て理由が有ります。
続いて、分解された現状のウオータポンプ。
フルOH開始です。
オーバーホール時に、ウオータポンプ側、接合面またエンジン側、接合部分を、専用機器を使用し発生している歪みを抜き取ります。
この作業により接合部分の精度が飛躍的にアップし、確実な装着と共に冷却水漏れを防ぎます。
現品 ウオータポンプ フルオーバーホール完了です。
接合面の歪みを抜きも実施。
インナー&アウターフランジ部分また、主軸部分に付着していたエンジン冷却水の垢も完全に除去。
同時に、クリーニングアップも実施。
続いて、タイミングベルト テンショナーベアリングの画像です。
右が現車に装着されていた、純正のベアリング。
ベアリングシールラバーが劣化し、内部の潤滑用グリスが漏れ出しています。
また、タイミングベルトとの接触面にも錆が発生し、またグリス漏れにより回転抵抗も増大してしまいます。
常に接触しているテンショナーベアリング。
タイミングベルトのライフを短くしてしまうと共に、エンジンレスポンスも低下してしまいます。
純正ベアリングは、素材や処理の問題が有りタイミングベルト交換時、常にの交換が必要です。
左が今回装着するオリジナルのタイミングベル トテンショナーベアリングです。
アウターケースは無垢材より削り出し製作。
錆の発生を完全にシャットアウトする亜 鉛メッキ処理を施工。
ベアリング本体には、国産最高級ベアリング NTN製のベアリングを使用。
国産最高級ベアリングを 使用する事により、回転負荷の著しい軽減が可能。
タイミングベルトへの負担を最小限に抑えます。
オリジナルのタイミング ベルトテンショナーベアリングを使用する事により、エンジン回転も非常にスムーズになりタイミングベルトへの負担も著しく軽減。
全ての問 題を完全にクリアーしたタイミングベル トテンショナーベアリングです。
タイミングベルト&オリジナル テンショナーベアリングまた、フルOH後のウオータポンプも組み込み終了。
現状のタイミングベルトケース内部の画像です。
タイミングベルトラバー粉や、塵が付着した内部。
新しいタイミングベルトに付着しない様、クリーニングアップします。
同じく現状のVベルトカバー。
タイミングベルトケース内部また、アウター側のクリーニングアップ後の画像です。
Vベルトケースも同様にスッキリ。
組込みが進みます。
分解したか? していないのか?
分解がされた事が分からない程の精度で組み込まれます。
エアクリーナーBOXもリフレッシュ。
続いて、ボンネットキャッチプロテクター破損のリペア。
破損部位を分解。
取り付け部分を加工 修正。
同時にクリーニングアップ。
組み付け終了。
どの様なメンテナンスに関しても妥協する事無く、納得した作業を行います。
ホースクランプが装着されておらず遊んでしまっている状態。
見えない箇所には色々と不具合が有りますね。
現品でナッター加工。
続いてF1マチック オイル漏れのリペア開始です。
F1マチックシステムは、基本非分解で有りリペアパーツの供給はほとんど有りません。
しかしアッセンブリー交換では非常に高額なパーツです。
今回はトラブルシューティングの結果、致命的破損に至る前でしたので、必要パーツを製作し現品のF1マチックシステムをリペアします。
必要パーツを製作し現品のF1マチックシステムをリペア終了。
同時にクリーニングアップも行い、オイル漏れ個所もスッキリ!!
300k近くで走るロードゴーイングマシン。
定期的な、足回り&マシン全体のトルク管理が必要です。
各部の調整と同時に、締め付けトルクのチェックまた各部の動きが機敏になるメンテナンスも開始です。
また、同時に分解時にしか出来ないフェンダー内部の隅々まで、クリーンニグアップも行ないます。
中々オーナーが目にする事の無い部分。
また、雨天使用しなくてもダストや、砂などが付着してしまう部分。
現状のフロントフェンダー内部の画像です。
同じくリヤーフェンダー内部です。
上記、足回りのメンテナンスまた、クリーニングアップ後のフロントサスペンションシステム。
ダストや、砂などをクリーニングアップする事により、本来の機能がより機敏になると共にクリーンな状態を取り戻しました。
きめ細やかなメンテナンス&クリーニングアップが、担当エンジニアにより随所に施されます。
同じく、メンテナンス後のリヤーサスペンションシステム メンテナンスも終了。
クリーニングアップも隅々まで丁寧に仕上げました。
各部メンテナンスと同時に施工する、クリーニングアップ。
各部の仕上げは、レザーの素材、ペイントの素材、各部の構成パーツなどなど….. 素材を熟知したエンジニアにより、部位部位に1番適した、本来の素材を蘇らす意味での仕上げが行われます。
ケミカル用品で一時的に艶を出す様な安易仕上げは、一切行われません。
各部のクリーニングアップは全て作業の一貫と考え行います。
続いて、ホイールの現状の画像です。
ブレーキダストなどの汚れが付着してしまっているホイール。
4輪全てクリーニングアップ開始です。
ホイール クリーニングアップ終了後の画像です。
4輪全てホイール内側&表側共に、本来の発色を取り戻しました。
マシン全体のチェック終了。
トルク管理は非常に重要なメンテナンスです。
モデルまた、部位毎にFerrari指定の規定トルクは存在します。
また、色々なノウハウの中で変化させる部位も有ります。
オーナーは、まず目にする事が無い部分。
マシンアンダーカウルを取外したカウル内側現状の状態。
砂や泥汚れ、漏れ出しているオイルが付着した現状。
組み込み前にクリーニングアップを行います。
上記、フロアーカウル クリーニングアップ後の状態です。
他のカウルも同様にクリーニングアップが行なわれます。
隠れた箇所ほど重要ですね。
マシン フロアー部分も完璧にチェック&メンテナンス。
クリーニングアップしたカウル類の組み込みも終了。
メンテナンス後の最終のセットアップ。
入力されていたERRORコードなども、全てリセット。
電子制御部位は、Ferrari純正車両診断テスターSD3で最終チェックまた、セットアップを実施します。
メカニカル面も、担当エンジニアにより的確な最終チェックまた、セットアップが行われます。
リセット&独自のセットアップも終了。
最終クリーニングアップ実施後のエンジン&エンジンルーム。
全ての作業終了のFerrari 575 M マラネロ。
エクステリア&インテリアも最終仕上げ終了です。
こちらのMaintenance Reportには作業内容の1部のみを抜粋し掲載させて頂いています。
実施した全ての、リペア&メンテナンス中の分解写真、また新旧のパーツ画像。
全て担当エンジニアが撮影致しております。
詳細な写真(CD-Rに落として有ります)及び、今回のメンテナンス内容、また今後のメンテナンスメニュー書類も分かり易く作成していますのでマシンと一緒にお持ちさせて頂きます。
今回、メンテナンス御依頼有り難う御座います。
今後とも末永い御付き合いの程、宜しくお願い致します。